奧の細道二人旅・酒田象潟

象潟1

海山、水陸の美しい風景を限りなくみてきて、今や(この旅の最北 の目的地である)象潟へと心がせきたてられる。酒田の港から東北の方へ、山を越え、 海岸をたどり、砂をふんでその間十里、日も暮れようとする頃(象潟へ着くと)、潮風が砂を吹き上げ、雨であたりがぼうっとして、鳥海山も見えない。暗闇の中に景を さぐり、雨中の景色もまたよいとすれば、この雨が晴 れたのちはどんなによかろうかと期待され、漁師の苫ぶきの狭い小屋にやっと入り込んで、雨の晴れるのを待った。

吹浦(遊佐町吹浦) 吹浦・大物忌神社
芭蕉は、元禄2年6月15日(新暦7月31日)に酒田を出発するが、大雨のため吹浦で一泊し、翌朝に山形と秋田の県境三崎峠を越えました。
吹浦漁港脇の出羽二見
吹浦・芭蕉句碑
あつみ山吹浦かけて夕涼み
吹浦十六羅漢
岩に十六羅漢が彫り込んである。
幕末の作であり芭蕉は見ていない。

はるか先に象潟が見える。
芭蕉もこうして眺めただろう。
神泉の水(かみこのみず)

遊佐町女鹿地区の鳥海山の伏流水があふれる共同の洗い場。古くからのしきたりを守り、6つに仕切られた洗い場で飲み水から野菜洗い、洗濯まで利用されている。
三崎峠越え

十六日吹浦を立。番所を過ると雨降出る。一リ女鹿、是より難所。馬足不通。 番所手形納。大師崎共、三崎共云。一リ半有。小砂川、御領也。庄内預リ番所也。入には不入手形。塩越迄三リ。
               曾良随行日記
三崎公園の奥の細道碑
上記随行日記が刻してある

タブの木の生い茂る道は昼なお暗かった
うやむやの関はこのあたりだったのか。 この山を越えると象潟です
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