山道の登り口
車2台のすれ違いはちょっと厳しい旧県道
山頂近くに駐車場があります
丸太小屋のような建物はトイレでした
山刀伐峠越え1 |
宿のあるじがいうには、ここから出羽の国へは、間を大きな山で隔てられ、道もはっきりしないので、道案内を頼んで行くのがいいとのことだった。 それならばというので、人を頼んだところ、屈強の若者が、反脇差しを差し、樫の杖を持って、我々の先に立って歩いていく。 今日こそきっと危うい目に遭いそうな日であると、辛い思いをして後をついていく。 宿のあるじが言った通り、山は高く森が深く、鳥の鳴き声一つ聞こえず、木下が枝が生い茂っていて暗くなっており、夜を行くようである。 杜甫の詩の「雲端につちふる」のような心地がして、笹藪を踏み分け踏み分け、水を渡り、岩につまづき、冷や汗を流して、最上の庄に出た。 あの案内してくれた男が言うには、この道では必ず何か良くないことが起こる。何事もなく送ることが出来て幸せだったといって、喜んで別れた後になって聞いてさえ、胸がとどろくばかりだった。 |