奥の細道二人旅・憧れの松島
石巻 宮城県石巻市
 12日、平泉へと志し、姉歯の松・緒絶えの橋など聞き伝えたが、人跡まれで、猟師や木こりの行きかう道もはっきりとも見分けがつかず、ついに道を踏みまちがえて、石の巻という港に出る。「こがね花咲く」と詠んで奉った金華山を海上に見わたし、数百の廻船が入江に集まり、人家は地をあらそって「建ち並び」、竈の煙は立ち続けている。思いもかけずこの様なところにも来たもんだなと、宿を借りようとするが、全然宿を貸す人はいない。ようよう貧しい小家で一夜を明かして、明ければまた知らぬ道を迷い行く。袖の渡り・尾ぶちの牧・真野の萱原などをよそ目に見て、遥かな堤を行く。心細い長沼に添って、戸伊摩という所に一宿して、平泉に至る。その間は20余里ほどだと思う。

遥か金華山を望む
 石巻市に入ったのが3時過ぎ。まぁここは芭蕉も道を間違えて来てしまったというくらいのところなので、芭蕉との係わりは薄いようです。ここでチェックすべきは日和山公園の「芭蕉と曽良の像」と「芭蕉句碑」。今日中に見ておこうというわけで向かったのですが、道がよくわからず。うろうろしているうちに公園の横に着きました。
日和山公園 宮城県石巻市日和ケ丘 見学自由
 日和山は、鎌倉時代、葛西氏の居城があったと伝えられています。標高は60メートルで、山というより岡でしょう。頂上には日和山公園と鹿島御児神社があります。公園からは石巻港を眼下に納めることができ、公園内には多くの歌人・詩人の碑がありました。
二人の像 日和山公園の「芭蕉と曾良の像」

芭蕉と曾良の像の脇から、北上川の河口と太平洋が望めます。奥の細道には金華山の文字が見られますが、実際には見ることは出来ないようです。
北上の流れ
目を転じると、北上川の流れが目に入ります。
芭蕉句碑
雲折々人を休め類月見可南

日和山公園の鹿島御児神社境内右の土手に、松に抱えられるようにありました。
斉藤茂吉歌碑
わたつみに北上川の入るさまの
ゆたけきを見てわが飽かなくに
 昭和6年11月来遊 その折の作品11首中の一首
宮沢賢治詩碑

明治45年5月、修学旅行で石巻を訪れ、日和山から初めて海を見て強い感動を受けた。
新田次郎歌碑
北上川の盡きるところのかすみには
なおとまどいの青き波かな

昭和48年「アラスカ物語」取材のために石巻を訪れた。
石川啄木歌碑
砕けてはまたかへしくる大波の
ゆくらゆくらに胸おどる洋

盛岡中学5年生当時、明治35年修学旅行で石巻を訪れた。
釈 超空歌碑
海のおもいよいよ青しこのゆうふべ
田しろあぢしまかさなりて見ゆ

昭和23年神社庁の仕事で石巻を訪れた。

気仙屋旅館 宮城県石巻市中央1丁目 TEL (0225)95-4541
本日のお宿・気仙屋旅館さん
「蛇の目寿司」という寿司屋さんのやっている宿です。
表通りに寿司屋さんがあり、脇の道を入ると宿の玄関です。他にお客さんがいなかったので、12畳ぐらいの部屋を二部屋使わせてもらいました。夕食はお寿司やさんで、好きなものを食べました。地の魚で活きがよくって美味しかった。 朝食も右の写真のように豪華版。お部屋に運んでくれました。朝食が終わったらコーヒーをどうぞって、至れり尽くせりの宿でした。お薦めです。

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