後楽園を後にした密偵どもは、地下駕籠に乗り「本郷3丁目」へ。歯科医「兼康祐悦」が乳香散なる歯磨き粉を売り出し大評判になったのがこの「かねやす」。「本郷もかねやすまでは江戸の内」と言われたものである。

 加賀前田屋敷の赤門・今は東大赤門を右に見て
目指すは江戸で評判の蕎麦屋「本郷萬盛庵」。密偵の足が速くなるのであった。

今日の密偵は30名以上、当然突然訪れても入れるわけはないので、もちろん貸し切り。
下だけでは入れず、二回の座敷も使ったのである。

先ずは「蕎麦味噌」で一杯

蕎麦寿司もおつなもの

これが評判の「巣ごもりそば」
揚げたそばにあんかけ

こちらは「合鴨の柳川」

これが絶品の「そばがき」
蓋を取ってごらん。

いつもは普通のそばがきを出しているのだが、こねるのが重労働で3人前が限度とか。
そこでオヤジは工夫した。椀の中にちぎったそばがきを入れ、廻りにおろした山芋をかける。さらにうえからあんをかけて蒸すという手の込んだもの。もちろん特製。

蕎麦の香りと上に散らした柚子と三つ葉の香りが渾然として、そばつゆのあんと絡み合い、えもいわれぬ旨さ。

そして最後に「蕎麦羊羹と栗の甘露煮」

こんな路地の奥にこんなすごい店があるとは・・・

本命のそば。こしが強くて旨い!

次へ進む