2004年9月議会個人質問

●学校給食のあり方 食教育、環境教育の観点も踏まえて

<質問の前提として>

ことしの3月議会において、検討会議の目的や内容についてお尋ねしました。小学校給食については、現在の自校調理方式を堅持しつつ、安全でおいしい給食を維持し、さらに充実していくためには、さらなる効率的な運営のため検討を行う。また、中学校給食については、どのような方法であれば速やかに実施することができるか検討していただくとのことでした。

 3回にわたる検討会議をこれまで傍聴してきましたが、教育委員会として小学校や中学校における給食をどのように位置づけているのか。例えば教育の一環なのか、単なる昼食なのか、あるいは、その位置づけも含めて検討会議の検討項目としているのか、よくわかりませんでした。

 同じような思いを持つ委員が検討会議の中で同様の質問を行ったところ、第1回検討会議の資料にあるとおり、1校当たり数億円以上の建設費用が必要になる単独調理方式、共同調理方式等は極めて困難であると考えており、生徒が家庭からの弁当持参と給食メニューから選択できるデリバリー方式の併用が現状の財政状況から見て、また、生徒個々の希望や栄養バランスへの配慮がされた最も適した方法ではないかと考えている、との事務局職員の回答でした。

 もし、デリバリー方式と弁当との併用が最適であるならば、検討会議にかける必要もアンケート調査をする必要もありません。どのような方式であれば速やかに実施できるかを検討していただくと言いながら、一方でデリバリー方式と弁当持参との併用が最適であると言う。一体検討会議に何を求めているのでしょうか。あるいは、何も求めてないのでしょうか。

<質問1>

 先進市の状況調査や概算を比較して検討された結果がデリバリー方式との併用が最適であるという結論に達されたとのことですが、その検討内容、結果を具体的に数字を挙げてお示しください。
 検討会議の開催に当たり、他の報告事項とあわせまして、教育委員会でまとめました小・中学校給食のあり方についてを参考資料として提出し、先進市の状況調査、給食の質及び建設費用等について御説明し、御指摘のとおりデリバリー方式が最適ではないかという考え方を説明させていただきました。

<建設費用について>
1.小学校と同じ自校調理方式
 ことしの4月に運用開始いたしました藤白台小学校調理室の拡充のための建設費は2億5,000万円かかっており、共同調理場方式では、昨年4月に運用開始いたしました1,300食の調理能力を持つ京都府の宇治田原町立学校給食共同調理場の建設費が5億2,000万円となっております。
2.デリバリー方式
 実施内容について各市に違いがありますが、福井県の武生市の例で申し上げますと、生徒数の過半数を超える300席のふれあいルームと炊飯やめん類等の調理ができる厨房室の建設費が9,400万円、ITを利用した事前注文が可能なシステム開発費用3,100万円となっております。
3.その他
 名古屋市がランチルーム3教室及び配膳室1教室の改築費が1億5,000万円で、プリペイドカードで事前発注するシステムとなっております。京都市では、ランチルーム及び配膳室各1教室の改築費が3,000万円となっております。

 いずれも調理業務は民間業者に委託しており、各市の委託料は、武生市が年間1,050万円、1食当たり約200円で、京都市は年間約6億円、1食当たり100円となっております。

<質問2> 検討会議の目的

 給食を安心、安全の食材による本物の味を実体験する場にすることや、吹田の食材も含めて生産から消費、そして、廃棄、調理ごみや食べ残しごみについての廃棄について学ぶ場とするなど、学習の場としても給食を位置づけることも可能です。

 一方、学校給食は単に食事をとることということだけであれば、行政が必ずしも担う必要はなく、より安全でより安価なサービスを提供できるところが担えばいいのです。つまり学校給食を単なる食事の場と考えるか、食育や環境教育の場とも考えるかが重要です。そして、いずれの場合も相応の受益者負担も当然だと考えます。

 今回、行政は中学校給食も実施したい、けれど財政悪化の折、そうお金はかけられない。だから、小学校給食をできるだけ効率化、合理化し、浮いたお金を中学校給食に回したいと思っているようにも見えました。
 しかし、そのような足し算、引き算のような算術で簡単に割り切れる問題ではありません。まだまだ給食についての根本的な議論が不足していると思います。

 検討会議に何を求めていらっしゃるのでしょうか。 
 小学校給食の効率的な運営及び中学校給食の実施に向けての方法、方式について、広く市民から意見を求めて検討していただき、提言をいただくことにございます。特に中学校給食につきましては、デリバリー方式を前提にすることなく、アンケート調査結果及び先進市の状況等を参考にし、一定の方向性を見出していただきたいと考えております。

<質問3>

吹田市の教育委員会として中学校の学校給食に何を求めているのでしょうか。

デリバリー方式は給食として行うのでしょうか、それとも単に弁当販売として考えているのでしょうか。

1食当たりの材料費はどの程度を考え、保護者の負担率をどのように考えているのでしょうか。

喫食率はどの程度を予定しているのでしょうか。また、今回のアンケート調査結果から何を読み取られたのでしょうか、お答えください。
<中学校の学校給食の目的>
 教育委員会といたしましては、今後の新しい中学校給食のあり方を決定し、実施していく上で、中学生みずからが食を通して健康、安全、環境問題を学習し、そして、対応できる能力を育て、心身の発達が目覚ましい中学生一人一人の個人差を考慮したおいしくて楽しい安全な給食を提供することが基本であると考えております。このようなことから、学校給食は教育の一環であると認識いたしております。

<食材料費と保護者負担>
1食当たりの材料費につきましては、小学校給食と同様に保護者に負担していただきますが、小学校給食の保護者負担は200円程度となっておりますので、中学生の食事量等を勘案すれば、200円を上回ることになると思いますが、効率的な運営に努め、高負担にならないよう工夫してまいりたいと考えております。

<喫食率>
 先進市の武生市が平均約50%、京都市が平均約20%と、実施内容に伴い異なっておりますが、実施する限りは多くの生徒が利用してもらえるような内容に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、今回のアンケート調査結果からは、生徒、保護者及び教職員は、いずれの方式かは別にいたしまして何らかの中学校給食の実施を図ることが求められていると理解いたしております。
 また、中学校給食の内容について、生徒の思いは、弁当は自分にあった量にできるから、温かい給食を食べたい、デリバリー方式及び食堂方式は好きな方を選択できることとなっており、一方保護者は、安全な給食、温かい給食、好きな方式を選択できることを望んでおられ、これらのことを十分配慮することが必要であると認識いたしております。

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●学校規模適正化計画

1.4月の市報すいたで明らかにされました北千里小学校と青山台小学校、古江台小学校との間の適正化計画案について、これまでの地域との協議状況を御報告ください。

2.地域の中で検討委員会を開く予定だとお聞きしていますが、現状はどのようになっていますか、御報告ください。

 さて、第1次の適正化計画では、教育委員会で決めたことについて、実施に向けて地域への説明、意見交換会を開かれました。今回は計画案の段階で地域に説明し、地域と意見交換し、よりよい計画とするのだとお聞きしていました。このように進め方やプロセスは違っています。今回の計画の方がより地域とともに考える姿勢があらわれていると評価しております。
 ところが、プロセスや地域に説明する段階に違いがあるにもかかわらず、公表から実施まで同じ期間、つまり4月に公表し翌年の4月実施と、同じ期間設定となっています。これでは明らかに実施までの期間が短過ぎると考えます。地域の方のお話では、適正化計画案そのものについての賛否両論はあるものの、押しなべて計画案公表から実施までの期間が1年間、実質9カ月間というのは短過ぎるので、もっとじっくり地域で話し合う時間が欲しいとのことでした。
 実際、計画がもし決まった後、小学校の児童やPTAの相互訪問や交流事業を行うことや物理的条件のクリアなど、実施に向かっての準備期間がぜひとも必要と考えます。第1次の計画においても、千里新田小学校や佐井寺小学校の学校規模適正化計画実施に当たっては、学校間の交流や地域の交流も要望され、実施されました。この点について、今回の計画案の進行について担当部はどのように考えているのでしょうか、お答えください。
<これまでの北千里地域の協議状況>
 学校規模適正化第2期実施計画案についての説明会を本年3月に青山台、古江台両地域の関係諸団体の方々を対象として実施した後、4月に市報で周知するとともに、4月、5月に青山台、北千里、古江台各小学校の保護者や両地域の方々を対象とした説明会を実施してまいりました。

 これらの説明会におきましては、地域の皆様や保護者の方々からさまざまな御意見や御要望をいただくとともに、北千里小学校PTAの皆様とは、説明会実施後、現在まで4回の話し合いを重ねてまいりました。

<検討委員会>
 関係諸団体の代表の皆様方で構成する学校規模適正化第2期実施計画検討委員会を立ち上げ、本計画案についてさまざまな角度から御意見をいただくとともに、本計画案の諸課題について一定整理をしていただきながら、教育委員会といたしまして本計画を決定し、実施できる方向で進めてまいりたいと考えております。

<適正化実施時期>
 平成17年(2005年)4月を目標に設定しておりますが、これにつきましても、本検討委員会におきまして委員の皆様に御検討いただくとともに、PTAの方々の相互訪問や子供たちの交流活動、教室改修工事等、実施時期までに整理しなければならない諸課題につきましても検討してまいりたいと考えております。
<再度要望>
学校規模適正化の計画についてですが、来年4月実施を目標に設定しているとのことですが、検討委員会や地域との話し合いを十分に行っていただき、決して見切り発車にならないようにお願いいたします。また、焦りに焦ったしわ寄せが子供たちに及ばないように強く要望いたします。

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●住民(市民)自治、協働のまちづくり

<質問1>

1.(仮称)協働によるまちづくり条例
 前回取り下げられました条例案と今回考えておられる条例案との相違点は、具体的にどの点でしょうか。また、どのあたりをどのように検討し直したのでしょうか。

 まず、今回の条例の目的は、まちづくり協議会と市とが協働による個性豊かなまちづくりを推進し、活力と魅力ある地域社会の実現を図るとありました。9月議会に提案されています第3次総合計画基本構想案の第4章において、「市民自治が育む自立のまちづくり」の中で、市民みずからが地域のまちづくりに積極的に参画できる仕組みを整えることが必要とし、市民の自主性を尊重し、まちの主体者として市民みずからが住む地域を住みやすくするための取り組みを積極的に支援するなど、コミュニティの充実に視点を置いた日常生活圏でのきめ細やかな施策の展開を目指す、と書かれています。

 また、(仮称)自治基本条例の中間報告書においても、「市民の権利と責務」の項目において、市民は市政に参画する権利を有し、かつ、地域社会における活動に積極的に参画する権利を有する、とあります。

 このように今策定中の総合計画の基本構想中にある自立のまちづくりを実際に進めるための根拠条例となるものが、この協働によるまちづくり条例だと考えます。また、(仮称)自治基本条例とも密接に関係する条例だと考えています。
 前回の条例案は、市民の方々が自主的、自立的にみずからのまちづくりに取り組んでいただくことによりまして、地域のコミュニティをはぐくむことを主眼といたしておりましたが、今回の条例素案は、おおむね小学校区という一定の範囲の中で市民と行政が相互理解のもと議論を深め、地域の情報を共有する中で地域の課題を発見し、地域住民主体で行うもの、地域と行政との協力により行うもの、行政主体で行うものといった観点に立ち、地域のまちづくりを進めていくことを主眼といたしております。
 また、まちづくり協議会の認定の必要性、審議会の設置の必要性、まちづくり協定の内容などにつきまして検討しました結果、現時点における条例素案の形となったものでございます。

<質問2>

 第3次総合計画や(仮称)自治基本条例とこの(仮称)協働によるまちづくり条例の関係性は?
 総合計画基本構想は、15年間を目標としたまちの将来像、施策の大綱を示し、市として何を実現するかという到達すべき目標を定めるものであり、(仮称)自治基本条例は、市民自治を推進するための理念及び手続を規定し、総合計画の目標をどのように実現するかという手順を定めるものでありまして、両者が相まって計画的な行政運営が推進されるものと考えております。
 (仮称)協働によるまちづくり条例素案は、地域に根差した団体との協働により、地域ごとのまちづくりを進めるための仕組みを定めるものであり、総合計画及び(仮称)自治基本条例によるまちづくりを具体化する一つのツールをなすものと考えております。

<質問3> 個人参加可能か?

 先日示されました条例の考え方の中で、言葉の定義として、まちづくり協議会とは、おおむね小学校区単位に地縁型市民組織、青少年健全育成に関する団体、社会貢献活動を行う企業、NPO等、相互理解と対等の立場で結びついた団体により構成され、かつ、地域合意を形成するための組織で、まちづくりの主体となるもの、とありました。

 つまり前提条件として、いずれの団体にも所属していない人が地域のまちづくりに関心もあり、主体的にかかわりたいと思っていても、個人として入る余地はありません。個人については、かろうじてまちづくり協議会の役割の中で、まちづくりを進めるに当たっては同協議会に加入していない団体や個人の意見を聞く等、地域合意が図られるよう努め云々と書かれているだけです。つまり個人は意見を聞いてもらえる対象、受け身でしかありません。

 地縁型市民組織は、これまでその地域におけるさまざまな活動に主体的に取り組まれてきた実績はあります。しかし、その組織を含め、今まちづくり協議会の構成組織と考えておられる団体だけで、その地域に居住、通学、通勤する人たちをすべてカバーできているわけではありません。

 私が考えるまちづくり協議会のイメージは、だれでも参加でき、出入りも自由で情報が提供され、共有し、話し合い、合意点を見出す場であり、それとともに個々人がその責任を果たす場です。

 しかし、今回(仮称)協働によるまちづくり条例に盛り込もうとしているまちづくり協議会の案には、だれでも参加できる、個人参加も可能というコンセプトが抜けています。

 これらの点について、現時点において個人を対象に入れていない理由を詳しくお答えください。
 まちづくり協議会はより住みよい地域とするための地縁組織を初めとしました地域の広範な組織により構成され、他の団体の参加の自由が保証された地域に開かれた組織であるとともに、まちづくりを進めるに当たっては、まちづくり協議会において同協議会に加入していない団体や個人の意見を聞く仕組みを制度化していただくことを予定しておりますが、今後、より多くの市民の方々の御意見をお聞きしてまいりたいと存じております。

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●交通バリアフリー整備計画
   コミュニティバス

1.総合福祉会館や保健センターなど高齢者、障害者の方が利用される施設の最寄り駅となっている豊津駅のバリアフリー基本構想の進捗状況についてお尋ねいたします。

2.正雀駅、岸辺駅のバリアフリーへの取り組みの状況と今後の見通しについて、正雀駅については摂津市の動向を、岸辺駅については自由通路との関係も含めてお答えください。

 いずれにしましても、基本構想から実際のバリアフリー事業化まで相当の期間が必要となりますが、高齢者や障害者の方々はもう何年も待てない気持ちを持っておられます。

3.例えば、今コミュニティバスの運行事業が検討されていますが、バリアフリーになっていない駅周辺に住んでいる高齢者や障害者の方がバリアフリー対応の駅まで移動する手段として、この低床型コミュニティバスの運行経路を考えてもよいのではないでしょうか。この点について担当部の考えをお聞かせください。
<豊津駅のバリアフリー化>
 阪急吹田駅、豊津駅周辺地区のワークショップをこれまでに3回開催し、延べ212名の市民の皆様、公共交通事業者、吹田警察、大阪府道路管理者と本市職員で意見交換を行ってまいりました。
 その中で、豊津駅につきましては、現在改札口が地下にあるため、エレベーターの設置が必要ではないかとの御意見が多数ございました。阪急電鉄株式会社では、公共交通特定事業計画の中で平成17年度(2005年度)、18年度(2006年度)の2カ年でエレベーターの設置によるバリアフリー化を検討しているとお聞きしております。

 また、総合福祉会館や保健センターまでの移動経路につきましては、府道であるため、大阪府道路管理者として平成16年度(2004年度)中に道路特定事業計画を作成する予定とお聞きしております。

 具体的な整備内容、整備スケジュール等につきましては、この道路特定事業計画に定めるとのことでございますが、本市としましても、一日も早いバリアフリー工事の実施を要望しております。

<正雀駅・岸辺駅のバリアフリー化>
 摂津市では平成16年度(2004年度)にバリアフリー基本構想の策定に取り組んでおられます。本年9月15日に正雀駅及び周辺道路につきまして、市民、高齢者、障害者、子供さん連れの保護者、摂津市職員で現地調査や意見交換会が開催されております。その場には本市職員も4名参加しております。

 岸辺駅周辺のバリアフリー化につきましては、バリアフリー基本構想の策定や事業実施につきまして、これまでと同様に市民の皆様、公共交通事業者、関係機関とワークショップ方式により意見交換を行い、一日も早いバリアフリー化に取り組んでいきたいと考えております。

 また、岸辺駅につきましては、現在手続が進められています梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転計画に伴いまして、平成11年1月に締結しました基本協定におきまして、これまでの鉄道による地域分断の解消を図るため、移転事業の中で事業者である鉄道建設・運輸施設整備支援機構が岸辺駅の橋上化とあわせて整備することを確認しております。その整備に際しましては、御指摘のバリアフリー化とともに駅へのアクセスや南北地域への安全で快適な歩行者空間を確保する地域課題の早期解決を図るため、吹田貨物ターミナル駅(仮称)の開業までに供用開始するよう求めているところでございます。

<コミュニティバス>
 コミュニティバスにつきましては、今回コミュニティバス運行事業に係ります市民ニーズ調査の中で検討してまいりたいと考えております。

●住基ネットの委託契約

 堺市では、今年度の住基ネットの運用管理業務について、ことし5月末まで委託契約を結ばないまま富士通と下請企業に任せていたことが新聞報道にありました。現実には問題はなかったとのことですが、契約関係にない複数の人間が2カ月間、個人情報が集積されたシステムの中枢に出入りしていたこととなります。
 吹田市においても知らぬ間に再委託がされていたとすれば問題ですので、そこで確認いたしたいと思います。

吹田市では住基ネットのシステムの構築、運用について、どこと委託契約を結んでいますか。
また、再委託はしていますか。再委託しているとすれば、それはどこといつからで、再委託に関して吹田市と委託先との間にどのような書類での取り交わしがされていますか、お答えください。
 住民基本台帳ネットワークシステムの構築に係る委託契約を平成13年(2001年)9月3日から平成14年度(2002年度)及び平成15年度(2003年度)にわたりまして富士通ビジネスシステム関西営業本部と結んでおり、また、今年度から運用に係る委託契約を同一会社と結んでおります。

 再委託につきましては、今年度から委託契約第4条ただし書きに基づき、書面で富士通関西システムズに再委託をする旨の申請書を受け付け、再委託承認書を交付しております。

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●ジェンダーフリー

 ことしの8月26日、東京都教育委員会はジェンダーフリーという用語の使用に関する見解をまとめ、あわせて「ジェンダーフリーにかかわる配慮事項について」を都教育長指導部長名で各都立学校長に通知し、男女平等教育を推進する上で、今後はジェンダーフリーという用語を使用しない。教科書におけるジェンダーフリー用語は、都の見解を踏まえるように適切に指導するように。男らしさや女らしさをすべて否定するような誤った考え方としてのジェンダーフリーに基づく男女混合名簿を作成することがあってはならないとした、とのニュースが流れてきました。

 これは、ジェンダーフリー教育は性差をすべて否定して中性化させるものだ、ジェンダーフリー教育は男女で更衣室や宿泊の部屋まで一緒にするものだ、ジェンダーフリーはランドセルを男女とも黒色にするものだ、という誤解と歪曲が一部で言われ始めたことを受けて、それらを吟味、検討し、混乱を正すのではなく、かえって意図的に言い立て、学校現場で混乱が生じているとして、ジェンダーフリーという用語の使用をしないという都の見解に基づくものと言えます。

 吹田市では、男女混合名簿を実施し、男女共同参画推進条例やそれを具体化するためのすいた男女共同参画プランの中で、ジェンダーに敏感な視点を持った男女平等と自立を進める取り組み、男女平等の理念に基づき、男女がお互いを尊重する態度を身につけることができるよう指導するとあります。ジェンダーフリーという言葉を使ってはいないものの、社会的、文化的に形成された性差であるジェンダーにとらわれず、差別や偏見をなくすということを表明しています。

 この東京都の動きに対し、教育委員会も含めた市全体の男女共同参画推進本部長でもある市長はどのように考えておられますか、お考えをお聞かせください。

 また、吹田市でジェンダーフリーという言葉に対する間違った規制はされていないでしょうか。教育の場及び吹田市の状況についてお尋ねいたします。
<人権部から>
 平成16年(2004年)内閣府男女共同参画局が政令指定都市に示された「ジェンダーフリーの使用に関する国会における質疑について」という通知文によりますと、地方公共団体におけるジェンダーフリーの使用等については、地方公共団体の条例や計画等においてどのような用語を使うかは、それぞれの地方公共団体が判断すべき問題としております。

 しかし、ジェンダーフリーという用語の使われ方に誤解や混乱がある状況を考えると、今後、新たに地方公共団体において条例等を制定する場合は、あえてこの用語は使用しない方がよいが、差別をなくすという意味で定義を明らかにして使用することは問題はないとしております。

 本市におきましては、ジェンダーフリーという用語の使用については、規制はいたしておりませんが、この用語は使用する人によりその意味や主張する内容がさまざまであり、定義づけが非常に難しいと考えております。

 本市といたしましては、用語にとらわれることなく、今後ともジェンダーによる格差の是正を求め、性別による差別を改めることによって、社会のあらゆる分野での男女の対等な立場での参画の実現を目指してまいりたいと考えております。

 男だから、女だからということで生き方や働き方が制限されるのではなく、一人一人が自分の意思で性別にとらわれず多様な生き方を選択できる社会の推進に向けて、ジェンダーに敏感な視点でのさまざまな施策の推進や広報、啓発を行ってまいります。

<学校教育部から>
 学校教育におきましては、男女平等教育を人権教育における重要な取り組みの一つと位置づけ、男女が互いの人権を尊重し合い、すべての人が自分らしく生きることのできる男女共同参画社会の実現に向けた教育活動を進めているところでございます。

 教育委員会といたしましては、これまでも各小・中学校の教職員による男女平等教育推進委員会を組織し、実践交流や研修等を重ね、意識の向上を図るとともに、男女混合名簿や集会時の整列の仕方、女子の体操服の改善等の取り組みを通し、固定的な男女間の是正に努めてまいりました。

 御指摘のジェンダーフリーという用語につきましては、本市教育委員会といたしましては、その使用に関して各学校に対して特段の指導はいたしておりませんが、用語にとらわれることなく、これまでの男女共同参画の精神を生かした取り組みの成果を十分に踏まえ、引き続き男女平等教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
<市長から>
 ジェンダーフリーの用語につきましては、さまざまな御意見があると認識いたしております。私といたしましては、男女がその人権を尊重しつつ、責任を分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できます男女共同参画社会の実現を目指しまして、吹田市男女共同参画推進条例やすいた男女共同参画プランに基づく施策の推進に取り組んでまいります。

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