2004年5月議会個人質問

アルバイト職員の採用と雇用

<質問の前提として>

 現在の市のアルバイトや非常勤職員など、短時間労働者の雇用について、労働者の権利保障、また、同一労働同一賃金の原則の観点から議論する必要もあるかと考えますが、今後の議論にそれは譲りまして、今回は採用、雇用の透明性と機会の平等の観点からのみ質問いたします。

<質問1>

まず、現在の吹田市の常勤職員及びアルバイト職員数についてお尋ねいたします。
 まず、臨時雇用員に関しましては、職員が出産、育児、病気等により、長期の休業となった場合や、一時的に集中する業務に対応する場合、勤務が毎日でない、または時間が短い場合等に主として臨時雇用員を任用し、円滑な業務運営を図っているところでございます。
 人数につきましては、平成16年(2004年)4月1日現在で常勤職員は3,581人、臨時雇用員は1,014人でございます。

<質問2>

常勤の職員以外に、非常勤職員とアルバイトの職員さんがいらっしゃいますが、どのような採用方法をとっておられますか。採用基準あるいは、採用試験についてお尋ねいたします。
募集につきましては臨時雇用員で資格等が必要な職種は、任用の必要が生じました場合に、随時市報すいた等に掲載し実施しております。非常勤職員は各部で設置いたしております非常勤職員採用試験実施要項に基づきまして、原則として公募を行い競争試験を実施いたしております。

<質問3>

これまで市報すいた等で非常勤職員や保育士など、専門職のアルバイト職員の募集記事は見たことがありますが、一般事務のアルバイト職員の募集記事は見たことがありません。どのようにして採用していらっしゃるのでしょうか。いわゆる縁故採用なのでしょうか。
 次に、採用基準、あるいは、採用試験につきましては臨時雇用員は採用試験を実施しておりませんが、履歴書等の提出書類により、経験、技能、資格等により選考をいたしているところでございます。
 非常勤職員は、原則として競争試験の実施により採用しているところでございます。公募を実施していない臨時雇用員につきましては、希望者が直接応募する場合や関係者からの御紹介をいただく場合もございます。いずれの場合も、先ほど申しましたような方法で選考いたしておるところでございます。

<質問4>

アルバイトの雇用条件と状況についてお尋ねします。
 アルバイトの賃金は、どのようになっておりますか。それから、最長6カ月間継続して雇用できるとお聞きしておりますが、繰り返し雇用されている人の場合、現在まで最長どれくらいの期間、雇用されているのでしょうか。
 次に、臨時雇用員の雇用条件等につきましては、期間は事務職の場合3カ月以内とし、さらに3カ月以内の更新ができるとしております。事務職以外の職種の場合6カ月以内とし、さらに6カ月以内の更新ができるとしております。
 その後は、1カ月以上の任用期間をあけた後、新たに任用できることといたしております。断続的な任用を繰り返しました結果、20年近く任用されている臨時雇用員もおられます。また、賃金につきましては、事務職の場合は日額6,180円でございます。

<質問5>

長年何回も同じ部署で雇用されることで、その仕事について熟練、熟知しているという雇い主から見たメリットもありますが、一方、市民の税金で賄われている市役所の労働市場が一部の人だけに開放されているということは、私企業であるならともかく、公の事業者としては不公平であると考えます。
 明石市や箱根町では、登録者の中から仕事の条件に合う人を雇用するので、必ず雇用されるものではないとしながらも、インターネットでアルバイト職員の登録募集情報を提供しています。
 このように、公の事業者として募集情報の公開と提供によって、採用基準の透明性、公平性、公正性を担保することは当然のことと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 御指摘の募集情報の公開等につきましては、もし公募を行うとした場合、任用の時期、人数等の勤務条件を明確にし、募集記事を掲載する必要がございますが、これらの条件をあらかじめ特定していくことが困難な状況でございますが、臨時雇用員の実態に見合う適切な情報が公開できるのかどうか、研究してまいりたいと考えております。
 次に、採用基準に関する御指摘につきましては、非常勤職員は配置職場、業務内容、資格の有無等を特定できるため市報に募集記事を掲載し、採用試験を実施しておりますが、臨時雇用員は一時的には配置される職場、業務内容、雇用期間等が特定できない状況でございますので、採用試験を実施しておりません。
 しかしながら、臨時雇用員の配置につきましては、先ほど申し述べましたように提出された履歴書等の書類に基づきまして、経験、技能、資格等により選考し、円滑な業務運営を図るように努めているところでございます。

<質問6>

予想できない、予測できない職員不足に対応するためのアルバイ要員と、定期的、季節的、常時継続的に繰り返し雇用する必要のあるアルバイト要員とは別と考え、それぞれに合った登録システムを考えるべきではないでしょうか。さらに、採用事務の効率化のためにアウトソーシングすることも考えられます。この点について、どのように検討されているか。また、お考えがあればお聞かせください。
 続きまして、アウトソーシングする方が効率的かどうかという御質問でございますが、多種多様な勤務形態に対応して、臨時雇用員を配置いたしておりまして、市として確保している臨時雇用員を勤務実態に応じて配置することで、効率的な業務運営が図られていると考えております。
 次に、予想できない職員不足に対応するための要員と、定期的、季節的、常時継続的に繰り返し雇用する必要のある要員と、それぞれに合った登録システムということの御質問につきましては、現状では任用期間、勤務場所、業務内容、職種等の諸条件と個々の臨時雇用員の状況等に配慮しながら、適正な配置に努め、円滑な業務運営を図っているところでございます。

<質問7>

どのような人材、どのような働き方をする人を、どこにどれだけ配置するかは行政経営の点からはとても重要です。常勤職員、非常勤職員、アルバイト職員、再任用職員などの配置、あるいは、雇用計画を行政運営の効率化の観点から、財政健全化計画、あるいは、行政組織の計画の中に盛り込むべきではないでしょうか。この点について、現在の検討状況があればお聞かせください。
 職員の定数と事務配分を担当いたしております企画部からもお答えを申し上げたいと存じます。職員の配置に当たりましては、行政事務のより効率的、効果的な実施をいたしますため、適正に人員を配置し、職員数の適正化を図り、財政的な負担の軽減を目指して行っているところでございます。
 そのような中で、季節的な事務や臨時的な事務、補助的な事務などにつきましては、臨時雇用員の方などにより対応してきているのが実情でございます。
 今後につきましても、事務の内容を十分に見きわめる中で、臨時雇用員などの方の適正な配置により、事務事業の円滑な推進に努めてまいりたいと考えております。

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<再質問1>

 今のお答えで、常勤職員の約3,500人に対して臨時雇用員は約1,000人と、市役所で働いておられる職員のおよそ4分の1が臨時雇用員、つまり一般にいうアルバイト職員とのことでした。それだけ、市の行政業務に占めるウエートが大きいということです。
 採用情報を公開すると、採用事務量がふえるのではないかとの心配もわからなくもありませんが、市役所のアルバイト職員は、縁故採用ではないかというようなまちの声を聞くこともあります。そのような市民にとって非常に不透明、不公平な現在の採用システムを見直すことで、市民の市役所への信頼度の向上に努めることの方が、より重要であると考えます。
 先ほどの御答弁では、募集情報の公開等について研究するとのことでしたが、雇用機会の平等と透明性確保、また、市民の信頼度アップのため、強い意気込みを示していただきたく再度答弁を求めます。
 また、職員配置については、行政経営の視点を入れて検討していただきたく、これについては重ねて要望いたします
議員御指摘の募集情報の公開でございますが、市で任用いたします臨時雇用員の募集に関しましては、機会均等という面もございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、本市の臨時雇用員の任用の多様性、募集に際しての諸問題、それから勤務場所の配置に関する諸問題等、いろいろ現在のところ考えられるわけでございます。
 公募するメリットとともに、今少しデメリットも検討してみたいというふうに思いますので、今後、慎重に研究、検討してまいりたいというように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

<再々質問・要望>

事務量がふえるとか、いろいろデメリットがあるということは十分わかっておりますが、先ほど述べましたように、私もよくアルバイト職員の方がいらっしゃるけれども、議員に頼んだらなれるんですかということを聞かれたりするんですね。そういうことがないように、このようにして採用情報を公開しており、それで申し込まれた方から、その都度、条件に合った人をお願いしているんですよというふうに、胸を張って言えるようなそういう状況にしていただきたい。
 それは、本当に私どもも含め、皆さん同じような御意見だと思うんですけれども、それを重ねてお願いいたします。答弁は結構です。

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