2003年10月議会個人質問

いけぶち質問とそれに対する回答およびいけぶちコメント

●乳がん検診におけるマンモグラフィー

<質問の前提として>

旧厚生省のがん検診の有効性評価研究班は、1998年と2000年において、その報告書の中で、視触診のみによる乳がん検診は有効性を示す根拠は必ずしも十分ではないとの報告で、検診の問題点を指摘しております。

一方、これまで厚生労働省は、検診の方針を改定すべき理由が見当たらないとして、市町村には通知などをしてきませんでした。

今回、ようやく市町村が実施している6種類のがん検診の方法を大幅に見直す方針を決め、子宮体がん検診と、視触診のみによる乳がん検診は有効性が低いと見て廃止を求めるなど、来年春にも検診の指針を改定する方針を出したと新聞報道がありました。

<質問1>

現在吹田市では、この乳がん検診については、吹田市医師会に委託し、30歳以上の女性を対象に検診が行われております。
1)現在の吹田市の状況と、また、受診者数、そして、そのがんの発見率について御報告ください。

2)北摂の近隣都市においても、乳がん検診は行われていると思いますが、その状況についても御報告ください。
本市におけます乳がん検診の現状としましては、30歳以上の女性を対象に、個別と集団方式で、問診及び視触診での検診、及び乳がん自己検診法の指導などを実施いたしております。
1)平成12年度(2000年度)は1万1,641人の受診で、要精検者301人のうち17人、0.15%の乳がんが発見され、平成13年度(2001年度)は1万2,917人の受診で、要精検者412人のうち20人、0.15%の乳がんが発見されております。

2)北摂近隣都市の状況につきましては、平成14年度(2002年度)におきましては、豊中市、摂津市の2市が集団検診での乳房エックス線検査、いわゆるマンモグラフィーを導入しておられ、豊中市では311人、摂津市では714人の希望者が受診されておられます。

<質問の前提として>

研究班の勧告にもありますように、乳がん検診については、マンモグラフィーや超音波といった画像検診を併用することが有効です。ただし、この画像検診については、装置による差や、また、読み取りの際の技術、そして、撮影のときの技術のように習熟度が必要とのことです。

<質問2>

これまで担当部内でこの乳がん検診についてどのような評価がなされ、また、検討されてきたか、及び乳がん検診を委託している吹田市の医師会においては、どのような検討がされていたのかお示しください。
視触診検診の効果につきましては、専門性、あるいは一定の経験を有する医師によります視触診を実施し、所見のある方につきましては、精密検査ができる医療機関を紹介しておりまして、多くの方に受診をしていただく中で、がんの発見、早期治療につなげていると認識をいたしております。

乳がん検診につきましては、現時点では吹田市医師会と具体的な協議はいたしておりませんが、日ごろより協力機関である吹田市医師会と情報交換や検診のあり方について協議を重ね、よりよい検診に努めているところでございます。

乳がん検診の主体は見る医師ではなくて、私たち女性です。ぜひ乳がん検診にマンモグラフィー検診を早急に導入していただきたいと思います。

<質問3>

1)市内の病院、医院等において、マンモグラフィー装置を設置しているところがあれば、その数を御報告ください。

2)先日の市民病院の企業決算審査特別委員会でも質問いたしましたが、市民病院の人間ドックのメニューにマンモグラフィーによる乳がん検診を導入することについて、二つのことについて、それぞれの担当の御所見をお伺いいたします。
1)市内でマンモグラフィーを設置している医療機関は、市立吹田市民病院など6施設がございます。また、マンモグラフィーの導入につきましては、厚生労働省が市町村が現在実施しております各種のがん検診の方法を来春にも見直す方針でございますので、国の具体的な指針をもとに、関係機関とも協議し、そのあり方について検討してまいりたいと考えております。

2)市民病院では、現在人間ドックメニューといたしまして、乳がん検診を採用いたしておりますが、その内容といたしましては、日本乳がん学会の認定医であり、専門医でもございます当院の外科部長による視触診となっております。
 御質問の人間ドックメニューへのマンモグラフィー検診の導入につきましては、今後十分検討してまいる所存でございます。

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●ホルムアルデヒド濃度検査

<質問の前提として>

 昨年9月議会におきまして、保育園も含め、市立の小・中学校、幼稚園において、新築、改築時の揮発性化学物質の室内濃度測定と、現状の教室においても、揮発性化学物質の室内濃度を測定するように求めました。
 ことしの夏、市立小・中学校、幼稚園の約3分の1に当たる24学校・園において複数の教室でホルムアルデヒド、トルエンの室内濃度検査が実施され、その結果、107の検査箇所中24カ所、22%の教室でホルムアルデヒドが基準値を超えていたとのことです。この結果を踏まえ、3カ年で検査する予定であったものを前倒しで来年度に残りすべてで検査すること、及び基準値以上の学校・園では、換気扇や天井扇の設置など、換気対策をとるとのこと、迅速かつ賢明な判断をされたと評価いたします。

<質問1>

文部科学省の学校環境衛生の基準では、基準値を超えた場合の事後措置として、発生原因となるものの究明と原因となるものの除去を求められております。現在このことについては、どのように対処されているのか、担当部の報告を求めます。
小・中学校、幼稚園で行われましたホルムアルデヒド検査の調査時期といたしましては、8月下旬の連日34℃を超える大変暑い時期で、24時間閉め切っての測定のため、室内空気中の化学物質が多く揮発しやすく、濃度が高くなったと考えられます。基準値を超えた教室での再検査においては、換気を行った後に教室を閉め切り検査した結果、すべての教室で基準値を下回ったことから、換気が自然に行われている通常の授業では特に問題はないと考えられます。
 発生原因につきましては、教室内にはいす、机などさまざまなものがあり、現在のところ特定することはできておりません。
 対策といたしましては、各学校・園に換気の徹底の指示や、換気扇と天井扇の設置を進めているところでございます。また、子供たちの健康観察を十分行うよう指導もしております。
 教育委員会といたしましては、今後とも学校環境衛生の充実に向けて努力してまいります。

<質問の前提として>

今回市立の保育園では、検査されませんでした。恐らく大丈夫だろうと言われましても、実際に検査結果も出ていないのであれば、保護者は安心できません。特に定員の弾力化のため、一部の保育園では、保育室の改装や備品の新規設置など行われております。

<質問2>

来年度の学校教育部の検査とあわせて、保育園においても検査をするべきであると考えます。担当部の御所見をお伺いいたします。
ホルムアルデヒドなどの排除には換気を行うことが一番効果があると仄聞いたしております。公立保育所の各保育室には、換気扇及び天井扇が設置されており、また、窓の開閉を頻繁に行うなど、空気がよどまないように努めているところでございます。

しかしながら、報道にありますように、学校施設などで基準値を超えるホルムアルデヒドが検出されたこと、御指摘のように保育室の改装等を行っているところもございますので、より低年齢の乳幼児を預かる保育所といたしまして、保育環境を把握するためにホルムアルデヒド濃度測定の実施については積極的に検討してまいりたい。

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