学校給食の方式を決める前に 2 (04/08/07) 

 校給食の給食方式を検討する前に大事なことがあるのではないか?と前号で、問題提起しました。
そこで、安心安全の食材による本物の味の実体験の場
     生産から消費、廃棄について学習する場 として給食を位置づけたいと提案しました。
 それに対してご意見をいただきましたので、以下ご紹介いたします。

1.予算の問題
 ・身近な生活の中から「どう生きるか」ということについて考える機会をもつことは良いが、限られた予算の中で理念を実践していく難しさがある。
2.学校教育に何を求めるか
 ・学校給食にまで食育を求める必要はない。
 ・食育は家庭科で十分できる。
 ・家庭での教育責任を学校に求めるべきでない。
3.環境教育に関して
 ・食べ残しについては、堆肥化することを免罪符にするのではなく、飢餓に喘ぐ国の何人の子ども達の最低カロリーを電気や熱エネルギーをかけて花の餌(肥料)にしているかについて、真剣に話す必要がある。
 
4.地産地消に関して
・地場産の農産物(吹田産は無くても茨木や高槻の野菜はある)等も2万食(現在の吹田の学校給食数)では揃えられない。
献立を地域ブロック単位ですることが次のステップにつながる。
 
と、たくさんのご意見ありがとうございました。
 
 私は、家庭でできないことを実体験し、学習する場が地域や学校だと考えます。 かつては、家庭で十分な栄養の食事がとれない代わりに学校給食がありました。 今は、そのような家庭が皆無とまでは言えませんが、経済的理由で子どものために弁当を作れない家庭はありません。 ただ、雇用状況が厳しくなり、時間的に大変→冷凍食品の多用という傾向があるのも確かです。 また、作って6時間経った弁当が、冷房のない学校で夏場安心ともいえないのでは。 給食問題は、弁当を作っている世代の当事者とそれ以外でも、議論が分かれるかもしれません。

 また、学校給食は単に食事をとること、ということだけであれば、行政が必ずしも担う必要はなく、より安全でより安価なサービスを提供できるところが担えばいいのです。
つまり、学校給食を単なる食事の場と考えるか、食育や環境教育の場と考えるかが重要です。そして、いずれの場合も、相応の受益者負担も当然だと考えます。
 今回、行政は、中学給食も実施したい、けれどお金はそうかけられない。だから、小学校給食をできるだけ効率化、合理化し、ういたお金を中学給食にまわしたいと思っているように見えます。 でも、そんな足し算引き算のような算術で、簡単に割り切れる問題ではありません。まだまだ、給食についての根本的な議論が不足していると思います。 行政に対しては当然のこと、市民との意見交換を続けていきたいと思っています。


毎日新聞の記事より抜粋 1998/11/17
 公立中学校での完全給食実施率は神奈川県は12,7%。横浜市は0%
   東京都が82.6%、千葉県が96.1%、埼玉県が100%

◇「弁当外注」など、独自の方法探る市
八王子市・・・36校と多摩地区で最も学校数の多い。小学校では各校で調理される「自校方式」による完全給食が実施。中学生は弁当を持参。市教委では「小学校と同じ方式では40億円かかり、財政難の時に難しい。ばく大な費用を掛けない方法を模索中」
町田市・・・財政難を上げ、「実施の方向はない」
狛江市・・・「検討中」
保谷市・・・田無市との合併問題が絡み保留
東久留米市・・・2001年度から7中学のうち3校で給食を実施する。グループ内の1校で調理したものを他校に配る方法だが、財政上の問題から「全校実施は未定」と先行きは不透明
東村山市・・・「実施は遠い将来ではないが、財政、人員など問題は多い」
立川市・・・昨年10月から都内で初めて採用した「弁当併用外注方式」。
 校内に設置した予約機にカードを入れ予約すれば、業者が弁当を各校の配膳(はいぜん)室に届ける。
 現在9校のうち2校で試行中で、一食あたり475円のうち210円を市が負担している。
 昨年度は施設整備などに約8400万円を投じたが、今年度の予算は約5700万円。
 市教委では「平均喫食率は39%。共働きの親から喜ばれている。
 学校給食も同じものを食べる時代から、選べる時代になるのではないか」と話す。
武蔵野市・・・「食生活の指導は家庭教育の領域」という考え方。
 
都内中学校給食実施状況( 1998年)
千代田区 △ 他の22区 ○
三鷹市 ○ 多摩市 ○ 府中市 ○ 昭島市 ○ 青梅市 ○ 東大和市 ○ 清瀬市 ○
国立市 ○ 武蔵村山市 ○  小金井市 ○  小平市 ○ 日野市 ○ あきる野市 ○  羽村市 ○
稲城市 ○
立川市 △ 武蔵野市 ミ 田無市 ミ 福生市 ミ  国分寺市 ミ 調布市 ミ
町田市 × 八王子市 × 狛江市 × 東村山市 × 東久留米市 × 保谷市 ×

○は完全給食、△は一部完全給食、ミはミルク給食、×は未実施

1998年の記事から比べても、いま、実施予定の市が増えてきています。
町田市 弁当併用外注給食方式
2005年度から2009年度までの5年間で武蔵岡中を除く19校で実施します。2005年度は3校、以降各年度4校ずつ実施していきますhttp://www.city.machida.tokyo.jp/new/04new0411_01.html
東久留米市 弁当併用スクールランチ方式 H17年実施予定
食材料の調達は市が行います。献立の作成も市が行います。献立は2種類作成します。調理や配送などは民間業者に委託しますが、市の衛生管理基準を遵守するとともに、市による立会いや衛生指導を随時行います。さらに、衛生管理責任者の配置や研修の実施も義務づけます。
 主食と副食(おかず)は、別々のランチボックスに盛りつけます。主食は米飯が中心となります。副食は食中毒防止の観点から冷ましてから盛りつけますが、米飯は保温のコンテナボックスで運び温かいものを提供します。
 学校給食法に基づく給食として市の責任のもとに行います。仮に事故等が起こった場合でも、補償は民間業者からの補償を持つことなく日本スポーツ振興センターの給付対象となります。

http://www.city.higashikurume.lg.jp/kensaku/new/tyugaku-kyusyoku.htm
調布市 親子調理方式 平成17・18年度の二ヵ年度で導入すべく方針を決定
小学校の給食調理室を活用することが合理的であるとの結論に至り、小学生の給食とあわせて中学生の給食をつくり配送する「親子調理方式」により、中学校給食を実施することとしました。
中学校給食を実施するに当たっては、選択制を導入することとしました。

http://www.city.chofu.tokyo.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC02027&Cc=7d333a111478&DM=&TSW=
武生市 選択制中学校給食「武生スクールランチ」 武生市は、ITの特性を活用した選択制中学校給食「武生スクールランチ」を平成14年11月25日試行
開始しました。、「ふれあいルーム(ランチルーム)での食
   事」と「家庭からの弁当、ランチルームメニュー、ランチボックスメニューからの選択」を主形態とします。
   また、ITの情報管理能力、コミュニケーション能力を活用することで、より円滑な予約管理やより楽しい学
   習ができるように配慮しています。

    給食の予約から学習まで一連の学習活動として、ITを活用している選択制の学校給食は、全国ではじ
   めての試みです。これまでの皆さんの励ましやご意見は、事業スタートの参考にさせていただきました。
   ご協力ありがとうございました。これからも皆さんとともに、武生スクールランチを大切に育てて生きたいと
   考えておりますので、ご理解とご協力をお願いします。
http://www.city.takefu.fukui.jp/office/090/020/kyuusyoku_cyu.asp
藤沢市 ミルク給食+業者弁当 弁当販売に際しては、教育委員会と弁当製造販売業者(以下「事業者」といいます。)の間で協定書を締結し、教育委員会の定めた基準に沿った衛生管理と食品の安全性を徹底するとともに、成長過程である生徒の身体への影響に配慮して実施します。
従来通り家庭からの弁当持参にするか、調理業者が調理し学校に配送する主食、副食を別々の容器に盛り付けたランチボックスによる給食にするかを選択していただきます。(弁当併用外注給食方式)
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/hokyu/data05478.shtml
 姫路市 報告書 http://www.city.himeji.hyogo.jp/kyo-gakosido/chu-kyushoku/houkokusho.pdf
近年、朝食を摂らない子どもや、ひとりで食事を摂る、いわゆる孤食の習慣を持つ子どもが増加するなど、子ども達の食習慣・食生活に大きな変化がみられるようになりました。 これらは栄養面にとどまらず、子ども達の「生きる力」そのものにも深刻な影響を与えています。このため学校における「食教育」の重要性が認識されるようになりました。給食は学校における「食教育」の中心をなすものであり、生涯にわたる生活習慣形成に重要な時期である中学校において、給食を実施する意義は大きいと言えます。中学校給食の実施はまた、子育て支援施策の一環として、多くの保護者からの希望でもあります。
とのことですが、保護者が9割近い実施を望むのに、学校職員は8割が否定的、そして生徒は6割が希望している。
姫路市

弁当選択式
センター調理
船橋市  自校調理選択給食 平成5年度より計画的にミルク給食から完全給食へと推進してきました。
献立表に基づいて、1ヵ月間の給食実施日ごとに弁当か給食かを選択します。
 給食を選択した日は、A献立(主食が米飯)B献立(主食がパン・麺)かを選び、1ヵ月分をまとめて事前に申し込みます。


http://www.city.funabashi.chiba.jp/hokentaiiku/hotai/menucyu.htm
金沢市 センター方式 H7年では5校だったが、15年では24校中19校と
http://www.kanazawa-city.ed.jp/edu/edu_2.html
新潟市  弁当併用式 2003年秋から
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/index.asp?id=2004072722219
新居浜市  センター方式 平成13年4月給食開始
8校を5台の配送車で
http://www.shikoku.ne.jp/ptarengo/h13/kyusyok.htm