「味」の方である。

 Goecheは、料理をしない。した事がないので出来るかどうかも判らない。料理は、カミさんの担当である。私は、食器洗いが担当である。本当に洗っているかって? 一緒になり数十年。もし私が洗わなければ、我が家は汚れた食器で埋まってしまう。役割分担は絶対である。

 このページは、ある料理の紹介である。
 自分では作らないのに、紹介? 実に簡単で美味しい料理である。ひょっとすれば、私にも作れるかも知れないなどと血迷ってしまうほどである。

 サシスセソなどと言う料理の基本的な味付け手順があるそうである。しかし、「塩」と「胡椒」ですな、基本は。いや失礼。偉そうに言えない。私が好きな味付けは、とことわっておかなければ。
 その「塩」と「胡椒」だけを調味料とした料理である。まだ、名前はない。(どっかで聞いた文章だな) 我が家では、単に「フミコ風」で通っている。このフミコとは、料理を教えてくれた人の名前である。

 材料は、鳥のもも肉と白菜だけ。
 まず、フライパンを熱し、サラダオイルを入れる。もも肉の皮の付いている方から炒める。この時、塩と胡椒を振り掛ける。量は? 適当。多少、皮はコリコリになる位の方が美味しい。もも肉をひっくり返し、少し炒めた段階で 白菜を入れる。いや、一枚ごと、もも肉の上に被せていく要領である。何枚? 適当。多い方が美味しい。
 その上に、また塩と胡椒である。量? 適当。しかし、胡椒を多くすると白菜の甘味とマッチし美味しいように思う。
 やはり塩加減が問題で、最初は、塩を控えめにすると、「塩梅」を覚えていくことができる。フライパンの上に蓋を被せ、しばしそのまま炒め蒸す。
 時間は、どの位? 適当。ちょっと長めの方が、味が染み美味しいようだ。白菜が、やっと形を留めている程度まで火を通したら火から下ろし、もも肉と白菜を適当な幅で切り分ける。後は、皿に盛り付ければ完成。

 これが美味い。一度、騙されたと思って試して欲しい。自分なりの「塩」と「胡椒」の割合を探り当てれば、それはオリジナル料理を会得した事になる。

 友人が「茄子の塩揉み」を教えてくれた。
 茄子を輪切りにし、粗塩を振りかけ、思いっきり強く揉む。思いっきり強く。ギュッと絞り、水に漬け、またギュッと絞る。茄子君は、ほんのチョットになってしまう。後は盛り付け。七味を振りかけ醤油で食する。これまた、美味しいお惣菜である。やはり「塩」が働いてくれる。

 お礼に、と思い「フミコ風」を教えだした。この友人、ダンダン後ろの方にさがって行く。変だな、と思った瞬間、思い出した。この友人、鶏肉が全く駄目。鶏肉、と聞いただけで「鳥肌」が立つ人であった。

 どうせ「鳥肌」が立つのであれば、同じ「鳥」ではないか。一度、「フミコ風」を食べさせてみたいものである。多分、大きく「人生観」が変わるはずである。
「鳥肌」君、覚悟したまえ……