レオナルド・ダ・ヴィンチの自画像を見ていて、『 モナ・リザは、彼の自画像』 だと言う説
 を思い出した。
  1974年に某イタリア系企業が東京国立科学博物館で 「科学者レオナルド・ダ・ビンチ展」を
 開催したが、その時のカタログに、モナ・リザの写真の上にレオナルドの自画像を印刷したハト
 ロン紙を重ねたページがあった。なるほど! そう言われてみれば…… と驚いた記憶がある。
 あれから40年近くが経ったが、今はPCという便利な「道具」がある。試したくなった。

  まず、レオナルドとモナ・リザの画像を用意し、ほぼ同じサイズにする。レオナルドは、やや
 左向きで、モナ・リザは、やや右向き。女性の方に敬意を払い、レオナルドを左右反転させた。
 透過度を50%として モナ・リザに重ねた。 ほぼ確実に、モナ・リザは老けたのである。しか
 も、画像を左右反転しただけで、二つの絵が、ピッタリと重なったのである。この事実も、何か
 レオナルドの思いのようなものを感じてしまう。昔の感激が甦った。




               
























         不要かとは思うが、静止画像で説明すると以下の通りである。
       

  モナ・リザのモデルは、誰か? については、いろいろな説(ヴェールをかぶったフィレン
 ツェの娼婦と呼ばれたり、フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻リザだと言われたり……)
 があるが、自画像説に賛成できる点が、もう一つある。

  同じ人間が描いた「やや右向き」な絵と「やや左向き」な絵が、片方を左右反転するとピタッ
 と重なることである。左右反転と言えば、彼の得意な鏡文字もある。とにかく脳味噌の使い方を
 充分に心得ていた天才であり、当然ながらナルシスト的側面も持っていたはずである。さらに彼
 が一生独身であった事などを考えると、自分の女性的な面、または自分が理想とする女性(母親
 かも知れない……)を自画像として描いた可能性は充分にあると思う。
  
  もしも、あの絵がレオナルド・ダ・ヴィンチの自画像だとすれば、モナ・リザと呼んではいけ
 ないのだが……