2011.05.13

  

        『原発事故の正体』



  友人が、今回の原発事故に接し、「ハイリターン・ハイリスク」と言った。通常は、高い損失
 を覚悟しなければ、高い利益は得られないとの意味で「ハイリスク・ハイリターン」と言うが、
 あえてリターンとリスクを逆に置いている。
  我々は、当たり前のように明るい室内で、テレビを観たり、エアコン、電子調理器、パソコン
 などを使っている。正に「快適さ」というリターンを得ていた。そして、愚かな事に、その裏に
 潜むリスクなど考えもしなかった。
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  チェルノブイリ事故の前、すでに、今日の世界を「リスク社会」と喝破していたドイツの社会
 学者、独ミュンヘン大学教授、ウルリッヒ・ベック氏…… 的を射た比喩に説得力を感じる必読
 のオピニオンである。

        限界のないリスク近代社会が生んだ不確実性の象徴
   着陸するための専用滑走路ができていない飛行機に乗せられ、離陸してしてしまった……  
        自転車用のブレーキしかついていないジェット機に……

        産業界や専門家に判断独占させず市民の関与進めよ
              テクノロジーの民主化……

         
          
          ★ 2015年1月1日、ウルリッヒ・ベック氏が心臓発作のため
           亡くなられました。ベック氏のご冥福をお祈りします。

           著作権者(ウルリッヒ・ベック氏、朝日新聞社)の許諾を
           受けずにインタビュー記事を掲載しています。