趣味のジャグリング サイトスワップとその数学および様々な表記法について

2010/9/13 updated

趣味のジャグリングホーム


サイトスワップとその周辺についての数学的なことがらに関する話題です。高校生と文系でも分かる!、、を目指してますが、、、。


(2010/9/13) もう一年たちそうですが、昨年2009年のJJF2009千葉にて、 SSS8を開催しました。SSS8は最も基本的にジャグリング可能でした。 開催日は2009年10月11日、二日目の13:00〜14:00でした。

参加者は11名。少々固定している気もしますが、それはそれで話しが通じやすいのが利点です。もちろん、新規参加の方もありました。

講演は以下のとおり。

事務室のうらを超えて入る会議室でわかりづらく、遭難者も出ていました。


(2008/10/21) ソフト、サイトスワップ解析の作者のお名前は植村さんでした。誤植してたので修整いたしました。


(2008/10/15) 第7回サイトスワップシンポジウム、 SSS0007をJJF2008神戸で開催しました。 二日目の2008年10月12日の13:00ころから、 元食堂と思われる小粋なスペースで楽しく本格的なシンポジウムでした。 参加者は、なんと16名。びっくりです。千葉と広島がなぜか多かった。千葉はポッサムとJugJugから、広島はN北君ら。SSS0007ももちろんジャグリング可能です。

講演は以下のとおり。

公演は一つ…(笑)

セバさんの問題は、すでにセバさん自身のコンピュータを使った網羅的探索によって、長さ6ですでに否定的に解決していて、高さと長さの関係を求めよ、という問題になっています。初参加の人も多かったので、状態数や状態遷移などさまざまな基礎の確認にもなりました。

植村さんのソフトは、与えたサイトスワップに関連した情報を提供してくれたり、糊の計算や、虫食い穴埋めなどができるすぐれものソフトです。ルーチンを作ったり、ピルエットポイントを入れたりするのにとても役立ちます。

そしてルナボールは、いつものデモを行って、これを使えばカスケードつまり3333の各頂点で光らせたり、441の4の頂点で光らせることができるという説明をしました。

最後は、昨年から恒例(?)の自己紹介で締めました。去年から倍増です。来年は30人くらいかもしれません…。ってことは無いかな?


(2007/9/30) 第6回サイトスワップシンポジウム、 SSS6をJJF2007静岡で開催しました。 2007年9月23日の13:00ころから、 会議室が割り当てられ、ホワイトボードを使って講義形式で 本格的なシンポジウムになりました。 参加者は9名で、このところ毎年盛況です。 残念ながら常連の吉野さんが欠席で、 昨年の結晶構造の続きを聞けませんでした。

講演は以下のとおり。

セバさんのソフトは、パッシングシミュレータで、人の動きもプログラムできるところが特徴です。仙台マトリックスも表せます。ボールの動き自体はマルチハンドノーテーションと同じようにある時点での全ての手(あるいは人)の投げの高さと行き先を示します。エディタ機能が良くできていて、二つの時点・地点のボールを指定して入れ替え(サイトスワップ)操作できます。これによってアーリーやレイトパスをささっと編集できるようになっています。

森下さんのマルチサイトスワップの分解は、[43]23 = 420+303のように、文字通りマルチの入ったサイトスワップを二つに分解する話題です。二つのサイトスワップがあったときに、足し合わせや併合ができることが知られています。併合によって、マルチの技を作ることができるのは簡単に理解できます。分解はこの逆ですが、問題は「分解できないマルチはあるか?」ということで、予想としては無いだろうということです。しかし一般のマルチサイトスワップで分解できないパターンが存在しないことの証明はまだできていないとのことでした。

ちょうど直前のセバさんのソフトでは、マルチスローを表現するために、同じ場所に二人重ねる、ということを使って解決していました。もしも森下さんの分割が否定的に解決されると、人の重ね合わせでは表現できないマルチスローパターンがある、ということになるのでした。

余った時間では、自己紹介や、世間話で盛り上がりました。毎年、今年こそ打ち止めじゃないかと思いながら、毎年なにか新しい話題がでてきます。


(2006/10/10) 第5回SSSを開催しました。Sと5がそっくりなことから、SSS5と書いて、5ボールカスケードもしくは28ボールファウンテンと見なすことができます。

講演も意外に多くなり、次の4件でした。

よしのさんの、サイトスワップの結晶構造は長さNのジャグリングの数列をN次元空間上に配置した時の分布と構造についての考察です。長さ3のときは3次元空間をx+y+z=3nで切った平面上の正六角形による充填と一致し、基底状態のサイトスワップが同一六角形上に配置するという、非常に美しいものでした。nの面の六角形が作れれば、n>mとなるmの面上での解が自動的に与えられるという便利さも持っていました。タイムUPでここまででしたが、4次元(長さ4)以上も綺麗なものだそうです。

なんでもシャワーは、2006/7/8に書いた話で、時間引き延ばしとサイトスワップ操作によってシャワーを作り出すことができるものです。たとえば、423→713151、というように普通のサイトスワップ一つから必ず◎1△1…という片手はつねに手渡しする「シャワー技」を作れる便利な手法です。

森下さんの「Z01拡張」も、何でもシャワーと同様に元となる数列を簡単に変換して違う技を作る手法です。1→201、2→501、3→801…と変換できるそうです。例えば、31→801201。

「フェスティバルをジャグろう」では、JJFは4033年に、三多摩は第12回にそれぞれジャグレるそうです。参考、jjf4033、3tama12。

参加人数は11名と大盛況でした。


(2006/9/28) サイトスワップシンポジウムの第5回目を、JJF2006にて開催します。略称はSSS5です。

2002年以来、とりあえず休むことなく続けられています。以前は97531など、ある意味想像の上のパターンでしたが、最近は投げられる人が異常なまでに増えてしまいました。7ボールのサイトスワップを投げるような人も多々現れています。考えている暇に投げてしまえ、ということかもしれませんが、逆に言えば、無理そうなことでも今いろいろ考えておくと将来それを実現してしまうプレイヤーが現れるかもしれません。SSSの意義はまだまだ尽きません。

ところで、第5回の最大の悩みは名前です。SSS4はそのままジャグレたし、SSS0^{25}3も、ゼロを無視すればそこそこカッコよかったのですけれど。SSS…5…で、かっこいいパターンが無いかと考え中です。


(2006/7/8) シャワー追い越しのパターンについて考えてみました。多くのサイトスワッパーが実践していて、みな体感で 7131 や、b17131などを覚えていますが、どんなバリエーションが可能かちゃんと説明されていることはまれです。以下では広い意味でのシャワーとして、片手で高く上げもう一方は手渡しの1を繰返す技を指しているとします。

まずは本来の意味での「サイトスワップ」を使ってパターンを作るのが、シャワー系の技ではいちばん分かりやすいでしょう。サイトスワップの原理は、N個はなれた数字aとbをb+Nとa−Nにして入れ換えても良いというものです。たとえば3個のシャワー2サイクル分の5151を考えて、出てくる二つの5同士で適用すると、2個離れているので7と3になり、7131になる、ということです。

シャワーの場合、一回置きに1の手渡しが入ることが必須です。このため、2,4,6…と2の倍数だけずれたハイトスボールどうしでサイトスワップしていってできる範囲がパターンのすべてです。サイクル数が限定されているとおのずとパターンの組合せが決まります。普通は31、51、71とボール2個以上ですが、ボール一個の11もふくめてしまうことにします。

N個の2サイクルパターンは、N−1種類あるという予想をぱさーじゅのシャワー好きの市川君が立てていました。3サイクル以上だとどうなるかも含めて考えてみました。

2サイクル追い越しパターンでは全部数えるとN種類ずつあり、(カッコで括ってある)同じモノが二回続くものと11を含むものをそれぞれ減らすと確かにN−2種類ずつになっています。

3サイクルでは同じモノの繰り返しを除くと、全部でN×(N−1)ずつあります。11を含むものを除くのはやや面倒なのでこのさいやめておきます。

4サイクルは書いてありませんが単純な4回繰り返しを除き、全部で(N−1)(N−N+1)個です。

ここまで調べてきてあることに気付きました。Qサイクルの追い越しシャワー、つまり一回おきに手渡しの1が入るパターンというのは、じつはNボールの長さQのサイトスワップのうち0を含まない個数ぶんだけある。ということです。0を含まないという部分は、さらに(N−1)個長さQのサイトスワップすべてと同じだけある、ともいえます。これらを拡張して、こんな定理を見つけました。

シャワー生成定理

441は<4*2-1>1<4*2-1>1<1*2-1>1で、717111に変換できるというわけです。値の対応は、シャワー:ノーマルとすると、1:1、3:2、5:3、7:4、9:5、b:6、d:7、f:8…となっています。

たとえば、3ボール長さ3のサイトスワップは次の12個+1個です。
900、801、720、711、630、612、603、531、522、504、441、423、333

このうち、0を含まないのは、次の6個+1個です。
711、612、531、522、441、423、333

これらを3サイクルのシャワーに変換するとつぎの6個+1個になります。
d11111、b11131、915111、913131、717111、713151、515151

また、逆変換を使えば、すでにある追い越しシャワーパターンの1を省略して考えることができます。

たとえば、b17131はジャグれるか?と考えるときには、1を抜いてb73と取り出して、1足して半分にして642になって、642は4ボールのジャグリング可能な数列なので、もとのb17131がジャグリング可能なことがわかります。b13171とすると→624となり、ジャグリングできないことが分かります。

蛇足ながら、パターンの中の11のところは、20に置き換えることができ、31のところは22に直せて、これらはいわゆるピルエットポイントです。

定理を証明するには、サイトスワップの引き伸ばし変換や、N−1個のパターンに111…を加えることなどを使って1対1の写像を作れることを示せば良いです。


(2005/8/16) JJF2005では、第4回サイトスワップシンポジウムSSS4を開催しました。第4回となっていますが、途中に三多摩で開催した少数分が2回あるので、通算では6回めです。

講演は以下の2件、

今回は、常連の吉野さんが就職したてで多忙のため参加できず、久々に開催が危ぶまれましたが、私をふくめ10名が参加しました。

522の壁は、テンポを変えて投げたときの、ボールの保持時間割合の変化がある点を境界として劇的に変化するという発表でした。ゆっくり高く投げると両手にボールをもったままの状態で待つようになりサイトスワップとしては522になってしまいます。この変化点に腕の長さという物理量が関係しているらしいという発表でした。

PassingSiteSwapの紹介はずっとやろうと思っていて初めてやりました。パッシングのというと、みんな「2カウントで?」と本来の意味からすると微妙にずれた質問をしてきました。非同期パッシング自体がすぐには理解してもらえないようで、たとえば7本1カウントと説明してもしばらく??が飛んでいましたが最後はみな理解してもらって、多少の普及ができました。


(2005/6/25) サイトスワップシンポジウムもいよいよ4回目になります。JJF2005大阪で開催します。

正式名称は、SSS4。じつはこれジャグリング可能です。投げるのは多分不可能ですけれど。

昨年のSSS0^{25}3から比べると美しい回数になっています。ちなみに、次回のきりの良い回数はさらに4年後のSSS8。サイトスワップの加算原理を知っていると、0004を足せば良いのですぐに分かります。そんな知識を得たい方はぜひいらしてください。


(2005/2/17) JJFや三多摩ジャグで開催しているSSS(サイトスワップシンポジウム)で発表していただいている、マラバリスタのよしのさんが、サイトスワップ方程式についてのまとめをwiki(http://www.malabaristas.com/siteswap/)で公開しています。

ジャグリング協会誌にこの内容を記事として投稿するにあたって、できるだけ多くの人に見てもらってより分かりやすい解説・表現にしたいということだそうです。

サイトスワップ方程式は、ジャグリング可能な数列の性質を保存する方程式で、これをつかえばジャグリング可能なまま複数のサイトスワップをつなげたり、変更することができるというものです。つまり、技と技をつなぐ、いわゆる「のり」のパターンを見つけるためには、この方程式を解けば良い、というスグレものです。その本質的内容は、大学初等くらいでもまだ難しいような高度な数学の考え方の裏づけがあるわけでが、道具として使うだけならば、きっと誰にでもできるようになると思います。なるといいな。そもそもサイトスワップの平均がボールの数と等しいということも知っているだけで便利ですが、その理由をちゃんと説明できる人は少ないわけですから、いっけん難しそうなSS方程式も広まる可能性を秘めています。

ところで、Wikiというのは閲覧者も内容のコメントや書き直しができるというシステムです。質問などがあれば書き込んでおくと答えてもらえるかもしれません。


(2005/1/22) 驚異的なバランスジャグリングとけんだまで有名なボーダーさん(岡田さん)のウェブサイトで、サイトスワップシミュレータの定番JuggleMasterを多人数に拡張した JuggleMaster Ver2 (JM2) が公開されました。日本ジャグリング学会掲示版で3本以上のマルチハンドについて検討していた成果です。

サイトスワップの数字を、各ビートで投げるボールの高さと行き先とするPassingSiteswapと同じ考えかたでできていますが、ソフトウェアの実装の都合で手の順番が、プレイヤAの右手、A左、B右、B左、…以下続き・繰り返し、となっている点が異なっています。PassingSiteswapでは、A右、B右、A左、B左となっていて、1カウントパスの順と対応しています。

いろんな楽しみ方がありますが、とりあえず一人用の既存のサイトスワップパターンを、多人数でやるとどうなるのか見てみるだけでも飽きません。まずは、3カスケード、5カスケードあたりをやってみると、このソフトの考え方がどうなっているか原理が分かるでしょう。また、2人のときに4のファウンテンを指定すると何もしていないように見えてびっくりしますが、これで正しいのです。4では4カウント先に投げる手へボールを投げますが、4カウント先の4本先の手は結局その同じ手になります。またその手でキャッチして投げるので、ずっと持ったままになるわけです。一人2本手のときに、サイトスワップ2でなにも動かないのと同じことです。

4ボールの444447333は、簡単そうで思わずやってみたくなります。個人的には、2人での9ボールマルチプレックス[54]が意外に綺麗でびっくりしました。2人での4ボールシンクロファウンテンコラムスは、、あ、そうか、、というオチになる技です。


(2004/12/21) Deepジャグリングのセバスちゃん氏が主催する掲示版、「日本ジャグリング学会」で、ジャグリングの様々な課題の深い議論をしようという掲示版になっています。サイトスワップに関連した話題はもちろん、競技としてのジャグリング・コンバット公式ルールの検討や、新しい技についての考察など他では出てこないジャグリングの話題が進んでいます。

サイトスワップ関連については現在のところ、バウンスノーテーションと、3本以上の手についてのマルチハンドノーテーションについて意見交換しています。

バウンスノーテーションはシミュレータを作ることを念頭にして、できるだけシンプルに書き表すにはどうすると良いかが課題のようです。マルチハンドノーテーションも、名作ソフトのJuggleMasterをマルチに改造するうえで一番良い書き方はどんなだろうというものです。

マルチハンドでの表現では、非シンクロのパターンならば徳重さんのPassingSiteswapが、個人的には一番綺麗で分かりやすいと思っています。

とは言うものの多人数パターン、たとえば100本の手が完全に非シンクロにして別ビートで投げるのは非現実的なので、シンクロパス=普通のパッシングのように、2本以上の手が同時に投げるシンクロパターンが表現できないと不便です。すると、とたんに組合せが増えてしまい一列の数列で技を表現できるサイトスワップの綺麗さが消えてしまうのが残念です。通常はパッシングを、2列や3列のサイトスワップで表現し、パスのタイミングでpをつける記法が比較的多く使われています。Jongleでは、物の移動を完全表記したラダーノーテーション表記が使われていますが、これはやたらと長くなって内部的表現としてはかまわないものの、口伝えするのにはあまり実用的とはいえません。そもそもパターンが複雑で自由度も高いので、数多くの技をシンプルに表現することに一定の限界があるのは仕方ないことかもしれません。


(2004/10/30) 10月10日に開催した三多摩ジャグリングフェスティバルで、第3.14…回サイトスワップシンポジウム、SSSπを開催しました。ここしばらくは、JJFで本体のSSSをやって、三多摩でも特別編をやるのが定例になっています。第3回と第4回の間なので、3.14159…で第π回としました。

講演内容はよしのさんの、「ジャグリング可能な魔方陣と等差サイトスワップ」でした。魔方陣を作ったとき、並べた数字がジャグリング可能なものについて調べたことについての発表です。たとえば、偶数方陣はジャグリング不可能、3×3は唯一かつほぼ完全、5×5以上のジャグリング可能な魔方陣を等差サイトスワップの考え方で作る方法が主な話題でした。

とくに3×3の魔方陣はじつはそもそも一種類であり、それがなおかつジャグリング可能であるのはびっくりだ、という話にはたしかにびっくり。

参加者は、よしのさん、セバさん、にしのなど5名くらいでした。


(2004/7/27) バウンスのページでも紹介していますが、バウンスサイトスワップの表記をまとめておきます。

リフト3ボールカスケードは3L、フォースは3F。リフトシャワーは5L1、フォースシャワーは5F1となります。基本的なサイトスワップ技の441ならば、4L4L1や、トスと組み合わせて4T4F1などバリエーションができます。

カスケードでもフォースとリフトを組み合わせて3のまま、3L3L3L3F3Fや、トスからバウンス3T3T3T3L3L3Lなど組合せはいろいろです。この場合同じT、Lが並ぶので、それだけ略し、3L333333T33333など投げ方は以降同じと書くこともできるでしょう。これらは決まったものではありません。

ともあれ、バウンスの複雑な技は見た目と口伝でしか伝わっていなかったので、表記できるようになれば、メールでもやりとりが出来て便利です。


(2004/6/28) JJF2004名古屋で開催した第3回サイトスワップシンポジウムSSS0^{25}3は、約10名の聴衆を集め、ここ数年ではもっとも賑やかなシンポジウムとなりました。

講演内容は以下のとおり。2コマ(2時間)枠をめいっぱい使うくらい充実していました。

萩原さんシガーボックスノーテーションは、中抜き、引っ付けやそれらの融合などによる複雑な技をシンプルな状態表現とその遷移として書き表す手法です。これまでの記法で重要視されていたシガーの回転そのものはオプションとして大胆に整理した結果、ナンバーズの各種の技や、萩原さんのオリジナルである引っ付け中抜き連続のような複雑な技もより容易に表現できるようになっています。

吉野さんのサイトスワップ方程式は、状態表現を独特のコーディングで特性方程式表現を行い、任意の状態間の接続を方程式を満たす(一意とはかぎらない)解として表し求めることができるものです。さらに確定していない状態も扱うことができるため、部分的にはジャグリング可能でないサイトスワップの断片をサイトスワップに組み込むためののりづけを求めたりすることができるという強力なツールです。昨秋の三多摩ジャグで行われた第(2x,4x)回の復習と続きからなっています。まだ全ては語られていないので、次回も楽しみです。


(2004/6/8) JJFで開催しているサイトスワップの応用編の情報交換ワークショップ「サイトスワップシンポジウム」の第三回目を名古屋で開催します。略称はSSS3としています。SSS0^{25}3

で、正式名称は、「サイトスワップ…」ではなくて、SSS0^{25}3です。もっと正確に書けば、SSS00000000000000000000000003となります。やっぱりジャグリング可能でないと話にならないかなぁという意味です。


(2004/2/22) サイトスワップについて、つねづねあれこれ考えていますが、やはりそのときどきの興味に関連した表記法が気になります。サイトスワップというのは、言い方を変えると「腕が二本」で「交互に投げる」と決めた時の「トス」「ジャグリングパターン」の表現方法です。もちろん両手同時「シンクロ」(4,4)に投げたり、片手から二つ同時に投げる[32]くらいは拡張されていますが、それはそれであまり綺麗な表現ではなくなってしまっています。最近では、シガーボックスの技表現なども表記法が工夫されつつあります。

自分はといえば、やはり一番気になるのはパッシングなので、もうちょっとパッシングのサイトスワップについて勉強し、考えてみたいと思います。関係する情報は、IJDb(Internet Juggling data base)Passingdb.comなどでもいくつか議論されています。

パッシングは、要するに人数分だけ腕の数の多いジャグリングと考えることができます。実際やるのは大変ですが、とりあえず考える分には簡単です。 (^^; 。一般的に複数の腕のパターンを表そうとすると、Mhn (Multi Hand Notation) があります。また、二人のカスケードの取り合いであるスチール/テイクアウェイに特化すると、ガンディーニのテイクアウェイパターンn/mがあります。これらはPassingdbの中でも部分的に紹介されています。元来複雑なものを、なるべく簡単に表そうとする試みはいろいろあるようです。本当に一般的に書こうとすれば、全てのタイミングでの、全ての手の動きについて、どの手にいつ行くボールか、ということを表したものになります。Mhnはこれに近いものです。

現状では、とりあえず3人くらいのパターンを簡単かつ表現力豊かに表す方法があると嬉しい今日この頃です。


(2004/1/13) 最近やっている、バウンスおよび、バウンスパスでサイトスワップを実践しています。バウンスでは、跳ねさせることによって時間稼ぎがいろいろできるため、ビートの基本スピードを調整してより複雑なサイトスワップを実現することができます。とくに、パッシングでは腕が4本になることでさらに可能性が増えてゆきます。

トスでのサイトスワップと投げとの対応は、1=手渡し、2=1ビート保持、3=カスケード、4=ファウンテン(片手2個の高さ)となっています。いっぽうバウンスでは、おなじ3カスケードの3でも、リフトにするとゆっくりで、フォースを上がりばなの低めでキャッチするようにすると低くなります。フォース低めを3と設定すると普通のリフトを5、あるいは4として扱うことができます。さらに、バウンスでは2回弾ませることもでき、2回バウンスを3としたり、5としたりすることができます。

バウンスの場合、ボールが行き来する基本の長さ(高さ)はほとんど変わらないので、ボールのスピードと、バウンス回数の組み合わせで、サイトスワップの数値が変わるともいえます。トスでは、手に戻ってくるまでの時間はあくまでボールの高さだけに依存していたので、それと比べると自由度がぐんと広がっている、ということのようです。

パッシングサイトスワップでは、7ボール1カウントでサイトスワップは…777777…つまり7となります。低めの真横から見ていると7つカスケードをやっているように見えるということです。実際には、手が2本多い分ボールを保持しておける(dwellレートが高い)ので、実は5カスケードに近くなっていたりもします。ともあれ、この7をシングルリフトバウンスのパスでやるとすると、それにあわせて9はダブルのリフトバウンスパスで、5はフォースによる速いパスとなります。たとえば975を加えて…77777975777…を実際にやっています。いっぽう単体でも試して、リフトダブルバウンスパスで9をやってみたり、フォースのクイックパスで5をやってみたりもしています。

また、2,4,6,8,10という偶数パスは、パッシングサイトスワップではセルフを表現しています。4は保持、6はリフトシングルバウンスで反対の手へ、8はシングルバウンスでの片手2個、10はダブルバウンスで反対の手へ、というような意味になっています。パッシングもこうしてサイトスワップで表現し、技を組み立てることができるそうです。


(2003/11/15) 第二回SSSで「…サイトスワップ逐次生成法…」を発表したセバスちゃん氏が、それをソフトウェアにして公開しています。逐次生成するので、一定のパターンを繰返すのではなく、どんどん違った投げ方をしてゆきます。ある種のスクリーンセーバーのようなソフトで、動きをぼーっと眺めているとけっこう楽しむことができます。

まだ完成したものではなく開発中のプロトタイプですが、1万ケタのサイトスワップを生成したり、そのパターンのアニメーションを見せてくれます。

普通の人が使って見るには、アニメーションモードが適しています。アニメーション表示ありにマークをつけ、高さ制限を5に変え、「自動」のボタンを押します。ボールの数も変えられますが、まずは3でそのまま変えなくて良いでしょう。すると自動的にだらだらとサイトスワップが生成され、その高さに投げるボールのアニメーションを見る事ができます。止めるボタンはありません。アニメーションを止めるためには、いまのところ、アニメーション表示ありのマークを外してから、「自動」のボタンをまた押します。するとアニメーションが(少なくとも見かけ上は)止まります。

手動を使うと、一ケタずつ次の数字を自分で選びながらサイトスワップを作ってゆきます。ただし、それまでに投げたボールによって、次に投げられる高さの制限がありますが、その制約は自動的に計算されます。このときには、入力ボタンの表示が変わり正しくない投げの高さは投げられなくなります。たとえばどこかで5を投げると、その直後には4を投げることができません。手動で一ケタずつ作って行くと、サイトスワップの繋がりについて、いろいろ考えることができます。


(2003/10/25) 18日に開催した、三多摩ジャグリングフェスティバルでは、SSSの特別編として第(2x、4x)回を開催しました。ちなみに2回と3回の間ということで、2.5回なのですが、小数はサイトスワップに出てこないので、こんな書き方にしてあります。

内容は次のとおりでした。

ほんとうはセバスちゃんの、逆転再生についての話もあるはずでしたが、急用で不参加となってしまったので、発表延期になりました。

聴衆は平均4名、のべ6名でした。三多摩のてきとーな運営の隙間を使い、なんだかんだで2時間開催でした。でも、よしのさんのサイトスワップ方程式の話は終わらず、というよりは、まだ核心に触れるまえに終了となりました。それでも、サイトスワップ方程式とは何か、どんな役に立つのか、どう解くのか、といった基礎理論については説明してもらえました。


(2003/9/4) 先日終了したJJFでは、第2回サイトスワップシンポジウム(SSS)という名前のワークショップを開催しました。ようするにサイトスワップに関連したマニアで集まって、最近発見したことなどを報告しあうという会です。昨年の川崎JJFでの第1回につづき、無事に終了しました。参加者は残念ながらすくなかったものの、それでも、話者2名、聴衆2名、司会1名の合計5名もあつまりました。一時は1人きりで、他にはだれも来ないかなと思っていたので、想像の5倍の参加者でした。

内容はつぎの3件でした。

逐次生成法は、状態値だけを保存しておいて、つぎつぎ投げたときの状態遷移を整数の足し算と割り算だけで行うというものです。レジュメが公開されているのがうれしいです。

単語の探索は、プログラムを作って、自分のコンピュータの中にある全ての文書を調べた結果の報告でした。intel はジャグレるとか、linuxは大丈夫だけれど、windowsはだめとか、いろいろ楽しい発見がありました。5文字以上の長い単語がジャグリング可能なサイトスワップになる可能性は3%しかないそうです。

状態遷移図の縮約は、逐次生成方とも関連している話題で、3ボールで高さ5までの場合、本質的には2状態(基底と励起1)しかない、という凄い結果でした。

自分が発起人および司会として開催しましたが、こうなると来年もやらざるをえないです。サイトスワップの好きな方は、これから1年、ぜひ話題を考えておいて下さい。


(2003/4/10) サイトスワップの数字は、そのときのボールの高さを表しています。3は3ボールカスケード、4は4ボールファウンテン、のようにボールが多いほど高く投げなければならず、ちょうど数字とボールの数が一緒になります。高さと言っても本当の高さではなく、手に戻ってくるまでの時間を表しています。カスケードを0.5秒おきに投げるとすると、その3倍の1.5秒くらいずつボールが飛んでいることになるわけです。距離としての高さはその2乗に比例します。

どうやら、1は特別、と思われているようです。つまり、パシッと手渡してしまうので、高さは0であると勘違いして思われているようです。さらに、1を特別と考えて、全ての高さから1を引いて2乗するという式も見かけたことがありますが、これもどうやらなにかの勘違いか、高さでないなにかを表すものようです。3カスケードと4ファウンテンの高さの差は、同じリズムでやるかぎり、3対4の2乗で、9対16になります。つまり、4ファウンテンは3カスケードの2倍弱くらいにしなければならないわけです。さらに5はというと、3と比べると高さ比で、9対25ですから、およそ3倍弱の高さまで投げると、3カスケードと同じリズムになります。1を引いて考えると3と4→4:9、3と5→4:16(=4倍)となり、比が大きすぎるようです。実際には手に持っている時間を考慮しなければなりませんが、1を引いてしまうとさすがに引きすぎのようです。

普通のカスケードを小さくやると、手の平から、30センチくらいしか上げないでできます。これを3の高さとすると、1の高さは2乗で考えて9対1、つまり3.5センチくらいしかないわけです。手から手へ移るときに手の平から3センチ上がって落ちて反対の手に渡る、これが本来の1、つまり手渡しの姿ですが、あまりに小さいので投げていて気付かないかもしれません。飛んでいる以上かならず落ちる分がありますから、シャワーのように片手を高くしても、精密にみると山形の放物線です。この3センチの登り降りは、かならずどこかに含まれます。


(2003/1/2) 徳重さん、よしのさん、とパッシングにおけるサイトスワップの応用の話題が続いています。サイトスワップはそもそも一人のジャグリングパターン、つまり腕が2本で左右交互に一度に一つのボールを投げることでできるパターンを表す役割で作られたものです。片手で二つ以上投げるマルチプレックスや、両手同時に投げるシンクロパターンなど拡張され、お二人はパッシングでも使えるような工夫をしています。

徳重さんのパッシングサイトスワップは、手の数が増えたときの自然な拡張です。そのため、普通の2カウント6本パスつまり同時にパスを投げあうパターンを表現するのではなく、すこしだけずれたパターンを表しています。よく考えてみると、サイトスワップの数字の列には左右の手の違いはいっさい現れません。逆に言うと左右の手の違いを消してしまったので、441や517131など複雑なパターンが簡単に書き表せるのです。これに右手と左手の区別をいちいち加えるとどんどん複雑になるばかりであまり良いことはありません。パッシングでも普通に考えるとA,B二人の人の違いを考えなければならず、2002/7/17に紹介したように二人分を区別して表現しなければなりません。パッシングサイトスワップは、二人の4本の手に順番をつけることで、どの人か、どの手かということを消してしまい、シンプルに表現できるようになっています。また、よしのさんの2カウントパッシングサイトスワップは、投げ手側にだけに注目することで、やはりどの人のどの手か、ということを気にせずに表せるようになり、シンプルになっています。

いったんシンプルに表現できれば、そこから決められた規則=サイトスワップが成り立つ規則にしたがって新しいサイトスワップが作れます。作ったサイトスワップもジャグリング可能で、そうすることでどんどん新しい技を作っていくことができます。お二人の表現方法は、いまのところどちらもポップコーンやタイプライターという名前のついたオーソドックスなパッシングパターンは表現できていないようです。シンプルでない方法での表現はすでにあるようですが、パッシングでできる様々な技を表せる方法が作れると、技の開発にも大きな影響がありますね。

パッシングのみならず、シガーボックスの技の表現方法や、ディアボロ、デビルスティックなど同じように表現できるような方法があると便利です。どこかで開発しているという話もあるようですが、まだあまり出回っていませんね。


(2002/11/2) マラバリスタのよしのさんが、2カウントパッシングにおけるサイトスワップ、についていろいろ考察しています。結論のひとつを紹介すると、441など普通のサイトスワップは、そのまま2カウントパッシングにも応用できるというものです。333ならばシングルのノーマルパスをすることになり、441のような場合の左手の4ならアーリーダブルのパスをするといった読み替えをすればよいというものです。また、このときキャッチする側は「普通に」来たクラブを取るか、必要に応じて待つだけで、特殊な投げ方を必要としないという条件下でこうしたシンプルな結果になるところが興味深く、使い道も広そうです。

詳細は、サイトスワップ&マニアック掲示板で紹介されていました。やがて流れて消えていくかもしれないので、いちおうログをここにも保存しました。きちんとまとめたオリジナル情報は、よしのさんのページにあります。


(2002/10/8) JJF2002応用ワークショップのひとつとして、第1回サイトスワップシンポジウムを開催しました。想像をはるかに越える20人を超える参加者があり、びっくりしました。何人かは、「間違って来てしまった、、」という様子もありましたが、ともあれ妙に盛り上がっていました。立ち見もでるほどでした。

机10脚(20人分)とホワイトボードを用意したエリアで、シンポジウム発表形式にしました。話者とタイトルは次のとおりです。

このほか質疑応答も活発で、その後1時間半、合計2時間半ほどサイトスワップに関する熱い語らいがもたれました。けっこうサイトスワップ人口が多いことが分かりました。質疑応答では、KSKさん、たかし8号さん、ほか多くのひとびとが参加してくれました。実は名前がわからない、、、参加者名簿をつくるんだったと後悔しています。失敗。

こうなると、やっぱり来年の仙台でもやらないとならないでしょうね、、。冊子を作るかなぁ。


(2002/9/7) JJF2002で、サイトスワップについての講習会とマニア講座が開催されます。されますというか、自分で開催してしまうのだったりします。 (^ ^;

マニア講座では、「状態」という考え方について説明するつもりです。技の連続をサイトスワップで書いたとして、たとえば、33334440333となったとき、444と4が三つつながっています。どれも4を投げるわけですが、一投目と二投目と三投目ではちょっと意味合いが変わっています。当然の話ですが、一投目の次にはまた続けて4が投げられますが、三投目の次は手持ちのボールがなくなってしまってボールが投げられません。

つぎになにができるか?ということをよく考えていくと、単に4をなげたときと、三回連続で4を投げたときでは「なにか」がちがうわけです。そのため、つぎに出来ることに違いが現れます。このなにか、を状態とよぶわけです。2ボール、3ボールとボール数がすくなくても、けっこういろいろな状態があって、その流れ=状態遷移もおもしろいものです。こうしたことをワークショップで説明しようと思います。気になったらJJFに参加しましょう。


(2002/8/10) 徳重さんの Passing Siteswap は、一人用の普通のサイトスワップをそのイメージを保ったまま二人でのパッシングに拡張・応用したもので、複雑なパターンをシンプルに表現できるという特長があります。

普通のサイトスワップのポイントは、…右左右左…と、一定のリズムの上に順に使う2本の手が割り当てられているというところにあります。3で投げると3ビート後の手に届くように高さと方向を調整して投げます。たとえば、右から投げれば3つ先つまり「左右左」となってで反対の手の左手でキャッチして投げることになります。

パッシングサイトスワップはこれをパッシングの時の二人分で4本の手を割り当てているところがポイントです。Hさん、Tさんの二人がパッシングしているとして、手の順番を次のように決めます。H右・T右・H左・T左。この順番でずっと続けていくわけです。普通のサイトスワップで 1 というと、左右の手を行ったり来たりする投げ渡しのことです。これは、普通のサイトスワップが…右左右左…という手の割り当てになっているからです。おなじように考えると、パッシングサイトスワップでは、…H右T右H左T左・H右T右…と4本の手を順にめぐって帰ってきます。この順番を理解するとパッシングサイトスワップもわかるようになります。

2で投げると、H右→H左、T右→T左、という投げとキャッチの対応になるので、つまり同じ人の左右の手を行ったり来たりすることになります。普通のサイトスワップでの1を二人でやっているという形です。よく考えてみると、二人を合わせて合計2個の物体が動いていますから、サイトスワップ 2 の平均値つまり2が物の数になっているとうい性質は変わっていません。


(2002/7/17) パッシングの表記にもサイトスワップが使えます。いくつかの方法がありますが、よく見かける方式はつぎのようなものです。

   p   p   p   p
3333333333333333
3333333333333333
   p   p   p   p

つまり、二人分のサイトスワップを並べてパスを投げるときにpをつけておく、というものです。考え方は普通のサイトスワップと同じなので、とりあえず分かりやすいという特長があります。二人の間でかわされるパスのタイミングのずれ、つまりダブルパスやトリプルパスによるシンコペーションは二列両方に影響するので少し複雑です。それでもやはりシンコペーションが入っても、二人合わせた全体の平均値が変わらないところなどで、サイトスワップの性質を保っています。

  p    p | p   p
334233333|343333
333333333|332333
   p   p | p   p

この例では、一つ目の1カウント前にずれたパスが、アーリーダブルで、二つ目の同じタイミングで4のパスを出しているのがレイトダブルです。上の人がシンコペーションを投げています。アーリーダブルは、取る側の人つまり下の人にとっては何も影響を与えません。実際にはパスがクロスで高めに飛んでくるのでびっくりするわけですが、タイミングとしてはいままでといっさい変わらないわけです。いっぽうレイトダブルでは、投げる方はダブルを投げる以外はいっさいかわらず、受け取る方が一回休み(2)になります。受け取る方がその1カウントで判断しなければならないことが、数字に表れています。

これはこれで分かりやすい表記ですが、全体が4行になってしまうという大きな欠点があります。4行あると書くのにはよいのですが、口で伝えることはほとんど不可能になります。もちろん、口でも伝えられる1行のものもいくつかあるようで、たとえば琉球大の徳重さんの開発によるパッシングサイトスワップなどがあります。


(2002/6/11) サイトスワップを覚えると、技の数が飛躍的に増えます。サイトスワップ技は解りにくくて難しいと考えている人も多いようですが、じつは意外に簡単なサイトスワップ技もあります。

カスケードができるなら、それだけで、サイトスワップ 3 という技をしていることになります。この高さとリズムを基準にしていくつかのバリエーションができます。シャワーができるなら、それは 51 です。さらにカスケードをしている状態からシャワーに入れるなら、きっと…333525151…512333…と途中で2(一回やすみ)を入れているはずです。これも立派なサイトスワップです。たとえばカスケード3キャッチして3回だけシャワーする、ということを一まとめとするとそれは、 333525151512 という技です。カスケードとシャワーをぎりぎりまで短くしてみると、 352512 となります。複雑そうですが、やってみるとそれほどではありません。手を動かしてボールを想像できるようになればしめたものです。最初の3の分も切り詰めて 52512 という技もあります。これは3ボールマウンテンと呼ばれているようです。高い2ボールチェイスをして、もう一個がすきを縫って左右に行ったり来たりするというものです。

もっと簡単なのは、522です。522は、普通のカスケードをしているときに、一つだけ高く上げ、両手一回ずつお休みくらいの時間ののち落ちてきたところでまた高く投げる、ということを繰り返します。これも522だけ繰り返すのではなく、普通のカスケードの途中に入れてみるとより簡単にできます。…3335223333…という形ですが、途中の22で左右一回ずつボールを握ったままお休みです。リズムが正しいかどうか知るためには、高く上げたあと、左右の手で一拍ずつそれぞれ膝を叩いてみるとよいでしょう。右で高く投げ(5)、左で投げる代わりに握ったまま膝をたたき(2)、右でも叩き(2)、カスケードに戻ります。左右の手で一拍ずつ叩けるなら、それだけリズムの余裕時間が取れていることになり、そのまえの高い投げの 5 が正しく5の高さまで投げられていることを確認できます。

5の高さを確認するほかの方法として、少々難度が上がりますが 5511 を投げてみることも役立ちます。右、左の順に両方とも高くクロスにリズム良く投げます。これが 55 の部分です。残った一つが右手にあるので、ポンと左に渡し、すかさずポンと右手に戻します。この行ったり来たりが 11 の部分です。全部あわせると二つ高く上げ(55)そのすきに行ったり来たりする(11)ということをあわせた 5511 という技になります。これもカスケードの途中に入れることができるので、一回だけやってみるといいでしょう。11の行ったり来たりが忙しいようなら、逆にそのまえの55の投げが低くすぎて、すぐに落ちてきてしまうことが原因です。もっと高く上げて時間の余裕を作ってリズムよく流してみましょう。

サイトスワップで発見された技には想像では出てこないような複雑な手順の技がいくつもあります。またそうした発見にサイトスワップという仕組みが役に立ったそうです。

しかし一方で、カスケードが安定してくればできるような比較的やりやすい技もあります。こうした技を練習することで、より正確で安定したリズム感を養うことができると思っています。


(2002/5/31) サイトスワップは、左右の手を交互に使うことを前提にしています。そのため、515151…と書くと自動的に右左右左と対応するため、右5、左1、右5…と左右の手で投げるものが決まってゆきます。また、投げたボールの行き先も、偶数なら同じ手、奇数なら反対の手と自動的に決まります。

スチール、パッシングなど二人以上、手が3本以上になったときにはこのままでは、残念ながら通用しません。あるときに投げる手が二つ以上あるかもしれず、またそのとき投げたボールが行く先も二つ以上あるからです。もちろん、両手シンクロ、マルチプレックスなど同時に投げる技でも同じです。たとえばパッシングでは、手の数は4本なので、クラブパス8本レインボーシンクロでは4本がいっぺんに空中に飛び出し、全てが違う手に飛んでゆきます。

まとめると、ある時刻の投げについて、どの手から、どの高さ(着地までの時間)、どの手へ、いくつずつ、という四つのことを毎回決めなければなりません。

こうした難しいジャグリングノーテーション、つまりジャグリングの技の書きかたもいろいろ研究されているわけですが、難しくなりすぎるのであまり通用していません。ただ、複雑な技を理解したり、伝えたり、そして新しい技を作ったりするには、書きかたがしっかりしていると便利です。サイトスワップは手が二本で、同時に一つしか投げないと決めたために、全体がものすごくシンプルになった成功例です。そのために、サイトスワップならではの新しい技の開発、発見、固定化にも役立っています。難しい技を簡単に書く方法ができると便利なのですが。


(2002/3/15) ジャグリングの論文。こんなのがあります。

高校生と文系ではちょっと、、、、 (^ ^; きびしいかもしれません。


(2002/2/5) サイトスワップで書かれた技

サイトスワップについての詳しい説明(日本語)は、ジャグリングドーナツマラバリスタ、またアニメーションで分かりやすいのが大垣ジャグリング倶楽部にあります。

とはいえ、ここのWWWの他のページで、サイトスワップで表現していますから、ここでももう少し説明を書いておきましょう。

サイトスワップで多分一番有名なのが、441という技です。お手玉の世界では類似の技がないので、知らないと想像もつかないような不思議な動きをします。3つのボールで投げますが、右のボールを片手2ボールのように高く真上に上げ(4)、ワンテンポ遅れて左手からも同じように真上に投げ(4)、右手に持っているボールをすかさず左手に渡します(1)。渡されたボールを、こんどは左手から4で真上に投げ、右手に落ちてきたボールを右で4で投げ、左手に落ちてきたボールをとってすかさず右手に1で渡します。以下同様につづけることができる技です。ぱっと見は、左右の手から縦にボールが上がり、左右の手の間を素早くボールが行き来するのでボックスと似たような技に見えます。実際は、一つのボールが全体を駆け巡るので、行ったり来たりのボックスとは違う技だということが分かります。実際の動きは、実物を見てもらうしか説明しようがありません。

片手で、2つのボールを投げる2イン1ハンドのサイトスワップは、40となっています。4というのは4ボールファウンテンの高さで、その場合のサイトスワップは4です。とても似ているのは、4ボールファウンテンを片手でやれば2イン1ハンドになるからです。40というのは、…4040404040…という投げ方で、一つおきに0があるので左右左右とあてはめれば、左右のどちらか片方の手は、ずっと0になっていることがわかります。つまり、どちらか片手はなにもせず、もう一方の手でつねに4の高さに投げ続ける、ということになります。

441の4もその時点では、4ボールファウンテンの高さに真上に投げます。その後の1の投げを入れることで複雑なパターンになっているわけです。サイトスワップは、このように色々な投げ方の組み合わせを分かりやすく表現していて、すこし慣れれば、数字をみてボールがどんな動きをするかも分かるようになります。


(2002/1/26) サイトスワップの基本

サイトスワップとは、トスジャグリング(ボールなど、投げる系のジャグリング)の技を、数字を使って表したものです。たとえば、普通のカスケードは、3、と書けます。

基本の考え方は、ボールの滞空時間を順に書いたもの、と覚えておくといいでしょう。3というサイトスワップは、実は…33333333…と3を繰り返すという意味で、全ての投げで、滞空時間3のボールを投げるということです。時間の計り方は、秒や分ではなくて、ビート(拍)で、個人々々でちがいます。カスケードなど普通左右交互に投げるときの…右左右左…というリズムが拍です。…333333…と投げていると、右手で3拍分飛ぶボールAを投げ、左から3拍分飛ぶボールBを投げ、右で3拍のCをなげると、最初のAを投げてから3拍たったので、左手にボールAが落ちてきます。それを取って、左でAをなげ、右で落ちてきたBを取って投げ、左でC、、、とつづけるとカスケードになるわけです。

よくわからないときは、紙に 33333333 と書いて 最初の3から、3つ先の3のところに線を引っ張ります。次の3のところから3つ先に、、、と続けていくと、全体として3本の線が3つおきに繋がった絵がかけます。じっと見ていると、ちょうどカスケードの動きになっていることが分かるでしょう。

シャワーは、51と書けます。実際には、…5151515151…と51を繰り返して続けています。右で5拍後に落ちてくるボールを投げます。5拍の間飛んでいなければいけないので、結構高く投げなければなりません。次に、左手で1拍後、つまりすぐ次に投げるボールを右手に渡します。そして右手ではそのボールを5拍分の高さで投げます。また左から1で右に投げ渡し、それを5で高く投げて、と続きます。動きがシャワーになっているのがわかります。

これも 5151515151 として線を引いてつなげてみましょう。全体が3本の線で繋がることが分かります。それぞれの線がボールを表しているので、51という技(シャワー)ではボールを3つ使うということが分かります。じつは技を、51とサイトスワップで書くと、ボールの数は、数値の平均値でわかるという性質があります。この場合5と1を足して2で割ると、3になっています。

5ボールカスケードはずっと5の高さで投げるので、…5555555…となっています。簡単に 5 と書きます。4ボールや5ボールのシャワーはそれぞれ、71、91、と書けます。どちらも平均値がボールの数、4と5になっています。サイトスワップで書くと、どのくらいの高さで投げなければいけないのか、数値で分かります。3ボールのシャワーの場合は、51なので、高いほうのボールは5、つまり5ボールカスケードの高さに投げなければなりません。同じように、4ボールシャワーは71で、7カスケードの高さ、5ボールシャワーでは9カスケードの高さとなります。5ボールのシャワーがとても難しいということが、数値を通して実感できます。


(2002/1/13) メビウス関数とメビウス反転(反転公式)を説明。うーむむむむ。ま、いっか。


(2002/1/9) 落下点の説明をもうすこし加えました。うーむわかるかなぁ、、


(2002/1/8) オイラー数、置換全体の表現、落下点の説明を追加しました。


(2002/1/4) 冬休みスペシャル。高校生と文系でも分かる(といいな)サイトスワップの数学1

いちおう高校生くらいの数学的な知識をベースに、サイトスワップに関連した論文を読むための参考知識の説明です。

まずは、ジャグリングの論文、「Juggling Drop and Decent : 邦訳+解説『ジャグリングの数列』徳重訳」を理解するうえで、加藤邦道さんが  01/12/17 Mon 12:33:30 に掲示板で上げたいくつかの説明を要する用語とそれに関連する知識の解説です。


置換(ちかん)
数学で言う置換とは、内容は簡単で、「並べ替え」を書き表したもの。たとえば「あかさたな」(元)→「あさかなた」(置換後)のように文字の置き換えを考えてみると、元の1番目の文字「あ」は置換後も1番目にあり、元の2番目の「か」は置換後の3番目になっている。これを数字で書きあわらせば「12345」(元)→「13254」(置換後)という並べ変えになっている。これを置換と言う。
置換の表現
置換を数学で書き表すときには、元と置換後をセットにして書く。(12345)が(13254)と変わったとするとこれをセットにして
(12345)
(13254)
という2行の数値の集まりで書く。上が元、下が置換後を表している。2行あわせて一つのもの(置換)になっている。本当は2段分の括弧をつなげて書く。
このとき、同じ数字が同じ横の行に出てくることは絶対にない。あったら置換ではなくなってしまう。置換後の数字は、もとの1〜5を適当な順番に入れ替えただけのものになっている。
元とセットにする理由は、元の順番が揃って無くても構わないから。たとえば、(54321)元→(45231)置換後というのもよく見て見ると1番は1番の場所(一番右のまま)動かないということが変わってないので同じと考えることができる。
置換の性質
置換が二つあると、それを組み合わせて繰り返しの置き換えを表せる。
(123)  (123)  (123)
(132)  (213)  (312)
最初の二つを組み合わせると最後の置換になる。こうして置換どうしを組み合わせて別の置換にすることができる。
置換の数
=注意=ここでは、本当は2行で書く置換を一行で書き表している=
おなじ(123)に関する置換でもいろいろなものがある。しかし、横の長さが決まっていれば無限にあるのではなくて数が決まる。たとえば長さが3のとき(123)→(123)、(132)、(213)、(231)、(312)、(321)の6種類になる。最初の(123)→(123)は置き換えになっていないようにみえるけれど、これはたまたま場所を変えないという並べ替えで、れっきとした置換になっている。
長さをNとすると置換の数はN!(Nの階乗)となる。階乗は1×2×…×Nと1〜Nまでをぜんぶ掛けたもの。
置換全体を表す方法
3つの数字の置換つまり長さ3の置換、たとえば(123)などは、全部で6種類ある。これを全部まとめて
[3]
と表す。また長さがはっきりしていなくて N と文字であらわせば、 [N] 書ける。このときは、[N]というのは N!個の置換全部のことを指している。
置換はサイトスワップでなんの役に立つか?
じつはサイトスワップで出てくるのは「置換」ではなくて「順列」英語では同じ permutation という単語になる。
サイトスワップの論文で重要なのは、置換の数と種類。長さNのサイトスワップは0123、、を足した数を長さで割った余りが全て異なることが分かっている。全て異なるということは、ちょうど置換の約束とピッタリあうので、余りの集まりを置換として論文では考えている。
置換とすると、その種類の数は、長さの階乗で表せる。たとえば、長さ3なら6種類の余りの順序があることになる。
この6種類から逆算して、もとのサイトスワップを作り出せば、ジャグリング可能なサイトスワップが出来る。
置換によるサイトスワップの作り方
  1. 置換をひとつ用意する:たとえば「132」
  2. この置換が長さ3で割った余りとなるようにする。余りが1となるのは、1、4、7…、つぎに3(本当は0)となるのは3、6、9…、そして2となるのは、2、5、8…
  3. それらの組み合わせから時間012を引くとサイトスワップになる。たとえば132から012を引いた120はサイトスワップになっている。
  4. ボールの数が決まっていれば、ボールの数×長さ+(0+1+…+長さ−1)を計算する。たとえば長さ3でボールも2だと、3×2+(0+1+2)=9.
  5. 時間を引く前の数列の合計が9になるようにすればよい。たとえば、135、162、432の3つができる。
  6. それぞれから012を引くとサイトスワップになる。123、150、420の3種類が置換「132」をもとにしたサイトスワップである。
  7. 置換を変えるとまた別のサイトスワップが作れる。
落下点
ある置換(132)を考えてみる。このとき、T番目の数がその番号Tより小さいところを落下点と呼ぶ。(132)の場合は、1番目が1、2番目が3、3番目が2なので、落下点は3番目のところの2になる。
置換から作ったサイトスワップのもとから後で時間012を引かなければならない。これはちょうどT番目のところからTを引いていることになる。落下点というのは言い換えると、そのままでは時間012を引くことができないところ(Tより小さいから)という意味になっている。「置換によるサイトスワップの作り方」から考えると落下点のところには、かならず3または6を足さなければならないことが分かる。これで組み合わせを絞り込んで計算が楽になる。
オイラー数 !注意!
オイラーの発見した法則、ある多面体の頂点、辺、面の数を考えると、頂点の数−辺の数+面の数=2、になるという法則の右辺の数のこと。
右辺は2じゃないのか?と思うけれど、じつは更に多次元空間の図形もいろいろ 考えると、2または0のどちらかになるという法則がある。これがオイラー数(オイラー標数)。
ただし、ジャグリングの論文で使われているのはこのオイラー数ではない。
オイラー数(置換の種類の数)
さまざまな置換によって異なるサイトスワップが作れる。置換の種類を区別して数えるために落下点の個数で区別してみる。
長さ3落下点0個:(123)
長さ3落下点1個:(132)(213)(231)(321)
長さ3落下点2個:(312)
このように考えたとき、長さNと落下点数 K−1個の二つの値からその個数を計算するのがオイラー数である。
A(N,K)とするとこれはA(N,K)=Sum { (-1)^J * C(N+1, J) * (K-J)^N } for J=0 to K. という公式で計算できる。
なお、C(N+1,J)はN+1からJ個選ぶ組み合わせの数である。
長さ3落下点0のときはN=3,K=1なので
A(3,1)=(−1)^0 × C(4,0) × (1−0)^3   + (−1)^1 × C(4,1) × (1−1)^3 = 1−0 =1。 以下同様に長さ3落下点が1のときは、
A(3,2)=(−1)^0 × C(4,0) × (2−0)^3   + (−1)^1 × C(4,1) × (2−1)^3 + (−1)^2×C(4,2)×(2−2)^3 =8−4+0=4
と計算できて、上の結果と合っていることが分かる。
落下点というものを考えることで、サイトスワップの数を数えるときに、このオイラー数の公式が使えるようになる。
メビウス関数
メビウス関数 μ(n) は、整数を扱う数学(整数論、組み合わせ論)の世界で有名な関数。
μ(n) = (-1)k ,nの素因数がk個の異なる素数のとき。
μ(n) = 0 , nの素因数に二乗以上のものがあるとき。
いろいろな性質があるらしい、、
たとえば6くらいまでの数値で計算してみると、μ(1) = (-1)0 = 1, μ(2) = μ(3) = (-1)1 = -1, μ(4) = 0 ;(4=22なので), μ(6) = (-1)2 = 1 ;(6 = 2×3なので)、こんなふうになる。
メビウス反転
メビウス関数を使った特殊な公式のこと。組み合わせ(包除)といろいろ関係している。

f, g 二つの関数があって、f(n) = Σd|n g(d) のとき、
     ⇒ g(n) = Σd|n μ(n/d)f(d)

Σは総合計を計算すると言う意味で、下についている d|n は、「d を nの約数全部について変えて」という意味。なので、たとえば n = 6 として考えてみると、Σd|6 g(d) = g(1) + g(2) + g(3) + g(6)となる。
また、下の方の変形したものは、g(6) = Σd|6 μ(6/d)f(d) = μ(6/1)f(1) + μ(6/2)f(2) + μ(6/3)f(3) + μ(6/6)f(6) = μ(6)f(1) + μ(3)f(2) + μ(2)f(3) + μ(1)f(6) = f(1) -f(2) -f(3) + f(6)= f(1) -f(2) -f(3)+f(6)で、結局は
g(6) = f(1)-f(2)-f(3)+f(6) である。ついでに、ほかのg(n)は、
g(1) = f(1)
g(2) = -f(1) + f(2)
g(3) = -f(1) + f(3)
なので、g()の総合計を計算してみると、g(1)+g(2)+g(3)+g(6) = f(6) となって、たしかに合っていることが分かる。

加藤さんの最初の要望(置換、落下点、オイラー数、メビウス関数以外)

・全単射で定義した f は負の時間、負の落下時点を許容していること
・有界、区間とその極限の意味
・グラフ理論