しばらく前の話だけど、ぼくは、温泉に遊びに行ったんだよ。
そのついでに、伊豆シャボテン公園ってところに寄りました。
シャボテンだけかと思ったら、カンガルーとか、サルとか
カピバラとか、いっぱい動物もいたんだよ。
ぼくがキョロキョロしていたら、親切な係の人が、
「カエル君、もうすぐペンギンたちがやってくるから、
よかったらここで見ておいで」って言ってくれた。
しばらくすると、ペリカンさんの集団が走ってきたよ。
バーゲン会場にむかう人たちみたいに、こっちに向かってきたんだよ。
みんなおなかがペコペコで、新鮮な魚がほしかったんだって。
ビューン！
あっというまに、ぼくの前をとおりすぎていったペリカンの誰かが、
羽根を一枚落としていった。ぼくは、あわてて追いかけたよ。
「この羽根、だれのですかあ？」
ペリカンたちは知らんぷり。
と思ったら、みんな食事中で、口ばしに魚が入っていたんだね。
あとで、一羽のペリカンが、
「よかったら、その羽根あげるわ。」って言ってくれた。
「ありがとう、ペリカンさん。」
「どういたしまして、珍しいシャボテンさん。」
「えっ・・・!?」
どうやらぼく、トゲがない珍種のシャボテンだと思われちゃったみたい。
だけど、ペリカンさんの大きな口を見たら、なんとなく
「ぼくはカエルだよ」って、言いそびれちゃったんだ・・・。
ではでは。これで、ほうこくをおわります。
（カエルのカオル）