25. 実用性

実用性

あなた自身の内なる神性を見せてくれるものに魅せられたり、囚われたりしてはいけません。その代わりに道に、神性に至る道の上にとどまりなさい。

非常に暗い夜、森のなかで道に迷ったふたりの人のことを聞いたことがある。それは非常に危険な森だった。野獣がたくさんいて、しげみは深く、まわりじゅうが闇だった。
 ひとりは哲学者で、もうひとりは神秘家だった――ひとりは疑いの人で、もうひとりは信頼の人だ。
 突然嵐になり、雷鳴がとどろき、すさまじい稲妻が走った。稲妻が光るその瞬間に、哲学者は空を見た――神秘家を道を見た。

 あなたは、この物語の森よりもさらに深い森のなかで道に迷っている。夜はさらに暗い。ときとして稲妻の一閃がやってくる――道を見るがいい。
 荘子のような人は稲妻だ。覚者は稲妻だ。私は稲妻だ。私を見てはいけない、道を見なさい。もし私を見たら、あなたはすでに逃している――稲妻は一瞬の間しかつづかないからだ。永遠が時間を貫く瞬間はめったにない。それはまさに稲妻に似ている。もしあなたがその稲妻を見たら、もしあなたが覚者の方を見たら――しかも覚者は美しい。その顔は心を奪い、その、目は磁石のように引きつける――もしあなたがその覚者を見たら、あなたは道を逃している。
 道を見なさい……道に従いなさい。
Osho THE EMPTY BOAT, pp.127-128


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