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Alfaromeo 164Q4 開発コードネーム167。アルファのフラッグシップ164。 これを開発するに当たって、最初はFRレイアウトが取られようとしたようです。しかしこのとき経営的に苦しかったアルファには半国営からフィアットの資本が入り始めていました。所謂プロジェクト4(サーブ9000、フィアット クロマ、ランチア テーマとの共同開発)に参加せざるを得ませんでした。それは他車種とシャーシを共有する、つまりFRレイアウトを捨てるということでした。 164の発お目見えは1987年のフランクフルトモーターショーでした。Cd値0.30という良好な空力特性を持ったピニンファリーナのボディに1962ccのツインスパーク(148ps)、1995ccのランチアターボ(175ps)、2959ccのV6(192ps)、2500ccのディーゼル(117ps)というラインナップでした。 他車種と規格を統一したといっても、さすがにピニンファリーナは「特別」に仕上げたかったようです。フロントフードは他車種よりmmも低く、さらに後部座席とトランクルームの間には他車種にはないバルクヘッドが備えられていました。 サスペンションは全てマクファーソン・ストラット。一部のモデルにはサスペンションの減衰力調整が出来るモデルも存在しました(QV、Q4には標準)。速度によって操舵力の変わるパワーステアリング。ABSは最初期はオプションでした。トップレンジにふさわしく、電動シート、電動ミラー、中には電動リアシート(!)までありました。インテリアは75からのファブリックに加え、レザーも選択可能でした。 1992年164はフェイズ2となります。164スーパーと呼ばれているものです。ヘッドランプがプロジェクタータイプになり、前後のバンパーが大型化され、全長は110mm長くなりました。エクステリアではそれまでの上下ツートンの塗り分けが廃止されボディ同色となって、ここは賛否両論あるようですが、ボディにメッキモールがあしらわれるようになります。インテリアでは本革シートが標準となり、エアコンスイッチ類も後期デザインとなります。3.0L V6エンジンはヘッドがDOHC24バルブ化され最高出力は210psにupしました。 そして1994年、究極の164と呼ばれるQ4の誕生です。オーストリアのダイムラー・シュタイア・プフ製フルタイム4WD“ビスコマチック”とドイツのゲドラグ製6MT、そして230psになった3.0L V6エンジン。当時の価格で700万円・・・。 よくこんな利幅の少ない車種を投じることができたと感心しますが、フィアット傘下となったアルファの最後の意地の産物とも言えるのではないでしょうか。 |