間違いだらけのアルファ選び その3
黄金律その三
○アルファの値段はそのほとんどがデザイン料である
アルファロメオという車は一般的に言うとかなり高いです。
同じ排気量の国産車で比べると、およそ100万円くらいの開きがあります(注1)。しかもパワー的に確実に劣り、ガソリンも喰いオイルも喰い、室内も狭く荷室も狭く、エアコンはあるけどあんまり効きが良くなく、ナビもダッシュボードにはつかないし、キーレスエントリーもなく、etc、etc、etc・・・。
というふうに一つもいいところがありません。
ちょっと昔のアルフィスタの方は言いました。
「アルファはエンジンを買ったら本体がついてくるんだ。」
それは果たして正しいのでしょうか?
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Alfaromeo V6 engine |
確かにアルファのエンジンは2lも2.5lも3lも官能的といえます。適度なメカニカルノイズ、軽く吹け上がるエンジン、心を揺さぶられるエクゾースト・サウンド・・・。
しかしそれらは全て、実用域での使用に的を絞って調整しているからです。これがいわゆるアルファ・マジックです。ぶっちゃけて言ってしまえば、運転下手なお父さんでもほどほど楽しめるようにエンジンの特性を調整しているからです。
高回転型とはいえ、たかだかレヴ・リミットは7000回転くらいです。ホンダのS2000は9000回転まで回ります。これが本当の高回転型エンジンです。アルファの高回転は2、30年前の高回転なのです。
つまりどういうことかというと、アルファのエンジンは全然進化していないということなのです。基本設計は本当に80年代のままです。
アルファのスタッフたちはエンジンの進化にあんまり興味がなかったようです。というより、基本設計が優秀すぎた、というべきでしょう。なぜなら、街で車を走らせるときに8000回転も回しますか??せいぜい3〜4000回転でしょう。郊外に出たところで6〜7000回転でしょう。だってS2000で8000回すと、おそらく崖から転落してしまいます。アルファのスタッフは量産車のエンジンは7000も回って150馬力もあればおんのじだと悟っているのです。
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Alfaromeo GTV 3.0 |
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HONDA S2000 |
ですから彼らは何に金を使っているかというと、それは言うまでもなくデザインです。あえて断言しましょう。「アルファはデザインを買ったら本体がついてくるんだ。」と。その開発予算の半分以上がデザイン料に消えていると!!
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Alfaromeo 2900 Bilungo |
アルファのデザインは難解です。素直に喜べません。素直にかっこいいと言えません。ちょっと見た限りでは、シルビアとかNSXの方が良さそうです。通りすがりの女の子を口説くにはそっちの方がいいでしょう。それこそアリストとか、bBの方がいいかもしれません。
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NISSAN SILVIA |
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HONDA NSX |
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TOYOTA ARISTO |
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TOYOTA bB |
ただし、そういった車は必ず1、2年で飽きが来ます。日本車の買い換えサイクルが早いのは、デザインがすぐに見慣れてしまうからだと僕は思います。
アルファのデザインははっきり言うとかなり下品ですらあります。僕でさえ、156を初めて見たときは「うっわー、下品。」と思いました。特にフロントの造形が。だって何であんなにフロントグリルがバンパーに食い込んでいるのですか?155もちょっと食い込んでますけど、156のはひどいですよね。145だって、あなたは何でそんなに怒っているのですか?不思議です。購買層に媚びてないです。「嫌いだったら買わなきゃいいじゃん。」と言ってるようです。SZなんてこれはまあ、なんと凄まじいデザインでしょう。あたかもエヴァン○リオン初号機の頭部が破壊されて目玉が飛び出たくらいの衝撃があります。
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Alfaromeo 156 |
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Alfaromeo 145 |
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Alfaromeo SZ |
ここがフェラーリとも違うとこなのです。フェラーリはかなりわかりやすいです。素直にかっこいいと喜べます。なんてオレはいいものを買ったんだと思えます。でもアルファはしばらく本当にオレはいいものを買ったのかな?という思いが脳裏をかすめます。
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Ferari 550 maranero |
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Ferari F360 modena |
これを「シャア専用ズゴックの理論」と呼びましょう。
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RX-78 ガンダム |
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MSM-07S シャア専用ズゴック |
どうですか?みなさん(多分)ご存じのアムロのガンダムと、そのライバル、シャアのズゴック。
どう見てもガンダムの方が正義の味方っぽいカッコしてますよね。二本の角もあるし細身だし。誰がどう見てもズゴックは頭ないしザリガニみたく爪は生えてるし敵っぽいカッコしてるじゃないですか。
ていうか見るからに悪っぽい
でしょう?
でもかっこわるいですか?ズゴック。シャアが乗っているだけあってジムを一撃で簡単に倒しちゃうし、その後ガンダムに片手もがれちゃうけど、さすがにアムロをびびらせるだけの攻撃をして撤退するじゃないですか。
ほうら、そういう逸話を思い出しましたか? そうしてみるとだんだんズゴックの顔がかっこよく思えてきたんじゃありませんか?
ここが不思議なところ。しばらく待っているとアルファの難解な顔にもだんだんと見慣れてきます。好きになるというより、見慣れるのです。そうするともうしめたもの。後はあばたもえくぼでだんだん自分の体の一部のようになってきます。そういったことも予測しているとしたらアルファのデザイナーは恐ろしい腕利きです。いやきっと予測しているに違いありません。
結局運動性能なんかはだいたい不満ないレベルに維持しておいて、デザインで購買層を引きつけようというのがアルファのねらいだと思われます。
さすがイタリヤ〜ンといったところでしょうか。そうでもしないとVWやBMWやトヨタにかなわないというのでしょう。
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155 DTM martini |
どうです?だんだん慣れてきたでしょう?
注1:まあ高い高いといっても同レベルのドイツ車よりはかなり安いです。BMW。アウディ、ベンツなどなど。特にBMW!! 高すぎるぞおまえ!! しかしBMWは値落ちも激しいです(一部のスペシャルモデル、たとえばM3やアルピナモデルは別ですが)。同時代のアルファに比べるとすごい値落ちです。だってアルファ75はまだ100万しますものね。