アルファ・コンセプトカー

ルファというメーカーには、こぞって国内外のカロッツェリア(注1)がデザインコンペティションを行っています。またそこまでいかなくても、コンセプトカーとして単体のみのスペシャルカーを創っています。(もちろんお金で買えるたぐいのものではないですが)。その中にはかなり度肝を抜くようなデザインがあって見ていて飽きません。
どれもこれも変わったデザインですが、それなりに説得力があって、「ああ、アルファだな。」と思えるところがすごいですね。


     
"Bella", Bertone, 1999
ベルトーネのアルファ166ベースの2+2クーペ。次期GTVはこんなのか?? 

     
"Centauri", Alfa centrostile, 1999
スペース鋼管フレームを用いたオープンモデル。V6エンジンの4WD!

           
"Dardo", Pininfarina, 1998
ピニンファリーナの156ベースのオープンモデル。次期スパイダーではないかと言われてましたが、今出てきたということはもちろん違うわけで・・・。
なんかこれを見てたら、なんとなく「ウルトラセブン」の「メトロン星人」を思い出してしまった。


ほら。


     
"Nuvola", Alfa centrostile, 1996
これはみなさんよくご存じ。アルファ・チェントロスティーレの「ヌヴォラ」です。よくパンフに載ってますよね。V6エンジン300ps、6速マニュアル、4WDと実は凄いヤツなんですよ。

"Issima", Sbarro, 1996
スバッロという聞いたことないカロッツェリアのです。実は3リットルのV6エンジンを2つつなげてV12エンジンにしてしまったというモンスター。500ps!! そのせいでこんなにフロントがデカいのか? でもなんとなくBMW Z3に見えるなぁ。

     
"Vittoria", Castagna, 1995
これもカスタグナという聞いたことないメーカー。でも形はかっこいいですね。156にも見えますが。3リットルV6エンジンで後輪を駆動。

     
"Progetto Cinque", Zender, 1995
どこからどうみてもスパイダーじゃん。ツェンダー製の「プロジェット・チンク」。75ベースです。ツェンダーは155、156などのエアロパーツを作ってるドイツのメーカーです。

     
"Proteo", Alfa centrostile, 1991
これもみなさんご存じ。「プロテオ」です。164ベースの4WD電動オープンカー。要するにメルセデスSLKのヴァリオルーフと同じものです。これは今のGTV、スパイダーにそっくりですね。次のスパイダーはヴァリオルーフにならないかな〜。

     
"Zeta 6", Zagato, 1983
SZで有名なザガートの2+2クーペ。ベースはGTV6です。

"Sprint 6C", Autodelta, 1982
なんだかゴルフGTIみたいですが。GTV6ベースで2.5リットルV6エンジン160psの実はミッドシップカー。

           
"Alfetta Spider", Pininfarina, 1972
これは市販できそうですね。アルフェッタベースの2座オープンカー。ベルトーネX1/9みたいですけど。

"Iguana", ITAL Design, 1969
ベルトーネデザインのイグアナ。マセラティ・メラクにも似てるかな?

     
"33 Coupe", Pininfarina, 1969
33ベースの流麗なクーペ。一昔前のレーシングカー的な出で立ちです。

     
"Giulia 1600 Sport", Pininfarina, 1965
あのジュリアからどーしてこんなのが出てくるんだ的なデザイン。ピニンはすごい。


アルファ・変なコンセプトカー

以下は(ちょっと)変わったコンセプトカーです。いや本人たちは至ってまじめなんでしょうけど。


     
"Scighera", ITAL Design, 1997
ジョルジオット・ジウジアーロ率いるイタルデザインの「シゲーラ」です。どっちかというと「ウルトラマンガイア」か、「ボンドカー」って感じですね。ミサイルとか出てきそうですね。

"Navajo", Bertone, 1976
こっちはベルトーネの「ナヴァジョ」。76年とはとても思えないデザイン。それこそ「ウルトラ警備隊」ですね。後半部のデザインなんかマンガみたい。

"Caimano", ITAL Design, 1971
「カイマーノ」とは、カイマンワニのことです。確かにワニっぽい・・・かな? でもこれ斜め後ろの視界は最悪ですね。

     
"33 Spider", Pininfarina, 1971
しかしそれにしても四角いですね〜。リニューアルマッハGOGOGOだ。きっと。

"New York Taxi", ITAL Design, 1976
これは変わり種。ジウジアーロのニューヨーク・タクシー。乗ってみたい気もするけど。見たくはないかな。

"BAT5,7 & 9", Bertone, 1953,54 & 55
これはちょっと来過ぎ。まさに「バット・モービル」!! 名前までBATだし。さすがにこれは欲しくないです。

本のメーカーではあり得ないことですが、割とショーモデルと変わらない形で市場に出て来るというのもすごいですね。それはやはりイタリアという国がユリウス・カエサル(注2)の時代から伝統的に独裁者の国だということが関係していると思います。それこそフィアット会長のアニエッリ氏が「yes」といえば、それだけでOKなのです。日本みたいに重役会議で長々とあーでもないこーでもないと言って結局出てきたのはつまんないモデルだったり・・・、というのとは根本的に違うのです。もちろんそれによる弊害も沢山あるんでしょうが・・・。

かしこんなにたくさんのコンセプトカーがしょっちゅう出て来るというのは非常に珍しいことと言えます。アルファ以外ではちょっとないんじゃないでしょうか? あのフェラーリさえそんなにありませんものね。これは現在はアルファというメーカーがフェラーリほど肩肘を張らなくてもつきあえるメーカーになったということもあるでしょうが、やっぱり今でもそれだけ魅力のあるメーカーであるということだと思います。

日本のメーカーも早くそんなふうになるといいですね。

注1:イタリアの車の製作、デザインを請け合う工房のことです。規模はそんなに大きくありません。優秀なデザイナーを中心にした中小企業です。有名なところではピニンファリーナとかベルトーネ、イタルデザインなどなど。
注2:かの紀元前共和政ローマの終身独裁官だった方です。イタリアの独裁者のはしりですね。世界史で習った方もいるのでは?三頭政治とかガリア戦記とか・・・。戦争はめちゃ強かったけど、頭は禿げてたそうですね。