ゴールデンウイークは英国にはありませんが、大学の休みは結構あります。 特にクリシダお嬢さまの場合、(大きな声では言えませんが)授業を時々サボっちゃうこともあるので、フリータイムには事欠きません。 ただ今日の場合はちょっと運が悪かったというか・・・。 サボってるところを隣のおばさんに見つかってしまい、30分ほどガミガミ小言を聞かされたあげく、おばさんの飼い犬のAdstarkの散歩まで命じられてしまいました。 やはり日頃の行いのせいでしょうね。日本の方は本当にいいことを言います。 「はぁ〜・・・。アタシって本当に高年齢層から煙たがられるのよね〜。やっぱり革新的な考えを持つ若い世代は疎んじられる運命にあるのかしら。ねぇ、あんたもそう思わない?」 「・・・。」 そんなことを言われても、Adstarkには聞こえません。おばさんがリウマチでこの頃外に出られなかったので、久しぶりの散歩が嬉しくて仕方ないのです。 お嬢さまはおじゃんになったフリータイムの計画についてしきりとブツブツ言いながら、Adstarkに連れられていつしかロンドンの裏通りのブティック街に来てしまいました。 それはAdstarkにとっては不覚としか言いようがないでしょう。お嬢さまのウインドウショッピングが始まってしまったからです。 散歩のスピードが目立って遅くなりました。 すでに何軒目でしょう・・・。 お嬢さまの目はとあるブティックに釘付けになりました。 「あ、キラーループの新作だ!ちょっと見てこよっと。」 そっちの方に歩き出そうとしましたが、Adstarkはいい加減散歩に没頭したい様子です。 「わんわん。」 「なに?まだ散歩したいの?」 「わぉん。」 「ちょっと待ってなさい。アタシはとっても大事な用があるの。」 「わんわんわん。」 「おだまりッ!!!!!!\(`_´;/」 「キュウ〜ン・・・・・m(;_;)m」 かわいそうにAdstarkは綱を看板の柱に繋がれてしまいました。 「このサングラス、見せてくださる?」 「本日入荷したばかりのキラーループの新作でございます。どうぞ、鏡はあちらでございます。」 「うーん、似合うかな?(ポーズとっちゃったりなんかして(^ー^ゞ)」 「よーくお似合いでございますよ。いかがです?お客様でしたら特別に値引きの方も考慮いたしますが・・・。」 「へぇ、そう・・・(うん、このコートには結構合うかもねー。)」 「いかがでございましょう?」 「・・・ん?何が??」 「・・・・。」 Adstarkは退屈そうにひとつアクビをしました。 |