クリシダお嬢さま、巫女さんになる


巫女御子神子皇子皇女色々な漢字があるなぁ

クリシダお嬢さまはクリスマスをロンドンで迎えた後、いつもお正月は日本で過ごすことにしています。
それはお母様の実家が、日本のとある由緒正しい神主の家系だからです。
  しかし今年のお正月はお父様もお母様も学会やらなにやらで忙しく、お嬢さまひとりでの帰省となりました。
クリシダお嬢さまのおじいさまは現在たったひとりで神主を続けておられ、 この由緒正しい神社を守っておられます。
かわいい孫娘の帰省をそれはそれは心待ちにしているはずでした・・・が?

「さーて、今年こそは絶対清水寺にお参りに行こうっと!」
「おや、お嬢さまが神頼みとは珍しい。ははーん、彼氏祈願ですね?」
「な、な、なによ〜。そ、そんなんじゃないわよ、学業成就に決まってるでしょ!!」
「さあ、どーだか。フフフ」
「なーに、変な笑い方してんのよ。」
「いえいえなんでもございません。」
その時、部屋のふすまがいきなりがらっと開きました。
「こりゃぁあ!! こんなところでなに油を売っておる!!」
そこに立っていたのは、まぎれもなくお嬢さまのおじいさまでした。全く似ていませんけれど。
「な、なによ〜。びっくりするじゃないおじいちゃん! レディの部屋に入るときはノックくらいしてよねッ。」
「馬鹿者!! ふすまにノックできるか!! こっちへ来い、クリシダ!! 仕事じゃ!!」
「へ? 仕事? なんのこと?」
「お前に巫女役をやってもらう。栄誉の仕事じゃぞ。喜びなさい。
「み、みこぉぉ?? ちょ、ちょっと待ってよ、何でアタシが。いつも来てたバイトの妙ちゃんはどーしたのよ?」
「今年は時給450円にすると言ったら、辞めおった。全く近頃の若いもんは・・・ブツブツ」
「(い、いまどき時給450円〜? こっ、このぢぢぃはぁ・・・。(ー_ー;)あ、あのね、おじいちゃん、アタシ今から用事あってさ、忙しいのよ。」
「ヌヌ、用事とな?」
「そーそー、今から清水寺にお参りに行こうかと思って。」
「清水じゃと!! 愚か者!! 神職の家系たる者が仏を拝みに行ってなんとする!! 話にならぬわ、こっちへ来いッ!!」
「ちょ、ちょっと、待って。いやぁぁ、後生よぉ〜! きよみず〜・・・」
                                    ズルズル

結局お嬢さまはおじいさまに引きずられていきました。

それから小1時間後・・・。おもてには竹ぼうきで庭を掃くお嬢さまの姿がありました。
「はぁ〜・・・。まったく何でアタシがこんな事・・・。」
「おやおや、結構似合ってるじゃないですか、お嬢さま。いっそのこと巫女になっちゃえば?」
「なぁにぃ? アンタ、バカにしてんの?」(`_´;ギロ
「と、とんでもございません〜。」(・_・;
「あの〜。」
その時横合いから話しかけてきたのは、たった今お賽銭をあげてきたらしいカップルでした。
「あの〜、ここの巫女さんですよネ?」
「(ムム、カップル・・・。こぉーの、イチャイチャしおってからに・・・。むっかーむかむかー)見たら分かるでしょッ! なぁにッ、なんか用ッ!?」
「(こ、こわい・・・。ナゼ??)あ、あの、お守り欲しいんですけど。
何のッ!?
れ、恋愛成就の・・・。
(むっかー)800円よッ! まいどッ!!
「・・・・? あの〜、これって、安産のお守りじゃ・・・?
いずれ必要になるでしょッ!!!!