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平成23年3月11日14時46分 三陸沖を震源とするマグニチュード8.4(その後8.8に修正。最終的には9.0)の大地震が発生した。朝日新聞の号外は「東日本大地震 宮城震度7 大津波」のタイトルで第一報を伝えた。震源地は牡鹿半島の東南東130キロ付近で、震源の深さは約24キロ。宮城県栗原市では震度7を記録した。東北を中心に北海道から九州にかけて震度6強から1を観測するという日本列島全体を襲った大地震である。東京でも震度5強を記録し、都内の交通機関がストップし、首都圏が大混乱した。 その日私は、勤務先の東銀座のビルの地下駐車場でその時を迎えたが、今まで経験したことのない大きな揺れを感じた。駐車場の出入口まで出て、外の様子をうかがっていたが、立っているだけで目眩を覚えた。その地震で私の勤務先のビルのエレベーターは止まったが、当日の私の仕事の持ち場である駐車場のタワーパーキングは停止しなかった。 ようやく携帯電話で家族の安否が確認出来たので、その日は会社に泊まり込んだ。電車が止まってしまい、帰るとすれば歩いて帰るほかなく、次の日の通勤の足も覚束ない有り様であった。ビルの空き部屋にゴザを敷き、コートを被って床に寝た。次の日は泊り勤務であったので、仕事を終え家に戻ったのは地震が発生してから三日目であった。いま住んでいる葛飾区の賃貸マンションのほうは家具等に被害もなく大丈夫であったが、倉庫兼事務所として借りていたアパートは足の踏み場のないほど散乱していた。 私は、仕事柄泊り勤務が多いので仕事場に泊まることでその場に対処したが、私の娘婿は横浜から葛飾区新小岩の自宅までおおむね歩いて帰ったと後で聞いた。地震の後、JR、私鉄に限らず、まったく電車が動かなかったのである。 地震発生から現在まで(4月14日)一ヶ月が経った。この間私たちの生きている世界で何が起きたのだろうか。東日本の想像を絶する災害の実態に打ちのめされているだけではいけないから、折々に触れて思ったことをここで書き留めておきたい。そして、いま現在、この東日本大震災が私たちに問いかけている問題は何なのだろうかをこの機会にしっかりと考えてみよう。この未曾有の大災害に対して私たち一人一人がこれからどのように日本社会の再生─復興に立ち向かっていけばいいのか想いをこらして思案してみたい。 今日までの政府及び東電(東京電力)の対応は、新聞・テレビなどから伝わってくる範囲でいえば、被災地の人々に対しても、また総ての国民に対しても、今何が起きているのかという当面の緊急事態の情報を正確に伝えるという基本的な責務を後回しにして、情報操作と問題のすり替えによって、自分たちのいまある権力や権限をいかに守るかということを優先させるという、責任ある者としての自覚にかけた最悪・最低の醜悪な姿を露呈しているように見える。ここまで事態を悪化させた責任を、この事態を引起こした当事者である政府と東電に対して国民一人一人が厳しく問い質していかなくてはいけない。政府・東電の不作為の責任は重大である。非常時に於いて、権限を持っている責任者が、その権限にふさわしい行動をしなければ、その弊害は国民全体に及ぶ。その罪は限りなく重い。 今回の大震災のなかで無惨に死んでいった多くの犠牲者やいまなお過酷な避難生活を余儀なくされ、今後の生活の再建の見通しもなく、苦しい生活のなかで健気に耐えている災害地の人々に対して、責任ある政府や東電のこの間の不作為は許されるものではない。しかし、政府や東電の責任を厳しく問い質すと同時に、われわれ国民も、この機会を新しい日本という国のかたちの再生に向けての歩みに結び付けていかなければいけないと思う。 今回の東日本大震災は、戦後日本社会が直面した事態としては、阪神大震災を超える、私たち戦後世代がこれまでに経験したことのない日本社会の崩壊にも繋がる危機的な事態であると思う。これから先のことは、国民一人一人が自分と自分の家族の未来について、自分自身の責任において真剣に考えなければ立ち行かない。これまでのように政府やマスコミのいうことに同調することでなんとかなるような事態ではない。自分の感性で感じ取ったことを大切にし、自分自身の問題として、これからの日本の国のかたちを考えることがいま問われている。ここで、いままでの政治(共同体としての日本社会のしくみ)に対する無関心・無責任な対応を改めて、日本社会そのものの再生の道に一人一人の国民がこの国の自立─再生への思いを込めて一歩を踏み出さなければ、結局は、東日本の被災者の人々を見捨てることになるだろうと思う。大地震・大津波の被災より1ヵ月が過ぎたが、いまなお14万人(4月14日現在)に及ぶ避難者がいる。その一人一人の避難所生活において、これからがいままでに倍する苦難に直面することは避け難いと思われる。我が家を失い、親・子・兄弟を失い、仕事も奪われ、しかもこの先の見通しもないまま堪え忍んでいる。私たちにできるその東日本の被災者の人々に対する一番の支援は、この非常時・危機的状況にあって、不作為の責任を回避し続けている政府・東電のみならず、そのような無責任な対応を許してきたこの日本社会の基本システムそのものを解体─再生させることである。菅首相をリコールし、代わりに岡田や前原や野田や仙石やらを首相にしたところで、何も問題の解決にはならないと私は思っている。所詮、彼らは同類であり、日本国と日本国民にとって望ましい新しい日本社会のシステムを創出することができる能力があるとは思えない。東電(巨大企業)に同調し、天下りを当然の権利と考えているような官僚に依存し、所詮は、なにか問題が起きれば、国民にその失政のツケをまわすだけのことである。この十年間に、この国の最高責任者たちが国民にたいして果たしてきたことはそんなことばかりではないか。だからこそ、わたしたちは、この大災害をただ茫然と見過ごしてはいけないのである。一人でできることを一人一人が実行すれば、道は開けるのである。 これまでに起きた問題を整理してみよう。新聞やテレビなどの既存の報道の情報にどれほどの真実が伝えられているかについて疑問と不信を持っているのは私だけではないと思うが、後追いにせよ知りうる範囲の事実(真実は隠されていることが多いが)を踏まえ、それが何を意味しているかを考えてみたい。テレビやマスコミの言うことをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の生活感覚からして、おかしいと思ったことを大事にすること。なんでこんなことになるのか、納得の行かないことを、自分の経験と感を活かして追ってみること。そのうち、いろいろなものがみえてくるかもしれない。 以下の記事は、これまでに東日本大震災に関してマスコミが提供した情報の切り抜きである。この1ヵ月間、私が手元に集め得た範囲の中で、私が重要な内容を含むとおもわれたものを抜き出したものである。マスコミが報道する一つの事実の背景には無数の真理が隠されている。それを、自分自身のこれまでの経験と感を活かして紐解いてみる。いろいろな風景の中に隠蔽されている実相が見えて来る筈である。(2011.4.14記) ◆アサヒグラフ臨時増刊号(3月23日発売)◇サンデー毎日緊急増刊号(4月7日発売)●朝日新聞出版『報道写真全記録2011.3.11-4.11』(4月30日発行)◎産経新聞社『闘う日本』(4月29日発行)の4冊の大震災特集号をベースにして、そのほか、■新聞紙や□週刊誌の記事のなかから重要と思われる部分を抜き書きしてみる。その抜き書きに関しては、その記事を通してわたし自身にどのような問題が見えてくるかについてのコメント(意見)を入れる。時間がかかると思うが、その真実(事実ではなく)の解明作業が大切である。(ちなみに、この50日余の間、テレビ番組のなかでは、朝の「とくダネ」と夜のBSフジの「プライムニュース」そして月曜日テレビ朝日の「たけしのTVタックル」が見応えがあった。番組は概ねビデオに録画して保存してあるので、その中からも貴重な記録と思われるものを抜き出してビデオデータとして保存していきたいと思っている)(2011.5.5記) 記事切り抜き 平成23年3月11日(金) ◆午後2時46分 地震発生。震源は宮城県牡鹿半島の東南東130キロ付近で、震源の深さは約24キロ。マグニチュードは9.0。宮城県栗原市で震度7を観測。仙台市宮城野区、名取市、東松山市、福島県白川市、茨城県日立市などで震度6強を観測した。東京・横浜など首都圏でも震度5強を観測。 ◎午後2時49分 気象庁が岩手、宮城、福島、青森、茨城、千葉の太平洋沿岸に大津波警報を発令 ◎午後2時50分 官邸対策室を設置 ◆午後2時50分 宮城県、岩手県、福島県に大津波警報(高さ3m以上)が出る。 ◎午後2時52分 岩手県知事が陸上自衛隊に災害派遣を要請。その後、宮城、福島、青森の3知事も ◎午後2時56分 参院決算委員会から菅直人首相が官邸入り ◎午後3時00分 東北電力女川原発を始め東京電力福島第一原発、第二原発、日本原子力発電東海第二原発の計11基が自動停止 ◎午後3時04分 仙台空港が飛行機の離着陸をすべて停止 ◎午後3時05分 航空自衛隊の戦闘機8機が被害確認のため出動。仙台で大規模停電やガス漏れ、火災 ◆午後3時12分 沖合に浮かぶGPS波浪計によると、釜石沖で高さ6.8b、宮古沖で6.3bの津波を観測。 ◎午後3時14分 政府が緊急災害対策本部設置。警視庁は緊急災害警備本部。国交省は非常災害対策本部。関東6都県、山梨、静岡東部の約400万戸で停電 ◆午後3時14分 政府が緊急災害対策本部を設置。GPS波浪計で気仙沼市で高さ6bの津波を観測。民家は全滅し、漁船が次々と流される。 ◎午後3時15分 茨城県の鉾田で震度6弱の地震。震源地は茨城県沖でM7. 4。仙台空港閉鎖。青森、秋田、岩手全域で停電 ◆午後3時15分ごろ 宮城県南三陸町で巨大な津波が発生、庁舎の窓から「新幹線のような速さで上る塊(津波)」が見えた。 ◎午後3時17分 成田空港が滑走路を一時閉鎖 ◎午後3時25分 海自横須賀基地に停泊中の全艦艇が宮城県沖に向かう ◎午後3時32分 岩手県釜石市で最大4.2bの津波を観測、港で車が多数流される ◆◎午後3時42分 東京電力福島第一原子力発電所1、2号機で、緊急炉心冷却システムが作動停止。◎原発危機が始まる ◆午後3時50分 福島県相馬市で7.3bの津波を観測。(気象庁の観測で最大)目撃談やその後の調査で、仙台・宮古・大船渡・女川など各地で10bを超える規模の大津波が襲来。 ◎午後3時55分 仙台新港で高さ10bの津波を確認 ◎午後4時00分 気象庁が記者会見し、「平成23年東北地方太平洋沖地震」と命名。仙台空港の滑走路が津波で冠水 ◎午後4時12分 全閣僚出席の緊急災害対策本部 ◆午後4時20分 政府が今回の地震の名称を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」を発表。 ◎午後4時30分 東京消防庁が緊急消防援護隊派遣 ◎午後4時36分 福島第一原発の炉の一つが冷却不可能に ◎午後4時40分 茨城県鹿嶋市の鹿島神宮で鳥居崩壊 ◎午後4時55分 菅首相が会見で「国民の安全確保と被害を最小限に抑えるため政府として総力を挙げる」と強調 ◎午後5時ごろ 交通機関がマヒした首都圏では、帰宅ラッシュを迎え、各駅で混乱。都内の帰宅困難者は12万人超 ◎午後5時13分 千葉県市原市のコスモ石油千葉製油所でガスタンクが爆発し炎上。鎮火に10日かかった ◎午後5時25分 宮城県塩竃市の第2管区感情保安部所属の巡視船が流されたと海上保安庁に連絡 ◎午後5時38分 宮城県石巻市の東北電力女川原発のタービンビルで火災発生、深夜に鎮圧 ◎午後5時55分 東北6県の停電は約440万戸 ◎午後6時ごろ 東北地方の太平洋沿岸に、津波で流されている人の姿を複数確認と海上保安庁に連絡 ◎午後6時12分 東京の九段会館の天井崩落に巻き込まれた女性が2人が死亡 ◎午後6時23分 東京タワー頂上部のアンテナが曲がっているのを確認 ◎午後7時3分 政府が日本初の「原子力緊急事態宣言」発令 ◆午後7時3分 菅首相が日本初の「原子力緊急事態宣言」を発布。同45分に枝野官房長官が会見「問題点は解消できる。被害が出るような情況にあるわけではない」と強調。 ◎午後8時6分 航空自衛隊松島基地が津波でほぼ水没 ◎午後8時7分 気象庁が震源の深さを約10`から約24`に修正 ◆◎午後8時30分ごろ 福島県第一原発の1、2号機の緊急炉心冷却システムへの冷却水の供給が止まる。福島第一原発から半径3`以内の地域に避難指示。10`圏内には屋内退避を指示。 ◎午後9時ごろ 米地質調査所(USGS)が1900年以降に世界で発生した地震で5番目の規模と発表 ◎午後9時23分 福島第一原発から半径3`以内の地域に避難指示、10`圏内には屋内退避を指示 ◆午後10時ごろ 東京では都営地下鉄の一部で運転が再開したが、JRなどはストップしたままで、徒歩で帰る人続出。 ◎午後10時ごろ 東京では都営地下鉄と東京メトロの一部の運転が再開。JRや私鉄などは運休し、混乱は朝まで ◆午後10時16分 宮城県警が、仙台市若林区で200人〜300人以上の遺体を発見と発表。 ◎午後10時17分 仙台市宮城野区のJX日鉱日石エネルギーの仙台製油所液化石油ガスタンクで大規模爆発 ◎午後10時28分 仙台市若林区荒浜で200人〜300人の遺体発見と宮城県警 ◎午後11時0分 東海村の火力発電所付近で火災 ◆午後23時30分 警視庁が死者110人、行方不明者350人と発表。 ◎午後11時45分 千葉・浦安の東京ディズニーリゾートで数万人が帰宅できず 平成23年3月12日(土) ◎午前0時16分 「宮城県沖、茨城県沖などの4つの領域が絡んだ地震」と地震調査委員会 ◆0時15分 菅首相、オバマ米大統領と電話会談。オバマ大統領は全面的な支援を約束。韓国・中国・オーストラリアなど38カ国・地域から支援の申し出があった。 ◎午前0時36分 菅首相がオバマ米大統領と電話会談。オバマ大統領は、「あらゆる協力をしたい」 ◎午前3時59分 長野県北部で震度6強、新潟県中越で震度6弱の地震 ◆午前3時59分ごろ 長野県北部を震源とする地震が発生。長野県栄村で震度6強。 ◆午前4時 東京都によると、都内1030ヵ所の施設を利用した”帰宅難民”の数は約9万4千人に上った。 ◎午前4時51分 大船渡線、仙石線、気仙沼線の計4列車と連絡が取れていないとJR東日本 ◆午前6時14分 菅首相、陸上自衛隊ヘリコプターで福島原発や被災地を視察。その後の会見で、全国の自衛隊5万人を派遣すると語る。 ◆午前10時ごろ 1号機で炉心溶融(メルトダウン)が進んでいる可能性が高いと経産省原子力安全・保安院が発表。 ◆午前11時ごろ 東電によると、福島第一原発1号機で冷却水の水位がマイナスを示し、燃料棒の一部が露出。 ◆午後3時36分 福島第一原発1号機で爆発音を伴う水素爆発。東電社員ら4人が負傷。 ◆午後6時25分 福島第一原発の非難指示の範囲が半径10`から20`圏に。 平成23年3月13日(日) ◆午後3時 『圏内の犠牲者、万人単位は必至」と、宮城県警本部長が報告。 ◆午後5時58分 これまで続いていた全国の津波注意報がすべて解除に。 ◆午後7時49分 菅首相ガ、『苦渋の決断」で、東京電力に計画(輪番)停電を了承したと発表。 ◆午後8時20分 東電社長が、『広く社会の皆様に心配と迷惑をかけていることをおわびいたします」と会見で謝罪。 ◆午後11時ごろ 東電が14日の計画停電の予定地域と時間帯を発表。 平成23年3月14日(月) ◆早朝から 計画停電に伴うJR・私鉄などの運休やダイヤの大幅な変更で、ターミナル駅を中心に大混乱。しかし、早朝の停電はなく、東電の説明も二転三転する。 ◆午前9時 日銀が7兆円に資金を供給、午前中にさらに5兆円、午後に3兆円の追加を決定して計15兆円に。その後も連続して資金投入、18日までに約82兆円に拡大。 平成23年3月15日(火) ◆午前5時30分ごろ 政府と東電が一体となる対策統合本部を東電内に設置。10分後に菅首相が東電本社を訪れ、「あなたたちしかいない。撤退などありえない。覚悟を決めてください。撤退したときは、東電は100%つぶれます」などと発言。 ◆午前6時14分 2号機で爆発音。 平成23年3月16日(水) ◆未明 IAEA(国際原子力機関)に専門家派遣を要請したと原子力安全・保安院が発表。 ◆16時ごろ 天皇陛下が国民に向けたビデオメッセージ。『これからの日々を生きようとしている人々の雄々しさに深く胸を打たれています」 平成23年3月17日(木) ◆午前0時 東北地方の各地で最低気温が氷点下となる厳しい冷え込み、避難所での死者も出始める。 ◆9時48分 自衛隊ヘリ、3号機上空からの水の投下を開始。 ◆経産省が、夕方から夜にかけて『予測不能な大規模の停電が発生する恐れ」と発表。実際には起きず。 平成23年3月18日(金) ◇午後6時ごろ 保安院、1〜3号機について、原子力施設事故の国際評価尺度(INES)の8段階の国際評価尺度で、5とする暫定評価を発表。 ■3号機 陸からも放水 消防車両5台で30トン(読売一面) 平成23年3月19日(土) ◇午前0時半ごろ 東京消防庁のハイパーレスキュー隊が3号機へ20分間、約60トン放水。放水用の海水のくみ上げを予定していた岸壁が崩壊しており、隊員らは手作業でホースを海まで延ばす。 ◇夕方 枝野長官『福島県内の原乳と茨城県内のホウレンソウ6検体から、食品衛生法の暫定規制値を超える放射能物質を検出」。『直ちに健康に影響を及ぼす数値ではない」とも。 ■福島第一原発 電源復旧 最終段階(読売・夕刊一面) 平成23年3月20日(日) ◇夕方 枝野長官、第一原発廃炉の見通しを示す。 ■3号機 昼夜継続し放水 2号機に電源接続 福島の牛乳、茨城のホウレンソウ 規制値越す放射能物質(読売一面) 平成23年3月21日(月) ◇午後 東京都の石原慎太郎知事、菅首相に、放水作業を巡って政府関係者から東京消防庁ハイパーレスキュー隊幹部に対し『速やかにやらなければ処分する」との圧力的発言があったとして抗議。 ◇午後 保安院『第一原発周辺で14メートル超の津波だった可能性」。設計時の想定の3倍近い。 ◇北沢防衛相は、防衛省の災害対策本部会議で『第一原発の放水について、自衛隊が中心となって関係機関や東電との調整に当たるよう管首相から20日に正式な指示受けた」。 平成23年3月22日(火) ◇朝 2、3号機から白煙。作業員は避難。東電は使用済み核燃料プールからの水蒸気と判断。 ◇午後10時43分 3号機の中央制御室が通電。照明が点灯。 ◇放水作業を巡り、政府関係者が東京消防庁のハイパーレスキュー隊幹部に圧力をかけたとされる問題で、海江田経産相が陳謝。 ◇保安院「第一原発から避難していた保安検査官のうち2人が原発に戻った」。 ◇東電の鼓紀男副社長は、福島県田村市の市総合体育館に避難している同県大熊町の住民を訪ね、放射能漏れを謝罪。東電役員の避難所訪問は事故後初。 ◇原子力安全委員会の斑目春樹委員長は、参院予算委員会で「(耐震設計が)想定を超えた」。事故については「個人的には謝罪する気持ちはある」とも。 ■2号機通電作業 中断 3号機から煙、退避 ホウレンソウ カキナなど出荷制限 4県に指示 政府 福島・茨城・栃木・群馬(読売一面) 平成23年3月23日(水) ◇午後 東京都水道局は金町浄水場(葛飾区)で22日に採取の水道水から、乳児(0歳児)の飲用に関する国の基準の2倍に当たる、1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素を検出と発表。粉ミルクを溶かしたり、乳児に飲ませないよう呼びかけ。一方で「長期間飲み続けなければ、健康への影響は直ちにはない。代換水が確保できなければ飲んでもよい」。金町浄水場は東京23区と武蔵野、町田、多摩、稲城、三鷹市に供給。 ◇原子力安全委員会の斑目委員長「最も懸念されるのは炉内の温度、圧力が上がっている1号機」。保安院によると、1号機の原子炉圧力容器内は同日に温度が400度に上昇。想定温度上限は302度。 ◇菅首相、福島、茨城県産の農畜産物から食品衛生法の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたとして、福島県産の葉物野菜やブロッコリーの摂取制限を求める指示。摂取制限は初。同様に福島県産のカブと茨城県産の原乳、パセリの出荷制限を求める指示も。 ◇東電、第一原発正門で、11日以降、中性子線を13回検出。これまでは2回と誤って発表していた。中性子線はウランやプルトニウムが核分裂する際に発生。 平成23年3月24日(木) ◇午後0時10分ごろ 3号機のタービン建屋で復旧作業にあたっていた東電の協力会社の男性作業員3人に、高い放射線量の被曝が判明。『ベータ線熱傷」の疑い。 平成23年3月25日(金) ■第1原発3号機 作業員被曝、2人搬送 水付着で 年間限度に近い量(読売一面) 放射性物質 高濃度の水 第1原発3号機 通常炉内の一万倍(読売・夕刊一面) ■福島第一、レベル6相当 スリーマイル超す(朝日一面) 平成23年3月26日(土) ■海水に1250倍放射能物質 第一原発放水口付近(読売・夕刊一面) ■原子炉から漏出か 汚染水被曝 配管破損の見方(朝日一面) 平成23年3月27日(日) ■炉内の核燃料 損傷進行か 福島第1 海水汚染(読売) ■集団疎開 ごめんね 気兼ね・不安 参加は少数 岩手/地域社会の分断防げ(朝日一面) 平成23年3月28日(月) ■汚染水1000_シーベルト超 2号機 15分で被曝上限(朝日一面) ■福島第一原発 2号機 高濃度汚染水/東電 分析めぐり混乱 「ヨウ素1000万倍」と誤発表(読売一面) ■福島第一 汚染水除去が難航 2・3号機 復水器満水で/「2号機の燃料溶融」官房長官(読売 夕刊一面) 平成23年3月29日(火) ■汚染水、建屋外に 高濃度放射能 地下坑道通じ(朝日一面) ■プルトニウム 微量検出 福島第一原発 敷地内の土壌から/原発対応 日米4チーム 放射能遮蔽など協力(読売一面) 平成23年3月30日(水) ■建屋 特殊布で覆う案 内閣 放射能対策 米参加(朝日一面) ■福島第1 2・3号機汚染水回収急ぐ 1号機水位下がらず(読売一面) ■節電計画 企業に要請 政府、大口需要の規制検討(産経) 平成23年3月31日(木) ■1〜4号機廃炉 東電会長陳謝「安定には時間」/震災孤児数百人か(読売一面) ■東電会長廃炉認める 1〜4号機/「会社存続厳しい」(朝日一面) ■福島原発 安定化にハードル 最短なら一ヵ月、数年の長期戦も(産経一面) 平成23年4月1日(金) ■復興へ新税創設案 復興基本法案 災害国債を発行(朝日一面) ■地震・津波3週間 日米、不明者を一斉捜査 3県沿岸できょうから 自衛隊・米軍連携/被災地 国有化し再建/原発の安全基準 年内に/G8で提案 日仏首脳が合意(読売一面) 平成23年4月2日(土) ■電力制限令 今夏発動へ ピーク時25%減 有力 74年石油危機以来(朝日) ■震災相創設 閣僚3増/首相 記者会見 有識者で「復興会議」/「復興特別税」を検討(読売一面) 平成23年4月3日(日) ■汚染水、亀裂から海へ 2号機 取水口近く 建屋・坑道とつながる(朝日一面) ■汚染水 海に直接流出/米から放射能専門部隊 自衛隊の活動支援へ(読売一面) 平成23年4月4日(月) ■放射能 漏出抑制に数カ月 政権見通し/海へ汚染水 続く(朝日一面) ■震災対応「大連立を」64% 政府の原発対応「評価せず」61%/温室ガス 25%削減目標 見直しも 環境次官 原発事故の影響(読売一面) ■福島原発の放射性物質 拡散予測 公表せず 政府 欧州気象機関は開示(読売 夕刊) 平成23年4月5日(火) ■汚染水1.1万d海へ放出 東電 高濃度水の保管優先/コウナゴにヨウ素(朝日一面) ■東電、賠償金仮払いへ 損害確定前に 非難住民ら対象/放射性物質 拡散予測の公表指示 政府、批判受け気象庁に(読売一面) 平成23年4月6日(水) ■屋外に水冷却装置検討 設備復旧よりも迅速─福島原発1〜3号機 凝固剤で汚染水域 付近の海水 750万倍ヨウ素(産経一面) 平成23年4月7日(木) ■魚介類にもヨウ素基準 野菜と同レベルに/茨城のイカナゴ漁停止(朝日一面) ■大連立 谷垣総裁が拒否 菅政権と「政策すりあわせなし」(読売一面) 平成23年4月8日(金) ■宮城 震度6強 M7.4余震 けが多数 東北4県全域で停電 福島第一 作業員無事 女川東通 電源一部支障 30`圏外に高汚染地点 放射線 3ヵ月で95_シーベルト積算(朝日一面) ■宮城で震度6強 3.11後、最大余震 東北各地で停電/夏の電力使用 削減目標 大口25%・小口20%・家庭15〜20% 政府骨格案(読売一面) 平成23年4月9日(土) ■水失った原子炉 崩れた「神話」─福島第一原発事故1ヵ月 なんとしても燃料棒冷やして コメ作付け制限(産経一面) 平成23年4月10日(日) ■首相執務室は開かずの間 「何かあったらお前らのせい」 東日本大震災1ヵ月 死者・不明2万7836人 戦後最悪(産経一面) 平成23年4月11日(月) ■統一選 民主敗北 「対決」2知事選全敗 石原都知事4選 東日本大震災1が月 原発に追われる 信じてたのに(朝日一面) ■民主惨敗 対決知事選で全敗 道府県議選69議席減 石原氏4選「政権は無知」 覚悟無き首相 負けは必然(産経一面) 上記の抜き書きについて一言。新聞からは、一面の見出し部分を抜き書きした。朝日と読売を主としたが、毎日・産経・東京・日経の6紙もおおむね手元にある。新聞紙の中の貴重な記事についても後日追い追い書き加えていこうと思っている。雑誌のなかにもいい記事があれば、それも後日書き加えていこうと思う。いつまで続けるか定かではないが、被災地の復興を見守るという意味で可能な限りでこの抜き書きは続けていこうと思っている。(私のホームページ 個人誌「銀河通信」の「時評」に載せて、そのなかで更新していく予定でいる) この東日本大震災の過程で問われた、この国のかたちに関する問題にどう立ち向かうのかについては、私なりに考えてきたことはある。しかし、日本社会の基本システムの空洞化の度合のあまりの酷さのまえで立ち往生し、なかなか展望がみえてこなかった。私自身の怠慢が主たる原因であるが、どこから手をつけてゆけばいいのか途方に暮れるばかりであった。 1968年から1969年にかけて、私は、全共闘運動の最盛期に中央大学の二部学生としてその運動に関わった。現在も、想いとしてはその当時を引きずっている。その時に共に生きた仲間との付き合いはいまだ切れてはいない。 大学では党派活動もしたが、私が力を注いだのは自立した大衆運動としての全共闘運動であった。中大二部フラクという自立組織を起点として、あらゆる闘争課題に対して力の限りで闘ったと思う。1970年の半ばで、私自身は学生運動から地域運動へ転進した。そこで、今日まで新しい共同体の創出にむけての試行を躓きながらくり返してきたが、もうそろそろ私の人生そのものがタイムアウトを迎えている。せめてこの機会に不甲斐ない自らの半生にオトシマエをつけるべく、いま一度頑張ってみたいと思っている。これまでの私自身の不作為についてはいっても始まらないから、とりあえず、現時点で提示し得る若干の問題提議をしたい。そして、その問題に残りの人生で取り組んでいきたいと思う。拡散ばかりで、集中に欠けた私の勉強の仕方では、これからこの日本社会を担う私たちの子供たちに何か役に立つものをひとつでも残して置きたいという思いも覚束ないが、しかし、所詮は志が大事である。 問題提議──残された課題 @江戸時代の儒学思想──江戸時代のほぼ全期を通して中江藤樹・熊沢蕃山・山崎闇斎・伊藤仁斎・荻生徂徠・大塩平八郎等という儒学者たちの活躍があり、その終結点に横井小楠、佐久間象山、橋本左内、そして吉田松陰がいる。明治維新の時代的背景としての思想的エネルギーはこれらの儒学思想の展開─深化─成熟を無視しては理解不能であると思う。 A幕末・明治維新の見直し──大久保利通、伊藤博文、山県有朋等の創り出した有司専制の再評価(現在の保守政治の源流である)。現在の日本社会は官僚による支配(政治家の資質の水準の低さと連動していると思われるが)が目に余るが、その日本型官僚支配の源泉が明治の有司専制にあることはあきらかである。 ※【鳩山・小沢の非官僚政治家を検察権力の露骨な介入に迎合し、寄って集って引きずり下ろし、現在の民主党執行部を創り出したマスコミ(新聞・TV)に同調した日本国民の馬鹿さ加減にはほとほと愛想が尽きた。菅直人をダミー(傀儡)にして、官僚に迎合している岡田・前原・野田・仙石・枝野という現在の日本の政治・社会のリーダーと目されている政治家の中から日本の政治の責任者を選ぼうとしている現状をみると絶望的な未来しか浮かばない。西郷隆盛や高杉晋作や坂本竜馬は望むべくもないが、大久保・伊藤・山県の足元にも及ばないと私には思われる現在の民主党の執行部の中から指導者・責任者を選ばなければならないという日本社会の実情にはいかなる展望も見出しえない。(2011.7.30)】 B全共闘世代が垣間見たマルクス主義の地平──新しい共同体のビジョンはどのようなイメージとして提示されていたのか。そして、40年後の現在、何故に共産主義思想は壊滅したのか。また、現在の新自由主義によって現出している末期的世界に対して、なにがしかの再生可能なビジョンを再提示しうるのか。 C宗教の日本社会に於ける可能性──仏教(法華思想)の時代的可能性について(宮沢賢治と妹尾義郎)。宮沢賢治の羅須地人協会を拠点とした地域活動や妹尾義郎の新興仏教青年同盟によって切り開かれた社会革命を内包した宗教活動から学ぶべきものがあると考えている。 D地域─共同体の再生──地域誌「銀河」の復刊 自立した諸個人の連帯の磁場としての地域誌活動はこれからの課題としてあると思っている。かつて、白鳥邦夫の「山脈の会」や谷川雁の「サークル村」が切り開いた地平を今後の日本社会の再生の磁場として再評価すべきである。 2011年5月5日 |