曼荼羅   Mandara

 密教寺院では南向きのお堂の中に、本尊から
   左(東)胎蔵曼荼羅
   右(西)金剛界曼荼羅をおまつりします
 
 「金剛界曼荼羅」と「胎蔵曼荼羅」を合わせ
      「両部曼荼羅」ともいいます

金剛界曼荼羅 胎蔵曼荼羅

 佛教では宇宙を構成している要素を
 「」・「」・「」・「」・「」の
 「五大」と考えます

 密教ではこれに「識大」を加えて「六大」とする

 胎蔵曼荼羅は「六大」の内「五大」(物質世界)
 の理(ことわり)を説いたもので
 理曼荼羅ともいいます

 金剛界曼荼羅は「六大」の内「識大」を
 説いたもので「五大」(客体)を認識する
 主体(智)から生ずる曼荼羅であるため
 智曼荼羅ともいいます

 「五大」と「識大」は対照的であると同時に
 本来は一つのもの(金胎理智不二)です

 男と女、時間と空間、部分と全体・・等
 この世界には対照的なものが存在しますが
 片方だけでは成立しえません
 両部曼荼羅はそれを現したものです

胎蔵曼荼羅の構成と各院の名称

        胎蔵曼荼羅

 大日如来は 宇宙そのものであり、あらゆる
 事象と存在は大日如来の変化身(へんげしん)だ
 と説きます

 胎蔵曼荼羅は その大日如来を中心に現し
 その慈悲と徳が放射される様を現します

 一方で衆生の願いが大日如来へ収斂(しゅうれん)
 されていく様を現しています

 大日如来の慈悲はさまざまな救済の場面に応じて
 最適な力を持つ佛に変化します

 ここに現された佛は全て大日如来の化身であり
 役割が全て異なるが、本来一つのものです

金剛界曼荼羅の構成と各会の名称

        金剛界曼荼羅

 金剛界曼荼羅は「九会(くえ)曼荼羅」とも呼ばれ
 九つの場面に分けられています、中心に成身会を
 核とし、各会とも中央に大日如来を現し
 同じ構成を繰り返すのです
 
 大日如来が衆生を救済する過程を現します

 一方、逆に修行により悟りに到達する過程
 現しています

 
 向下門(佛の慈悲により衆生を救済する過程)

 中心の「成身会」は完結した佛の世界であります
 ここを起点に右回りで右下隅へと至る流れを
 「向下門」(こうげもん)といい、佛の救済の道
 を現します

 逆に左回りで「成身会」へ向かう流れが
 「向上門」(こうじょうもん)で
 修行により悟りに至る道を現しています

 向上門(修行者の佛の悟りに到達する過程)
生かせいのち


 マクロの世界の銀河も
 ミクロの世界の電子も
   同じ世界であり
 旋転する渦巻きの力によって
 動かされています

 曼荼羅はこの大自然の力をも現しています

    

 自分もこの宇宙の一部であり、そのものである
 いのちは生かされているのです

 大自然の恵みにより、生かされています

          
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