伝 説
「こがねのお鉢」

聖武天皇は仏教をもって国家安泰をはかる為
奈良に東大寺を作りこれを総国分寺として
全国に国分寺を配す計画をしました

東大寺大仏殿に大佛を建立するに当たり
全国に仏師を探しに使者を送ります

使者が美濃国雄総(おぶさ)に来たとき
金丸(きんまろ)という童子に会いました

金丸が粘土で佛を見事に作るを見て
 素質があると見抜き 奈良へ連れて帰り
大仏建立に当たらせました

大仏は完成し 落慶法要の時
空に紫雲がただよい えもしれぬ音楽が聞こえ
空中からお鉢が降ってきたそうです

空中から声がして
「このお鉢はインドのお釈迦様が托鉢に使った
お鉢です」と聞こえました

そのお鉢を 聖武天皇は大仏建立に功績の
あった金丸に褒美として下賜されました

金丸はお鉢を戴いて帰り
お鉢を奉る為に雄総に寺を造ります

金丸は千手観音に変化し本尊に祀られたそう
です この寺が護国之寺で
現在も 千手観音を本尊に祀り
こがねのお鉢を護り伝えています


 ※ このお話は奈良東大寺に現存する
「東大寺縁起絵巻」の中巻に 同じ話があり
中に「美濃国 雄総」の地名も見られます

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