秘密
少佐「貴様ら!そんなモノで遊んで居る暇があったら仕事をしろ!!」
そんな少佐の怒鳴り声が聞こえて来た、何事かと顔を出したら、何か黒っぽいモノが飛んで来た
多分、少佐が壊した机の上にあったモノだろう、それを見て納得した
精巧にできた「フィギア」それが原因だった
「俺があいつの秘密を知ったのは、随分前の事だったが、まだ克服して無かったんだな」
あいつに、そんな秘密がある事気付いたのは、ここ日本での事だった、簡単な追跡訓練だったんだが
目標が妙に山ん中が好きな奴で、好きこのんでそんな所を逃げやがる、俺達をマクつもりだったのかもしれない
無理な話なのに、だが、そんな時に限って起こるもんだ、予期せぬ出来事ってんのは
三十分ほど追っていた時、妙に辺りが静かなのに気付いた、その事を少佐に伝えようとした時だ、急に地面が無くなった
いきなり地面に大きな穴が開いたと思ったら、俺も少佐もそのまま真っ逆さまに落ちちまった
幸い、雨水が溜まって出来た小さな地底湖らしきものがあり、その上浅かったので沈むことも無くすぐ立ち上がり水から上がった
少佐が上を見上げたので上を見た、現状はすぐ把握出来た
少佐「これでは、登ることは出来ないな」
「そうだな」
そこは長い時間かけて形成されたらしく、とっかかりが少ない上
入り口付近は、ちょっとした「ねずみ返し」になっていて、とうてい登れるものではなかった
他の道と言えば洞窟が一つ
「どうする?」
少佐「この洞窟を進むしかないだろう」
「しょうがねーな、取り合えず、風があるって事は何処かに出口がある訳だ、行くか」
少佐「ライト」
「へいへい」
しばらく進んでいたら、少佐が急に立ち止まった
「どうした?」
少佐「何でもない」
「おいおい、まさか迷った何て言うんじゃ無いだろうな?」
少佐「ここまで全て一本道だ、迷う方がどうかしてる」
そう言ってさっさと歩き出した、何故か一つの石を慎重に避けながら
少佐「そろそろ、訓練時間終了だな」
「確保出来なかったな、でも、いい教訓になったじゃねーか「自然を甘く見るな」ってな、電通でも入れるか」
少佐「そうだな、仕方ない・・・?」
「・・・どうした?」
少佐「繋がらない」
「は?」
少佐「繋がらない!」
「な、何、怒ってんだよ、多分岩に含まれてる鉱石のせいだろう、全部同じモンだな、となると、元戻っても繋がらないだろうな」
こっちを振り向いた次の瞬間、少佐の表情が凍り付いた
少佐「バトー・・・私に近づくな」
「は?何でだよ?」
少佐「来るな」
「?、ん?勝手に便乗すんなよ」
少佐「よせ!」
その時俺は、肩に止まってた虫を払い落とそうとしただけだったが、少佐の尋常ならざる声に目を丸くした(すでに円形だったが)
その上、少佐の目は、一種の恐怖を滲ませていた
「どうし・・」
少佐「そいつに触れるな」
「・・・もしかして、虫が、嫌いなのか?けど、虫なんて他にも・・」
少佐「そいつだけは別だ!」
言うなり、腰の「セブロM-5」を抜いた
「お、おいよせ、こんな所で、てか俺ごと撃つ気か!?」
少佐「どうせ全身義体だろう!」
「(泣)たかが虫だぞ!」
少佐「お前にとってはな、だが、私にとっては「天敵」だ!!」
その時、その虫が跳んだ、よりによって、少佐の方に、その瞬間、セブロが咆えた
虫は、当たりはしなかったが、風圧で何処かに飛んで行った、
獲物を失ったセブロM-5の5.45mm×18小口径高速弾は俺の髪止めを引き千切って何処かへ飛んで行った、少佐は肩で息をしている、顔は心なしか蒼ざめてさえいた
その後、どうにかこうにかで少佐を宥めて、帰還することにした、もちろん、その虫を見つけない様に、そして、見ない様にして
本部に帰還したら、当然、親父には怒鳴られる、他の奴らにはからかわれるで散々だった、その後で少佐に何であの虫が嫌いなのか聞いてみた、返答は短く“子供の頃からだ”だったな
やれやれ、世界屈指の義体使いの「天敵」がたかが虫とはね
少佐「バトー、そいつを捨てておけ、ついでにこれも」
そう言いながら、何かを投げてよこして、さっさと部屋を出て行った、それは「フィギア」が入っていた箱で説明書が付いていた
ふいに、暗号通信が入った
少佐「バトー、分かってるとは思うけど」
「ああ、分かってる、バラしゃしねーよ、何せ、俺だけが知ってる秘密だからな」
少佐「ならいいわ」
そう言って電通は切れた
しかし、どうすんだよ、少佐・・・
日本の昆虫(説明書)
名前:カマドウマ
分布:日本全国
生息場所:主に洞窟などに生息
(いや、問題はそこじゃねぇ)
少佐は、「カマドウマ」と呼ばずに「カマドン」と呼んでいるでしょうと言うコメントを頂きました(^^)