「暇」
折角二人揃っての非番なのに外は雨
おっくうなのを我慢してバトーの所に来てみたが何か作業をしていて結局暇
細かい部品を器用に組み立てる巨躯を横目に雨の降り注ぐ街を見下ろす、通りには色とりどりの傘の花が咲いている。
 
「・・・」
「・・・」
「雨ね」
「そうだな」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・暇ね」
「そうか?」
「・・・」
「・・・・」
「・・バトー?」
「んぁ?」
「何してるの?」
「修理」
「・・何の?」
「オルゴール」
「何故?」
「頼まれた」
「誰から?」
「トグサ」
「娘さんの?」
「そうだろ」
「何の曲?」
「さあな」
「鳴らないの?」
「だから直してる」
「直る?」
「多分な、ネジの巻き過ぎで中の発条が切れただけだ、っと、これで良い筈だ」
 
そう言って修理したばかりのオルゴールを私に差し出す。
 
「私にどうしろと?」
「鳴るか試してくれ、裏にネジがある」
 
何故、私が?と言う顔をしながらも裏返してネジを巻く自分が少し可笑しかった、きっと雨のせいだ。
 
キリ・キリ・キリ・キリ・カチッ
 
最後まで巻き床に置く、どんな音を奏でるのかと内心期待していたが
 
「・・何故鳴らない?」
「・・・あのなー、「オルゴール」つってもただ巻きゃ音が鳴るってもんじゃねぇ、コイツは宝石箱型だから蓋を開けなきゃいつまで経っても鳴らねーぞ?ボケたのか?」
 
少し睨んで蓋を開けるためにオルゴールに手を伸ばす、どうも先を急ぎすぎている、何時もなら無い事だ、これも雨のせいだ、蓋を開けると歯車のかみ合う音がして曲が流れ出す、曲は「ミッキー・マウス・マーチ」
 
「定番だなこりゃ」
「でも、良い曲よ」
「まあな、お、雨が上がったな、どうだ少佐、外にメシ食いに行くってのは?」
 
そう言われて外を見るとさっきまでの雨が嘘のように晴れている
 
「そうね、お腹も空いたし、ここまで待たせたんだから当然バトーのオゴリよね?」
「勝手に待ってたのは、そっちじゃねーか」
 
下らない言い合いをしながら部屋を出る、まだ部屋で鳴ってるオルゴールのリズムに合わせて
今度、バトーにねだってみようかな「オルゴール」

最後の最後で少佐の性格が変わってしまった(^^;)
何か、女の子っぽくなってるし(汗)
憂鬱感からの開放と言う事で許してください