エッグ/スクランブル
ある重大な某国の機密情報のチップが埋め込まれたものが、この日本国内に持ち込まれた。
それが世に出れば世界は震撼するというその情報は、各国の誰もが喉から手が出るほどのもので、
もちろんその某国もそれを取りかえしたいと躍起になっている。
9課の面々に課せられた使命もまた、そのチップの奪取であった、のだが。
「とんでもないことになりましたよ」
トグサはそう言い、正面モニターにある映像を出現させた。
黄金や色とりどりの宝石がちりばめられている、卵形の装飾品。
精巧に作られた一種の美術品であるそれを、9課の面々が食い入るように見ていた。
「なんだそれ?」
皆の声を代弁したのはバトーだった。
「イースター・エッグです」
「いーすたーえっぐ?」
「イースターってのは知ってるだろ」
イースター。
日本ではなじみのないこの名前は、海外、特にキリスト教の分布している場所では行われている行事である。
十字架にかけられ命を落としたイエスキリストが、予言どおりに復活した。それを祝う日である。
「イースター・エッグというのは、そのイースターの時に作られるもので、卵に紙や絵の具で装飾したりするんだそうです」
「なんだそりゃ?なんで卵?」
「卵というのは復活なんかを意味するからじゃないかって言われてるそうっすけど、まあ重要なのはそこじゃないんすよ」
そう言って画面に映っている卵を指差した。
「これはインペリアル・イースター・エッグと呼ばれるもので、
かつてのロシアに絶大な富を築いたロマノフ王朝の皇帝が作らせた、最高級のイースター・エッグです」
妻や娘などに送るために皇帝がさる制作者に作らせた56個のうちのひとつで、
現在では誰にも作ることができないといわれているため、その稀少価値や装飾などからも途方もない値段がつけられている。
所有している人間の名を挙げれば、どれほどの価値かが一目で分かるほどだ。
「その卵、インペリアル・イースター・エッグが、実は日本に来てまして、近々オークションにかけられることになっているんですけど」
「……まさか、その卵の中に私たちが探してるチップがあるだなんて、言わないわよね?」
トグサの言葉を引き継ぐように素子が言えば、トグサはため息をこぼした。
「そのまさかです」
でなければわざわざそんな説明はしない。
誰もが予想し得た結末に皆がため息をついた。
調べによれば、そのエッグはもともと某国―――今回の事件の中心となっている国と同じ国―――のさる金持ちが所有していたものらしい。
ところがその金持ちの会社が経営難に陥って大変な赤字を抱えてしまったらしく、金持ちは自分の持っている財を売りに出さなければならなくなった。
その中にエッグはあって。
日本で開かれる大々的なオークションへ売りに出されることになった。
そしてその輸送される最中、どういう接触によってなったかは不明だが、某国の重要機密を掴んだ人間がそのエッグにチップを仕掛けたらしいのだ。
あのちりばめられたダイヤの中の一つに、イミテーションが混じっており。情報はそのイミテーションの中に埋め込まれているのだという。
「何だってそんな面倒な真似を」
苦々しげにバトーが呟く。
「情報を持って外へ脱出するのが危険だったから、という理由が妥当じゃないっすか?
ただでさえ情勢は緊迫しているんだから、当然身体チェックも厳しいだろうし、ちょっとでも怪しい素振りがあれば即捕まっちまうだろうし」
ぺらぺらと手帳をめくりながらトグサは答えた。
実際のところチップを人工ダイヤに埋め込み、
それを競売にかけられるエッグに取り付ける方がよっぽど手間ひまと危険がかかっているのではないだろうかと思うのだが。
それだけの手間ひまをかけても怪しまれない位置に、その人間はいたのかもしれない。事実チップはエッグに取り付けられている。
「となると、そのエッグを競り落とされる前に奪取しなければならない。ということよね」
「そうです」
「でもどうやって?こちらが競り落とす?」
「バカをいうな」
素子の言葉に今まで黙っていた荒巻が口を開いた。
「そんな金をどこから引っ張り出す?」
ただでさえ9課は何かと物入りで、予算もひっ迫しているというのに。
この上とんでもない値段の(しかもオークションにかけられればさらに値が跳ね上がる)卵を競り落としでもしたら、
まず9課が崩壊し、道づれのように国が崩壊する。
「つまり正攻法は駄目ってこと?」
「当たり前だ」
「なら、非合法?」
いいの?と暗に含めて訊ねれば、荒巻は手をぱたぱたと振った。
方法は任せる、ということである。
「なら盗むしかないわね」
あっさりとそう結論付けた素子は、さっそく衣装を用意しなくっちゃと声をはずませる。
また、あれをやるのか?
皆が口には出さずにそう思った。
かつてとある事件において活躍した、知ってる人は知っている、知らない人は全く知らないという、
怪盗『cash eye』なるものが存在していた。
その怪盗は鮮やかな手口で、侵入の痕跡すら掴ませることなく防犯の包囲網を突破し、ただひとつカードを残して姿を消す。
出現が確認されたのはわずかに一回。
というより一回しか出ていない。
しかも存在を知っているのも一握り。
ほとんどが9課の面々。
そんな怪盗がまた復活する。
「……お前、意外に気に入ってたろ?」
「そう?」
「んな嬉々とした顔して違うと言ったところで説得力ねえって」
バトーが呆れたような顔をして言った。
それだけ素子は乗り気なようである。
確かに乗り気でなければあんなことはしない。
「ですが問題は、どうやってそれを盗み出すかということですよ」
トグサが言った。
「なんといってもロマノフ王朝の秘宝ですからね。警備だって厳重でしょう?セキュリティも一筋縄ではいきませんよ?」
世界に限られた数しか存在していない、最高級のイースターエッグ。
当然よからぬ考えを持つ輩がいるのは誰もが思うこと。
だからこそ警備は二重三重に強化されているだろう。
いくら素子といえどもそう簡単に盗みだせるものではない。
だが素子はソファに座って足を組み、ゆったりとくつろいだ姿勢のままトグサを見やって言った。
「あら?そんなものは簡単よ」
「え?」
「要は警備が手薄な時に盗めばいいじゃない?」
「……それが出来れば俺だってこんなこと言いやしませんよ」
何を言い出すかと思えばとトグサは遠い目をしてしまった。
警備が手薄ならばそんじょそこらの泥棒ですら盗めるだろう。だからそういった隙を作らないようにと警備体制を万全にしてくるのだ。
「何せ物が物ですから、簡単じゃありませんよ?」
「だから、手薄になる瞬間を狙えばいいと言ってるのよ」
会話がかみ合ってない。
「ですから、その手薄になる瞬間というものがなさそうだから俺は―――」
「あるじゃない」
トグサの言いかけた言葉を素子はあっさりと一蹴して、微笑んだ。
一瞬あんぐりと口を開けたトグサであるが、はっと我に返って、
「ど、どこにですか?」
「灯台下暗し」
「え?」
「誰もが見ているけど、でも、実はそこが一番穴が空きやすいのよ」
「?」
「つまり」素子の言葉の意味が解らずに首を傾げているトグサのために、素子は身を乗り出してこう告げた。
「オークション当日の、オークション会場よ」
まさか。
もしかして。
さーっとトグサの顔から血の気が引いた。
「まさかお前……競売やってる最中に突入するって腹づもりか?」
トグサの弁を引き継いだバトーが訊ねれば、
「そのまさかよ」
怜悧な微笑を浮かべて素子はそう答えた。
オークション主催者に謎の怪盗からの予告状が舞い込んだのは、それから数日後。
そして極秘の警備が敷かれ、担当に9課が指名され、その任務が回されたのはほどなくしてのことだった。
某所。
巨大なホールを使用したそのオークション会場には、
名だたる資産家や社長役員、政財界の大物などが顔を連ねて、数々の品は次々と落札されていった。
メディアなどを一切排除し、立ち入る人間の身元や所在などは徹底的に洗われ、
常に数人の監視が付かねば動くことすら規制されるといった具合の厳戒態勢の中、
会場の雰囲気は重苦しくも、どこか期待感に溢れていた。
何故こんあ体制がとられているのかといえば、それは今回のオークションの目玉商品のせいである。
インンペリアルイースターエッグ。
かつて栄華を誇ったロマノフ王朝の秘宝。
現存する数は少数、そのうちいくつかは行方不明とされているその品に、人々の注目は俄然集まっている。
そのせいでこれほどまでに警備が厳しいのだと、皆が思っているわけである。
その裏で謎の怪盗からの盗みの予告が舞い込んできていることは知らない。
この予告に関しては箝口令が敷かれているため、事実を知っているのは主催者側と警備担当に当たっている公安9課のみである。
『そろそろ例のブツの番だぜ』
会場に立ち、オークションの流れを見ていたバトーが暗号の回線を通してトグサに言った。
『……本当にやる気なんすね』
『おいおい今さら何言ってやがる』
隣のトグサを見れば顔色が悪い。いつものように心配性が極限まで高められ、胃にきた、というところだろうか。
こんな神経では9課やってること自体大変であろう。何せ公安9課はいつでも大変なことばかりなのだから(特に少佐絡みで)
『厭なら外で待機しててもいいんだぜ』
意地悪く言ってやると、相手はきっと睨みつけてきた。
『こうなったらちゃんと見届ける!』
とはいえ睨み付ける表情はあまり迫力がなかった。ちょっと涙目でもある。
こいつはここにいたらいつか胃に穴を開けるんじゃないか、とこの先のトグサを思うとなんだかちょっぴり可哀想になるバトーであった。
さて、会場内の警備担当を任されたバトーとトグサ。それ以外のメンバーは何をしているかといえば。
このオークション会場の地下にある配電盤にいるのはイシカワとサイトーのふたり。
会場となるホール以外の警備の担当になっているのがパズとボーマ。
そして会場外に止めてある電気屋のバンの中には課長やオペレータの姿。
オークション会場に設置してある監視カメラの映像が随時こちらのモニターにも送られてきている。
そしてバンの一番奥の席に、入り口から背を向けて座っている女がひとり。
微動だにせずモニターを凝視しているのは、少佐。
それぞれがそれぞれの場所に待機してからしばらくの時間が経過していた。
「それでは、今回の目玉商品の登場です!」
司会進行の男がそう告げると、会場がいっそうのざわめきに包まれた。
警備員のひとりが透明なガラスのケースを、ほかの警備員たちに付き添われて運んできた。
それが人々の前に登場するやいなや、感嘆のため息があちこちでこぼれていた。
見事としかいいようのない金と銀の装飾に、ちりばめられたいくつもの宝石。
そして頭の頂には卵形に削られた水晶に、ダイアモンドや黄金やプラチナなどで装飾したものがついていた。
通称ウインターエッグとも呼ばれているものである。
「それでは競売を始めます。まずは―――」
『皆、そろそろいくわよ』
バイヤーが口を開くと当時に、少佐の声がかぶさるように9課の面々の頭の中に響いた。
『バトー、トグサ』
『こっちはいつでもいいぜ』
『はい』
『イシカワ、サイトー』
『ああ、準備は出来てる』
『いつでも、少佐』
『パズ、ボーマ』
『準備OKだ』
『あとは少佐の一声だけ』
皆がその瞬間を待っている。
次々と値が跳ね上がり、あちらこちらから上がるプラカード。
目まぐるしく変わっていくものを進行役が慣れた様子でさばいていく。
そして。
「では、他にありませんか?」
最後に上がったプラカードの人間が発した途方もない値段が、周囲を黙らせた。
ありませんか?と再三再度訊ねたが、更にその上をいく値段が発せられることはなかった。
素子は薄く笑みを浮かべた。
『それじゃあいくわよ、カウント5で始めるわ』
さっと9課に一斉に緊張が走る。
頭の中で走るも素子のカウントが、それを加速させる。
そして。
かんかん。
「では、ナンバー211の方、落札です」
『0』
ばちん
会場は闇に包まれた。
最初何が起こったのか解らず、誰もが暗闇の中で唖然とした表情をした。
が、事態の異常さに気が付いた人間が悲鳴を上げると、まるで連鎖反応のように彼等は次々と悲鳴を上げていった。
「落ち着いて下さい!落ち着いて下さい!」
闇の中でトグサの声が上がった。
「みなさんその場から離れないで!今補助電源に切り替わります!」
そう言うが早いか、果たして会場にはぼんやりとした淡いライトの光が降りてきた。
そして皆は一様に辺りを見回し、いったい何が起こったのかと場内は騒然とした様子だった。
ところが。
「見ろ!エッグがないぞ!」
誰かの声が上がったとたん、皆の視線は一斉にエッグがあったはずの場所に集中した。
だが透明なケースがそこにあるだけで、中のものは忽然と姿を消していた。
確かに厳重なケースと警備の人間に護られていたはずのものなのに。
しかも警備員のひとりがいなくなっている。
警備していた人間も、一体何が起こったのか解らずに互いの顔を見合わせ、それが重大なミスであったことに気付いた瞬間。
またもや会場内はパニックに陥った。
「落ち着いて下さい!」
「みなさん会場から出ないで、その場から動かず席に待機してください」
「我々の指示があるまで動かないで」
「緊急配備緊急配備」
トグサとバトーはもっともらしい行動をしながらその騒ぎを収拾、そんな中で会場外を警備している他の者たちに電通を送った。
それを傍受したイシカワとサイトーは、念のために光学迷彩を使用しながら配電盤を片付けて後にした。
もちろんそれが時限式でブレーカーが落ちるようになっていたという細工も添えて。
パズとボーマは会場を走り回り、警備の人間たちを巧みに移動させながら、逃げるイシカワたちの援護に回った。
混乱で騒然となっている最中、怪盗cash eyeといえば………。
「ご苦労だったな、すぐにラボに回す」
「苦労らしい苦労なんてないわ。まあ強いて上げるとしたら、この暑苦しい制服を長時間着なくてはならないってことかしら?」
さっと目深にかぶった帽子を脱ぐと、さらっとした紫紺の髪が姿を現した。
警備員の制服を見にまとった素子がそこに立っている。
ここは外に止めてあるバンの中で、しかも奥の座席には未だに少佐が座っている。
もちろんそれは脳殻の入っていない、ただの入れ物。
素子の予備パーツとでもいうべきそれは、無理を言って素子が借りてきたもので。
ところどころが欠損しているのはそれがまだ試作段階であるためのご愛嬌である。
表から見ればそれが解るが、後ろ姿だけではそれをはかり知ることは出来ない。
まあこれは万が一に備えてのムフラージュ用として用意されたものである。だが実際ここに訪れる人間はいなかったが。
「それにしてもうまくいったものだな」
「うちが警備の指揮を取ることになったからね。でなければ怪しまれたでしょう?」
9課担当になったのは根回しである。
もちろん今回の機密情報の騒ぎも関連して、上からの申し出もあったのであるが。まさか堂々と盗みに入るなどとは彼等も考えなかっただろう。
今回指揮はすべてバトーたちに一任した素子は、警備初日から一般警備員の中にいた。
一応怪しまれないための考慮である。
そして当日、彼女は他の数人の警備員と共にエッグを会場に運搬、警備する担当になった。
あとはエッグを持って堂々と会場に入り、暗闇に乗じてケースからエッグを奪い取ると、あとは補助電源に切り替わる前に堂々と元きた道を出てきたのである。
もともと警備員というのはいろんな警備会社から派遣されてきたものばかりで、
それ故に顔見知りでなかったせいもあってか、誰がどの配置についているのかを把握しているものはほとんどいなかった。
だから素子が何食わぬ顔で他の警備員の目の前を通っても、皆はそれが定期巡回であると疑わなかったのである。
素子はまんまとそのまま会場の外に出て、バンの中に戻った。
その直後、会場では消えたイースターエッグによって混乱が巻き起こっていたのである。
『私たちは先に帰るわ、事後処理よろしくね』
電通でもってそれを伝えると、了解、という声がぱらぱらと返ってきた。
『あ、少佐、ひとつ質問いいっすか?』
その中でトグサだけが問いかけてきた。
『何?』
『ラボに回してイミテーションのダイヤから情報を入手した後、そのエッグはどうするんですか?』
確かに今回の目的は機密情報のチップが入ったダイヤであって、エッグそのものではない。
このままでは本当に窃盗罪である。
曲がりなりにも政府機関に組み込まれている公安9課が盗みを働いたとなれば、それはそれで問題になりかねない。
『そうねえ、どうしようかしら』
少佐はまだ手に持っていたエッグを見やりながら思案する。
コレクションとして加える、という崇高な趣味はあいにく持ち合わせていないし、
闇市場で高値で売り付けるとなればそれがもとで足が付く場合もある。
かといってどこかに放置してもあまり意味がない気がする。
とすれば、とるべき手段はひとつ。
『もちろん、戻すわよ』
どうやって、とは答えなかった。
その答えが出たのは、ラボの解析結果が提出されてからすぐのこと。
その日トグサは新聞の一面記事を見て思わず飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになった。
げほごほ、と咳き込みむせ返っていると、妻がやってきた。
「大丈夫?」
「あ、ああ……んげほっ、ごほっ」
「あら、今時怪盗なんているの?」
彼女の視界に飛び込んできた見出しに興味を示した。
トグサはまだ咳き込んでいる。
「なになに……『謎の美女怪盗現る!! その名もcash eye』ですって」
先日オークション中にて盗まれたインペリアルイースターエッグが、昨日未明落札した某大会社の社長宅に兀然と姿を現した。
そのエッグの下にはカードが差し込まれてあり、中を開くと以下のようなことが書かれていた。
『世界一高価な卵をお返しいたします 怪盗CASH EYE』
エッグには傷ひとつついてはおらず、装飾もオークション時に出された時からは何も変わっていないという。怪盗は何の目的でもって盗んだのかは未だに解らないが、警察の取り調べは商品の無事返却ということで幕を閉じそうである。
ということが新聞には書かれている。
白昼堂々の鮮やかな犯行によって連日報道が堪えなかったこの世紀の大泥棒事件。
未だに犯人の手がかりさえ掴めずにいたのだが、どうやらあっさりと商品返品というあ意外な展開で事件は終わるようである。
「返すつもりだったのなら、一体なんで盗んだのかしらね」
「……さ、さあな」
「盗むスリルを楽しみたかったのかしら?」
「……単に目立ちたかったのかもしれねえけど……」
「え?」
「いや、何でもない」
トグサはコーヒーを飲み直しながらあさっての方向を見ていた。
世の中知らなくてもいいことはあるもので。
実際トグサも、このことはあまり知りたくもない事実だったことはいうまでもなかった。
ちなみに。
「ねえねえ社長宅の防犯カメラに映ってたらしいわよ、cash eye」
「え、そうなのか?」
あの少佐ともあろう人が防犯カメラ如きに姿を撮られるだなんてへまをするとは思えなかった。
「でも顔は大きなゴーグルみたいなので隠されてて解らないみたいで、犯人特定までにはいたらないみたい」
ほ、っと思わず一息。
顔なんて見られたらまた事件になっちまうじゃないか。
相変わらず心臓に優しくないことばかりする人だなあ、とコーヒーを飲み込んだ、次の瞬間。
嫁の一言で事態は一変する。
「えっと……『防犯カメラに映っていた怪盗は、大胆にもカメラに向かって投げキッスをしていたということ』だって」
「ぶーっ!!」
「あらやだあなた、汚いわよ」
「あ、ごめ……げほほっ、ぐほほっ」
投げキッスって。
投げキッスってなんなんすか少佐!
そういうキャラじゃないでしょう?
いろんな思いがぐるぐる頭の中を駆け巡る。
想像しただけでぞっと寒気がした。
同時刻、同じような現象が少なくともあと五人に起こっていたらしい。
サイトを閉鎖なさってもキリリクはシッカリと書いて下さいました、まさか「エッグ」を取り入れるとは!
管理人など金塊を使用するのが精一杯(まだ使ってないけど(^^;))
少佐の大胆さに脱帽、紫さんありがとう御座いました、そしてお疲れ様でしたm(_ _)m