1948年度、大映作品。
江戸川乱歩原作、佐伯幸三監督。
大時計が付いた山奥の屋敷を相続した青年（船越英二）が巻き込まれる、怪事件の数々…。
さすがに、感覚の古さはどうしようもなく、謎自体の魅力も稀薄なら、展開も冗漫でテンポも遅く、見せ場も少ないので、今観て面白いといえるような内容ではないが、最近の安手のテレビサスペンスのような感覚で観れば、我慢できないでもない。
主役の船越英二が、当時は彫の深い二枚目であった事に驚かされる。
徳川夢声が、事件の鍵を握る、怪し気な登場人物の一人として登場しているのも、オールドファンとしては興味深い。
レトロミステリーファンなどには、一見の価値はあるかも知れない。