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虹男

1949年大映作品。
一部で「幻の特撮作品」などと紹介されたため、期待に胸を膨らませたマニアが多かったにも関わらず、実際に観てみると、特撮映画でも何でもなかった…という、曰く付きの作品でもある。
敏腕女性記者、鳥飼ミミは、警視庁に連行される元級友を見かけ、彼女が、家人殺しの容疑者である事を知らされる。
彼女の唯一のアリバイ証言者である、ばあや(浦辺粂子!)は、嵐の中、電話ボックスの中で、虹男に襲われ絶命する。
かくしてミミは、恋人兼ライバル記者(小林桂樹)と共に、虹男伝説が伝わる摩耶家の不気味な館へと乗り込むのだった…。
いわゆる、怪屋敷内での連続殺人と、その犯人当てである。
一癖も二癖もありげな家人たちが、次々と「虹を見た!」と叫びながら死んでいく。
その真相はいかに!
設定自体は面白くなりそうな要素を持っているのだが、いかんせん、凡庸な展開と演出の為、通俗ミステリーの域を出るものにはなっていない。
登場人物たちが、小林桂樹以外は見慣れぬ俳優ばかりなので、テレビのサスペンスものなどよりは、犯人の予測が付け難いのが、せめてもの救いか。
話の種に、珍品マニアなら、一度は観てみるのも良いかも知れない。