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ネバーエンディングストーリー3

現実から逃げ出し、本の中の「夢の世界」に救いを求めるようになったバスチャンの姿は、小さな子供が主人公の話としては許せても、本人が中学生くらいになってもまだ…となると、今でいう「オタク」にしか映らない。
このシリーズ3作目では、そんなオタク少年の父親が再婚し、義理の母親と妹ができる所から始まる。
バスチャンは「オタク」なので、新しい妹からは「ダサい兄貴」にしか映らないし、学校でも不良グループに狙われるようになる。
不良グループは、「ネバーエンディングストーリー」の本を発見し、それが、自分らの望む通りのものが実現していく魔法の本である事に気付く。
その結果、ファンタージェンの世界も現実の世界も、大混乱に陥ってしまう。
一旦は、本の中に逃げ込んだバスチャンだったが、危機を救う為に、アウリン(魔法の首飾り)の力を借りて、ファルコンやファンタ−ジェンの仲間と共に現実の世界へ戻ってくる…。
せっかく、素晴らしいファンタ−ジェンの幻想世界の魅力を体験させてくれたシリーズなのに、本作では、その着ぐるみキャラクターたちを、あろう事か、現実世界に登場させてしまったために、安っぽい「子供向け着ぐるみショー」みたいにしてしまっている。
構図も、ありがちな不良グループとの戦いや、新しい家族の危機…など、陳腐きわまりなく、正に「夢も希望もない」凡作へと、変貌させているのが寂しい。
シリーズ作品の限界を感じさせる一本…といえよう。