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ドラゴン危機一発

ハリウッドでの成功を夢見るも、アジア人というハンデの前には、越えられない障壁があり、挫折しかかっていたリーを救ったのが、故郷、香港での本作への出演依頼だった。

タイでロケをしたらしいが、確かに、香港特有のゴミゴミした雰囲気ではない。

けんかっぱやさが珠に傷、貧しく素朴な地方の青年(リ−)が、知人のつてを頼って、製氷工場で働き出す。

ところが、その工場で密かに行なわれていた麻薬密売の秘密を知ってしまった事から、リ−は、社長からの硬軟両面からの妨害にさらされる。

社長の手口の汚さに、怒りの頂点に達したリ−は、豪華な社長の邸宅に一人乗り込んで行くのだった…。

こうストーリーを見て行くと、これが、どうも、東映のヤクザ映画などと同じような構造を持っている事に気付かされる。

ヤクザ映画では、最後に堪忍袋の緒が切れた主役が、長ドス一本下げて、宿敵の元へ向かう事になるのだが、リ−は、一切武器を持たない。
身体一つである。

当然、相手も、マシンガンなどを持ってはいない。
それでは、この復讐劇の様式美は成立しないからである。

カンフー対カンフー!
肉体対肉体!

これぞ、アジアンパワー!…という魅力がある。

低予算のアクションものながら、やはり、リ−の存在感は圧巻で、まだどこか、あどけなさが残る純朴な容貌と共に、印象づけられた作品。