ジェイソン・スコット・リ−とブルース・リ−は、同じ東洋系という他は、全く風貌は似ていない。
この俳優で、あの伝説のヒーローをやらせようというのだから、ハリウッド人種の考え方は分からない。
結構似ている…とでも思っていたのだろうか?
ところが、最初は違和感がある、このスコット・リ−が、観て行く内に、だんだんブルース・リ−に思えて来るから不思議である。
有名なブルース・リ−のアクションを、かなり忠実に再現しているからだろう。
やがては妻となるリンダとの出会い、彼女とのデートで観た「ティファニーで朝食を」の中で、バカなキャラクターに描かれている日本人ユニオシ(ミッキー・ルーニ−)の姿に、同じアジア人として怒りを覚えるリ−。
テレビシリーズ「グリーン・ホ−ネット」のカト−役に抜擢されたリ−…など、ファン泣かせの再現シーンもある。
ブルース・リ−へのオマージュ作品やパロディ、便乗作品などはいくつもあるが、本作は、そうした中でも、比較的良心的に作られた秀作だったと思う。
でも、本当のブルース・リ−ファンは、本物の出演作を、繰り返し観るだけで良いと思えるのだが…。
一種の異色作…と捕らえた方が賢明かも知れない。