TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

悪徳の栄え

1988年、ロッポニカ、マルキ・ド・サド原作、実相寺昭雄監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

昭和初期、不知火公爵(清水紘治)は、自ら主催する不知火劇場で、本当の犯罪者たちを使った演劇を行なったり、毎晩、裸の女たちにかしずかれては、贅沢な料理に舌鼓を打つような退廃的な生活を送っていた。

そんな彼は、一人の青年を劇団員として採用するが、そのその青年に、自らの愛人でもあるヒロイン役の女、玉枝(李星蘭)を寝とられてしまう。
そんな彼の元には、決起しようとする青年将校(佐野史郎)なども訪れて来る。

やがて、劇の稽古の最中、一人の女優が、何者かによって射殺される事件が起こる…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

…と、一応、ストーリーらしきものもあるのだが、基本的には、現実と演劇が渾然一体となったような観念的な画面展開で、実験的な作品と解釈した方が良いだろう。

一画面ごとの、陰影を強調した美術が印象的。(美術は池谷仙克)

実験的であるが故に、エロスは弱い。

実相寺ファン、作家性の強い作品に抵抗感の少ない人向け作品だろう。
そうでない人には、ただ退屈なだけかも知れない。

寺田農、石橋蓮司など、渋めの脇役陣にも注目したい。