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悪魔が呼んでいる

1970年、東宝、山本迪夫監督作品。

「血を吸う人形」の併映作。
原作は、角田喜久雄「黄昏の悪魔」。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

江原ユリ(酒井和歌子)は、ある日、いつものように出社した会社で、課長から、突然、解雇を言い渡される。
さらに、恋人の早川(下条アトム-これが、映画デビューらしい)からも突然の別れを切り出される。
あろう事か、帰宅したアパートの大家からも、早急に引っ越すように頼まれる始末。

訳が分からないまま、働き口を求めて、出版社の入社試験を受けたユリであったが、そこで出会った浦辺(新克利)から、内定が決まったらしいと教えられたにも関わらず、何故か、アパートには「不採用」の通知が…。
しかも、部屋には空き巣に入られて、街に出たユリは、バッグの中の財布さえ、いつの間にか消えている事に気付き、呆然となる。

慣れぬホステス稼業を始めると、初日から、客の財布を盗んだと疑われてしまう。

全てを失い、踏み切りで自殺を考えながらも倒れ伏したユリは、一人の青年から助けられる。
しかし、彼に連れて帰ってもらったアパートで、彼とは、すでに婚姻届を出した仲だと迫られるユリ。
睡眠薬を飲まされていたらしく、気絶から目覚めてみると、部屋の傍らには、前夜の青年が、胸を刺されて死亡していた。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お嬢様女優だった酒井和歌子にしては珍しく、彼女が苦難の連続に出会うサスペンスになっている。

前半部分は、意味ありげなオカリナの音などが流れ、ホラー的な作品なのか?…と思わせるのだが、途中から、事件の背後にあった作為が判明し出し、にわかに、ありがちなサスペンスドラマになって行く。
謎ときとしては、ミステリー好きな人なら、途中でほぼ推測できる程度のものだが、それなりにまとまっており、ついつい最後まで見せられてしまう。

まだ若々しい(…といっても、すでに中年だが)大滝秀治が、重要な役所で登場するのが興味深い。
酒井和歌子ファンにとっては、前編、怯え続けているミニスカート姿のワコちゃんを観る事ができるだけでもは、貴重な作品といえるかも知れない。