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ルパン三世 念力珍作戦

アニメ版はもうやっていた(1971年〜)時期の実写化作品で、「ノストラダムスの大予言 Catastrophe-1999」の併映作。

企画は何と、赤塚不二夫と中山千夏(「ひょっこりひょうたん島」の博士!)の両才人コンビ!

久々に見返したが、やはり、スラプスティックコメディとして実に良く出来ていると感じた。 冒頭からラストまで、次から次へと笑いのアイデアが仕込まれており、技術的にも色々なことが試されており、興味深い。

当時の流行のパロディも随所に登場するので、懐かしさもある。

「スパイ大作戦(ミッション・インポッシブル)」や「007」のブロフェルド、「ザ・ガードマン」等の影響が色濃いし、「列島改造」「日本沈没」等のベストセラーネタ、さらには、CMパロディなども登場する。

それに留まらず、猛スピードで走ると、靴の裏が燃えて来て煙を出すなどと言ったアニメ的なギャグや、ストップ・モーションなどを使ったアイデアも面白い。

中でも、ベッドシーンをアニメの記号化で表現しているアイデアには唸ってしまう。 技術的にも大変だったはずで、そう言うことをさらりと見せてしまう所が凄い。

ゲスト陣も多彩で、ゲロゲ〜ロの青空球児、好児コンビ、海野かつをや畠山麦と言った珍しい顔、前川清や安西マリアと言った歌手、山本麟一ら悪役陣などなど…

元東宝特撮の流れを継いだ東宝映像が協力しているからか、地味ながらも凝った特撮が随所で使われている。

例えば、宝石を盗みに入ったルパンが、警備員ともみ合いになり高圧電流に触れ感電するシーン。


ちゃんと、半透明の青い電気の放電の様子がアニメで丁寧に加えられていたり、物語途中には、簡単なマスク合成ながら「浅間山噴火」の様子が入れられていたり…と、特撮ファンには嬉しいシーンが盛り沢山。

教会で育ったルパンの回想シーンの部分には、海援隊の「母に捧げるバラード」が使われていたりするのには時代を感じさせる。

目黒祐樹は、ルパン独特のファッションではないせいもあって、どう観ても「育ちの良い金持ちのボンボン」みたいにしか見えず、好色さ、やんちゃさ、野性味に欠ける感じはあるが、良く健闘している方だろう。


どちらかといえば、キャラクターとしては、むしろ、兄(松方弘樹)の方が、ルパン向きではないかと思われるが…。

一番意外だったのは、田中邦衛が、それなりに次元に見える事!

教会に現れた全身黒づくめの殺し屋(天本英世)ら三人を、たった0.3秒で射殺してしまう所なんか、かっこいい!

この田中邦衛版「次元」を観るだけでも、この作品を観る価値ありと思える。

銭形役の伊東四朗も見直して観ると悪くなく、何となく「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」時代を彷彿とさせるようなナンセンスな芝居を良く演じている。

おそらく、「ルパンの実写なんて…?」…という大半の人の想像以上に、面白い作品だと言える。

今見ても十分に楽しめる秀作だろう。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1974年、国際放映+東宝、モンキー・パンチ原作、長野洋脚本、坪島孝監督作品。

地下駐車場の車のキーを何者かがピンでこじ開け、その車から降りて歩いていた喪章を付けた葬式帰りらしい男女ペアの横を走り去る。

その車を観た女が私の車!と騒ぎ出す。

外に出たその車を運転していたのは、ルパン三世(目黒祐樹)だった。

そんなルパンは、横を走っていた護送車の窓から見えた女に注目する。

すっかり見とれていたルパンは、前を走っていた車のオカマを掘ってしまう。

前の車から運転手(小島三児)が降りて来て、慰謝料頂戴などと文句を言って来るが、ルパンの顔を見た相手は、しかし、あんたって可愛いわねなどと興味を持ったようなので、赤いハンカチを相手の口に押し込んだルパンは、女が乗った護送車を走って追うと声をかけようとするが、窓の中の女は笑い、護送車が走り出してしまったので、道に取り残されたルパンは、畜生!と悔しがる。

近くの交番前にいた2人の警官(青空球児、好児)に、美人が素っ裸ですぐそこで死んでいる!と噓を言ったルパンは、慌てて走って行った警官たちを尻目に、そこに置いてあった白バイを盗んで乗ると、護送車を追い抜き、白バイのまま陸橋の上に登る。

そして、近づいて来た護送車の上に飛び降りたルパンは、逆さまの格好で護送車の窓から中の女に、ねえ、君、デートしない?今夜…声をかける、

女は驚くが、護衛のヒゲの警官は居眠りしているのに気づくと、ルパンの話し相手になってやる。

随分、デリカシーを欠いた申し込みねと女が呆れると、当たり前さ、生まれて今日まで待ってたんだからな、君と会えるのをなどとルパンは言う。

私がこれからどこに連れて行かれるか知ってる?と女がからかうと、目じゃないさ、必ずデートしてみせるからな、君と…とルパンは応える。

出来るかしら?と女が呆れると、我が念力に賭けても…とルパンは答え、待ってるわ、今夜…と女が微笑みながら答えたので、ルパンは、ブラボーと叫んだ拍子に手を離してしまい、危うく、護送車の屋根から落ちそうになる。

体勢を立て直したルパンが、約束のキスを…と言いながら目をつぶり、女に顔を近づけると、ちょうど目を覚ましたヒゲの護衛警官が窓の所に来て、キスの相手をしてしまったので、気づいたルパンは慌てて姿を消し、ヒゲ警官の方は、今のは夢の続きか?と呆然とする。

車の上のルパンは、道に張られた横断幕に引っかかってしまい、落ちた拍子に、通りかかったトラックの荷台の砂の中に頭からめり込んでしまう。

画面に銃弾が当たり、割れて砕けるアニメ

タイトル

脱走だ!監視たちの叫び声が響く。

その夜、約束通り、女子刑務所に忍び込んだルパンは、女囚の峰不二子(江崎英子)を連れ出し、逃げようとしていたが、監視たちに発見され、サーチライトを照らされた上で銃撃を受ける。

厳重な入口の前まで来たルパンは、ジャンプして開閉口を蹴破ろうとするが、不二子はあっさりドアを開け、開いてるわよと言ったので、ずっこける。

パトカーが付近を捜索するが2人の姿は発見できなかった。

それもそのはず、2人は、そのパトカーの屋根の上に乗っていた。

何とか脱走に成功した不二子は、あんた、誰?と改めてルパンの名を聞く。

ルパンと答えると、ル○ペン?と不二子は聞き間違える。

ルパンも名を聞くと、知らないで助けたの?と不二子は呆れる。

愛は常に気まぐれであるなどと呟いたルパンは、キスをしようと目をつぶって顔を近づけるが、不二子は自分の太ももに隠していたスペードのエースのカードを投げ、近くにあった木の枝を斬り落とす。

その枝がルパンの頭を直撃、ルパンは気絶してしまう。

警視庁

ふざけんな!と捕まえたルパンを前に怒鳴りつけていたのは、江戸時代から数えて7代目銭形警部(伊東四朗)だった。

一緒に取調室にいた部下の2人大岡(人見明)と遠山(江幡高志)も、自分は大岡越前から数えて…とか遠山金四郎から数えて…などと名乗ろうとするが、銭形に叱られて止める。

峰不二子をどこに隠した!と聞かれたルパンは、それが彼女の名前なのだと始めて知り、良い名だな〜とうっとりする。

お前が手引きしたことは分かってるんだ!お前が女の囚人服を着ているのが何よりの証拠じゃないか!と銭形はとぼけるルパンに指摘するが、ルパンは、残念でした。俺は夕べ、星空を眺めながら散歩していただけさ。すると、突然、頭ぶん殴られて、目から星が出て…、気がついたらこの様さ…と言う。

決定的な証拠をあげてやろう!お前は夕べ、大勢の看守たちからも顔を見られているんだぞ!今その連中がその覗き窓から首実検をしている最中だ!と銭形はほくそ笑むが、その時、隠し窓が開き、残念ですが、あまりの早業で、看守たちは誰も顔を覚えてないそうですと係官が顔を出して報告したので、銭形は頭に来てしまう。

その頃、孤児院をやっていたとある教会では、牧師のモッキンパット師(E・H・エリック)が、訪問して来た次元大介(田中邦衛)と言う人物からルパンのことを質問されていた。

怪盗アルセーヌ・ルパンを知っていますか?と次元から聞かれたモッキンパット師は、我が祖国フランスが生んだ、今世紀最大の英雄…ではなくて、迷える哀れな大泥棒でしたねろ答える。

では、その子ルパン二世のことはご存知ですか?と聞いた次元は、初代ルパンが子供を愛し、個人プレイに終始した芸術家タイプだったとすると、二代目は組織作りの天才とも言うべき人物でした。

父の後を継いだ彼は瞬く間に全世界の暗黒世界を配下に治め、アジト311、直属の配下86311人を有する「ルパン大帝国」を築き上げたのです。

ところがある日、86311人目の配下に裏切られたのをきっかけに、ルパン帝国はマカローニ一家によって一挙に叩き潰されてしまったのです…と次元は話す。

そんな教会の前に停まっていた車の中では、奴だ!奴がルパン帝国で1人だけ生き延びた生き延びた次元大介に違いないと乗っていた黒ずくめの男が呟いていた。

ただ、生き残っていたのは私1人ではありません…と次元は話し続けていた。

時は1974年、3月5日の午前8時、所はシリアの首都ダマスカスのある小さな喫茶店で、ある組織に属する男があるグラビア雑誌を見ていてある発見した。

総説明した次元は、東京で写されたらしき雑踏の写真の拡大写真を牧師に見せると、知ってるんですね、この青年を?と聞く。

奇跡ですよ、奇跡!この青年こそ、殺戮を免れ、ただ一人生き残った由緒正しい泥棒アルセーヌ・ルパンの末裔、ルパン三世なんです!この青年の胸にある2世が子供たちの胸に記したルパン帝国の刺青の紋章が正にそのことを証明しているんです!と次元は、ルパンのアップの写真を指しながら言う。

確かに彼はこの孤児院で育ちました。ルパンと呼んでおりましたが、これがフランス人だったとわね〜…とモッキンパット師は驚くが、彼のママは日本人でした…と次元は言う。

彼は組織作りの天才であると同時に、子供づくりの天才でもありましたと言うと、思い当たる節がありますね…とモッキンパット師も同意し、「ルパンの生い立ち」と言うアルバムを出して来て次元に見せる。

そこには、赤ん坊時代から悪戯や盗みの天才だったルパンの記録が載っていた。

3歳で葉巻を吸い、5歳で修道尼のパンツを盗み、10歳で教会の二階の窓ガラスをパチンコの弾で割り、15歳で、教会の金庫の鐘を盗み孤児院から脱走したルパン…

日本の輝ける星として帰って来ると思っていましたが…と、モッキンパット師は無念がる。

その時、入口に現れたのが、車でやって来た殺し屋(天本英世)で、やっと見つけたぞ、次元大介!お前は幸せ者だ。死んでもすぐ祈ってもらえると苦笑しながら銃口を向けるが、そいつはおめえのことだ!と返した次元は、0.3びょうの間に3発連射する。

すると、入口の殺し屋だけではなく、隠れて狙っていた他の殺し屋2人も倒れてしまう。

又、血を流してしまった…とこぼしながら、銃を回す次元だったが、手元が狂い、銃を自分の足先に落としてしまう。

その様子を呆然と見ていたモッキンパット師は、さすがに緊張の糸が切れたのか、その場に気絶してしまう。

女物の囚人服にパンツ姿で警視庁を釈放されたルパンは、その足で近くのデパートに入ると、真っ白なスーツ姿に着替えて出て来る。

そんなルパンと店の前でばったり出会ったのが次元、去って行くルパンを振り返って、あの顔は!と気づくが、同時に財布を掏られていることにも気づく。

その夜、人気のない場所を歩いていたルパンは、止まれ!手を上げろ!探している男か、確かめてみたいんだ。こっちを向きなとと呼びかけられたので、仕方なく振り向く。

そこには銃を構えた次元が立っていたが、大きくジャンプしてその頭上を飛び越えたルパンは、いつの間にか相手の銃を奪い取っていた。

次元も負けじと、次の銃を取り出していたが、それも又、ジャンプしたルパンに取られてしまう。

得意げに振り向いたルパンだったが、次元がさらに機関銃を構えていたので驚き、お前、一体いくつ鉄砲持ってんの?と聞くと、次元がスーツの上着を開けてみせる。

すると、次元の身体には、無数の銃が吊り下げられていたので、ルパンは参った、参ったと降参する。

一方、銭形警部は、警視総監(藤村有弘)から呼びだされ、問題の男はアルセーヌ・ルパンに間違いないとフランスから報告が来たと教えられていた。

ルパン捜索係を命じられた銭形は、絶対に逮捕します!と約束すると、ただりに、部下の大岡と遠山にもざるそばを振る舞いながら、ルパンを見つけて来い!と発破をかける。

すると、部屋を出て行った2人がすぐに戻って来て、見つけました!と言うではないか。

どこだ?と聞くと、この辺りです!と部下は答え、いつの間にか銭形は、大きな土管が置かれた夜の空地にやって来ていた。

その土管の1つの中にいた次元は、なんてこったい、世が世なら、御曹司のお坊ちゃまが、こんな所に住んでいるなんて…とぼやいていた。

隣の土管でその言葉を聞いていたルパンは、おぼっちゃまは止めてくれよ。気軽にルパンって呼んでくれ!と呼び掛け、俺はこの日本中が俺のもんだと思っているんだ。その日その日の気分で、一流ホテルやマンションに寝ることもあれば、こうして星空を眺めながら寝ることだってあるのさと説明する。

信用してねえな?じゃあ、もうちょっとましな所へ行くか?迎賓館さ。偉い税金かけておっ立てた金ぴかのお屋敷さ。ポンピドーさんが来れなくなって、今のところ泊まり手がなさそうだから、ちょっと寝心地試しに行ってみようじゃないかなどと言うので、おめえ、気は確かかよ?と次元は呆れる。

ネズミがぞろぞろやってきやがった。桜田門のネズミだとルパンが言うので、可哀想に…、気が狂っちまってるよ…と次元は同情するが、次の瞬間、銭形ら警官たちが目の前にあたわれたので、驚いて逃げる。

ルパンをかばう為に、俺はルパン!と名乗ってみせた次元だったが、誰も信用せず、本物のルパンの方を追いかけるのに気づく。

銭形は、大岡や遠山と共にルパンを捉えようと焦るが、気がつくと、部下たちにズボンをはぎ取られていた。

猛スピードで逃げ回るルパンを追っていた大岡と遠山は、いつの間にか靴の底が燃え出したことに気づき、側の川に足を突っ込んで冷やす。

ルパンは、長い竿を使って、棒高跳びのように川を飛び越えたので、銭形は悔しがるが、アッカンベー!をしたルパンは、その竿を投げて寄越す。

銭形はその竿で、ルパンと同じように川を飛び越えようとするが、途中で川の中に落ちてしまう。

新宿の高層ビルの近くに翌日やって来た次元は、ルパンの姿を見失ったので、どこに行っちまったんだ!と焦っていた。

やがて、自分がルパンの為に予約してあったマンションの一室5023に戻って来ると、中から物音が聞こえたので、銃を取り出し、用心深くドアを開けて中を覗き込むと、何と、ルパン本人が望遠鏡を使い窓から外を眺めているではないか。

遅かったな、次元…とルパンが言うので、これは一体どう言うことだい?ここはお前の為に借りておいた部屋だぜ。どうして分かった?と次元が聞くと、俺はルパンだからさと言うだけ。

家具はどうした?と聞くと、邪魔っけでな…、やっちまったと言うので、誰に?と次元が聞くと、代表的日本人さとルパンは答える。

その頃、新幹線が通過した橋の下の豪華なベッドで寝ていた浮浪者(常田富士男)は、どうも、寝苦しい!と言いながら、河原に降りて、ゴザの上に寝っころがると、封筒の中に入っていた紙で鼻をかみ捨ててしまう。

捨てられたその紙には、何やら金額が記してあった。

冗談じゃねえよ!と事情を知った次元は切れ出し、ベッドの下には、3000億円と言う金塊のスイス銀行の預かり証が隠してあるんだよ。それはな、ルパン帝国最後の隠し金なんだよと喚く。

しかし、望遠鏡をのぞいたままのルパンは、関係ないね…と興味がなさそうだった。

ぼん、俺がお前の為にどれだけ苦労し、汗と涙で…と次元が力説しようとすると、急にルパンの腹がキューッと鳴る。

ぼんには無理か…と諦めたような次元は、胸の前で十字を切ると、お父さんもおじいさんも草葉の陰でさぞかしお嘆きになっておられることだろう。ああこれで、ルパン帝国再建の道も遠のいたって訳だ…と嘆く。

でもどうせなら共和国の方が良いんじゃないか?とのんきにルパンが言うので、次元はずっこける。

ルパン!と次元が近づくと、望遠鏡をのぞいていたルパンは、やってる〜と言いながら喜ぶ。

ルパンが見ていた先では、同じように、望遠鏡をのぞいていた銭形がルパンの姿を発見するが、窓から身を乗り出し過ぎて、大岡の目の前で落下してしまう。

階段から降りれば良いのにな…、警部も…、早いのは早いなと大岡は呆れる。

何を見てるんだよ!と呆れる次元に、世の中は様々ってことさ。なあ次元よ、生きてるって面白いな。食いたい時に食って、寝たい時に寝て、恋をしたい時に恋をしてさ…、それ以上に何がいるんだよ?と笑うルパンは、マンションの下で、赤い車のボンネットの上で手を振っている不二子を望遠鏡で発見し舞い上がる。

部屋を飛び出して行ったルパンにあっけにとられた次元だったが、良く見ると、望遠鏡の場所にルパンのズボンだけが残されていた。

不二子の真っ赤なスポーツカーに乗り、運転を引き受けたルパンがパンツ姿だったので、不二子は、どう見ても変なスタイルねと呆れる。

するとルパンは、平等になれそうだと言うと急ブレーキを踏む。

すると、不二子はフロントガラスに身を乗り出し、パンティが丸見えに鳴ってしまう。

恋は常に平等であるとルパンが言うと、その通りだわねと答えた不二子が、今度は急ブレーキを踏む。

ルパンは車から飛び出してしまう。

その後、海辺の堤防の上に登ったルパンは、不二子から、ダイヤが欲しいの。エメラルドも欲しいの。オパール、サファイア、ルビーも欲しいのとねだられたので、良いともと答えながら、キスをしようと接近する。

しかし、不二子が身を避けるので、じらすなよ!となおも顔を近づけようとすると、一枚の布切れを渡される。

貿易会館の見取り図よ。そこで今、世界の宝石展をやってるわ。時価にして約56億!と不二子が言うので、それを俺にやれって言うのか?とルパンは驚く。

そして、ルパンは誰にも命令されない!と威張るが、次の瞬間には、引き受けた!しかしその前に…と言いながら、キスをしようと顔を近づけて来る。

不二子は前と同じく、太ももに隠していたカードを取ると、側の外套の丸い電球を落とすが、ルパンが不二子の身体を引き寄せたので、不二子の頭の上に落下してします。

同じ手は食わないよと言いながら、ルパンは気絶して倒れた不二子の上に覆いかぶさろうとするが、不二子が上げた片足で股間を蹴り上げられてしまう。

決行は今夜1時よ、良いわね?と言い残し、不二子は倒れ込んだルパンをその場に残し、車で走り去ってしまう。

シャツとパンツ姿のルパンは、そのまま毎朝マラソンに勝手に参加し、先頭を走っていたホームズを抜いて見事優勝してしまう。

それをTV中継で見ていた銭形警部は愕然とするが、その時、刑事部屋の電話が鳴り、受話器を取った大岡が、若い女の子ですと言いながら銭形に渡す。

電話の相手が峰不二子だと知った銭形はさらに仰天する。

その夜、ルパンが不二子を肩車したまま、貿易会館の内部のマンホールから外に出て来る。

外にはお巡り、中には「ザ・ガードマン」が五万といるのよと不二子は注意するが、ルパンの辞書に不可能はない!と言うので、頼もしいわねと褒め、でもいい加減に降ろしてくれない?と頼む。

しかし、ルパンは、この刺激がたまらないのだと鼻の下を伸ばし、不二子の足の感触を楽しんでいたので、不二子はマンホールの蓋を投げ上げ、自分で飛び降りる。

すると、落ちて来た蓋がルパンの頭を直撃する。

何のこれしき…と這い上がって来たルパンと不二子は、そのまま建物の影に身を潜める。

すると、隠れていたルパンに倒され、出て来たルパンと不二子は、今奪った警官の姿に変装していた。

建物の玄関に入ろうとした2人だったが、突然警報が鳴り響き、玄関口を警備していたガードマン(広瀬正一)が、何か?と聞いて来たので、ルオアンは敬礼をしながら、特別パトロール隊ですと名乗る。

どんなお役目で?とガードマンが聞いて来たので、こんなお役目でと言いながら、ルパンが銃を出して相手の手を上げさせ、振り向いたガードマンの頭を不二子が殴りつける。

その直後、館内警備のガードマンが近くを通りかかるが、玄関担当のそのガードマンは、敬礼をして見送っているように見えた。

しかし、館内警備隊が通り過ぎると、玄関担当ガードマンは敬礼した格好のまま倒れる。

その背後に隠れていたルパンと不二子が、気絶していたガードマンの身体を支えていたのだった。

宝石の展示場にやって来た2人は、天窓から内部の様子をうかがい、人がいないのを確認すると、ルパンが監視カメラを銃で破壊する。

画像が途絶えたので、館内警備隊が出動するが、隊長のチョビ髭(堺左千夫)だけは、のんきに警備室内で寝ていた。

展示室にやって来たガードマンたちは、陳列ケースの上に置かれたシンバルを叩く猿の玩具に気づくと、何気なく手に取る。

すると、その猿の口の中に仕込んであった催眠がスガ噴き出し、ガードマン全員失神してしまう。

警備室にやって来たルパンが、電源スイッチを切ろうとすると、寝ていたはずのチョビ髭がこっそり起き出して来て、ルパンにつかみ掛かって来る。

ルパンは、そのチョビ髭を感電させるが、自分も感電してしまう。

そこにやって来た不二子は呆れ、2人を引き離すが、ルパンに残っていた電流で、不二子の身体も痺れてしまう。

一方、貿易会館の表の通りにやって来たバキュームカーから降り立った次元は、マシンガンで建物の壁に穴を開け、そこにホースを突っ込む。

ホースは、会館内のトイレから外に飛び出て来る。

そのホースを掴み、展示場に持ち込んだルパンは、バキュームを開始したそのホースの中に宝石を次々と不二子に吸い込ませる。

1時間経過した深夜2時

大半の宝石は外のバキュームカーのタンク内に治められる。

ずらかろうと告げたルパンに、まだ、あちらの時計の裏の大金庫が残っていると不二子が言い出す。

本当に値打ちがあるのはあの中よと言うので、女は欲深いね…とルパンは呆れるが、開けられないの?とせがまれると、つい言うことを聞き、時計の裏の大金庫も開けてやるルパンだった。

ところが、金庫の中にいたのは銭形警部ら警官隊だった。

実は、不二子があらかじめ電話で情報を教えておいたのだった。

ルパンは驚き逃げ出し、銭形らは、トイレから伸びていたホースを引っ張り込もうとする。

ホースの動きで、異変を察知した次元はバキュームカーを発車させる。

警官が大勢そのホースにくっついて来るが、途中で振り落とし、清掃会社のバキュームカー置き場に戻って来た次元は、自分が乗って来たバキュームカーの前に、ルパン帝国の紋章スタンプを押しておく。

一方、ルパンはトラックの荷台に乗って逃走、銭形警部は、婦人警官が運転するミニパトで追跡していたが、興奮のあまり、婦警の胸を揉んでしまい、熱くなった婦警は運転を誤り横転してしまう。

翌朝、高速道路にやって来た次元とルパンは、道路の真ん中に、ルパン帝国の紋章をいくつも並べて書いていたヒッピー風の男を発見、そのマークの先に位置する清掃会社へと向かう。

ルパンたちが姿を消すと、立ち上がったヒッピーは顔の変装を取る。

何と、峰不二子の変装だったのだ。

彼女が肩から下げていたバッグには、宝石が詰まっていた。

清掃会社にやって来たルパンと次元だったが、そこに置いてあった何台ものバキュームカーの前面には、全部にルパン帝国の紋章スタンプが押されていた。

どれが、宝石を吸い込んだ車か分からなくなり探し迷っている所にパトカーが接近して来たので、2人は隠れる。

やって来たのは銭形警部らで、大岡と遠山に、匂って匂って匂いまくれ!臭くない車が一番臭いんだ!と命じる。

それを車の陰で聞いたルパンは、あいつも満更馬鹿じゃねえな…と感心する。

マンションに戻って来た次元は、TVのニュースを消すと、誰かがかっさらった奴がいるんだ。峰不二子に違いねえ!と断言していた。

しかし、連れ込んだ女を抱いていたルパンは、俺の不二子ちゃんはそんな女じゃないよと全く受け付けない。

やがて、抱かれていた女が、何よ!不二子、不二子って!あたいは浅間山子(夏樹レナ)よ!と怒り出す。

浅間山の麓の屋敷

TVモニターの前に揃っていたのは世界から集まった暗黒街のボスたち。

モニターに映った「007」のブロフェルどのような人物(声-大平透)は、ルパン・ザ・サードと次元大介を地球上より完全に抹殺するのだ!と指令を出した後、なお、組織は一切関知しないから、このビデオは自動的に爆発すると言い終わる。

それを聞いたボスたちは慌てて、屋敷の外に逃げ出すが、その直後起きた爆発音は、背後にそびえた浅間山の噴火の音だった。

屋敷内のモニターは、なお、ビデオテープ不良のため、たまには不発となると言い、しょぼい煙が上がっただけだった。

夜の港にいたルパンに接近して来た謎の女(安西マリア)は、ルパンとすれ違った後、身体を触られたので、何するのよ!と怒る。

しかしルパンは笑顔のまま、俺の財布と一回きりじゃ合わないねと言い、掏られかけた財布を取り出して見せると、ついでにこいつもと言い、逆に掏り取ったブラジャーを見せて、意外とボインねとからかう。

女スリが怒って去った後、スカッとした!と喜んだルパンだったが、気がつくと、自分もパンツを掏り取られていたことに気づく。

別の夜、操車場にやって来たルパンは、ガンマン姿の謎の殺し屋丸高方(前川清)と対面する。

しかし、丸高が銃を構えた次の瞬間、もう丸高は倒れていた。

ルパンはスクリーンに向かい、スローモーションでもう1度と言い、再度、丸高と対峙する姿勢に戻る。

スローモーションで丸高が銃を構えている間、ものすごく素早く動き回っていたルパンは、丸高の背後に回り込むと、銃の台尻で相手の頭を殴りつけていたのだった。

再現が終わった後、倒れていた丸高は、何じゃこりゃ?と頭を起こして不思議がる。

又別の夜、ルパン、お止しになって!等と言いながらも、自分で服を脱ぎ、ねえ、近寄らないで!等と口では言いながら自らベッドに誘う若奥様(恵美)と寝室にいたルパンを、外から狙撃しようと狙っていた2人の暗殺者がいた。

スコープでルパンを狙っていた殺し屋火縄一郎(大泉滉)は、突如、ルパンの姿が男を示す記号に変化したので驚く。

画面左には「刑法175条によりカット」の文字

とぼけやがって…と火縄が苦笑すると、若奥様の姿も女を現す記号に変化してしまう。

画面左に「同じくカット」の文字

その内、ルパンの姿が現れたので、出たね!と喜び狙撃しようとした火縄だったが、ルパンが待った!と言い、こちらに向かってナイフを投げて来るのが見える。

しかし、そのナイフは、火縄の横の木の幹に刺さったので、へたくそ!と火縄は笑うが、良く見ると、そのナイフには紐が付いており、その先に結ばれていた爆弾が爆発する。

真っ黒けになった火縄は、あんたって酷い人…と呟きながら倒れる。

相棒が倒されたことを知った、もう1人の狙撃手一発必中(鈴木和夫)が怒って撃って来るが、ルパンは落ち着いてベッドから降りると、床に置いてあった銃を拾い上げ、背面撃ちをして見せる。

その銃弾は、一発必中のライフルの発射口に飛び込んで来て、スコープを覗いていた左目に命中する。

一発必中も即死だった。

又、別の夜、1人で歩いていたルパンは、尼さんたちの集団とすれ違う。

尼さんにしておくのは惜しいねえと振り向いたルパンの前で、いきなり衣装を脱いだ女たちは、ホットパンツ姿で踊り出す。

歌い終わったその女たちドラゴン・シスターズ(ポピーズ)は、突如ルパンを襲って来る。

いつの間にかズボンが脱げたルパンは、パンツ姿で応戦するが、相手が斬りつけて来たナイフがパンツを引き裂いてしまう。

ルパンのモロ出しになった股間を目にしたドラゴン・シスターズたちは、悲鳴を上げて逃げ去ってしまう。

ルパン自身も、自分の下半身の状態に気づき恥ずかしがるのだった。

捜査三課七係長の銭形警部は、夜の林でくたばっていたり、ここ数日、続けて怒っている怪しい事件の犯人はルパンに違いないと断定していた。

そこへ、部下の遠山が、海岸通でもう片足見つけました!と報告にやって来たので、ルパンの仕業に違いないと怒鳴る。

ポップコーンを食べながら怒鳴るので、目の前に立っていた大岡の顔面にポップコーンが付着する。

すると、一旦部屋を出て行った遠山が、又、戻って来て伊豆地方で大地震が起きました!と言うので、又しても、銭形はルパンの仕業に違いない!と断定するが、三度目に戻って来た遠山が、うちの三毛が五匹子猫を生みました!と「言うに及んでは、返事に窮する。

その度に、大岡は、銭形が噴き出すポップコーンを防ごうとしていた。

四度目に部屋に帰って来た遠山は、ルパンが出頭しました!と言うので、又ルパンだ!ルパンの奴に…と言いかけ、なぬ?と首を傾げる。

そこに、おっす!と明るく挨拶しながら当のルパンが入って来たので、銭形は「ルパン!」と叫ぶが、一瞬早くルパンが出した鏡にポップコーンは跳ね返され、銭形の顔に十字形にポップコーンが張り付く。

ばっちいね〜と顔をしかめたルパンは、どうも、近頃世の中騒がしくてね…、どっか静かな所がないかって考えたら、お宅の留置場が良さそうなんで…、泊めてもらいに来たって訳。どこ?案内してよと気安く遠山の肩に手を億ので、大岡と遠山は、すっかりルパンに飲まれてしまい、低姿勢で留置場へと案内して行く。

それを見ていた銭形は怒り、こら!待たんか!と言いながら、満身創痍の身体で後を追おうとするが、その時、はい?と言いながら、大岡が扉を開く。

お呼びですか?警部、あら、いない…、バカ!と言って大岡がドアを占めると、壁との間に挟まれぺちゃんこになった銭形が床に倒れる。

ルパン三世逮捕されると言うニュースはすぐさま新聞紙上をにぎわせる。

銭形警部には特別総監賞が送られることになる。

その頃、とある海に停泊中の豪華船の中では、集結した暗黒街のボスたちが、次なるビデオ指令を待ち受けていた。

お早う!暗黒街のボス諸君!とビデオの中の人物は話し始めていた。

既に承知している通り、我らの敵ルパン・ザ・サードは当局によって逮捕され、近いうちに死刑になるのは火を見るより明らかである。

そこで今回は慰労の意味を持って、マイアミ、ニース、アカプルコ、チェンマイの内、諸君の望む場所に全員を招待しよう…と言う予定は全然ない…と、ビデオ指令の声は、聞いていたボスたちをずっこけさせる。

さて諸君!御注目願いたい。これは縄文時代の晩期に、東北地方を中心に発達した亀ヶ岡式土偶の1つで「遮光器型土偶」と呼ばれるものである。この「遮光土偶」は、一節には、当時、この地方に降り立った宇宙人を模した物と言われていると言うので、それを聞いていたボスたちは、そんなバカな!と笑い出すが、笑うな、アホンダラ!…と、ビデオの人物から叱られる。

その証拠には、発見された土偶のいくつかが実に不可解な消え方をしているのである。

さらに今回発見された遮光土偶の目には、かくのごとく怪しき光を放つ、不可思議な石がはめ込まれていることが判明した。しかもこの石には、我々地球人には理解を超えた不可解な念力が籠っていると言われ、世界の物好きな金持ち共が何とか手に入れようと騒ぎ始めたのである。

そこで諸君の使命だが、この遮光土偶を盗み出し、全世界の金満家、もしくは国家に最も有利な条件で売りつけることにあり。これを「念力作戦」と名付ける。例によって、諸君、もしくは諸君のメンバーが捕らえられmあるいは殺されても、組織は一切関知しないからそのつもりで、諸君の成功を祈る。なお、このテープは自動的に爆発も消滅もしない…とテープが言うので、ボスたちは安心するが、次の瞬間大きな爆発音が響き、らだし、音だけはするとビデオは告げる。

この指令を窓から盗み聞いていたのが峰不二子だった。

しかし、すぐに気づかれ、敵に追われた不二子は、ナイフを投げて応戦しながら、甲板から海に飛び込もうとするが、網に引っ掛けられ捕まってしまう。

留置されていたルパンに、弁護士を装って面会に来た次元は、のんきなルパンに、おめえの不二子ちゃんの運命もこれまでか…と意味ありげな言葉を伝えて立ち去ろうとする。

すると、にわかに、ルパンの顔色が変わる。

真剣な顔になったルパンに、信頼すべき筋の話によると、不二子はマカロニ一家の手に落ちて、某所に監禁されているそうだと次元は教える。

面会室の外で見張っていた大岡と遠山は、弁護士姿の次元が2人続けて帰って行くのに気づき、不思議がる。

面会室を覗き込むと、面会室を隔てている間の網が破られており、ルパンがいなくなっているではないか!

ルパンに逃げられたと聞いた銭形警部は激怒し、殺してやる!と喚きながら、銃を取り出すと、大岡と遠山を追いかけ回し始める。

その時、警視総監がやって来たので、もうダメだと観念した銭形は、持っていた拳銃を側頭部に押し付け自殺しようとするが、何をしとるんだ、君は?といぶかしがった総監から、こっちへ来た前と呼ばれる。

向かって部屋には、遮光土偶を入れた特殊な金属容器が置かれており、科学者が、このカプセルはいかなる爆発、いかなるショックにも耐えますとの説明を受ける。

銭形は総監から、この念力を供えたウルトラ国宝級の土偶を治めたカプセルを国立四次元科学館へ護送する「ね号作戦」の指揮官に任じられる。

それを銭形から聞いた大岡と遠山は、おめでとうございます。次期総監決定!辞令発令!などとおべんちゃらを言う。

「ね号作戦」が始まり、警視庁から出発した銭形たち護送隊の様子を外で見張っていたマカロニ一家の連絡員が、トランシーバーで本部に通達、ボスたちは、土偶奪還のため動き出す。

その頃、不二子が捕らえられた豪華船に接近して来る水上スキーがあった。

ボートを操縦しているのは次元、水上スキーをしていたのはルパンだった。

舟に接近した時、次元が銃を発砲し、ルパンは背中に背負ったジェット噴射の勢いで船上に飛び移ると、見張りを殴り倒し、不二子の姿を求めて探し始める。

そんなルパンは、別の見張りに見つかると、噛んでいたガムを噴き出し、敵の銃口を塞ぐ。

弾が出ないので、不思議がり、自分の方を向けて引き金を引いた見張りは、銃が暴発し倒れる。

船内に入ったルパンは、床に「ハートのエース」のカードが落ちていることに気づき、拾い上げると、懐かしき不二子ちゃんの匂い!と感激する。

そして、殴り倒した敵を揺さぶり、どこにやったんだよ!と聞くルパン。

その後、次元が操縦するヘリに乗り込んだルパンが、不二子が捕らえられているらしき場所へと飛んで来る。

そこには、護送中の銭形たちの一団がいた。

その時、山道を走っていた護送団を先導する白バイの前に、大きな岩が落ちて来て道を塞ぐ。

パトカーを降りて来た大岡と遠山は、これは「列島改造」が始まったんですなとか、「日本沈没の前兆か?」などと噂し合うが、銭形に怒鳴られ部下たちと共に、よ、お疲れさん!などと言いながら岩を除去する。

その時、近くのトンネルに隠れていた暗黒街のボスたちが姿を現し、ブツを出しなさい。抵抗すると皆殺しにする!とマイクで呼びかけて来る。

銭形は、かかれ〜!と部下たちに命じるが誰一人動こうとしない。

さらに、敵が撃って来て、安い給料で命を捨てることはない!そうだろう?銭形君!などと呼びかけられると、畜生!痛いこと言いやがって!と悔しがりながらも、おとなしく手を上げるしかなかった。

その頃、不二子を捉えていた建物の前で見張っていたギャングは、突然近づいて来た奇妙な形のバイクに気を取られる。

そのバイクが迫って来ると、前方に設置してあった尖った飾り物がギャングの身体を貫く。

バイクに乗って来たのはルパンだった。

建物の入口からバイクのまま中に突入したルパンは、確かに、中に不二子が縛られており、ルパン、助けて!と呼びかけたので、任せとけ!今助けてやるから!と言いながら、一旦外へ飛び出す。

見張りの2人がマシンガンを撃って来るが、それを避けながら戻って来たルパンは、建物の壁にバイクをぶつける。

その拍子に、海辺の崖の上に立っていた建物の土台が壊れ、回転したことには気づかなかった。

ルパンは弾き飛ばされ、煙突から建物の中に侵入する。

不二子が、ルパン、頑張って!と応援する中、見張りの1人が、傘で攻撃をして来るが、ルパンが身を避けると、そのまま海に向かった入口から飛び出してしまい、傘を開いて落下して行く。

一方、暗黒街のボスたちに土偶が奪われようとしているのに気づいた次元は、畜生!組織の奴らに渡すくらいなら…とヘリを操縦しながら呟くと、大きな磁石をヘリから降ろし、土偶が入ったカプセルに接近する。

そして、カプセルを磁石にくっつけると、あばよ!と下の連中に声をかけ、そのままボスたちの前から飛び立って行く。

あっけにとられるボスたちは、その場で銭形たちに全員逮捕されてしまう。

その時、これを観ろ!と叫んだボスの1人、原九郎兵衛(山本麟一)は、いつも三角巾で吊るしている右手を、肘の部分から外す。

それは銃を仕込んだ義手だったのだ。

その義手から発砲しだす。

ルパンは、建物の中で縛られていた不二子を助け、キスをしようとしてたが、何故か、不二子の身体が床に沿って動いてしまい、自分の身体も滑ってあらぬ方向へ移動することに気づく。やっぱり変よと不二子は言い出すが、ルパンの方はのんきなもので、君と一緒なら例え地獄の底までも!などと答える。

しかし、室内の瓶などが転がるのを見た2人は、悲鳴を上げながら入口から外の海に落ちそうになる。

2人は、必死に部屋の中央のくぼみに登ると、バランスが戻った為か、家は元の位置に戻る。

この家、傾いていたのねと不二子は勘づく。

その時、入口近くで気絶していた見張りの1人が意識を取り戻しかけ身体を動かしたので、又家は大きく傾き、ルパンと不二子は入口から海に落下しかかる。

不二子はルパンのズボンにしがみつくが、いつものようにそのズボンが脱げそうになる。

ルパンの方は、室内で気絶していた見張りのズボンのベルトを握りしめようとするが、それが切れてしまい、もうダメだ!と叫んだ瞬間、ヘリが近づいて来て、ルパンは不二子をぶら下げたまま、ヘリから吊り下げてられていた土偶のは言ったカプセルにしがみつく。

お〜い、次元!何とかしてくれよ〜!とルパンは呼びかけ、不二子は、ルパン、愛してるわよとわざとらしく言い出したので、もっと早く聞きたかったよとルパンは落胆する。

次元は、ヘリのガソリンがなくなり落下し始めたことに気づき慌てる。

しかし、ヘリが着陸したのは、偶然にも、ウルトラ国宝「遮光土偶」を運ぶ目的地「国立四次元研究所」の敷地内だった。

無事降り立ったルパンは、夢じゃないだろうね?と不二子に呼びかていた。

警視総監は、アルセーヌ・ルパ三世との!と感謝状を読み上げていた。

銭形は、自分がもらえるとばかり思っていたので落胆するが、警視総監は、今回ルパンと次元とやらがいなければ、ウルトラ国宝は海外に持ち出される所なんだと叱る。

しかし、何分にも、ルパンは凶悪犯人ですから…と銭形が言い返すと、ルパンは凶悪犯人ではない!証拠はない!いずれも正当防衛である!と断定する。

宝石強盗は、物的証拠がない!と言うので、目撃者がおります。私です!と銭形は自分を指すが、お前は当てにならないと言われてしまう。

とにかく証拠があるのは、ルパンがウルトラ国宝を守ってくれたと言うことだけ!今回の君の任務は、ルパンを見つけ出して、この感謝状と金一封を送ることにある!と銭形は総監から命じられる。

港で不二子の膝枕で横になっていたルパンを見ていた次元は、これじゃあ、ルパン帝国どころか、ルパンマイホームが良い所だぜ…と愚痴っていたが、そこに、ルパ〜ン!と叫びながら銭形が走って来たので、又捕まえられると思ったルパン、不二子、次元たちは、港に置かれていたコンテナの廻りを何周も逃げ回る。

やがて、スクリーンに向かって走って来たルパンは、随分、走らされたぜ…、疲れた…とぼやくと、そのまま港の奥に向かって逃げて行くのだった。

その画面に銃弾が当たり、ひび割れて砕け落ちる。

 


ルパン三世 念力珍作戦

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