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映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

安定した面白さを誇る「クレヨンしんちゃん」シリーズ最新作

今回は「ロボコップ」に着想を得たようなアイデアで、ひろしが自らのアイデンティティに立ち向かうと言うお話に、男女平等どころか、いつの間にやら女性に虐げられて来ているみじめな中年男たちの抵抗がテーマになっている。

子供映画の形を借りた大人(作り手)の愚痴と夢のお話と言うべきかもしれない。

このシリーズも久々に観たので、ここ最近のシリーズとの比較は出来ないが、話の展開とか個々のアイデアに付いては、このシリーズのパターン通りのような気がするし、今回も安定感は感じるものの、特に際立って面白いと言う感じでもない。

父ちゃんとしんのすけの心の触れ合いの辺りが、男の観客から観るとちょっとぐっと来ると言う程度だと思う。

もちろんこれは「つまらない」と言う意味ではない。

このシリーズが初期の頃から「面白い」と言う前提で話しているのであって、つまりは今回も普通に面白いことには変わりないのだ。

ひろしとしんのすけの話がメインになっているため、風間くん等、子供との話が少ないような気もするが、今回は「家族の絆」、特に父親と息子の関係に重点が置かれているのでやむを得ない所だろう。

もはや、「巨人の星」の星一徹のような父親像は、こうしたギャグにしかならない時代になったと言うことかもしれない。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2014年、 臼井儀人原作、中島かずき脚本、高橋渉監督作品。

スペースカンタムQ、カンタムJr.、山田ジュンは、宇宙空間でアコギデスと戦っていた。

アコギデスキャラクタービームを食らったスペースカンタムQは、大人になれ!カンタムJr.!合体しろ!素直になれ!カンタムJr.!と呼びかける。

すると、宇宙の彼方から、カンタム軍団が大量に飛来し、合体すると、カンタムロボになる。

カンタムロボの右腕が掘削ドリルになるが、尖ってない!とアコギデスは驚く。

最近のドリルは尖ってないのだ。科学は常に進化している!

カンタムロボは、その新兵器で見事、アコギデスを倒すのだった!

映画館から出て来た野原ひろし(声-藤原啓治)は、今観た場面を真似、しんのすけ(声-矢島晶子)を肩車して、正常合体!と叫ぶが、その途端、背骨が歪み、激痛が走ったので、これは!と叫んでしまう。

タイトル

家に帰り、腰の膏薬を貼ったひろしだったが、床に寝そべったきり動けないので、しんのすけは、おまたげないぞ!とバカにする。

日曜の午後なので、みさえ(声-ならはしみき)もやる事がたくさんあるのに…と、役に立たないひろしにがっかりする。

その時、ひまわり(声-こおろぎさとみ)が観ていたTVの調子もおかしくなり、屋根の上のアンテナを調整しなければいけないことになるが、今のひろしには全く無理な事であった。

さすがに、テレビが見られなくなったと知ったしんのすけとひまは、仮面をかぶってひろしを殴ろうとするので、さすがにこのまま家にいてはいけないと感じたひろしは、病院へ行くことにする。

しんのすけも一緒に付いて行くが、何とその日は日曜だったので、近所の病院は休みだった事にひろしは気づく。

がっかりして、杖をつきながら、ぎくしゃくした動きで帰路についたひろしだったが、しんのすけが、父ちゃん、ロボットって何?と聞いて来たので、ロボットの身体が欲しいよとぼやきながら、ひろしは途中の公園のベンチで一休みする事にする。

しんのすけは1人で勝手に遊び始めるが、休んでいたひろしに声をかけて来たのは、今まで隣のベンチにいた戸は全く気づかないほど影の薄い中年メガネ男だった。

そのメガネ親父は、貧乏ゆすりをしながらタバコを吸い始める。

遊んでいたしんのすけは、公園内に陰険な親父が何人もいる事に気づく。

その公園は、家庭に居場所がなくなった親父の吹きだまりになっていたのだ。

そこに、乳母車を押したり、犬を連れたモーレツにパワフルな主婦3人がやって来て、ここはタバコを吸う場所じゃありません!とか、ここは子供の遊ぶ場所です!などと親父たちに抗議して、公園から追い出してしまう。

影の薄いメガネ親父は、ここも安住の地ではなかったか…とぼやきながら、すごすごと公園を後にする。

さすがに見かねたひろしが、いい加減にしなさい!と主婦たちに抗議をするが、何せ、身体が言うことを聞かない。

そんな公園内の様子を先ほどから観ていた鉄拳寺堂勝(大和田伸也)は、嘆かわしい!全く嘆かわしい!このままでは、この国は滅ぶぞ!と怒る。

公園を出たひろしとしんのすけは、途中で、「蘭々」と言うネームプレートを付けたグラマーなお姉さん小女鹿蘭々(声-一木美名子)からアンケートを頼まれたので、杖をついておじいちゃんのような歩き方をしていたひろしは、急に顔つきと声だけは二枚目風に変化して、年は35歳、元独身などと応対する。

すると、蘭々は、アンケートに答えてくれた方には無料で、この「メンズエステ、ビューティダディ」をご利用になれ、鋼のような肉体を手に入れられますと言うと、ひろしを横のビルの中に案内する。

ひろしは、ぎっくり腰を治すため、強いては家族を守るため!と自分に言い聞かし、蘭々に連れ込まれた無人の部屋の中のベッドに横たわる。

やがて、ひろしは、睡眠薬のようなもので眠らされ、蘭々は、始めて!と誰かに命じる。

起きて下さい。治療は全て終わりましたよ。どうですか?御気分は?と言う声で目覚めたひろしは、腰の痛みもうそのようになくなっており、本当にただで?と驚きながらも立ち上がる。

新しくなった身体で快適な生活をお送り下さいと言う蘭々に送られ、ビルの外に出て家に帰ろうとしたひろしは、足取りも妙に軽くなり、まるで走るような早さで道を歩いている事に気づき感激する。

家に帰ってみると、先に帰っていたしんのすけから、途中で父ちゃんはきれいなお姉ちゃんに誘われてビルの中に入って行ったと言う話を聞いて顔が強張っているみさえと遭遇する。

怒りの表情で、帰って来たひろしを怒鳴りつけようとしたみさえだったが、そこに立っているものを観て仰天し、あんた、誰?!と言いながら部屋の隅に逃げ込む。

しんのすけはむしろ喜び、本物のロボ父ちゃんだ!観よ!とぼ父ちゃんの勇姿!と言いながら手鏡でひろしの姿を見せてやる。

すると、鏡の中にいたのは観たこともない奇妙なロボットだったので、これが俺の姿か?とひろしは肝をつぶす。

しかし、みさえは、家に侵入して来た怪し気なロボットを信じようとせず、しんのすけ!離れて!人を呼ぶわよ!と言いながら、フライパンでロボひろしの頭を殴り付ける。

その攻撃で、ロボひろしの頭が取れて床に落ちてしまう。

痛くないのか?としんのすけが聞くと、心が痛いとロボひろしは答える。

俺は野原ひろしなんだ!と訴えるが、しんのすけ!こんなのがパパな訳ないでしょう!とみさえはヒステリックに喚くが、当のしんのすけは、オラもエステテッコ(エステティク)したかったぞとロボひろしを羨む。

あそこでロボットに改造されたんだ!しんのすけの言葉を聞いたひろしがようやく気づき、みさえやしんのすけと一緒に、あの店のあるビルに向かうが、そこは何故か空地になっており、ビルそのものがなくなっていた。

訳が分からないながら、ひとまず家に帰るしかないと判断したひろしだったが、動こうとしても身体が動かず、その場に倒れてしまう。

エネルギーが切れたと悟ったみさえたちは、ロボひろしをリヤカーに乗せて帰るしかなかった。

途中、近所のおばさんに、旦那さんですか?とリヤカーに乗せているロボひろしの事を聞かれらので、みさえはコスプレなんですよとごまかし、ロボひろし自身も会社の宴会で…と笑ってごまかすが、通り過ぎた後、おばさんは、あれで係長止まりか…と見下す。

家に戻ったみさえは取りあえず地元の警察に電話し、相談する為に言ってみる事にする。

ロボひろしはと言えば、リヤカーに置かれたまま庭先に放置されており、シロも怯えて近づこうとはしなかった。

春日部警察署にオレンジ色のスポーツカーでやって来たのは、カッコばかりに気にするナルシスト新任署長黒岩仁太郎(声-遊佐浩二)だった。

署内に入ると、受付の所でもめている女性がおり、声をかけてみると、それがみさえだった。

所長室に招き、詳しい話を聞いてみる事にした仁太郎は、みさえが訴えた「メンズエステ ビューティダディ」を「ワンダフル銭湯 ウルトラパパ」などと聞き間違えるなど、全く真剣さを欠いていた。

出かけた夫が帰って来たらロボットになっていたと言う奇妙な事件を聞いた仁太郎は、専任特別捜査官としてミニパトの婦警、段々原照代(武井咲)をみさえに引き合わせる。

段々原照代がミニパトにみさえを乗せ出発すると、門番をしていた警官が署内に戻って来た仁太郎に、彼女はトラベルメイカーですよと耳打ちするが、だから厄介払いをしたんだと仁太郎は得意げに答える。

しかし、照代は出発早々、仁太郎自慢のスポーツカーの側面にミニパトをこすって行ってしまったので、それを知った仁太郎は歯ぎしりをして悔しがる。

その頃、野原家の庭で、ロボひろしの身体を動かしていたしんんすけは、お尻の部分にエネルギー注入口があるのを発見、灯油を入れてみると、たちまちロボ父ちゃんは元気に立ち上がる。

その後、ロボ父ちゃんの秘密能力を探ってみた所、扇風機とか掃除機、ラジオと言った地味な装置しか付いてない事が分かりがっかりする。

そんな中、しんのすけは、ロボ父ちゃんの身体から何か部品のようなものが落ちたので、何だろうといじってみると、それはロボ父ちゃんのリモコンで、急にめちゃめちゃに動き始めたロボ父ちゃんは、シロの犬小屋を破壊してしまう。

止まらない~!としんのすけは焦るが、リモコンから手をはさせば良いだろう!とロボひろしに指摘され、ようやく動きが止まる。

みさえは段々原と一緒に、聞き込みを続けていたが手掛かりは皆無。

段々原は、自分は本来ペット課担当官であり今年は3匹も見つけたが、人間を捜すのは始めてだと告白し、取りあえず、そのロボットを見せてもらっても良いかとみさとに聞き、野原家までやって来る。

すると、庭のリヤカーがなくなっている代わりに、庭全体がきれいに掃除されているし、いつの間にか、シロの犬小屋も超豪華なものに作り替えられていた。

しんのすけが、唖然としているみさえに、ロボ父ちゃんの仕業だぞと教え、屋根の上では、ロボひろしが、TVのアンテナをきちんと設置し終えていた。

俺はやったぞ~!とロボひろしは、自らの達成感に満足していた。

庭先に飛び降りて来たロボひろしを観た段々原は、本当にロボ父ちゃんだ!と驚き、ロボひろしは、どうだみさえ、全部こなしたぜ!こんなになっちまったけど、どうにかなら~!と胸を張り、晩飯も任せとけ!と言うと、しんのすけからまた灯油を入れてもらう。

段々原は、何も分かりませんでしたけど、今後もエステを探してみます。後250軒ですからとみさえに告げ帰って行く。

家族揃っての夕食は、ロボひろしが作った肉野菜炒めだったが、みさえは自分が作ったものより旨いと悔しがった反面、しんのすけは、大嫌いなピーマンが入っているのでがっかりだぞ!と文句を言う。

わがまま言うな!とロボひろしが言い返している時、ひまが、ロボひろしの乳首部分のスイッチを「パイパイ」と言いながら押したので、急に、ロボひろしの右手が飛び出し、ロケットパンチ状態になる。

ロケットパンチは部屋中をめちゃめちゃにしてしまったので、ロボひろしはこれ以上迷惑をかけないように、シロの犬小屋で寝ることにするが、悔し涙もでない事に気づき、目薬を目に入れて泣いた事にする。

そんなロボひろしの様子を、塀の上の尺取り虫のような監視カメラが狙っていた。

きやつの生態は問題ないかな?と、どこかの室内にいた鉄拳寺堂勝が、マッドサイエンティスト風の頑馬博士(コロッケ)に聞いていた。

側にいた蘭々は、奴の妻は受け入れがたいようですと報告するが、堂勝は、それが良いのだと満足げに答える。

あの警官はどうします?と蘭々が聞くと、堂勝は、放っとけと言う。

警察に我々の計画を邪魔させてな~るものか~!と堂勝が歌舞伎で見栄を切るように言い放ったので、頑馬博士と蘭々は観客に成り代わって、鉄拳寺!と声をかけ拍手する。

翌朝、野原家では、保護者同伴の遠足に出かけるみさえとしんのすけを見送りながら、ロボひろしがうらやましがっていた。

しんのすけの方は、みんなに見せびらかそうと思ったのにぃ~とロボ父ちゃんを連れて行けない事を悔しがっていた。

二連バスに乗ってしんのすけたち幼稚園児とその保護者が行くのは、「リバーサイドドデカシティ」と言う工事現場だった。

ロボひろしは、シロに留守番を頼むと、車で後を追おうとするが、ガス欠だった。

バスの中では、みさえたちママさん同士が、最近、こういう豪華な見学会が早ているそうよと楽しそうに話していた。

その二連バスの後ろから、ひろしが車の外側だけ持ってカモフラージュし走って付いていた。

目的地の「リバーサイドドデカシティ」に到着したママたちは、建設現場の見学なんて大丈夫かしら?と不安になるが、ここは安全です。工事は全部ロボットがやっていますからと、待ち構えていた蘭々に教えられる。

それではご自由に見学して下さいとロボットガイドが子供たちに話しかけて来る。

子供たちは、そんなロボットに大喜びするが、1人しんのすけだけは、こんなロボットにこうふうするなんて、みんな子供だな~…。みんなも大人への階段を登れば分かるさとバカにする。

その時、ガイドロボが、こちらですと階段を示したので、みんなその階段に乗るが、マサオくん(声-一龍斎貞友)だけは、子供のままで良いんだけど…と言って、その場に残ろうとする。

しかし、その階段はエスカレーターになって突然動き出したので、ぼんやり登っちゃうと大変だって、ママが言ってたよと風間くん(声-真柴摩利)がみんなに教える。

その言葉通り、ものすごく高いエスカレーターの上は滝のような絶壁になっており、そのまま登って行くと真っ逆さまに向こう側に落ちてしまう事が分かったので、子供たちはパニック状態になる。

一緒にエスカレーターに乗っていたガイドロボットは、そのまま真っ逆さまに地上へ墜落してしまい、粉々に粉砕したロボットを観たみさえたちは、自分たちの子供がエスカレーターの頂上付近にいる事を知り、早く止めて~!と絶叫する。

しかし、側にいた怪し気な男、実は作業員に化けていた頑馬博士は、係の人がいないんですと言うではないか。

そんな絶体絶命の危機を知ったロボひろしは、猛烈な勢いでエスカレーターの側の建設中のビルの側面をよじ上り始める。

エスカレーターの頂上付近で固まって耐えていた子供等だったが、恐怖のあまり、風間くんがおならをしてしまったので、その意外性に脱力した全員がエスカレーターの突端から墜落してしまう。

ロボひろしは、足を回転させ扇風機ならぬ、ヘリコプターのような形になって、空中を飛びながら、しんのすけ等幼稚園製を全員捕まえて、自分の口で、側のワイヤーを噛んで、その摩擦でスピードを落としながら、何とか地上に降りる。

大丈夫か?みんな!とロボひろしが問いかけると、ボーちゃん(声-佐藤智恵)が、あなたは?と聞く。

すると、しんのすけが、オラのロボ父ちゃんだぞ!と自慢し、ロボひろしは、おじさんの事は内緒にしといてくれよと子供たちに言い聞かし、健在の陰に走って行き身を隠す。

そこにみさえたちママたちが駆けつけて来たので、子供たちは、怖かったよ~!と泣きながら抱きついて行く。

先に帰宅したロボひろしは、シロと一緒の犬小屋の中で、欠けた歯を観ながら、ちょっと無茶し過ぎたからな~…とぼやいていたが、帰って来たみさえに、遠足、付いて来たのね?と言って来たので、ロボひろしはとぼけるが、他に誰が助けられるの?ありがとう!しんのすけやみんなを助けてくれて!それでこそ野原ひろしよ。ロボットでも良いの、あなたは立派な父親よと感謝し、でも、車はちゃんと直しといてねと一言付け加えながらも、ロボひろしとしっかり抱き合う。

ロボひろしはようやく家の中に入る事を許され、指パッチンのやり方で、家庭内の色々な家電のスイッチを自在に入れたり消したりする事が分かる。

そこに、あの段々原がチャリでやって来て、まだ手掛かりは…と報告したので、車は?とみさえが聞くと、壊しちゃいましたと段々原は笑って答える。

その頃、ロボひろしは、しんのすけの友達たちを手に乗せて、ヘリコプターのように空を飛んでみせたり、家でしんのすけと腕相撲をやったり充実した時間を過ごしていた。

生身でいる時、子供とこんなにじっくり付き合った事はなかったな~とロボひろしは感動していた。

そしてみさえには、俺、明日からから会社に行く。いつまでも休んでいられないからな。給料だって稼がなけりゃ!と伝える。

翌日、スーツを着て出社したロボひろしに、会社の後輩が、風邪直ったんですねと話しかけて来るが、ひろしがロボットになっている事には気づいていない様子だった。

会社でも、ロボひろしは見違えるほど仕事ができる男になっていた。

帰宅寺、ロボひろしに付いて来た後輩は、係長、評判良いですよ。部長褒めてましたよ。休み明けの野原くんは見違えるようだって。今日、又飲みに行きませんか?と誘って来るが、ロボひろしは、愛する家族が待っているんだと言って付き合いを断ったので、変わりましたね~と後輩は驚く。

その後、しんのすけを連れ、玩具売り場に出かけたロボひろしだったが、何故か、心ここにあらずと言った風にボーとしていた。

その頃、鉄拳寺堂勝は、頑固親父同盟を目覚めさせよ!と号令を出していた。

フンころがしになって遊んでいたしんのすけは、曲がり角振興会のものと名乗るお姉ちゃんから、ステキなプレゼントをどうぞと言われ一瞬喜ぶが、それは変な形の金属製の髭だったのでがっかりする。

すると、お姉ちゃんは、それは君のパパにプレゼントしちゃうんだ。付けるときっと出世するよ!と言うので、取りあえずもらって帰ることにする。

実はそのお姉ちゃんは、蘭々の変装だったのだが、しんのすけが気づくはずもなかった。

家では、ロボひろしが、ロボット寿司を握って家族に食べさせていた。

そんなロボひろしは、みさえに、お前、太った?と唐突に聞いたので、みさえは膨れる。

確かに、このところ、火事は全部ロボひろしがやってくれるし、おいしい料理も作ってくれるので、すっかり怠け癖がついてしまっていたのだった。

みさえはそれでも、今日はお給料日だからと言い、エキストラバージンオイルをロボひろしにプレゼントする。

それを見たしんのすけも、オラもプレゼントと言い、付けると出世するんだってと言いながら、さっき道ばたでもらった髭をロボひろしに渡す。

それを受け取ったロボひろしは、嬉しそうに鼻の下に装着してみるが、すると身体のチューブの中の色が青から赤に変身し、顔の表情も凶暴そうなものに豹変し、いきなりテーブルをひっくり返してしまう。

さらに、父ちゃん!と呼びかけたしんのすけに、お父様と呼べ!と命じる始末。

ちょっと!と呼びかけるみさえに対しても、一家の主に向かってちょっととはなんだ!旦那様と呼べ!一家の大黒柱を何と心得る!お前等正座しろ!良くも亭主を犬小屋に入れたりしたな!今日からわしが一家を取り仕切る!これこそが一家のあるべき姿だ!と叱りつけたロボひろしは、公園に行くと、そこにたむろしていた居場所のない親父たちに向かって檄を飛ばし始める。

女房が何だ!主人こそが一家の柱!勇気だ!勇気を持って立ち上がれ!

シュプレヒコールを親父たちが上げ始めた時、いつもの乳母車や犬を連れたおばさんトリオが公園にやって来て、ここは禁煙エリアじゃない!と文句を言って来たので、誰にも文句を言われる筋合いはない!お前等こそ出て行け!と親父たちは反論する。

警察呼ぶわよ!とおばさんトリオも抵抗するが、ロボひろしが「アフター5ヒゲスプラッシュ」光線を顎から出すと、公園から立ち去って行く。

我々の勝利だ!親父たちは、ロボひろしと共に歓喜に酔いしれる。

父親よ!勇気を持って強くなれ!父よ、勇気で立ち上がれ!

女性専用車を親父専用車に代えろ!レディスディがあるなら親父ディを作れ!男女交際などまだ早い!臭いって言うな!立ち上がった全国の親父たちのデモ行進を中継するレポーターが、「ちちゆれ同盟です」と紹介する。

そんなデモ行進をテレビで観ていた黒岩仁太郎署長は、陳情に来た市民たちに、これは市民のデモだからね。この件はこの黒岩仁太郎にお任せ下さいと言って、特に問題視はしなかった。

下に~!父上のご帰還であ~る!大通りを無数の親父を従え更新するロボひろし。

その側の路地に集まったしんのすけは仲間たちに、あんなロボ父ちゃんは嫌だと訴えると、ヒゲを取ったら元に戻るんでは?と風間くんが言い出す。

しんのすけは、それを実行すべく、まずは、大通りを行進していたロボひろしに、父上様!と呼びかけながら、土下座をして見せる。

ロボひろしと一緒に歩いていたメガネ親父は、しつけがしっかりしてますねと感心するが、次の瞬間、しんのすけは「尻マンボ!」とお尻を突き出してからかう素振りを見せながら路地裏に逃げ込んだので、ロボひろしは、しつけが足りなかったようだなと言いながら、1人しんのすけの後を付け始める。

すると、どうした事か、路地裏には、お尻を突き出したしんのすけと同じようなものが何人も現れたではないか!

実は、しんのすけの仲間たちがしんのすけと同じ格好をしていた目くらましだったのだが、戸惑うロボひろしの隙をついて、しんのすけは顔に付いたヒゲを取り去る。

すると、ロケットパンチが飛び出すが、ロボひろしは倒れて動かなくなる。

すると、突如出現した鉄拳寺堂勝は、鉄の身体を持ちながら子供のやられるとは全く嘆かわしい!と怒りながら、下駄で、倒れたロボひろしの腹を踏み抜く。

しかし、弱気父たちも十分に熟した。

このふ抜けた世の中をひっくり返す為に、この鉄拳寺堂勝が市庁舎を占拠する!と宣言する。

そして、動かなくなったロボひろしの身体をトラックの荷台に乗せて出発したので、しんのすけはこっそり乗り込み同行する。

しんのすけは、横たわってもの言わなくなったロボひろしのお腹に、堂勝に踏まれた下駄の形の穴が開いているのを観て哀しむ。

トラックが到着したのは「シーサイドドデカシティ」の建築現場だった。

巨大な磁石で、ロボひろしは、他の鉄材と共に吸着され、巨大な焼却炉へ向かうベルトコンベアに乗せられるが、しんのすけは、そのロボひろしの身体にしがみつき、何とか父ちゃんを助けようとする。

父ちゃん!と必死に呼びかけながらロボひろしの頭を引っ張っていたしんのすけだったが、最初にカツラが取れ、焼却炉手前で何とか首だけが引っこ抜ける。

しんのすけは、その首だけになったロボひろしに呼びかけながら背負って近くの通路に逃げ込む。

その時、床掃除用のロボが近づいて来たので、しんのすけは、そのルンバのようなロボの真ん中に、ロボひろしの首を差し込んでみる。

すると、首だけのロボひろしは意識を取り戻したようで、しんのすけ、ここは?どうなってるんだ?!と驚きの声を挙げる。

本当に大変だったんだぞ!としんのすけが文句を言うと、色々すまなかった…とロボひろしも詫びる。

そんな彼らが通路の先に会った巨大な部屋に来ると、そこには大きな心臓のようなものが蠢いており、その中には、胎児のようにひろしが裸で丸まっては言っていた。

しんのすけは、お~い!父ちゃん!と呼び掛け、近くにあったスイッチを押すと、心臓のようなものが弾け、中の液体と共に、裸のひろしが床に落ちて来る。

父ちゃん!としんのすけが駆け寄ると、目が覚めたひろしは、どこだここは?頭が痛い…と苦しがる。

そんなひろしに、ロボひろしは、そいつから離れろ!俺が本物の野原ひろしだ!としんのすけに呼びかける。

しかし、裸のひろしの方も、双葉商事係長の野原ひろしって俺のことよ!と立ち上がって、ルンバに首だけ乗ったロボひろしと口喧嘩を始める。

お前は俺の記憶をコピーしただけのロボットじゃねえか!とひろしがけなすと、ロボひろしは、俺がコピーだと言うのか!と戸惑う?

その会話を聞いていたしんのすけが、「ファッションチェックの?」と口を挟んだので、「それはピーコ!」とひろしが突っ込む。

お前なんて、ただのロボ家電だろ!しんのすけ!どっちが本物の父ちゃんか言ってやれ!とひろしが言うと、しんのすけは困惑しながらも、足臭くないし…とロボひろしの事を指摘する。

それを聞いたひろしは満足げに、これではっきりしたな!とロボひろしに言い渡す。

この馬鹿者!と鉄拳寺堂勝がモニターで頑馬博士を叱りつける。

ひろしたちは、部屋の奥にあった別室にずらりと揃ったロボット軍団を発見し、おめえはここで作られたんだなとロボひろしに話す。

その時、蘭々がニターで、みさえが視聴者に向かっていますと鉄拳寺に報告する。

ロボひろしは、一番新型の身体に飛び移ると、ロボ父ちゃんに復活し、裸のひろしとしんのすけと共に、通路を逃げ始める。

それに気づいた頑馬博士が、大量の小型クラゲロボに追跡を命じる。

裸のひろしがそのクラゲロボに捕まってしまうが、しんのすけが助けに戻って来る。

そのまま彼らは、大量のクラゲロボの勢いにのまれ、通路の先から、大きな穴に落下してしまう。

その時、扇風機機能でヘリコプターのように飛行モードになったロボひろしが、落下しかけた裸のひろしとしんのすけを助ける。

一方、段々原照代がチャリで市庁舎に来ると、「ちちゆれ(父よ勇気で立ち上がれ)同盟」に占拠されているのを発見する。

虐げられた父よ!頑固親父が蘇れ!と市庁舎の屋上で、親父たちを鼓舞していたのは鉄拳寺堂勝だった。

そこにやって来たみさえは、鉄拳寺堂勝の事をキンピカジジイ!息子の友達が教えてくれたのよ!このゴーツクジジイ!と罵倒する。

すると、悪妻は百年の不作!と言い返した鉄拳寺堂勝が、あの女を捕まえろ!と、屋上に集結していた親父たちにけしかける。

あの女もだ!と鉄拳寺に指差されたのは、屋上にやって来た段々原照代だった。

しかし、さすがに親父たちはその言葉にためらっていたので、このふぬけどもめ!と鉄拳寺が怒る。

そこにロボひろしに乗って飛んで来たしんのすけは、みさえの事を、妖怪ケツでかおばばだぞ~!と呼び掛け、俺の愛しのマイスイートに何をする!と裸のひろしも屋上に降り立つが、公然わいせつに怒った段々原に殴られてしまう。

鉄拳寺につかみ掛かったロボひろしは、その感触から相手もロボットだと悟る。

その時、しんのすけが、ロボ父ちゃん、発進!チクビームだ!と命じる。

それを聞いた鉄拳寺は、バカめ、そんなもんあるか!とバカにするが、なせばなる!なさねばならぬ何ごとも!と言ったロボひろしが両腕を上げ、胸を突き出すと、その両乳首からチクビームが発射される。

そのビームに当たった鉄拳寺は大爆発を起こす。

しかし、その残骸の中から出現した黒いロボットが空に飛び去って行く。

総裁がロボットだったなんて…!あなたもロボットだったんですか?とロボひろしに気づいた親父たちは、おれたち、機械なんかにオドロされていたのか…とぼやき、一挙に熱が冷めたようになると、とぼとぼとそれぞれの家に帰って行く。

その直後、みさえは、あなた!と言いながら、裸のひろしに抱きつく。

そんなみさえに、任務完了!と 段々原照代は声をかける。

本当に心配したんだから…とみさえが甘えると、安心しろ、もうどこにも行かないからとひろしもたくましく答える。

そんな中、1人取り残されたロボひろしに、父ちゃん、雨だぞとしんのすけは声をかけてやる。

まるでその雨は、ロボひろしの心を現しているようだった。

突如、場面は「朝まで生ヒロシ」と言うTV番組のスタジオ風になる。

その司会者役になっていたしんのすけは、 段々原照代に、朝まで生しりとりやろう!などと話しかけるが、すぐに、こんな時にふざけんじゃないの!とみさえに突っ込まれてしまう。

家に帰って来たロボひろしは、俺は俺の頭をコピーしただけのロボットだったと言うのか…?しんのすけ、腹が減っただろう?と話しかけるが、諦めろと本物のひろしに諭されても、俺の家族だぞ!俺は野原ひろしだ!みんなで笑ったじゃないか!しんのすけ、腕相撲やろうと手を差し出す。

それを見ていた本物ひろしが、だったら俺がやるしかないようだな?と、腕相撲の相手をする事にする。

両者は全力で腕相撲を始めるが、結果はロボひろしの方が勝ったので、これで決まったな?この家の主が誰なのか…とロボひろしが勝利宣言をする。

そんな2人に、みさえが、止めて~と叫ぶ。

そんな野原家に土足で上がり込んで来たのは、警察署長の黒岩仁太郎だった。

それを観たしんのすけが、靴脱がないと、母ちゃんに怒られるぞ!と注意をするが、君たちを逮捕しに来たんだと言い出した仁太郎は、何ごとかと出て来たロボひろしをいきなり拳銃で撃つ。

国家内乱罪に相当する。死刑!と、護送車に乗せられた野原一家とロボひろしは、仁太郎に言われる。

彼らが連れて来られたのは、ドデカシティの地下にある巨大な工場だった。

仁太郎は、実は、ロボット鉄拳寺堂勝を陰で操っていたのは自分だったのだと正体を明かす。

ロボット鉄拳寺堂勝と動きをシンクロさせながら、この鉄拳寺堂勝こそ、鋼鉄の頑固親父だ!大日本仕付け直し計画!と仁太郎が解説したので、何故、俺を選んだんだ?とひろしが聞くと、何の取り柄もないからだとあっさり仁太郎は鉄拳寺の口を借りて答える。

この鉄拳寺堂勝を主要都市に配置して煽動すれば、日本国中が頑固親父だらけになる事だろう。真夜中は別の顔!それが男のダンディズム!鋼鉄頑固親父ロボは量産体制になったと!と喜ぶ仁太郎に、頑馬博士も、学会を追い出された恨みを晴らしてやる!と怨念をぶつけるし、蘭々も、全部丸儲け!と捕らぬタヌキの皮算用をする。

そして仁太郎は、全部知ったものには死んでもらおうと宣言したので、家じゃ、奥さんの尻に敷かれたりして…としんのすけが冗談を言うと、仁太郎は、妻と娘に虐げられている日々を思い出し、想像以上のダメージを受ける。

それを見たひろしは、図星かよ…と呆れ、しんのすけは、かっこ悪いぞ!と指摘する。

それを聞いた仁太郎は逆上し、小僧!僕の事をかっこ悪いと言ったな!最初の餌食はお前だ!やれ!頑馬!と命じる。

命じられた頑馬博士は、ロボひろしの頭部にコントロール装置を付ける。

ゲーム映像で、頑馬博士のキャラの方が、ロボひろしより強くなった描写。

こいつの人格は全部消去されちゃたよと頑馬博士は不気味に笑う。

一番酷いお仕置きをさせろ!と仁太郎に命じられた頑馬博士は、コンピューターが考えうる最も残酷なお仕置きをロボひろしに命じる。

ロボひろしが、縛られたしんのすけの前に差し出したのは、何と「ピーマン100%炒め」だった。

止めてくれ!ロボ父ちゃん!としんのすけは叫び、後ろで縛られていたひろしも、だったら俺が食う!と叫ぶが、今の親はすぐ子供を甘やかせる。そんなラリ方が日本をかっこ悪くするのだ~!と仁太郎は怒る。

その時、兄の姿を後ろから見ていたひまわりが驚きの表情に変わる。

何と、しんのすけが、あんなに大嫌いだったピーマンを食べているではないか!

おら、ピーマン食べる!だから、ロボ父ちゃんに戻れ!と、目の前にいる改造ロボひろしに呼びかけるしんのすけ。

その後も、皿に盛られたピーマンを食べ続けるしんのすけは、おら、ピーマン、大好きだぞ!ロボ父ちゃん、しっかりしろ!と叫ぶ。

その後ろから、本物のひろしも、自分の息子が身体をぶつけて来てるんだぞ!それに応えなくて、何が父親だ!と声をかける。

とうとう、しんのすけはピーマンを全部平らげてしまう。

その時、ロボひろしの頭の中のゲーム映像で、ロボひろしが急成長し、頑馬博士キャラより大きくなる。

足臭バーニングキック!本物ひろしが、足を突き出してキックすると、ロボひろしの頭に付いたコントロール装置が壊れる。

復活したロボ父ちゃんは、リトルチクビーム!と言いながら胸を突き出し、縛られていた野原家のロープを切断し、全員を自由の身にする。

そして、ロボひろしはしんのすけに、集積回路の奥の奥まで響いたぜ!ピーマン食べたって!みさえも感激してしんのすけに駆け寄って来る。

そんな野原一家に、大量のロボット軍団が迫って来る。

その時、蘭々にぶつかって来たのは婦警の段々原照代だった。

頑馬博士は、ひろしの足臭で、高感度センサーがやられた!と頭を抱える。

蘭々の首筋に飛びついたひまわりが、爛々の耳たぶを触ると、蘭々は弱点を突かれたようにへなへなと崩れる。

やがて、鉄拳寺堂勝ロボが暴走を始めたように、口から光線を吐いて、研究所を破壊し始める。

黒岩仁太郎は愉快そうに、全ても証拠と共に消え去るのだ!と叫ぶが、野原一家は、天井から下がっていたクレーンのフックに捕まって上昇していた。

研究所が大爆発を起こす中、ロボひろしは足をプロペラに変型し、シャフトから上昇して来る炎から、家族全員を救出して地上に降り立つ。

ドデカシティは夜になっており雨が降っていた。

そんな中、巨大なコロッケロボが出現する。

それを観たしんのすけは、五木ひろし?コロッケ?と驚き、ひまわりも大喜びをする。

それに対し、ロボひろしも周囲の建築資材と合体し、巨大ロボひろしに変型する。

その時、コロッケロボが、あなたは、誰とちぎりますか~♪とマイク片手に歌い始める。

巨大ロボひろしは、チクビームを発射するが効かない。

ロボひろしが倒れたので、しんのすけがエネルギーを注入する。

立ち上がったロボひろしは、良いぞ、しんのすけ、合体だ!と叫ぶと、本物のひろしも、俺も合体だ!と叫び、周囲の建材を吸収し、巨大ひろしロボ見参!と名乗る。

操縦は任せたぞ!とロボひろしが、体内に入り込んだしんのすけに呼びかけると、しんのすけは、冗談じゃないぞ!と首を横にスライドしてみせた後、ロケットパンチ!と叫ぶ。

そんな巨大ロボ決戦を下から見上げていたみさえと段々原は、男って、何で大きなロボットが好きなのかしら?バカだからよと呆れていた。

コロッケロボが口から虹色の「こぶしウェーブ」を吐くと、それを浴びたしんのすけや本物ひろしも、身体に染み込んだ演歌のDNAには抗えない!と言いながら、すっかり身体がふにゃふにゃになってしまう。

巨大ロボひろしは壊れかけるが、その足の部分に入っていた本物ひろしが、おい、大丈夫か?俺が食い止める!とロボひろしに呼びかけると、しんのすけも、オラも戦う!と声をかける。

そうだ!子供が戦いのエネルギーだ!こんな時、良いものがある!と言い、ロボひろしも、頼んだぞ!としんのすけに託す。

しんのすけは、ロボ父ちゃん用リモコンを手にすると、巨大ひろしロボは横に立っていたツインタワーと合体する。

いくぞ!ぶりぶり~!としんのすけが叫ぶと、観ていたみさえは、いっつもこれ!と呆れる。

巨大な2つの卵形ロボになったひろしロボは、ぶりぶりロボになり、お尻をくねらせるように進み始める。

コロッケロボは、相変わらず、こぶしウェーブで対抗して来るが、もはやぶりぶりロボの敵ではなく、会えなく巨大な尻型ひろしロボに挟まれてします。

この壮絶な戦いで、両方の巨大ロボとも崩れ去ってしまう。

すっかりやられた黒岩仁太郎は、お手柄ですね、段々原くんと部下を褒める。

段々原はそんな仁太郎に、あなたの罪状は人の心を弄んだ事です!と言い放つ。

ロボ父ちゃんを探していたしんのすけは、身体が半分壊れてやっと立っているロボひろしを発見し、衝撃を受ける。

壊れたの?直る?としんのすけが声をかけると、本物ひろしとみさえも駆けつけて来る。

ロボひろしは、側にあったドラム缶をテーブル代わりに自分の前に置くと、右手を差し出し腕相撲の体勢になる。

それを見た本物ひろしは、上着を脱ぎながら、下がってろ!としんのすけとみさえに言うと、分かったよ、蹴りを付けようと言い、腕相撲に挑む。

勝負は両者拮抗の展開になる。

それを見ていたしんのすけは、負けるな!ひろし!負けるな、ロボ父ちゃん!と両者を応援する。

どっちも勝って~!とみさえも呼びかける。

最後、全力を出し切った本物ひろしがロボひろしの腕をねじ伏せ、ロボひろしは、脱力したように腰を落とす。

ひろしの元に、父ちゃん!と呼びながら駆け寄るしんのすけ。

どうだ、父ちゃん、強えだとう?と自慢するひろし。

ロボひろしの方は、すまんな。俺はお前の父ちゃんじゃなかったようだとしんのすけに言うと、俺の分までしっかり頼んだぞ、おれ!と本物ひろしに声をかける。

任せろ、俺!と本物ひろしもロボひろしに応える。

ありがとう!と言いながら、ひまわりを抱いたみさえが近づいて来る。

しかし、しんのすけは、ロボ父ちゃんも父ちゃんもどっちもおらは好きだと言うので、感激したロボひろしは、でっかくなれよと励ます。

おら、でっかくなるぞ!としんのすけが約束すると、ロボひろしはいつの間にか動きを止めていた。

その後、公園のヘチマの棚の下に来ていたメガネ親父は、乳母車を押して来たあのおばさんと会って互いに気まずそうに会釈し合う。

その横の道を、野原一家が散歩していた。

その時、メガネ親父の息子らしい声が呼びかけたので、親父はその声の方へ向かう。

しんのすけは、父ちゃん、あれやって!とせがみ、ひろしは、正常合体!発進!と叫んで、しんのすけを肩車すると走り出す。

それを見ていたみさえは、また、腰痛めるわよ!と声をかける。

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