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鋼鉄の巨人 地球滅亡寸前

「鋼鉄の巨人 怪星人の魔城」に続く、宇津井健主演の「スーパー・ジャイアンツ」シリーズ第二弾の後編。

宇宙人の地球侵略の話のはずなのに、何故か、魔法使いや魔女と言った古風なお伽話風キャラクターが登場し、子供の住む町内だけで怪し気な事件が起こっている感じがする、すこぶるスケールの小さな怪奇サスペンス世界になっている。

しかし、そう割切って観ると、当時の子供映画としてはサービス満点で、それなりに楽しめる作りになっているのではないかと思える。

今回最大の見せ場は、魔女に変身したカピア人に町内を追い掛けられる少女の件。

正に、ハラハラドキドキの連続。

完全に、江戸川乱歩の子供向け小説の世界である。

今回も、何故、山奥の湖に逃げ込んだカピア人たちをスーパー・ジャイアンツが追わないのかとか、何故、いちいち彼が、国会で議論している議員たちの前に登場して事件を解説するのかなど、謎が多いのだが、そういう細かい事を気にしないのが、石井ワールドだと考えるしかない。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

鋼鉄の巨人 地球滅亡寸前

1957年、新東宝、宮川一郎脚本、石井輝男監督作品。

湿地帯で囚われの身になっていた子供達や深見博士(中村彰)の元に駆けつけたスーパー・ジャイアンツ(宇津井健)は、カピア人たちと格闘、カピア人たちは全員湖中へ逃げ込んでしまう。

その後、東京に戻った典子(勝馬典子)は、火傷をしたと顔中包帯姿で、看護婦に付き添われた帰宅して来た兄の雄一(浅見比呂志)の姿を見て、慌てて、地球防衛対策本部の秘密基地で研究中だった深見博士に帰宅するよう電話する。

帰宅した深見博士は、意外二元競うな雄一の姿を見て、安心し、再び研究本部に戻るが、一人、兄の側で看病していた典子は、自ら包帯を取ってカピア人の本性を現した兄の姿に驚愕し、窓から夢中で外に逃げ出す。

それを追って来たのは、看護婦に化けていた無気味な魔女(小野彰子)。

その魔女は、典子を追い掛けて来るが、典子は、とっさに、眠っていたゴミ屋のゴミ籠に身を隠す。

ところが、それに気づかず近づいて来た魔女は、見回りの警察官が来た事を知り、ごまかすために、あろう事か、典子が隠れたゴミ籠を自ら背負って歩き出す。

警官たちが道をそれたので、安心して、ゴミ籠を下ろし、典子を探しはじめた魔女を尻目に、そのゴミ籠から抜け出した典子は、 夢中で浅見博士の家に駆け込み、呼び鈴を押し続ける。

寝ていた美子(山口美奈子)、次郎(阿部誠)、亮(岩下亮)兄弟は目を覚まし、典子を家の中に招き入れるが、子供達の寝室に魔女が出現、追い詰められた子供達はピンチに陥るが、偶然倒れたガスボンベから吹き出したUVガスを浴び、見る見る溶けてしまった魔女を見る事になる。

一方、ガスタンクの中に作られていた地球防衛対策本部に帰って来た博士を尾行していたカピア人は、その隠れ家を突き止めてしまう。

美子たちからの連絡を受け、カピア人たちは、UVガスに弱い事を知った深見博士たちは、さっそく、UVガス銃の研究に取りかかるのだった。

一方、こうした人間たちの気配を察したカピア星では、魔術師(大谷友彦)を呼出し、地球上の引力を一時的に低下させる魔術を使用、市民生活を混乱させると共に、博士たちの新兵器研究を妨害しはじめる。

これに対し、再び、国会が紛糾するが、そこへ又しても出現したスーパー・ジャイアンツは、これからカピア星の乗り込んで、敵を撃退すると宣言すると、その場から変身して飛行し、カピア星に到着すると、水中にあった球形基地に潜入、カピア人を殲滅するのだった。

かくして、球形基地は大爆発を起こしてしまう。

一方、ようやく完成したUV銃を携えた警察隊も、山奥の湿地帯へ向い、そこに現れたカピア人たちを全員溶かしてしまうのだった。