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花嫁三重奏

柳家金語楼と清川虹子コンビの下町人情喜劇。

設定的には、嫁入り前の3人娘を持つ男やもめの中年男のお話なのだが、3人娘の方に比重が置かれているためか、女性向けの恋愛映画に近く、特に金語楼のドタバタ映画と言う感じではない。

それでもなかなか巧く話が構成されており、金語楼を含め主要なキャラクターはバランス良く描かれているし、展開も面白く、終始心地よい感覚で最後まで観られる秀作になっている。

興味深いのは、三女役の団令子が演じている妙子と言うキャラクター。

若いのに人生設計などに堅実な考えの持ち主で、ちゃっかり金を貯める事にも熱心…と言う性格付けなのだが、これは翌年から始まる「お姐ちゃんシリーズ」のパンチ役そのもの。

たまたま偶然なのか、何か曰くがあるのか気になる所である。

「お姐ちゃんシリーズ」を知っていてこの作品を観ると、団さんのキャラが全く同じなので不思議な感じがする。

この当時の団さんは、まだそんなに丸顔が目だっておらず、きれいなお嬢さんと言った感じ。

長女役の草笛さんのキャラクターは、大体予想通りのしっかり者と言った感じなのだが、愉快なのは、次女役を演じている根岸明美さんである。

劇中で「変な顔をしているけど良い身体をしている」などと失礼な言い方をされているが、確かに正直な印象にも思えるので、観ていて笑ってしまう。

さらに、泥酔して帰宅した次女が、乱暴な口調で父親をからかう所なども笑ってしまう。

ドジっ子と言う訳ではないが、3人娘の中では、一番すっとぼけたコメディエンヌ風の役割になっていると思う。

3人娘のお相手役は、佐原健二、小泉博、土屋嘉男と言う本多監督の特撮ものでもお馴染みの顔ぶれ。

特撮もので演じるアクの強いキャラクターとはひと味違った、爽やかで純真な若者を3人とも演じている。

清川虹子が相変わらず達者で、金語楼とのコンビ振りも見事。

この手の作品の楽しみ方の一つは、劇中に出て来る当時特有のネタ。

乾物屋の店先に置いてある「キンケイミルクハヤシ」などと言った商品は初めて観た気がする。

「明治キンケイミルクカレー」と言うには聞いた事があるが、その「ハヤシ」バージョンなのだろうか?

スーパーマンの話が出て来るのは、当時、テレビで放映されて人気があった、ジョージ・リーブス主演の「スーパーマン」の事だろう。

金語楼とその友人役の中村是好が行く「シブヤ温泉 トルコ風呂」と言うのも珍しい。

この映画を観る限り、水着姿の女性が頭に乗せるタオルなどを取り替えるだけのスチーム風呂施設のように見せる。

目の保養になるなどと中村是好が言っているのは、ただ世話係の女性の水着姿を眺める事を指しているだけの事なのだろう。

当時から、他のマッサージのようなサービスがあったのかどうかまでは分からないが、別室でビールなどを出すサービスはあったような描き方である。

おそらく、この時代以降、色々サービスが増えて来て、風俗的な場所になったと言うことなのだろう。

娘の結婚をお膳立てしようとする親心と、自由恋愛に身をゆだねようとする娘たちの考え方のギャップがテーマのようだが、さすがに父親1人に3人娘が協力して立ち向かっては父親に勝ち目があるはずもなく、最後は大体予想通りの展開ながら、微笑ましく見守ることができる。

地味ながらも、十分楽しめる作品である。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1958年、東宝、若尾徳平脚本、本多猪四郎監督作品。

イラストを背景にタイトル

朝方の6時前、早朝の静寂をつんざく消防車のサイレン音。

その音にいち早く跳ね起きた「西村乾物店」の主人平吉(柳家金語楼)は、隣の部屋で寝ていた従業員の三太(井上大助)を叩き起こすと、火事だ!と声をかける。

そりゃ大変だ!どこです?と言いながら逃げ出そうした三太に、家じゃない!どこか燃えているか、二階から確かめて来い!と命じる平吉。

仕方なく二階に上がり、そこに川の字に並んで寝ていた平吉の娘たちの足下を踏みつけながら、窓際に来た三太に、眠っていた3姉妹が目を覚ましてしまう。

何ごとよ!と文句を言う娘たちに、親父さんが観て来いと言うもんですからと三太は恐縮するが、そこに登って来た平吉は、三太から相当遠いですよと聞かされると、あのサイレンだと相当近えと思ったがな~、三丁目の方かもな~…とぼやきながら下に降りる。

いつものことながら、あれが楽しみなんて…と呆れた次女信子(根岸明美)と三女妙子(団令子)たちは二度寝を始め、長女の照子(草笛光子)も、三ちゃん、あんたも寝なさいと声をかける。

消火用の半纏を纏って面に飛び出した平吉だったが、火事の現場が分からず、まごまごしているうちに、向かいの飲み屋「のんき」の戸を叩いて、女将のお豊(清川虹子)を叩き起こすと、店の中の電話を貸してくれと頼む。

電話したのは消防署で、今の火事の事を聞くと、ぼやだったらしく、平吉はがっかりしたように受話器を降ろす。

帰ろうとする平吉に、うちは夜が遅い商売なんだから、電話かけるんなら、うちでかけておくれ。あんた、火事が好きだからねとお豊が呆れたように声をかけると、人聞きの悪いことを言わないでくれ。火事が好きだなんて、火事場泥棒みてえじゃないか。俺は消火の手伝いや人命救助の手助けをしてるんだと平吉は答える。

それが年寄の冷や水って言うんだよ。前も、消防署の人がこぼしてたよ。平さんが来ると、手助けどころか邪魔になるって…。もし万一の事があったら、娘たちが可哀想じゃないか。まだ3人とも嫁入り前なのに…。あんたのお上さんが死んでから、誰があの子たちを育てたと思ってるんだよ。あたしだって主婦連の代表をやってるんだよ。あんたも競輪に夢中になってばかりいないで、世の中の為になるような事でもおしよとお豊は諭す。

説教されてふてくされた平吉がそのまま出て行こうとしたので、電話代は?とお豊が聞くと、嫌な顔になり、ポケットを探り、持ち合わせがないことが分かると、後で払うよと言いながら出て行く。

ごまかそうってんじゃないだろうね?とその後ろ姿に声をかけたお豊が家の中に入ると、息子の新一(佐原健二)が布団の中で目覚めていた。

あんな騒ぎで寝てられるかいと苦笑した新一は、母さん、本当はおじさんの事好きなんだろうと冷やかす。

店先で、客(中野トシ子)が32円の干物を値切ってくれ、表通りじゃこんなもん12~3円よなどとと粘り、三太が出来ないと断っていると、照子が30円で良いですと妥協してしまい、客が帰ると、いつも私がまけると怒るじゃないですかと三太から言われたので、ああ言われたら仕方ないじゃない。商売って難しいのよと照子は笑ってみせ、干物の匂いを嗅いで、まだ大丈夫ねと商品チェックをする。

そんな照子にわしのメガネを知らないか?と平吉が聞きに来る。

知らないわよ。いつもあちこち起きっぱなしだからそうなっちゃうのよ!と照子から叱られ、だんだん似てきやがった…とぼやきながら茶の間に戻って来た平吉に、1人朝食を取っていた妙子が、メガネなら洗面所にあったのでそこのタンスの上に置いといたわと教える。

そのメガネを取る時、メガネの下に置いてあった電気の本をお前のか?と平吉が聞いて来たので、違うわよ、姉さんのよと妙子が言うので、信子か?と聞くと、照子姉さんと妙子は答える。

メガネをかけ新聞に目を通し始めた平吉が、おっ!と目を留めたのは、区会議員の汚職の記事だった。

そこに、照子がやって来たので、この本買ったのか?と平吉が聞くと、借りたと言うので、岡本と言う男のじゃないだろうな?と平吉が睨むと、高校の時のお友達よと照子は答える。

結婚の事は俺が考えているんだから、変な男とは付き合うなよ。黒川さんの息子さんなんかどうだ?と平吉が言うと、ああ、ズーパーマンねと妙子が口を挟んで来る。

そうそう、スーパーマンみたいな人だと平吉が喜ぶと、ズーパーマンよ。図々しくて変に自信家で…と妙子は顔をしかめてみせる。

金持ちの息子と結婚すれば幸せになれるとは限らないわよ。とにかく、私は反対よ!と言うと、洋裁学校に出かけて行く。

それを見送った平吉は、最近、学校で修身を教えないから、親に反抗ばかりして来る!と文句を言う。

その時、店から三太が照子を呼び、何ごとかと出てみた照子に、表を指す三太。

出てみると、まだそこにいた妙子が右手を差し出して来る。

小遣いなんかないわよと照子が説教すると、来月分の前借りなどと妙子が言うので、最近無駄使いが多いわよ。家だって楽じゃないんだから…と照子は言い聞かそうとする。

すると、じゃあ、学校辞めちゃおうかななどと妙子が言うので、それとこれとは話が別よ。これからの女は何か身につけておかなきゃと言いながら、結局、照子は小遣いを妙子に渡してしまう。

もらった妙子は、どうしてはっきりお父さんに言わないの?岡田さん好きなんでしょう?このままお父さんの言う通りにならないでねと生意気な事を言って来る。

その時、パジャマ姿の信子が私の靴下知らない?と言いながら出て来て、妙子が履いているのに気づくと取り返そうとするが、妙子は違うわよ!と言いながら逃げて行く。

そんな格好で何やってるんだ!と平吉は叱り、裸足で土間に降りたまま上がろうとした信子の足の汚れを落とす為に三太に雑巾を持ってこさせる。

逃げた妙子が飛び込んだのは向かいの「のんき」で、こら!とおどけて声をかけた新一に、頼みたいことがあるのよと妙子は言い出す。

嫌だね。どうせろくな事じゃないだろうからと新一が先に断ると、あんた、困るんじゃない?新ちゃんが大学辞め、バンド専門でやっている事をおばさんに話したら…。おばさん、あんたが大学出るのだけを生きがいにして来たんだからと妙子は脅す。

今度、学校で生徒の作品発表会をやるんだけど、その音楽を生でやることになったの。院長先生があんたたちのバンドを聞いたらしく、頼んでくれって言うのよと妙子が頼むと、ギャラはいくらだい?と新一は聞く。

妙子がそんなもんないわよと言うと、でもバンドの連中が…と新一は困惑する。

その時、奥からお豊が出て来て、新一まだ学校行かないのかい?最近好きな歌ばかり歌っているけど、それで一生食えれば良いけど、大学出て職に就かないと、今は結婚出来ないからねと言い聞かす。

「エレガント洋裁学校」の院長室に来た妙子が新一の事を報告すると、院長の花巻女史(岡村文子)は、本当にただで出てくれるの?半分くらい払わなくちゃ悪いわと言うと、その分、私のデザインの材料費に回して頂きますと妙子が言うので、あんた、ちゃっかりしてるわね!と院長は驚く。

そこに、学院に似合わぬ僧侶たちが入って来たので、どなたか亡くなったんですか?と妙子が聞くと、何を言っているんです。今日は、クリスチャン・ディオール先生の命日じゃないですか!と花巻女子は教える。

院長室の隅にはクリスチャン・ディオールの遺影を飾った立派な祭壇が作られていた。

その頃、劇場に出かける途中の信子は、大きな看板の絵を描いていた画家の卵の小島(土屋嘉男)から、お嬢さん!と声をかけられていた。

たまには家に遊びに来てくれと言われた信子は、その内行くわねと挨拶して立ち去る。

妹の娘だよ。浅草のレビューに出ているんだと、仲間のペンキ屋に教えた小島だったが、惚れてるんだろ?隠したってダメだよ。それが証拠じゃないかと、看板に描かれた女性の顔を指されて冷やかされる。

絵の中の女性の顔が信子そっくりだと言うのだった。

信子が踊っている劇場は、禁煙サインが出ているのに、平気でタバコを吸う客がいるような所だった。

そんな中、「のんき」に電話がかかって来たので、お豊が出ると、相手は岡本(小泉博)で、照子を呼びだして欲しいと言う依頼だった。

親父さんがいると長引くかもしれないので、一旦切って待ってておくれ。後でかけさせるからと言って、電話を切ったお豊は、さりげない様子で「西村乾物店」の様子を観に行く。

店にいた三太に聞くと、平吉はいると言うので、障子戸から茶の間を覗いてみると、新聞片手に競輪の予想をしている平吉が、妙子の宿題用の縫い物をミシンで踏んでいる音がうるさいと文句を言っている所だった。

障子戸を開けて顔を出したお豊は、平さん、身体の具合でも悪いのかい?火事なのに行かないなんて…、5丁目の鶴乃屋から火が出たらしいよと声をかける。

それを聞いた平吉は驚き、サイレンなんか聞こえなかったぞと戸惑い、照子も、私も聞こえなかったわと驚く。

お前がミシンガタガタするからこんな女にバカにされるんだ!と照子に文句を言いながら、平吉は出かけて行くが、上がり込んで照子の側に来たお豊は、岡本さんから電話だよ。一芝居打ったのさと話しかける。

すると、障子戸の所にいた平吉がお守り取ってくれ!と言うので、まだいたの!とお豊は驚く。

照子からお守りを受け取った平吉は、火事の現場と言う辺りにやって来るが、一向にそれらしい気配がない。

「のんき」の電話で岡本に連絡を取ってみた照子は、ぜひ話したいことがあるんだってとお豊に伝える。

そこに、平吉が戻って来たので、お豊がもう消えたのかい?と声をかけると、燃えもしてねえものが消えるかい!と怒鳴った後。照子、お前、何してるんだ?と聞く。

お豊は、用があって呼んだんだよ。女同士の大事な話しさとごまかそうとしたので、ははあ…、2人共謀して俺を騙しやがったな!と平吉は気づく。

その時、又「のんき」の電話が鳴り、お豊が出ると、平吉にだと言う。

腹を立てていた平吉は切っちまえ!と乱暴なことを言うが、本当に切って良いんだね?大沢さんだよと言いながらお豊が切ろうとすると、それを先に言えよと平吉はふてくされながら受話器を取る。

どうせ、競輪だろ?とお豊がバカにする中、平吉は、照子に出かけるよと言い残し、「のんき」を出て行く。

「シブヤ温泉 トルコ風呂」のスチーム風呂に入っていた平吉は、隣に入っている大沢(中村是好)から、こういうのも悪くないだろう?目の保養になると言われ、風呂上がりにビールを飲みながら、区会議員選挙の話しを始める。

俺みたいなものが当選するだろうか?と平吉は不安そうに言うが、後ろには区会議長の黒川さんが控えているし、実弾は俺が付いてると大沢は太鼓判を押す。

それを聞いた平吉は、俺は、正々堂々の公明正大な選挙をやりたいんだと反論する。

大沢は、ところで娘の方は大丈夫なのか?黒川さんの方じゃ、結納だけでも取り決めて欲しいって言ってるだが…。後で本人が嫌だなんて言うんじゃないだろうな?と平吉に確認すると、平吉は大丈夫だと答える。

その頃、照子は、恋人の岡本の下宿先に来ていた。

岡本は、紅茶を入れた照子にも構わず、会社の特許だと言う新しい回路のハンダ付けに夢中だった。

そんな岡本の仕事オタク振りを観た照子は、心配だわ。私より機械の方が好きなんですもの…とぼやく。

そんな照子に岡本は、今日、会社からもらったと言う、数々の特許で会社に貢献してくれたと言う表彰状を見せるが、こんなものよりも月給を上げてって会社に言ってよ。いつも一張羅の服を着て、コッペパンをかじっているような男に娘はやれないってお父さんの言葉も、無理はないのよと照子は迫る。

岡本も、そうかも知れないね…と呟き、家族を持つにはお金の事を考えないと…、この回路だって、君の歌を聴いて思いついたんだ。早く結婚しようよと言う岡本に、もうちょっと待ってねと照子が答えると、松代と岡本は素直に言うので、頼りないわね〜…と照子は呆れる。

待っちゃいけないの?と岡本が聞くと、今夜にでもお父さんに話すわと言って照子が立ち上がったので、のんきなおばさんに宜しく!と岡本は声をかける。

一方、新一は、ラジオのスタジオでバンドと一緒に演奏しながら歌を歌っていた。

「のんき」のカウンターで飲んでいたカップルが、イヤホンでトランジスタラジオの歌に聞き惚れていたので、お豊が何を聞いているんですか?と声をかけると、カップルはイヤホンを外して、ハリー牧と言う今流行りの歌手の歌だと紹介する。

それを聞いたお豊は、私はそんな歌好きじゃないですね。親不孝な声出して…と顔をしかめてみせる。

そこへ、妙子が、お父さんがおばさんを呼んでいると知らせに来たので、何か文句言うつもりじゃないかしら?と首を傾げながらも、板さんに店を任せて平吉の所へ行ってみることにする。

平吉がお豊を招き入れた時、照子が帰って来たので、店先にいた三太が、無言で今はまずいと知らせて、一旦、外に追い出す。

平吉から立候補の話を聞いたお豊は笑い出す。

確かに、区会議員なんてバカでも○ョンでも立候補できるけど…、当選したらどうするんだい?とからかうので、お前さんが主婦連の代表になれて、俺がなれない訳がない。俺には黒川さんが付いているんだと平吉は面白くなさそうに反論する。

それを聞いたお豊は、黒川さんに嫁に野郎としているのはそのためだったんだね?あんたの事は、ちょっとした江戸っ子だと思ってたけど、見損なったよと責める。

すると平吉は、今回の立候補の話はたまたまであって、政略結婚なんか考えていない!と否定するが、照ちゃんには岡本さんと言う恋人がいる事知っているんでしょう?とお豊は引かない。

機械に全部金をつぎ込むようなキ○ガイの親戚みたいな男にやれると思うか!と平吉は大声を出す。

大体、どんな人間が区会議員になっていると思うんだ?汚職をやるような奴ばかりなってるから俺が出るんだ。通るかどうかなんてどうでも良いんだ。娘たちにも少しは肩身の広い思いをさせてやりたいんだ。今まで親らしい事は何一つしてやれなかった。せめて、嫁に行く時くらい、親を自慢出来るようにさせてやりたいんだ。選挙に出て、最後の花を咲かせたいんだ、それが俺の最後の望みなんだ…と訥々と語る平吉も、それを聞いていたお豊も、どうせ、止めろったってやるんだろ?と良いつつ、いつしか泣いていた。

あんた、お人好しだから、人におだてられて騙されないかと思って…、今分かったけど、あんたが火事のたんびに飛び出すのは、人気取りの為だったんだねなどとお豊が独り合点するので、違うよ!と否定した平吉は、俺は公明正大な選挙で行きたいんだ。ただ困るのは信子の事だ。議員の娘がレビューの踊子じゃね…とぼやく。

それを聞いたお豊は、何言ってるんだい。今そう言うのが流行りなんだよ。大臣の娘がシャンソン歌手とか。あの子も顔は変なんだけど、良い身体しているから、歌でも歌わしたら良いんじゃない?カリプソなんか…とお豊が言っていると、カリプソを歌いながら当の信子が帰って来る。

その後、「のんき」に戻って来たお豊は、そこに照子と妙子がいる事に気づく。

お豊が照子に、あんた、お父さんの言う通りにした方が良いよ。平さんも、考える事は考えてるんだから…と言い聞かすと、妙子は驚いたように、おばさん!お父さんに買収されたわね!と責める。

するとお豊も負けじと、親の心、子知らずって、あんたたちの事だよ。うちの新一を見習うんだね!と叱りつけて来たので、そう言うのを親バカって言うんだわと妙子は嘲る。

夜、3姉妹は川の字に並んで布団の中。

お姉さん、何考えてるの?結局おばさんも古いのよ、お父さんと同じ。思い切って家出しちゃたら?と妙子は照子を焚き付ける。

その妙子、今度は逆隣に出ていた信子に、好きな人はいないの?と聞く。

すると信子は、相手の人は経済力だけではなく、芸術家じゃないと嫌なのよと言い、私の恋人は有名な絵描きで、私さえその気なら結婚したがってるの。でもその人には、長い間、病気で寝ている奥さんがあるのよと言うではないか。

その噂の小島は、アパートで、寒さに震えながら油絵を描いていた。

そこに入って来たのは、病身の妹君江(黒岩小枝子)、お隣のおばさんからお菓子をもらったのよと言いながら、茶を入れるが、途中、泣き出し、私、兄さんに悪くて…、病気ばかりして…と詫びる。

何言ってるんだ。たった2人きりの兄妹じゃないかと小島は苦笑する。

その小島が描いていた絵を観た君江は、これ、信子さん?と聞く。

その内、暇を観て、来るって行ってたよと小島は妹に言う。

いくらなんでも、病気の奥さんいる人と結婚出来る訳ないでしょう?…と、まだ、寝床の中で信子は話を続けていたが、気がつくと、妙子も照子も眠っていたのでがっかりし、スタンドの灯を消す。

でも、反対側を向いていた妙子はまだ寝ておらず、いたずらっ子のように舌を出していた。

「エレガント洋裁学校」の生徒作品発表会の日、新一たちのバンドが会場に来ないので、院長の花巻女子はやきもきしていた。

すぐに「のんき」に電話を入れてみた妙子だったが、新一が言うには、おふくろがファッションショーに一緒に行くと言うので、このままでは自分がバンドをやっている事がバレるので動けないらしい。

良いことがあるわ。おばさん、縁起をかつぐでしょう?だから、下駄の鼻緒を切っとくのよと妙子は入れ知恵を教える。

さっそく、包丁を持ち出し、置いてあった下駄の鼻緒を切った新一は、羽織を着て浮き浮き気分でやって来たお豊に、僕は行くの、止めた。勉強しなくちゃ行けないからと言うが、お豊の方は、草履が良いわねと言い出す始末。

その時、電話がかかって来たのでお豊が出ると、それは照子への取り次ぎを頼む岡本だったので、今後、電話のお取り次ぎはお断りしますと言って切ってしまう。

急用なんですけど?と戸惑う岡本の前には、大阪工場技術主任に任ずると言う辞令書が置かれてあった。

平吉の所に行き、電話の取り次ぎを断った事を教え、二度とかかって来ないと思うんだけどと言うと、茶でも飲んで行かないか?と平吉は誘う。

お豊は、それよりうちで一杯やらないか?と誘い、「のんき」に連れて行く。

「のんき」に残っていた新一は、包丁で草履の鼻緒も切っていたが、そこに戻って来たお豊は、平さんと一杯やる事にしたよと言う。

これ幸いと、勝手口から外に向けだした新一は、三太と店の女中がいちゃついている路地を通ってファションショーに出かけて行く。

お豊と一杯やり始めた平吉は、何しろ照子のお相手はズーパーマンだからねなどと笑うが、何言っているんだろうねと笑っていたお豊は、持ち上げた草履の鼻緒が切れている事に気づき、ぽかんとしてしまう。

ファッションショーをやる会場のロビーに来た照子は、偶然そこに来ていた黒川の息子(堺左千夫)から声をかけられ、式の日取りは食事をしながらでも話し合いましょうなどと切り出されたので、私、まだ何も聞いていませんと戸惑う。

しかし、図々しい黒川は、心配いりません、全部家の方でやりますからと、結婚話は既成事実のように話を進める。

その時、ショーの開始をしらせるベルが鳴ったので、2人は会場の中に入る。

ファッションショーのバックでは、何とか間に合った新一たちのバンドが生演奏をしていた。

そんな中、妙子は、自らモデルとなり、自分が作ったウェディングドレスを着て披露する。

図々しく照子の隣に座ってショーを観ていた黒川は、そんなモデルたちの足下を狙い、持参の8mmカメラで撮影していた。

その頃、浅草のカジノ座にいた信子を誘いに来た小島は、「自由制作展」と言う展覧会をやっていた美術館に一緒に行くと、自分が描いた絵を見せる。

その絵の下には「入賞」と書かれていたので喜んだ信子だったが、絵に描かれた女は誰?どっかで見た顔だけど…と聞く。

君じゃないか!と小島が教えると、そう言えば私らしいわね…と信子はようやく気がつく。

そこに、3人の中年紳士が近づいて来たので、小島は僕の絵の先生の深井(夏川大二郎)さんだよと紹介する。

モデルさんだね?なかなか良いですよ、この絵と褒めた深井は、今夜の会に招待したら?と勧める。

でも彼女は舞台がありますからと小島が遠慮すると、舞台が終わってからでも大丈夫だよ。君の愛人を誘惑なんかしやしないからと深井は笑う。

ショーが休憩に入ったので、黒川は出ましょうか?と誘うが、照子がここにいますと言うと、じゃあ、僕もここにいますと動こうとしない。

仕方がないので、モデルが着替え中の部屋に行き、妙子にどうしたら良いかしらと相談すると、断ったら良いじゃない!と妙子は簡単に言う。

そこに、8mmカメラを持った黒川が入って来て、照子さんは?などときょろきょろし始めたので、ここは男性入室禁止です!と言って妙子が追い出す。

妙子は良い考えがあると言いだし、部屋の外で待っていた黒川の元に、自分が作ったウェディングドレスを箱に入れて持って行くと、姉との結婚式用にこれを買ってもらえませんか?と勧める。

僕は和装の方が良いと思うんだけけど…と困惑する黒川に、絶対こっちが似合いますと強引に勧め、2万円で売りつけてしまう。

金を払いながら、照子さんは?と黒川が聞くと、もう帰りましたよと妙子はとぼけて答える。

その夜、二階の机で郵便通帳を観ていた妙子に気づいた照子が、それは何なの?見せなさいと取り上げてしまう。

すると、12万近くも溜め込んでいたので、あんた、これどうしたの?と照子は問いただす。

お小遣いを貯めたのよと言うので、あんた、足りない、足りないって、私から取っときながら…と照子は呆れ、一体この貯金、どうするつもり?何か買いたいものでもあるの?と聞く。

すると妙子は、独立する為の資金よ。学校を出たら、デザイナーとして自分のお店を持ちたいの。お父さん、頼りないでしょう?結婚すれば良いんでしょうけど、信子姉さんみたいなバカバカしい夢は持ちたくないし、照子姉さんみたいにもなりたくないの。だって、岡本さん、生活力ゼロでしょう?結婚って、好いた好かれただけじゃすまないと思うわなどとしいっかりしたことを言う。

その時、表から信子の声が聞こえたので出てみると、祝賀会で泥酔した信子が小島に抱きかかえられて送られて来た所だった。

一体どこでそんなになるまで飲んだの?と照子が聞くと、銀座よ!この人の絵が入賞したんだからね。私をモデルにした絵なの!この日と私の事惚れているくせに、意気地がないので何も言えないのよ!と大声を出す信子。

照子と妙子は呆れながらも、信子を家の中に連れ込み、小島は恥ずかしそうに帰って行く。

家の中に入ってもなお、信子はつまんねえの!親父!起きて!ウ〜ウ〜!とサイレンの真似をし、親父!火事だぞ〜と大声を出したので、寝ていた平吉が、火事はどこだ?と部屋から顔を出すと、ゲラゲラ笑いながらの抜こは二階に上がって行く。

翌朝、信子は二日酔いで頭が痛いと寝床の中で呻く。

あんなに飲むからよと呆れながら、薬を持って来てやった妙子は、小嶋さん困ってたわよ、姉さん、変な事言うから。お姉さん、本当は小嶋さんのこと好きなんでしょう?好きなのは金持ちの芸術家なんでしょう?そんなの大昔のメロドラマよ。好きなら一緒になれば良いじゃないと説教すると、人をバカにして!と信子は怒りだす。

その人なんて人?誰?と妙子が問いつめると、え〜っとね…と信子が考え始めたので、恋人の名を忘れたの?と妙子がからかうと、深井慎之助と言う偉い絵描きさんよと信子は答える。

その後、新一に茶店に呼びだされた妙子は、学校を辞めた事をおふくろに話そうと思っているんだと相談される。

家を出て、自活しようと思うんだ。妙ちゃん、その時、一緒に暮らさないか?と新一は打ち明けるが、何故か、妙子は上の空で話しを全く聞いてなかった。

そして突然、深井慎之助って知ってる?と聞くので、有名じゃないかと新一が答えると、信子姉さんの愛人だって言うのよと信子は言い、噓つけ!と新一は呆れる。

しかし、妙子は、そんぼ深井慎之助の家に行ってみることにする。

途中で出会ったクリーニングの配達人に場所を聞くと、君、モデルになるの?裸の…などと言われたので、失礼ね!と憤慨するが、屋敷はすぐ目の前だった。

アトリエで仕事中だった深井は、突然の妙子の訪問に戸惑いながら用件を尋ねる。

妙子は、姉を誘惑しないで下さい!姉は真剣なんですといきなり切り出したので、それは何かの誤解じゃないですか?お姉さんとお会いしたのは昨日が始めてでしたし、廻りには弟子がいましたから何も出来はしませんが…?と深井は戸惑う。

色々あなたの事は聞いています。奥様が長い間ご病気だとか…、姉は一緒になりたがっていますと妙子が訴えると、深井は、加奈子!と呼び、深井とお揃いのシャツをいた女性(立花暎子)がやって来ると、これが家内です。病気など患った事がありませんと紹介したので、妙子は始めて、自分の勘違いに気づく。

その頃、劇場にいた信子は、面会人だと言われて楽屋に来ると、そこにいたのは岡本だった。

岡本は、君に頼みたいことがあるんだ。実は今夜、僕、大阪に行くんだよと言い出す。

一方、「のんき」では、大沢と平吉が一緒に飲んでいた。

平吉は、だまして黒川の所に行かせるなんて、照子に何だかすまない事をしたような気がするな…とぼやいていたが、娘は俺万事任せろなんて言うから…と大沢がなだめる。

そんな大沢に、選挙と縁談は別だと言ってるじゃないかと平吉はごねる。

家に帰って来た信子は、三太が店先で居眠りしていた。

妙子が茶の間から出て来たので、姉さんは?と聞くと、いないわよ!と言うので困っちゃったわと信子が困惑していると、私、今日、深井さんの所へ行って恥かいたのよ!と妙子は文句を言って来る。

姉さんは岡本さんから電話があって会いに行ったんですと三太が言うので、そんなはずはないわ。今、私、岡本さんに楽屋で会ったのよ。大阪に行くって。お姉さんに一緒に行ってくれって切符を持たされたのよと信子は言い、電話には本人が出たの?と確認すると、「のんき」の女将さんが言って来たんですと三太が答える。

「のんき」では、平吉が酔いつぶれて寝ており、大沢も帰っていた。

そこにやって来た信子と妙子が、姉さん、どこに行ったの?と聞くと、お豊は岡本さんに会いに行ったと答える。

噓よ!私、さっき、岡本さんに会ったのと信子が反論し、黒川さんの所に行かしたんでしょう!と妙子が責める。

11時半の列車で大阪に行く岡本さんが待ってるのよ!行き先を教えて!と信子は迫る。

それでも、お豊は、私ゃ、平さんの言うことを聞いただけなんだから…と口ごもり、妙子は寝ていた平吉に、お父さんは姉さんが可愛くないの!と呼びかける。

結局は照ちゃんが幸せになれば良いんだから…などとお豊は笑うので、新ちゃんのお嫁さんがもし、おばさんの気に入らない人だったらどうするの?新さんはね、とっくに大学を辞めて、ハリー牧って言う歌手になっているのよ!と妙子はぶちまける。

あの親不孝な声のかい!とお豊は驚く。

おばさんたちにとってはバカバカしい事でも、私たちに取っては大切な事もあるのよ!おばさんたちと私たちの考えが違う事もあるのよ!と妙子は訴える。

お姉さんも、自分で何とかしようとしているのよ!と信子も言う。

もう、お父さんなんて相手にしないわ!とまで言うのを聞いていたお豊は、平さん、照ちゃん、岡本さんの所に行かせた方が良さそうだよ。私たちが間違ってたのよ。これから行って呼んで来るよと話しかけ、出かけようとするが、お豊とそれを呼び止めたのは、起きて顔を上げた平吉だった。

誰が止めるって言った?俺が行くよ。お前たちは家に帰って照子の荷物を作っとくんだと信子と妙子に言いきかせる平吉。

東京駅、発車間際の大阪行き急行列車の前でなかなか姿を見せない照子の事を待ちわびていた岡本は、発車時間が近づいたので諦めて車内に乗り込むが、席に着いた時、階段を駆け上がって来た三姉妹の姿が見え、妙子と信子は、照子を列車に押し込む。

そして、開いた窓から荷物を押し込むと、お父さんがくれぐれも姉さんを頼みますってと妙子が岡本に伝える。

岡本は近づいて来た照子に通帳を差し出すと、機械を売った金が80万場借りあるんだと打ち明ける。

向かい合って席に着いた照子に、生活力相当なもんじゃない?と囁きかける妙子。

やがて、発車ベルが鳴りだしたので、信子と妙子は照子と岡本に握手をして別れを告げる。

列車が動きだし、それを見送る妙子と信子は、お姉さ〜ん!と呼びかけ泣き出すが、すぐに帰ろう!と互いに声をかけ合う。

翌日、家に、黒川家との縁談がおじゃんになった事を文句を言いに来た大沢を前に、本人がどうしても嫌だって言うんだから仕方ないじゃないかと平吉は答えていた。

選挙は誰の応援もいらない。当落も問題じゃないんだと平吉は胸を張るが、だったら、これまで貸して来た金を返してくれ。10万くらいにはなるはずだ。まさか踏み倒すつもりじゃないだろうな?だったら、でかい口を叩くな!選挙にはどうしたって金はいるんだ!と大沢が開き直る。

その会話を聞いていた妙子は、自分の通帳を大沢の前に投げ出し、返すわよ。そこに10万入っているから。ハンコも一緒に入っているから後で返して!と啖呵を切る。

すると、大沢は、利息はどうする?5万はもらおうかな?等と言いだす。

その時、店先に来た新一がその話を聞いており、その金は僕が払うと言い、持っていたギャラを投げ出すと、もう用はないんだろう?だったらさっさと帰れよ。ぐずぐずしてたら塩を撒くぞ!と怒鳴りつけたので、大沢はすごすごと店を出て行く。

平吉が礼を言うと、新一は照れて帰って行く。

その時、三太が、深井さんって方が旦那に会いたいって来てますと伝えに来る。

平吉が出てみると、深井慎之助の妻の加奈子が店先に来ており、お願いしたいことがあって参りましたと言う。

「のんき」では、お豊の手伝いをしていた新一がラジオをかけると、そこから流れて来たのは自分の歌だったので、慌てて切ろうとするが、切れないで良いよ。ハリー牧だろう?そう悪くもないねとお豊は笑う。

お母さん…、実は僕…と新一が言いかけると、何でもおやり。責任を持っておやりとお豊は言う。

そこに妙子と一緒にやって来た平吉が、深井って人が信子をもらいに来たんだと教える。

白流会の審査員だそうだと平吉が自慢するので、信ちゃん、恋人がいるんじゃなかったのかい?とお豊は戸惑うが、弟子の小島って人が欲しいって言うんだと平吉は笑う。

それを聞いて安心したお豊は、後は妙ちゃんだけだねとからかうと、妙子は、もう決まってるのよと言うので、誰なんだい?と驚いたように新一が聞くと、嫌だわ、あんたじゃないと妙子は笑いながら逃げ出したので、喜んだ新一も後を追って出て行く。

後に残った平吉は、心底嬉しそうに、一本付けてよと頼み、お豊も嬉しそうに、あいよ!と答える。

外に出た新一に、女の子と一緒に通りかかった三太が、「プランタン」にいますよと教える。

茶店の「プランタン」でスケッチ帳に描いていた妙子は、新一がやって来ると、お母さんを騙したみたいに、私を騙しちゃ嫌よと甘える。

すると新一は、僕ね、もう1度大学に行こうと思うんだと言い出したので、結婚は?と妙子が不安そうに聞くと、君さえ良ければ、明日でも明後日でも…と新一は答える。

妙子は、今まで描いていたスケッチ帳のウェディングドレスの絵を掲げてみて、素敵でしょう?と笑う。

その妙子のスケッチに描かれたウェディングドレスの絵にだぶるように、岡本と照子、小島と信子、妙子と新一の3組の結婚写真が写る。

お豊と2人で酒を酌み交わしながら、自宅の茶の間でその三組の写真立てを眺めていた平吉に、何か一枚足りいと思わないかい?と語りかけるお豊。

その意味が分かった平吉は、お豊さんさえその気なら…と笑って答える。

その時、近くで消防車のサイレンが聞こえて来る。

あ、火事だ!と叫び、すぐさま立ち上がって窓から外を観た平吉は、良かないよ、煙が出てるよ!とそわそわしだす。

その煙を確認したお豊は、あれは煙突の煙じゃないかと呆れるが、もう上着を脱ぎだした平吉に、消火用の半纏を慣れた手つきで着せてやる。

平吉は、待っててくれよ。後でゆっくりだ!とお豊に声をかけて出かけて行く。

お守り持ったね?と確認するお豊。

平吉は嬉しそうに出かけて行く。

それを見守るような三組の結婚写真。