過去、何度か映画化されているコミック原作の映画化
ストーリー的には、「スーパーマン」(1979)と「スーパーマンII 冒険篇」(1981)のリメイクだが、CGI技術の進化を物語るように、冒頭からラストまで、凄まじいスペクタクルの連続の合間に、フラッシュバックのような形でケントの少年時代の思い出を挿入する構成になっている。
そして、ここでのスーパーマンは、もはや「銀行強盗を退治したり、救命活動をする正義のヒーロー」ではなく、凄まじいパワーを秘めた「破壊神」いや「モンスター」として描かれているのが特長だろう。
つまりこの映画は、スーパーマンがスーパーヒーローとして人類に歓迎される前の話で、ヒーロー映画と言うより「モンスター対決もの」に近いのだ。
もちろん、悪意を持って破壊をしているのは敵のゾッドの方なのだが、その破壊の原因になっているのはスーパーマンであり、彼自らの抵抗の姿も、破壊モンスターの姿に他ならず、自らの危険性をも人間に露呈しながら戦わざるをえない。
劇中、幼年期の思い出として、同級生の母親と対面したケントの母が、人間は理解できないものを怖がるのよと教える件が出て来るが、正に「スーパーマン」の存在は、普通に考えると「不気味な怪物」以外の何者でもないのだ。
従来の人間を助けるスーパーマンの善行の力等と言うのも、劇中で、ゾッドの副官ファオラが言っているが、「お前が1人助ける間に、こちらは100万人を殺してやる」事を実行されると、さしものスーパーマンでもどうしようもないと言う事なのだ。
あたかも「9.11テロ」を彷彿とさせるような都市破壊の連続を描かれると、その影で何千、何万もの被害が出ているに違いないと観るものを戦慄させる。
いくら最終的に地球を助けたので、それ以上の天文学的な犠牲は出さずにすんだように見えても、これではハッピーエンドどころか大量殺戮映画である。
これではとても、事件後、「スーパーマン、ありがとう!」と、市民たちが笑顔で手を振って見送るような雰囲気ではない。
全くのマンガだし、単なるストレス解消として観る分には派手で良いじゃないかと言う意見もあるだろうが、妙にリアリスティックに描いてあるだけ、どうしても現実のテロを連想してしまい、この都市破壊で犠牲になったはずの劇中の住民の事などを考えると、とてもスーパーマンをヒーローと崇めるような雰囲気になれない部分がある。
単純な子供の味方として描かれていた昭和ガメラを、「平成ガメラシリーズ」で大人の目線に置き換えた描写に変えた演出にだぶる所があり、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」ではないが、「私はスーパーマンを許さない!」と恨む犠牲者の関係者も多数出て来るような気がするのだ。
だから、ラスト、それまでの大惨事が何事もなかったかのように、平然とクラーク・ケントが出現して、平穏な生活の始まりを告げるようなご都合主義の描かれ方には、若干違和感を感じないでもない。
破壊された町並みの再建途中の描写とかがちらりとでも挿入されていれば、印象は違っていたかもしれないと思うのだが…
しかし、このシリーズ、スーパーマン役は毎回イケメンが起用されているが、微妙なのが、ヒロインになるロイス・レイン役。
別に美貌云々はどうでも良いのだが、個性派と言っても、正直、どの女優も、日本人の好みとはかけ離れているような気がする。
個人的な好みもあるのかもしれないが、どうも日本人が考える魅力的な女性と言う感じではないのだ。
だから、恋愛映画としても少しも乗れない気がする。
とは言え、いわゆる「スーパーヒーロー映画」としては疑問があるものの、「モンスター映画」好きとしては、何か気にかかる作品になっているような気がする。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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2013年、アメリカ映画、クリストファー・ノーラン原案、デイヴィッド・S・ゴイヤー原案+脚本 、ザック・スナイダー監督作品。 陣痛に苦しむララ・ロー・ヴァン(アイェレット・ゾラー) 出産するララ クリプトン星に地殻崩壊が始まった。 埋蔵エネルギーを使い果たしたのだった。 全員、クリプトン星から脱出しなければならない。 コデックスだけ渡してくれ。まだ希望はある…、そうジョー・エル(ラッセル・クロウ)は、元老院の評議会で発言していた。 その時、突然、レーザー銃を撃ちながら、議会に侵入して来たのは、ゾッド将軍(マイケル・シャノン)たちの一派だった。 クリプトン星は、お前等元老院だ!ゾッド将軍は、そう叫び、老人たちを部下たちに逮捕させると、友人であるジョー・エルの前に立つと、手伝えと声をかける。 しかし、ジョー・エルは、生き残るものを誰が選ぶのかとゾッドの考え方を否定し、もはや友とは思わん。ただの怪物だ! 連行される途中、ララと警護ロボットがやって来たので、ジョーは護衛を倒し、ララに発射の準備を命じる。 建物の外の様子を観ると、次々にゾッド将軍の一派によって都市が破壊されていた。 ゾッド一味は、コデックスを探していた。 ジョー・エルは、近づいて来た羽のある動物に飛び乗ると、空に飛び立ち、水中に飛び込む。 ゾッド一味はメカに乗り、執拗にコデックスの行方を追っていた。 水中では、樹木に着いた実のようなものの中に赤ん坊が眠っていた。 水中から上がり、再び翼のある動物に股がったジョー・エルは飛び立つ。 ララは、発射準備を終えた宇宙船に、自らが生んだ赤ん坊を乗せると、黄色い太陽の廻りを廻るとある惑星に目標を定めていた。 そこに合流したジョー・エルに、この子の歩く所は観られないのね。私は母親とは呼ばれないのねとララは悲しむが、だが、この子は宇宙のかなたで生き続けるとジョー・エルは慰める。 ジョー・エルは、「S」の文字が浮き出したキーのようなものを操縦装置に差し込むと、希望としてお前に与えると告げ、鎧を身にまとう。 そこに、ゾッド将軍が入って来る。 お前がコデックスを盗んだのは分かっているとゾッドが言うと、これは全てのクリプトン星人のためだ。数世紀振りに自然分娩を行ったとジー・エルが言うと、驚きに目を見開き、異端者めが!破壊しろ!と部下たちに命じると共に、自ら、ジョー・エルと剣で戦い始める。 そしてゾッドはララに、コデックスはクリプトン星の未来だ!発射を中止しろ!と呼びかけるが、ララは発射スイッチを押してしまう。 止めろぉ!と絶叫しながら、絶望したゾッドはジョー・エルを突き刺す。 赤ん坊をどこへやった!とララに詰め寄ったゾッドが聞くと、名前があるのよ。カル・エルよ。エルの息子と言う意味。あなたには見つけられないわとララが言うので、あの船を撃ち落とせ!とゾッドは命じる。 ゾッド一味の宇宙船が、赤ん坊を乗せて飛び立った宇宙船をターゲットロックする。 次の瞬間、ゾッドたちの宇宙船が爆発を起こす。 元老院側の船が救援に来たのだった。 逮捕されたゾッド将軍は、殺人、反乱の罪として300サイクル年の刑に処せられる。 ゾッドは、何故殺さん!と叫ぶが、ゾッド一味は、ファントムゾーンに閉じ込められる事になる。 ゾッドは、必ず奪われたものは見つけてやる!とララに向かって叫んだ後、一味の者たちと共に凍り付けに漁れ、ファントムゾーンの中に封じ込められる。 ララはその後、ジョー・エルの鎧を仕舞う。 大地が噴火を始め、警護ロボギノアが、ララに逃げるよう警告するが、逃げる所などないわ。ジョー・エルの言った通り、終わりよ。良い世界作ってな、カル…と呟いたララは、大地から吹き上がった炎に飲み込まれ、クリプトン星は大爆発して消滅する。 赤ん坊の乗った宇宙船は、月の横を横切って地球に向かう。 漁船 甲板で作業をしていたクラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル)の頭上に、魚を捕る金網箱が落下して来たので、とっさにケントを抱いて避けた船長は、使えねえ新入りだなとぼやく。 その直後、海底油田基地からのSOSが入電したので、漁船は漁を切り上げて現場に接近する事にする。 石油の掘削機は爆発寸前だった。 操縦室にいた船長は、新入りに双眼鏡を取ってこいと命じるが、返事がないので振り向くと、いつの間にか新入りの姿は消えていた。 石油プラットフォームは炎に包まれており、救援ヘリは近づけないでいた。 ヘリポート横の部屋の中に閉じ込められていた作業員たちは、突然、ドアが破られ、上半身裸のクラークが入って来たので肝をつぶすが、その男が倒壊寸前の掘削機を支えてくれていたので、何とか、ヘリポートから全員ヘリに乗り込む事が出来る。 救助隊は、炎の中に1人残った男も待つが、その男は、必死に掘削機を支えていたので動けないと知ると、やむなく飛び立つ。 次の瞬間掘削機は倒壊し、クラークは海の投げ出される。 水中に漂うケントは、小学生時代の事を思い出していた。 少年クラーク()は、授業中、周囲のものが透けて見える現象にパニックになっていた。 心配して近づいて来た女性教師の片田の中も全部透けてみせる、クラスメイトの身体の中も同じように見えた。 思わず教室を逃げ出したクラークは、とある部屋に閉じこもり、担任の女教師やクラスメイトが外から呼びかけても、中から出て来ようとはしなかった。 やがて、連絡を受け駆けつけて来た母親マーサ・ケント(ダイアン・レイン)が、声をかけると、世界は大き過ぎるよと言うケントの泣き声が聞こえて来る。 母さんの声に集中して!何が見える?と聞くと、海に浮かぶ小さな島が見えるとケントが答えるので、そこまで泳いで!とマーサは諭す。 やがて、内側からドアが開き、クラークが出て来る。 僕、どこかおかしいの?クラークはマーサに抱きつき尋ねる。 クラーク… 母親の声を聞いたような気がして、クラークは海中で目覚める。 頭上を、巨大なクジラの親子が通り過ぎて行く所だった。 海辺から上陸したクラークは、洗濯物が干してある家の庭先から、服をちょうだいして去ろうとするが、その時、スクールバスを見かけたので、また、小学生時代の事を思い出す。 スクールバスに乗っていたクラークは、後ろの席に座っていたデブのピートからからかわれていた。 隣に座っていた女の子は、クラークに同情的な眼差しで観ていたが、その直後、バスは橋の上で突然パンクし、運転手はハンドルを取られて、バスは川に落下してしまう。 バスの中には水が浸入して来て、子供たちは全員溺れて行く。 しかし、気がつくと、バスは岸に持ち上げられていた。 先ほどの女の子が、バスの後方部を観ると、何と、少年クラークが1人でバスを押しているではないか。 バスを岸に押し上げたクラークは、すぐに又川の中に飛び込み、ピートを救出して上がって来る。 その後、クラークの家にピートと共にやって来たピートの母親は、クラークがこんな事をしたの、今後がはじめてじゃないのよ…と恐ろしそうにマーサに訴えていた。 その時、外のブランコに乗っていたクラークには、家の中のその言葉が聞こえていた。 そこに近づいて来た父親ジョナサン・ケント(ケヴィン・コスナー)に、クラークは、助けたかったんだよと言い訳するが、お前の秘密の力は、誰にも知られちゃいけないって、話し合ったじゃないかと話しかけて来る。 もし、世間に、お前のことを知られたら、大人たちは大変な事になる。ピートのママを観ただろう?人は、何か理解できないものを怖がるんだ…と、ジョナサンが優しく言い聞かすと、おばさんが言っていたけど、これって、神様のせい?とクラークは質問する。 すると、ジョナサンはクラークを納屋の中に連れて行く。 納屋の床を開けると、その下に、観たこともない装置のようなものが隠してあった。 お前はこれに乗って来たんだ。政府の役人が来ると思ったが、誰も来なかった。一緒にこれが入っていた…と言いながら、ジョナサンは、Sの字が浮き彫りになったキーのようなものを見せ、大学に調べてもらったら、観たこともない物質だと言われた。 つまりこれは、この世のものじゃないって事だ。 お前は、理由があってここに来た。いつの日か感謝する事になる。その時に考えるんだ、自分の正体を明かすかどうか…。でも、お前には、宇宙のどこかに、もう1人、父がいて、お前をここにやった。それを一生かかっても、突き止めるのが、お前の氏名だ…、そうジョナサンは言い聞かす。 近くの島にアメリカ軍が来ていると、ドライブインの客が噂している。 ラドロと言うトラックの運転手がウエイトレスをからかう。 それを止めようとしたのは、ヒッチハイクでこの町に来て、店で働くことにしたクラークだったが、ラドロはクラークにビールを浴びせかけ殴り掛かって来る。 ウエイトレスは、相手にしないでとクラークをなだめるが、耐えきれなくなったクラークは、エプロンを外して店を出て行く。 その背中に、ラドロが空の缶を投げつけて来る。 その後、店を出て、店の前に停めて置いた自分のトラックに目をやったラドロは、唖然として凍り付いてしまう。 何と、大きな丸太が何本も組み合わされ、路上に置いてあったが、その上の部分に自分のトラックが貫かれ、あたかも巨大なオブジェのようになっていたからだった。 その後もクラークは、ヒッチハイクしていた。 その頃、北極近くの島にヘリで降り立ったのは、デイリープラネット新聞社の女性記者ロイス・レイン(エイミー・アダムス)だった。 それを出迎えたのは、ハーディ大佐(クリストファー・メローニ)と科学者エミール・ハミルトン博士(リチャード・シフ)。 彼女は、アメリカ軍が北極海の島で、何か秘密の行動を取っていると気づき、取材を申し込んだが拒否されたので、裁判所に訴えて、取材中止命令が却下されたため、改めて取材に来たのだった。 軍が開示した秘密とは、北極の氷の下300mの所に道の物体が埋まっており、その周囲の氷は2万年前のものと言うことだった。 バケツがトイレ代わりの部屋を当てがわれたロイスは、その夜、暗視カメラで氷山を覗いていた時、1人で氷山に向かって歩く人影を発見、好奇心に駆られ、後を尾行する事にする。 その人影はクラークだった。 何かに導かれるように、クラークは目から熱線を出して氷を溶かしながら、進んでいた。 ロイスも、クラークが造ったトンネルを伝って、後を付いていた。 クラークは、とある機械のようなものを見つけたので、ペンダントにして胸から下げていた「S」の字型のキーを差し込んでみる。 その時、背後に迫った警護ロボットから伸びた触手がクラークに巻き付いて来たので、クラークは急いで、キーをメカに押し込む。 すると、警護ロボは、クラークを認証したのか、触手を引っ込める。 クラークは建物のような奥に人影らしきものを発見、その後を追うが、ロイスも又、機械の側に近づきつつあった。 ロイスは、機械に触ろうとして、警護ロボットに教われ、悲鳴を上げたので、それに気づいたクラークが戻って来て、警護ロボを破壊する。 そして、ロイスが腹部に負傷している事を知ると、目から光線を出し、傷口を焼いて応急処置をする。 島に駐屯していたアメリカ軍野営地は、にわかに起きた地震に驚き、隊員たちが外に出てみるが、氷山の下から浮上した巨大な宇宙船がどこヶともなく飛び立って行くのを見送る。 飛び去った宇宙船は、1万8千年前から凍り付けになっていた。私を救った男は消えた。私は確かに目撃した。それは地球上のものではない…、会社でロイスが書いた記事を呼んだ編集長のペリー・ホワイト(ローレンス・フィッシュバーン)は、国防総省は否定していると反論するが、私は、ピューリッツァー賞を受賞しているんですよ!と主張する。 しかし、ペリーは、うちには載せられない。宇宙人が存在するなんて…と、きっぱり言い渡す。 怒ったロイスは、ネットに流してやる…と呟くと、バーで悪質サイトの管理人グッドバーンに出会い、その記事をリークする。 何故俺なんかに?とグッドバーンは戸惑うが、私が知っているって、彼に伝えたいのとロイスは言う。 一方、飛び立った宇宙船の中に残っていたクラークは、謎の人物から、立派な大人に成長したな…と話しかけられ、あなたは?と戸惑っていた。 父の残像…と言うか、意識だ。私の名前は、ジョー・エル、お前の名はカル・エルだとその人物の映像は言う。 クラークは、自分の故郷の話を聞く。 ジョー・エルの幻影は、クリプトン星の歴史を解説し出す。 かつて、クリプトン星は、宇宙中に植民地星を作り、繁栄を誇っていた。 植民地星にふさわしい星を見つけると、待機を自分たちに合うようにテラフォーミング(惑星環境修正)をし、10万年に渡り君臨して来た。 人口のコントロールも可能になり、植民地を増やして行った。 ところが、そうこうするうちに、エネルギーが枯渇して来た。 そして、ゾッド将軍がクーデターを起こした。 クリプトンでは、子供は生まれて来たときから職業が決められている。 もっと職業や人生の選択の自由があっても良いと思う。 子供たちには、もっと偉大なものを目指して欲しい。 そう考え、お前は、自然分娩で生まれた。 話を聞いていたクラークは、何故一緒に来なかったの?と父、ジョー・エルの幻影に尋ねる。 我々はクリプトンの失敗の産物である。 しかし、お前は、地球人の子供でもある。 地球人と我々は違う。お前が希望なんだ。それを彼らに伝えるのだ! ジョー・エルの幻影が語り終えると、目の前に、マントとコスチュームが出て来る。 いつしか、そのコスチュームに着替えたクラークは、何故僕はみんなと違うの?と再び問いかける。 北極の地上に出たクラークは、思い切って飛んでみる。 最初は飛ぶ方法が巧くコントロールできず、山に墜落したりするが、再び大空に向け飛び立つ。 地球人たちは、お前を理想とし、憧れるだろう。(ジョー・エルの声が聞こえる) 友に光に包まれる事になる。共に奇跡を起こせ! 大空を飛び回っていたクラークは、いつしか大気圏外にまで飛び出していた。 その頃、ロイス・レインは、クラークの身元を独自に調べ上げていた。 クラークが過去働いていた店や、そこでクラークに会ったことがある人間に1人ずつ当たって行き、とうとう、クラークの母親マーサに会い、父親ジョナサンの墓の前でクラークと再会する。 しつこく調べていたら、いつか会えると思っていたわ…とロイスが感激して話しかけると、記事に書かれたくないって言ったら…とクラークは答える。 父に言われたんだ。 (回想)青年になっていたクラークは、両親と愛犬ハントと共に、車で移送中、つい父親に反抗してしまう。 うちは5代も続く農家だ。お前は畑で拾った。懸命に育てて来たつもりだったが、努力が足りなかったのかも知れない…、運転していたジョナサンはそうクラークに言う。 その時、竜巻がこちらに向かって接近している事に気づいたジョナサンは、車を停め、クラークとマーサを促し、車を降りると、他に停まった車の連中等と共に近くの橋の下に避難しかける。 その時、愛犬ハントを車の中に繋ぎっぱなしだった事に気づいたクラークが戻ろうとすると、お前はままを守れと言い残し、ジョナサンが1人で車に戻って行く。 竜巻はもう車の目の前まで迫っていた。 ジョナサンは、愛犬を車から出すが、ジョナサンは足が車に挟まって身動きできなくなる。 クラークは父親を助けに行こうとするが、ジョナサンは、来るなと言う風に手をあげ制すると、そのまま竜巻に巻き込まれ吹き飛ばされてしまう。 (回想明け)何も出来ず、父さんを殺してしまった…とクラークは悔むように呟き、僕を信じてとロイスに伝える。 デイリープラネットに帰ったロイスは、この前の情報をグッドバーンに漏らした事がバレており、ペリー編集長がかんかんに怒っている事を知る。 ペリー編集長は、あれから取材をやったが、裏撮りが出来なかったと報告に来たロイスに定職2週間を言い渡すが、ロイスが素直に承知したのを怪しみ、3週間と言い直す。 ペリーは、ロイスが、裏を取れなかったと言うのも怪しいと疑っていたのだ。 クラークは久々に、母親マーサの元に帰って来ていた。 新聞記者が来たよとマーサが教えると、友達だ、心配ないと答えたクラークは、母さん、分かったんだ!僕の両親やどこから来たのかが…と打ち明ける。 マーサは、良かったね…、母さん、本当に嬉しいわ…と呟いた後、遠くを思い出すように、赤ん坊の時、ずっとお前の呼吸を聞いていた。母さん、心配だったわ…。いつか世界中がお前を受け入れるわ。心配だったのは、お前がどこかに連れて行かれるんじゃないかと思って…と言うので、クラークは、僕はどこにも行かないよと約束する。 その頃、国防省にやって来たスワンウィック将軍(ハリー・レニックス)は、モニターに映し出された怪し気な影の正体を聞く。 それは巨大な宇宙船のようで、月と同じ軌道内に入ったとエミール・ハミルトン博士から説明を受ける。 デイリープラネットでは、定職になったロイスが、他の社員たちの様子がおかしい事に気づいていた。 全員、テレビ画面を観るために集まっている。 UFOが出現していた。 クラークとマーサも、テレビ画面に注目する。 プラネット社が急に停電し、クラークの自宅の電気も切れていた。 テレビ画像が乱れ、怪しい映像が写ると共に、君たちは1人ではないと言うメッセージが、世界各国の色々な言語で流れ始める。 その画像がスマホにも写っていた。 私はゾッド将軍だ。 この世界に1人、わたちの仲間が紛れ込んでいる。 彼は君たちの仲間ではない。 カル・エルよ、24時間以内に降伏しろ!さもなくば、この世界に災いが及ぶだろう。 そのメッセージを聞いたクラークはマーサを抱きしめる。 その後、あのグッドバーンがテレビ出演し、宇宙人の秘密をロイス・レインが知っているようだと漏らしていた。 ペリー編集長はロイスの自宅に電話を入れ、君を探してFBIが来ていると連絡を入れる。 ロイスはアパートから急いで逃亡を図るが、すぐに発見され、同行を求められる。 (回想)クラークは、小学生時代、不良たちに虐められそうになっていた。 意気地なし!と罵られても、決してクラークは逆らわなかった。 いつしか、ピートが手を差し伸べて起こしてくれるようになっていた。 そんなクラークに近づいて来たジョナサンは、怪我はないか?と聞いて来るが、ある訳ないとクラークはふてくされる。 気持ちは落ち着いたか?殴ったら、気は晴れるかもしてないが、どんな大人になるかよく考えろ。お前は善人であれ悪人であれ、世界を変えるんだからと父は諭す。 (回想明け)とある教会に来たクラークは、あの宇宙船は僕を探しているんですと牧師に懺悔する。 僕が名乗り出たって、ゾッドが去るかどうかは分かりません。地球を助けるために行くべきですか?とクラークは問いかける。 ゾッドも信用できないけど、地球人も信用できないんですと迷うクラークに、まずは、信じてみたらどうでしょう?全てはそこから始まりますと牧師は答える。 軍隊の前に出現したクラーク、いや、コスチュームに身を包んだスーパーマンは、ロイス・レインに会いたいと告げる。 スーパーマンは、大人しく手錠をされ、軍隊の取調室でロイスと2人きりになる。 ハーフミラーの背後では、スワンウィック将軍やエミール・ハミルトン博士が2人の会話を傍聴していた。 自分は人類に身を任せたんだ。ゾッドじゃない。それでみんなが安心できるなら…と打ち明けたスーパーマンは、ロイスから、胸の「S」の字の意味を聞かれ、希望を現す印だと教えるが、ロイスは、そう言われない?スーパー…と言いかけるが、スーパーマンは、ハーフミラー越しに、博士や軍人たちが見えている事を明かし、手錠もあっさり壊してみせて、何の意味もない事を悟らせる。 君を引き渡すよう命じられていると軍人から告げられたスーパーマンは、大人しく従うと約束する。 やがて、砂漠でスーパーマンの引き渡しが行われる事になり、軍隊が見守る中、1機の宇宙船が降下して来る。 中から降りて来た宇宙人は、女性の姿に変身する。 ゾッド副官ファオラ(アンチュ・トラウェ)だった。 ファオラは、スーパーマンだけではなく、その場にいたロイスも連れて行くと言い出したので、軍人側は、人間とは聞いていないぞ!と色めき立つが、ロイス自らが同行を承諾する。 宇宙船に乗り込んだスーパーマンは、こっそり自分が持っていたコマンドキーをロイスに渡す。 そのロイスは、宇宙船内の空気に適合できないため宇宙服を着せられる。 スーパーマンはゾッド将軍に対面するが、宇宙船内の空気に馴染めないせいか、地球上のようなパワーが出ず、体力を失いその場に倒れ込む。 その様子を観ていたロイスは、助けてあげて!と嘆願するが、順応を待つしかないようだった。 ゾッドは、自分たちはクリプトン星を守るために戦ったが、元老院に捕まり、ファントムゾーンに入れられたが、そのファントムゾーン自体がクリプトン星の破壊の余波で破壊され、ファントムゾーン装置自体を宇宙船として生還する事が出来たと説明する。 その後、植民地を巡るうちにワールドエンジンを手に入れた。 そして、お前が乗っていた宇宙船から出ていた救難信号を探知してここへやって来たらしかった。 クリプトン星人の存亡はお前にかかっている。クリプトン星人のDNAは全てコデックスに入っており、クリプトンをこの地球で復活させるとゾッドは言い出し、コデックスはどこだ?と迫る。 スーパーマンは、地球上が破滅する幻影の中に入り込み、ダメだ!そんな事はさせない!と拒否するが、ならば、お前も埋もれてしまえ!とゾッドに言われ、全滅した人類の骸骨の海の中に溺れて行く幻影を観る。 その直後、宇宙船内の現実に戻ったスーパーマンは、お前の父親は立派に死んだよとゾッドが語ったので、ゾッドが父親を殺した事を悟る。 その頃、アメリカ軍では、ゾッドの宇宙船から2機の小型宇宙船が飛び出したのをレーダーで確認していた。 宇宙船内では、ロイスも個室に閉じ込められるが、そこにあったメカに、先ほどスーパーマンから預かったコマンドキーを差し込んでみる。 すると、突然、見慣れぬ人物の姿が出現する。 スーパーマンの父ジョー・エルの幻影だった。 ロイスが今差し込んだのはコマンドキーで、この船は私の船だと明かしたジョー・エルは、宇宙船内の空気を地球上のものと同じ組成に変えてやる。 部屋の扉もジョー・エルの幻影が開けてくれ、ゾッドの配下も倒してくれたので、ロイスは脱出ポッドの所まで逃げる事が出来る。 同時に宇宙服も消えたので、ロイスはポッドに乗り込みゾッドの宇宙船を脱出する。 その頃、スーパーマンも、宇宙船内の空気が地球と同じになったので体力が戻り起き上がっていた。 ジョー・エルの幻影にスーパーマンは、コデックスの話は本当なのか?と問いかけるが、ジョー・エルは、まだ地球の事を学ばせたかった…、やがて2つの種族の架け橋になれるように…。お前なら救える。彼女も地球も!と答える。 ロイスの脱出ポッドが地球の大気圏に突入し燃え始めたので、ゾッドの宇宙船を飛び出したスーパーマンは、そのポッドに追いつき、ロイスを救出する. 一方、母親マーサのいる自宅前に飛来したゾッドの小型宇宙船が飛来する。 スーパーマンはロイスを畑に中に優しく降ろす。 ロイスは、スーパーマンのことを言うまいと思ったけれど、頭の中をのぞかれて…と謝罪するが、スーパーマンは自分も同じ事をされたと教え、飛び立って行く。 小型宇宙船から降り立ったゾッドやファオラたちは、マーサに、あいつが乗って来た宇宙船は?と聞くが、マーサは答えない。 ファラオは、そんなマーサを念力で持ち上げると、マーサが一瞬観た納屋の中だと気づく。 その地下に隠されていたカル・エル、つまりケントが運ばれて来た宇宙船を見つけるが、捜査した結果、そこにもコデックスはない事が分かる。 ファラオはマーサに、どこに隠した?と問いつめるが、マーサは知らないと言うばかり、そこに飛んで来たスーパーマンは、良くも母を脅したな!と怒り、ゾッドを殴りつける。 ゾッドは、自分の感覚が地上ではおかしくなっている事に気づく。 その様子を見たスーパーマンは、僕は両親からコントロールするすべを習った。苦しいだろう?と嘲る。 そこにファラオたちが、もう1機の宇宙船でやって来て、ゾッドを救助すると共にスーパーマンと戦い始める。 一方、そんな町に軍隊はガーディアン空挺部隊を接近させていた。 スーパーマンとファラオや大男が戦っている所を発見した空挺部隊は、空から遠慮なく発砲して来る。 しかし、そんな攻撃等、何の痛痒も感じないスーパーマンやゾッドの部下たちは、その後も町中で戦いを続行する。 町の建物は次々に破壊されて行き、その中には、クラークが子供時代、川に転落したバスから救助したピートが店員になっていたレストランもあった。 両者は一瞬互いに、成長した姿を確認し合うが、もはや言葉を掛け合う余裕すらなかった。 ヘリ部隊は、さらにう戦い続けるスーパーマンたちに攻撃をくわえて来る。 そんな中、スーパーマンはファラオに襲われそうになっていたネイサン・ハーディー大佐(クリストファー・メローニ)を助ける。 しかし、ファラオは、お前は勝てない。お前が1人人間を救うたびに、私が100万殺すと嘲る。 そんなファラオを取りあえずスーパーマンは倒し、小型宇宙船が倒れたファラオを連れて去って行く。 助けられたハーディー大佐は、この男は敵じゃないとスーパーマンを仲間たちに擁護してくれたので、スーパーマンはありがとうと言い残し、取りあえず、家を破壊された実家に戻る。 スーパーマンの衣装に身を包んだクラークの姿を観た母マーサは、ステキなスーツねと褒め、家が壊された事は平気だと答える。 そこにやって来たロイスが、ゾッド将軍はコーデックでクリプトン星を蘇らせようとしているとスーパーマンに教える。 その頃、宇宙船の中では、ゾッド将軍の配下の科学者ジャクス=ウル(マッケンジー・グレイ)は、10億人分のクリプトン星人のDNAが入ったコーデックは、あの息子の中に隠したんだ!と気づく。 それを聞いたゾッド将軍は、カル・エルを殺せ!ワールドエンジンを放て!と命じる。 ゾッドの宇宙船から2つの物体が放たれ、東と南に別れた1つは南太平洋上に落下、もう1つはメトロポリス上空に降下して来た事を軍隊は察知する。 ジャックス博士は、ファントムドライブを接続し、ワールドエンジンと同期させる。 メトロポリス上空に浮かんだワールドエンジンが放つ衝撃波で、ビル群が次々に破壊されて行く。 地球の両端で作動し始めた2つのワールドエンジンが、地球上の大気をクリプトン星と同じ組成に変化させるテラフォーミングである事をエミール・ハミルトン博士も気づき、スワンウィック将軍に伝える。 ゾッドは、地球をクリプトン星に変えるつもりなのだ。 その場にやって来たロイスとスーパーマンは、スーパーマンが南太平洋情のワールドエンジンを破壊する一方、クリプトン星から乗って来た小型宇宙船を、C17貨物機でメトロポリス上空のワールドエンジン上空まで運び、そこで落下させる計画を話す。 その頃、ゾッド将軍は、ファラオに指揮を執らせ、ジェネシス・チェンバーを起動させていた。 小型宇宙船をC17貨物機で運ぶ操縦をしていたのはネイサン・ハーディー大佐だった。 宇宙船内でゾッド将軍は、地球上での感覚コントロールをどうやらマスターしていた。 そして、北極にあるジョー・エルの宇宙船にやって来たゾッドは、ジョーの幻影に再会する。 メトロポリスでは、空中に浮遊しているワールドエンジンを破壊せんと、ミサイル攻撃がくわえられていたが、バリアによって妨害され、装置に届く前で落ちてしまう。 メトロポリス新聞社のホワイト編集長は、社員たち全員に避難するよう命じる。 スーパーマンは、南太平洋上で作動中のワールドエンジンを止めようとしていた。 メトロポリスでは、市民たちが壊滅しかかる町の中で逃げ惑っていた。 人間との共存は可能だ。お前がやっているのは大虐殺だと、ジョーの幻影はゾッドに語りかけていた。 息子はお前よりはるかに無力だ、決着は俺が付けるとゾッドは言い返す。 スーパーマンは、ワールドエンジンから出て来た触手と戦っていた。 外に出たホワイト編集長は、女性編集者のジョニーが崩れた鉄骨の下敷きになっているのを見つけると、ロバートと共に助け出そうとする。 スーパーマンは、南太平洋上のワールドエンジンに体当たりし、何とか環境破壊を阻止する。 それに気づいたスワンウィック将軍は、荷物投下を輸送機を操縦していたハーディー大佐に許可する。 輸送機の中では、小型宇宙船の側にいたロイスがスーパーマンから預かったコマンドキーを小柄宇宙船に差し込むが、きちんと押し込まないうちに、ファラオが乗り込んで来たので、装置が作動しない。 そこに、ゾッド将軍が操縦する小型宇宙船が接近して来る。 あの輸送機を狙えと部下に命じるが、そこへスーパーマンが飛び込んで来て、やめろ!と阻止する。 スーパーマンの妨害でゾッドの宇宙船は墜落し始めたので、それに気づいたファラオは、ゾッドを救援に向かう。 装置の側にいたエミール・ハミルトン博士は、装置が傾いている事に気づき、位置を修正してみると、コマンドキーは中に入り始める。 その時、振動で、ロイスは輸送機の背後から落ちそうになる。 そこに再びファラオがやって来る。 ハミルトン博士は、コマンドキーを押し込む。 ハーディー大佐は、ファラオに脅されていたが、本望だ。名誉の死を得られると呟くと、そのまま輸送機をメトロポリス上空のワールドエンジンに突っ込ませる。 ロイスは、衝突直前飛行機から落下するが、飛来したスーパーマンによって助けられる。 ワールドエンジンは輸送機の体当たりで大爆発を起こす。 ロイスとスーパーマンははじめてキスをする。 ファースと期すの後は醒めるって言うでしょう?とロイスが心配げに言うと、それは地球の男の話だと思うよとスーパーマンは笑う。 そして、ロイスから離れたスーパーマンはゾッドと対峙する。 地上に降り立ったゾッドは、観ろ!これを!クリプトンの再現も水の泡だ!と激怒していた。 お前が同族よりも地球人を守ったために!この償いはさせてやる!お前が愛する地球とやらを壊してやる!怒り狂うゾッドに、この怪物め!そうはさせない!とスーパーマンも睨み返す。 両者の壮絶な戦いが始まる。 ゾッド将軍も、目から光線を放ち攻撃を仕掛けて来る。 この結末は2つに1つ!お前が死ぬか、私が死ぬかだ!とわめくゾッド。 工事現場にやって来たゾッドは、私は兵士だ!戦うために日夜鍛えて来た!お前はどこで鍛えて来た?農場か?と嘲ったゾッドは、それまで身につけていた鎧を外すと、スーパーマンと空中戦を始め、宇宙まで跳び上がると、軌道上の衛星の上でまで戦い続ける。 地上の駅構内のような場所に降り立ったゾッドは、そんなに兄お連中が好きか?と言いながら、ゾッドはその場に逃げ遅れた家族にスーパーアイ光線を浴びせようとする。 やめろ〜!と叫んだスーパーマンは、ゾッドの背後に飛びかかると、その首をへし折ってしまう。 そこにロイスが駆けつけて来るが、スーパーマンは泣いていた。 そんなスーパーマンを優しく抱きしめるロイス。 数ヶ月後、女性兵士と共にジープで走っていたスワンウィック将軍の前に、無人偵察機が落下して来る。 その後から飛んで来たスーパーマンは、もう監視を止めてくださいと頼む。 今後も我々に抵抗しないと言うのかね?とスワンウィック将軍は問いかける。 いまだに、凄いパワーを持つスーパーマンの事を信頼しきっていないのだった。 やり方は任せてください。まずはあなたを信じてみるとスーパーマンは言い残し、飛び去って行く。 将軍は同伴して来た女性兵士がニヤついているのに気づき、訳を聞くと、ただちょっと…、彼ってセクシーだなってと言うので、憮然とした将軍は、帰るぞ!と命じる。 自宅に帰って来たスーパーマンに、父さん、この日が来るのをずっと待ってた。お前が奇跡を起こせるのをね。大丈夫、観てたわ、墓地で…とマーサは話しかける。 スーパーマン、いや、クラーク・ケントは、在りし日の父親の事を思い出す。と、考えてみた。仕事に就くよ。世界中の情報が集まる所で、危険な所に言っても誰も詮索しない職場だとマーサに告げる。 メトロポリス新聞社に復帰していたロイスは、新人特派員を紹介される。 メガネをかけたその新人を観たロイスは、ロイス・レインよ、よろしく!と声をかけると、新人クラーク・ケントも、よろしくロイス!と笑顔で挨拶する。 タイトル |
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