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太陽娘と社長族

中山昭二と久保菜穂子のダブル主演のコメディ映画。

ダンサー出身の中山昭二が、全身黒塗りで腰みの姿の現地人ダンス等を踊ってみせるのが、楽しくも珍しい作品となっている。

「久保菜穂子特集」上映前の場内音楽で「マイティジャック」が流れていたが、そう言えば、久保菜穂子さんは「マイティジャック」の隊員だったし、中山昭二さんも「ウルトラセブン」の隊長役だった人。

さらに、テレビディレクターを演じているのは、その後、村上不二夫と名を変える三村俊夫で、この人もテレビヒーロー「遊星王子」の主人公を演じていた人。

みんな、新東宝を離れた後は、子供向けの特撮ものに出ておられた訳で、曲がりなりにも銀幕スターだった方達の当時のお気持ちはどんなだったのだろう?と忖度したくなる。

劇中に「シスターボーイ」なる言葉が登場し、なんとなくおねえ風の男も登場したりと、当時シスターボーイと呼ばれていた丸山明宏(美輪明宏)の人気振りを彷彿とさせたり、「チンチンかもかも」なる死語等が登場したりする時代だった事が分かる。

テレビ番組の最中に流れる生コマーシャル等と言うものも懐かしい。

この当時、ショートヘアの久保さんは確かに初々しく見えるが、相手役の中山昭二さんの方は青年と言うにはいささか老けてみせる。

オールバックの髪型だけではなく、ダンサー役で踊っている時、明らかにお腹がたるんで見えるからだ。

キリヤマ隊長を演じていた時は40歳くらいなので、貫禄があってもおかしくないのだが、この映画の頃はまだ30歳くらいのはずで、それであの体型では青年に見えないのも不思議ではない。

当時は、スターが身体を鍛えると言う発想がなかったのかもしれない。

男性だけではなく、女性も脱ぐとぽっちゃりしている人が多い。

そんな中、さすがに、この作品でヒロイン役を演じている3人娘の女優さんたちはスリムできれいである。

話はどうと言うことのないドタバタで、特に、政治漫才でお馴染みだったコロムビア・トップ、ライトが間抜けな探偵助手を演じているの等は、いかにも泥臭い感じがする。

ヌーディスト村等と言う素材は、当時は珍しかったのだろうが、下着姿でヌードと言われても困る。

特に男性は、明らかにパンツをはいている上からバスタオルを巻いていたりと、いかにもチープ感丸出し。

時代が時代だけに、別に本当のヌードを出せとは言わないが、さすがにこれでは、見せ場にも笑いにもならない。

ストーリー自体は陳腐ながら、久保菜穂子らのコメディエンヌ振りは楽しめる作品になっている。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1958年、富士映画、梅樹満咲原案、内田弘三脚本、小森白監督。

テレビ塔の上に集合したホテルに同居中の3人娘、リーダー格の芳子(久保菜穂子)は、数子(瀬戸麗子)と芙美江(小畠絹子)を前にして宣誓書を読み始める。

結婚する相手は金持ちに限ること!

貞操は成功の確認があるまで放棄しないこと!

現代娘は、貧乏なサラリーマン等と結婚するような愚かしいことはせず、金持ちと結婚し、シスターボーイを数名雇って身の回りの世話をさせる。これが理想よ!と芳子は高らかに宣言する。

芳子は、大富豪がハワイや南米から来る!と書かれた新聞を他の2人に見せ、運動費、つまり金持ちとの交際費を3人で5万ずつ、計15万出し合いましょうと提案する。

その後、3人娘は、金持ちが到着する羽田空港に向かうと、自分たちも着飾り、今、パリから帰国して来たばかりの娘の芝居をし始める。

すると、いきなりコールマン髭のジョー(ジョージ・ルイカー)と言う外国人が声をかけて来て、自分の名刺を手渡して来る。

そこには、支配人、社長と肩書きが記されていたので喜んだ芳子たちだったが、ルミ(西朱実)なる女がジョージに抱きついて来たので、がっかりする。

その直後、大きなバッグを抱えおどおどした青年田口(中山昭二)が、東京ははじめてなのだが、どこかホテルをご存じないだろうか?と3人娘に話しかけて来る。

しかし、3人がうさん臭そうな目で観ていることに気づいた田口は、すぐにその場を立ち去っていくが、案外、ああ言う人がお金持ちだったりするのよと芳子が言い出したので、慌てて3人は、建物の外に出ていた田口に声をかけ、1人で大丈夫ですと断ろうとする田口を無理矢理タクシーに押し込むと、自分たちも泊まるからと言いながら、東京のホテルに向かう。

ホテルの部屋に付いた田口は、すぐさま持って来た大きなバッグを開けて見るが、中味は大量の女性下着だけなので、しまった!大切な資金を盗まれた!と叫ぶ。

そんな田口の部屋の前に、他の2人を出し抜いて、そっとやって来たのは芳子だった。

部屋のドアをノックして見るが返事がない。

その時、通りかかったボーイが芳子に、その部屋は誰もいません。

さっき入った方はお金がないと言い、すぐに出て行かれましたと言うではないか。

唖然とする芳子の前にやって来たのは、出し抜いたはずの数子と芙美江で、ちゃんと芳子の行動を陰で見張っていたのだった。

やっぱり若い男はダメよ。ロマンスグレーの50前後の社長を捜しましょうと3人が相談しあう。

「大日本探偵局」なる事務所に来ていた田口は、局長()に、おそらく鞄を盗んだのは、飛行機で隣り合わせた怪し気なコールマン髭の外国人に違いないと証言していた。

実は、全く同じ形のバッグを持っていたジョージが、隣の席で居眠りをしていた田口の隙を観て、バッグをすり替えていたのだった。

話し終えた田口は、今まで目の前にいたはずの局長がいなくなっていたので驚くが、後ろを見ると、何と局長は、ソファーの上に頭を付け、壁に足を支える倒立の姿勢になっていた。

何でも、全身の血液を頭に集めて考えているのだそうで、起き上がった局長は、早速コールマン髭の男を全国の探偵に手配し、何なら新聞記事にしましょうと提案する。

しかし、それを聞いた田口は慌て、この件は絶対外部に漏れないよう秘密にして頂きたいと申し出る。

田口が帰った後、クラクションを鳴らして部屋に呼び寄せた2人の探偵助手(コロンビアトップ・ライト)に手掛かりの写真を渡すと、その左側の男が犯人だと言って探索と命じる。

しかし、反対に写真を受け取った探偵助手は、田口とジョージが並んで写っている写真の、どっちが左の人物か迷うくらいの間抜けコンビだった。

1958年度水着ショーの会場

婦人客の中でただ1人、カメラで水着モデルを熱心に写しているスケベ親爺がいた。

最新流行のジュニアスタイル水着を着て舞台に登場した数子を特に気に入った様子のそのオヤジは、ショーの終了後、建物から出て来た数子に声をかけると、自分の車で送ってあげようと言う。

観れば立派な車で、家に帰れば、クライスラーやジャガー等、持っているが、みんな玩具!と言うので、大きな自動車会社の社長と思い込んだ数子は、チャンス到来と喜ぶ。

一方、芳子は、「プクプク石鹸」と言う会社の専属モデルとして、テレビ提供番組「プクプクショー」の前にやる生コマーシャルに出ていた。

そのコマーシャルは、泡風呂の中に入った芳子が、泡にまみれた艶かしい姿でプクプク石鹸を宣伝すると言うもの。

ブースでは、ディレクターの花沢(三村俊夫)が見守っており、お腹空いちゃった…などと言いながら、水着姿でバスタブから出て来た芳子に、声を出してはダメと合図を出す。

その後、エレビ局を出て町を歩いていた芳子に付いてきた花沢は、何とかデートに誘うと声をかけるが、あんた、お金持ち?と芳子に聞かれたので、今日は給料日なんだと答える。

しかし、15000円でしょう?と給料の金額を良い当たられるとしょげ返るしかなかった。

ちょうど、その歩道の反対側から、看板を掲げて笑顔でやって来たのは、あの田口だった。

黒のスーツ姿のサンドイッチマンだったが、しきりに人を探しているようで、ばったり会ったコールマン髭の男性の前に立ちふさがるが、相手がサングラスを取って睨むと、人違いと分かったので急に卑屈になり愛想笑いを浮かべて見送るのだった。

そんな田口とお尻がぶつかったのが、花沢を追い返そうと後ろ向きで歩いていた芳子。

ぶつかった拍子に、田口が持っていた看板が後ろから追って来た花沢の頭にぶつかって割れてしまう。

相手が田口を知った芳子は驚くが、高価なスーツ姿なのに気づいて、やはり金持ちだったと思い込む。

そんな2人の前にやって来たのは、大学帽をかぶった間抜けな探偵助手コンビ。

田口の顔を見るなり、探している犯人と思い込み後を追おうとするが、もうその時には通行人の中で相手の姿を見失っていた。

芳子は田口を近くの喫茶店に誘っていた。

しかし、無一文の田口は、芳子が勝手に注文したコーヒー代さえ払えず、貸しといてくれと言ったので、それを冗談だと思い込んだ芳子は、今度の土曜日の夜8時、有楽町で会いましょうと言い残してさっさと帰ってしまう。

その直後、たまたま彼女連れで喫茶店に来ていたサンドイッチマンの会社課長が田口をさぼっていると思い込み、こんな所で女とチンチンかもかもしているとは何事か!君は首だと一方的に解雇してしまう。

職を失った田口は、当座の金を稼ぐ手段として、クラブ「エルザ」のダンサーをやることにする。

ブラジルダンサーと偽った田口は、客席の前で、顔を黒塗りにした奇妙なダンスを披露するが、これが客に受けて、何とか支配人から金をせしめることが出来る。

その楽屋に顔を出したのは、ハゲオヤジ野々山(水原爆)と店に来ていた芙美江で、田口のことをアメリカの有名な舞踏家で金持ちとホステスから聞き、俄然、結婚相手として狙いをつけて来たのであった。

先生!私、断然尊敬するわ!今晩お暇?付き合って下さらない?などと歯の浮くようなお世辞を並べながら勝手に近づいた芙美江だったが、田口の方は、芳子と一緒にいた女とすぐに気づき、今晩8時までに有楽町で芳子さんに会わなくちゃ行けないんですと言いながら、洗面所で顔のメイクを落とした素顔を見せる。

すると、芙美江の方も相手をあの空港で会った青年と気づき、くやしい!ばかにしてるわ!と憤慨してしまう。

その後、有楽町で芳子を待っていた田口だったが、一向に芳子は現れず、代わりに姿を見せたのは、ハゲオヤジを連れた芙美江だった。

芙美江はハゲオヤジを電器会社の社長と紹介し、芳子ならいくら待っても来ないわよ。私がインチキ踊子だって電話しといたからと田口に告げ、私たちはお金持ち以外とは付き合わないことにしてるの。芳子さんなら今頃テレビよと言い残して去って行く。

田口は「CR-TV」に乗り込み、時代劇の町娘役のエキストラに、芳子の居場所を聞き、第6ステージにいると知る。

今日も、「プクプク石鹸」の生コマーシャルで、泡風呂に入っていた芳子だったが、そこにいきなり乱入した田口は、驚く芳子に、この前借りた100円を返すと紙幣を後ろ向きに差し出す。

芳子は、そんな田口から逃れようとバスタブから出てスタジオの隅に隠れるが、それを追いかけようとした田口は、ディレクターの花沢を始め、スタッフたちに追いかけられスタジオを逃げ出す。

ちょうど時代劇ドラマを収録中の第5スタジオにやって来た田口は、役者が持っていた竹みつの刀を奪うと、同じく刀を持って向かって来た花沢とチャンバラを始める。

さらに、セット用の大木に登って逃げようとする。

この騒動のお陰で、芳子はテレビ局の仕事を失い、喫茶店で相対した田口に文句を言う。

何でサンドイッチマンなんてやっていたのかと聞かれた田口は、人を探すのに都合が良い仕事と持ったからだと説明し、あなたは金持ちと結婚したいと言っているそうだが、それは間違っているのではないか?私はこんな話を来たことがある…と田口は芳子に語り始める。

ある日本人の貧しい夫婦がブラジルに渡り、互いに助け合いながら、やがて世界一のコーヒー王になったと話した田口は、互いの信頼があれば幸福になれるはずだと言うが、芳子は現代はもっとドライなのと相手にしない。

その時、興奮して話していた芳子のスカートが裂け、太ももの一部が見えたので田口は驚いてしまう。

芳子は、興奮すると、すぐにここが破けちゃうのよ…と恥ずかしそうに打ち明けるのだった。

その頃、学生帽をかぶった間抜けな探偵助手コンビは、ホテルに目をつけ、その中に勝手に入り込むと、部屋の鍵穴から中をのぞき始める。

どの部屋も、男と女のカップル同士。

女が男に金を貢いでいる生々しい現実も見える。

呆れた探偵助手たちは、修身の復活が必要だ!と嘆く。

そんな中、芙美江の部屋に来ていたハゲオヤジ野々山は、大量の電化製品を持ち込んでおり、今夜は泊まっていって良いんだろう?と頼んでいたが、芙美江は、式が済むまでは絶対ダメと断っていた。

すると野々山は、実は良い家を見つけたんだが、10万の手付金が必要なのだが、自分は小切手しかないので立て替えておいてもらえないかと言い出す。

電気洗濯機や冷蔵庫、炊飯器等をもらって舞い上がっていた芙美江は、こんなにしてもらっているので良いわと承知し、へそくりを渡してしまう。

その部屋の鍵穴をのぞいていた探偵助手コンビは、ボーイから何をしているのか?と肩を叩かれたので、慌ててその場を去り、野々山はその直後、部屋を後にする。

芙美江の部屋に帰って来た芳子は、電化製品の山を観て、禿げてる人って男性ホルモンが多いそうよ等と芙美江の成果を褒める。

そこに戻って来た数子は、これからドライブに行くの。と言い残し、又すぐに出て行く。

芳子と芙美江が窓から下を覗くと、車の前に立っていたあの自動車会社の社長なる男が窓に向かって手を振っていた。

今度はあなたの番よ。あんな貧乏青年なんて諦めなさいよ。若い男はダメだって言いだしたのはあなたよと、芙美江が芳子に檄を飛ばすと、芳子は椅子から立ち上がり、絶対負けないわよ!と張り切るが、その途端、又。スカートのお尻が裂けてしまう。

早速着替え、ホテルの各部屋の前に出向いた芳子は、ドアの下から「禿げていても大丈夫!お付き合いしますから5000万ほど貸して下さい」と書かれたビラを配り始める。

まだホテル内をうろついていた探偵助手コンビは、各部屋にビラをまいている芳子と、その後を付いて来る大勢の男性客を観かけ、どこかで観た女だな?と頭をひねる。

やがて、犯人と手を組んでいた女だ!情婦だ!と気づいた2人は、パンツ姿でお尻を突き出してドアの下にビラを配っていた芳子の後を付け、その腰つきに目を奪われたりしながらも、玩具の十手と銃型ライターを取り出すと、芳子の前に出て、犯人の情婦として逮捕する!と言いながら手錠をかけようとする。

しかし、手錠をかけたのは相棒の手で、呆れて階段を登って逃げ出した芳子の後を追いかける。

芳子は、泥棒!と叫んだので、あちこちの部屋から男性客が出て来て、探偵助手コンビの邪魔をする。

中にはボクサーも出て来たので、探偵助手は怯えるが、それでも執拗に芳子を追いかけ、「工事中 通行止め」と書かれた区域に踏み込んだので、白ペンキをひっくり返して顔中ペンキだらけになったり、床にこぼれたペンキで滑ったりして四苦八苦状態になる。

一方、芳子は自分たちの共同部屋に戻って来ると、変な男が付けて来るのと芙美江に伝え、消化器等を手にドアの前で待ち受ける。

その時、1人の男が入って来たので、消化器を振りかけるが、その男は全く見知らぬ男性だった。

男性が芳子に示した名刺によると、電器製品の月賦屋だと言うので、芙美江は驚き、この電気製品は総和電器の重役にもらったものだと訴えるが、第一回目の請求書を渡して男性は帰って行く。

芙美江は、あのハゲオヤジ野々山は結婚詐欺であり、自分はへそくりの5万円を取られてしまったのだと気づく。

事情を知った数子は、芳子と芙美江を連れて、自動車会社の社長大村三太郎(菊地双三郎)の所へ連れて行くことになる。

花菱自動車修理工場と書かれた会社にタクシーで乗り付けた3人娘たち。

数子が受付で、社長の大村に会わせてくれと頼むと、社長は大村と言う人ではなく、整備係の大村だったら、今そこのトラックの下にいると教えてくれる。

そんなはずがないとは思いながらも、トラックの下に潜り込んでいた男を3人で引っ張りだすと、それははたして大村だったので、数子は愕然とする。

結局、芙美江は電化製品代20万も取られてしまい途方にくれるが、一緒に考えていた芳子は、代わって払ってくれる人いないかなと悩む芙美江に、いるわ!羽田で会ったあの男!何でも取っておくものねと言いながら、バッグの中に入れてあった羽田であったジョージの名刺を取り出す。

「太陽協会」なる奇妙な名前の会社にやって来てみた3人は、そこにあのジョーとルミ、そして、シスターボーイ風の男や怪し気な男たち数名がいる部屋に通させる。

実は、ジョーは、彼女らが来る直前、子分たちと麻薬を売買に付いて話し合っている所だったのだ。

ルミと子分たちを部屋から追い出したジョーは、3人娘たちから20万円貸して欲しいと申し込まれると、困っている女性のためなら出しましょう、ただし、あなたたちは太陽クラブの会員になってもらうと言う。

それは何かと聞くと、原始に戻り、全員裸で健康的な生活をすることだとジョーは説明する。

どうやら、最近、ヨーロッパやアメリカで流行りだしたヌーディスト村のことらしかった。

その頃、クラブ「エルザ」前で、「ヒロシ田口」と書かれたポスターの写真を見つけた探偵助手コンビは、中に入り込み、そこで女性ダンサー相手に踊っていたコールマン髭を付けた田口を発見する。

床に座ってショーを観ていた2人を怪しんだボーイが注意しに来た時、しゃっくりをしたので、2人は目の前で踊っている田口こそ「しゃっくりのジョー」として局長から命じられた盗難犯人だと思い込みステージに乱入、踊っていた田口に手錠をかけようとする。

田口の方は、いきなり乱入して来た2人の目的が分からず、逃げ出そうとしたので店内は大混乱。

店を逃げ出した田口は、近くにあった「太陽協会」の建物の裏口から入り込む。

一方追って来た探偵助手コンビは、「太陽協会」の建物の前に停まっていた「太陽の村行き」と書かれたバスを怪しみ、中をのぞいてみたりするが、誰も乗っていなかったので行ったんその場を離れ、局長に犯人を見失った報告電話をしに行く。

実は、そのバスの後部座席の下に、シーツをかぶって田口は隠れていたのだが、逃げ出そうとして時、建物から、芳子ら3人娘や他の客たちが手下と一緒に乗り込んで来たので、そのままシーツをかぶってバスに残るしかなかった。

やがてバスは発車するが、戻って来た探偵助手たちは、走り去っていくバスの後部席の窓に田口の顔を発見、そこに局長がジープでやってきたので、凹田(コロムビア・ライト)が運転を代わって、3人で後を追い始める。

バスが到着したのは「太陽の村キャンプ場」と書かれた広大な場所で、入口には腰にバスタオルを巻いただけの男が守衛をしていた。

局長と助手の3人が中に入ろうとすると、会費10万を払って会員になり、この場で裸になってもらうしかないと守衛2人から言われ困惑する。

その頃、先に到着していた芳子ら3人娘は、他の会員たちが子分たちに連れられ脱衣場に連れて行かれた後、ジョーの事務所と言うバンガローの中に連れて来られる。

そして、その中の着替えルームに入れられた3人だったが、さすがにヌードなんかにはなれないと、ショートパンツにノースリーブと言った夏衣装に着替える。

しかし、中を覗き込んだジョーはそんなものでは身体に太陽が当たらないダメだ。これを付けなさいと下着を渡したので、3人は狼狽する。

その時、ジョーの行動を怪しんだルミが入って来て、ジョーを着替え質の外に連れ出す。

ジョーはそんなルミの焼きもちを嫌い、あんた邪魔、さよなら!と言ってバンガローから追い出してしまう。

その時、頬かぶりにパンツ姿と言う奇妙な格好で近くをうろついていた田口は、バンガローを追い出されたルミを発見、口を塞いで捉える。

一方、上着を脱ぎ、半裸姿になった局長と助手2人も中に侵入していた。

望遠鏡で中の様子を覗いてみた局長は、広い庭園の中、下着姿の男女が遊んでいる姿を観ると興奮する。

女性たちの中に忍び込んだ探偵たちは、一緒に踊りを踊ったりしながらも、商売を忘れては行けないと自らに言い聞かせ、さらに奥へと進む。

やがて、太った女に出会ったので、お世辞のつもりであれこれ話しかけたのが災いし、観かけない顔だと気づかれ声を挙げられたので、周囲にいた仲間たちが部外者ではないかと怪しみ集まって来る。

それでも、局長は、自分たちは10万払ってたった今会員になったものだなどとごまかしながら、なおも奥へと進み、ジョーのバンガローの場所にやって来る。

その時、バンガローの中から3人娘が飛び出して来て、その後にジョーが20万を返せ!と叫びながら出て来るが、そのジョーの前に現れたのが田口だった。

ジョー!俺の顔を覚えているだろう!お前は麻薬の密売もやっているんだろう!全部女から聞いたぞ!と詰め寄る。

そして、芳子たち3人娘は香港に売り飛ばすつもりなのだ!と教えたので、3人娘は仰天してしまう。

正体がばれたと知ったジョーは逃げ出し、その場に駆けつけた子分たちと探偵、田口の大乱闘が始まる。

探偵助手の2人は、まだ田口の方を犯人と勘違いしているのか、田口を捕まえようとするので、芳子が、何をしているのよ!ジョーはあっちよ!と、バンガローに逃げ込んだジョーの方を指差す。

子分らがバンガローに入って見ると、金庫を開けていたジョーが、日本飽きた。ハワイに行くと言い出す。

その頃、バンガローの奥で縛られていたルミは、側にあった照明弾のスイッチを押し、バンガロー内には煙が充満する。

たまらず、大きなバッグを持ったジョーと手下たちが外に出て来ると、探偵助手が手下を捕まえ、田口がジョーを捕まえようとする。

ジョーは持っていたバッグを投げ捨てて逃げようとしたので、田口はそのバッグをようやく取り戻すことが出来る。

芳子たち3人娘が駆けつけたので、その場でバッグを開けてみせると、中には札束がうなっていた。

君たちが一番欲しがっていたものだ。こんなもので幸せになれると思うのなら、君たちにあげるよと言い残して田口は立ち去っていく。

一方、脱衣所の前でジョーの行方を探していた局長は、脱衣所の中から出て来た顔を覆った大柄の女を怪しむ。

何とかごまかしながらその場を去ろうとしたその女が、いきなりしゃっくりをしたので、「しゃっくりのジョー!」と気づいた局長は相手を殴りつける。

田口に駆け寄った芳子は、ごめんなさい!と謝り、田口も芳子さん!と感激し、その場で2人は抱き合う。

そんな2人を、数子と芙美江は呆れながら見守っていた。

「ブラジル青年大活躍!麻薬王捕まる!」と新聞にでかでかと載ったある日の羽田空港。

田口は芳子を花嫁として連れ、一旦ブラジルに帰ることになる。

見送りに来た数子と芙美江には、又戻って来て日本で会社を作るから、その時は2人とも働いて下さいねと田口は頼む。

見送り台から数子と芙美江が見送る中、田口と芳子は幸せそうに、日本航空の飛行機に乗り込むのだった。