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チェッカーズ SONG FOR U・S・A

チェッカーズ主演映画第2弾

通常、2作目ともなればテンションが落ちる可能性もあるのだが、この種のアイドル映画の2作目と言うのは案外侮れない出来だったりする。

本作も例外ではなく、ファンタジー色が強かった1作目とはがらりと趣が変わった、日常をベースにした、心地よいイメージ映像風のアイドル映画になっており、個人的には1作目よりも好感が持てた。

1作目が荒唐無稽なファンタジーで、2作目が日常ドラマ風…と言う展開は、同じ東宝系のザ・タイガース映画に似ているような印象もある。

ファンやマスコミ陣等、大勢のエキストラを使った追っかけシーンとか、タカモクがバイクで気ままな1人旅をすると言う設定を巧く生かした地方風景の挿入など、あまり本人たちでのロケが出来なかったであろう条件下にも関わらず、色々な映像を巧く挿入している所に工夫を感じる。

話の基本には、黒人少女とフミヤの出会いをきっかけに、彼女を生まれ故郷のニューヨークへ連れて行くと言うセンチメンタルな話が作られているが、お涙頂戴になるぎりぎりの所で寸止めしている印象で、あまり臭い展開にはなっていないのが嬉しい。

さらに、アイドルものとしては難しいと思われる、男女のベッドシーンが挿入されているのも珍しい。

さすがに、アイドルのフミヤにその役を演じさせるのは無理だとの判断からか、弟のナオユキにやらせているが、ナオユキは浅野温子相手に良く頑張ったと言うべきだろう。

冒頭、いきなりSF映画風に始まるシーンを担当しているのは、円谷プロでも活躍していた佐川和夫氏と光学合成の名手「デン・フィルムエフェクト」の中野稔氏の仕事である。

おそらく、洒落たタイトルロゴも、「デン・フィルムエフェクト」の仕事ではないかと想像する。

まだ、CGが普及していなかった事のアナログ特撮であるが、その完成度は高い。

歌が抜群にうまいカリーのママの役が誰なのか気になる。

牧師役の人同様、それなりに名のあるプロの人だと思うが、あまりの巧さに、その直後に歌ったチェッカーズの歌が素人臭く聞こえるくらいの迫力があった。

編集長役で出て来る蜷川幸雄の、あまりにも下手な芝居もご愛嬌だろう。

はつらつとした浅野温子の存在自体が、この時代を象徴しているようにも思えたりする。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1986年、スリースタープロ、中岡京平+白井更生脚本、斎藤光正監督作品。

美しい星空

その中央部を左から右へ飛ぶ光

輝くUFOの中央から地上に向かって光が伸びる。

選ばれし7人の戦士たちよ!

約束通り迎えに来たわ。

アルタイル星との戦いのために…、さあ、早く!(と、女性の声が響く)

光に包まれ、宇宙服に身を纏ったフミヤ(藤井フミヤ)、トオル(武内享)、タカモク(高杢禎彦)、ユウジ(大土井裕二)、マサハル(鶴久政治)、クロベエ(徳永善也)、ナオユキ(藤井尚之)らチャッカーズの面々は、UFOに吸い込まれて行く。

その時、「OK!本編全カットOKです!」と言う映画監督(大和屋竺)の声がスタジオ内に響き渡る。

映画スタジオの中央に作られたセットにピアノ線で吊られていた7人のメンバーは、下に集まって来たマスコミ関係者たちが一斉にフラッシュをたき始めた事に慌てる。

カメラを持った記者の中には、お涼さんこと永瀬涼子(浅野温子)の姿もあった。

降ろしてくれ!と叫んでも、何かの手違いがあったらしく、彼らはしばらく荷重から吊り下げられた状態のままだった。

タイトル

チェッカーズの主演映画第二弾「STAR KIDS」のクランクアップ記者会見の席

客席にいたマネージャー寺西文雄(秋野太作)の横で、フミヤやリーダー、トオルの挨拶を楽しそうに聞いていた涼子は、挨拶終了後、フミヤが突然、重大発表があると言いだしたので驚く。

客席の後ろの方に集まっていたチェッカーズのファンたちも固唾をのんで、フミヤの発言に聞き入っていたが、フミヤは、今日を最後にチャッカーズは解散しますと宣言する。

お揃いたファンたちは、一斉にステージのチャッカーズの方に殺到するが、フミヤたちは、テーブルの下に隠れながら部屋を飛び出して行く。

彼らは、建物脇に停めてあった移動車に乗り込むが、ファンや記者たちもその車目がけて突進して来る。

クロベエたちがちょっと遅れてヒヤヒヤさせるが、何とか間に合って、ファンたちを尻目に、会場を後にする。

メンバーたちは、とんでもない発表をしてしまったフミヤに抗議し、助手席に座っていたフミヤは申し訳なさそうに手を合わせて謝る。

一方、涼子は、寺西を乗せた車を走らせながら、彼らは事務所にいるわよ。コンサートの打ち合わせがあるでしょう?その後、2週間の休暇に入るのだから、彼らが打ち合わせに出ないはずがないわと断言する。

その頃、マスコミは、フミヤが発表した「解散」宣言で大騒ぎになっていた。

事務所が入ったビルの前は、ファンとマスコミで埋め尽くされていた。

ラジオ番組等でも、解散の理由は、メンバーの不仲説がまことしやかに流れていた。

ブラインドを締切った事務所の中にいたタクヤは、冗談ちゅうのは身内しか受けんと!とフミヤの発言を叱りつけていた。

今、ファンの前に出て行ったら殺される!と他のメンバーたちも、この騒動に迷惑をしていると言うより、楽しんでいると言う風だったが、それを聞いていた寺西は青ざめる。

そんな中、事務所に来ていた涼子は、私が力を貸してあげましょうか?と言い出す。

自分が芸能記者として一本立ちできたのはチャッカーズのお陰なので…と言いながら、涼子はその場から出版社の編集長に電話を入れると、メンバーたちは今青山のどこかにいるらしいと噓の報告をする。

電話を切った涼子は、家の編集長が動けば、他社も5分もかからないうちに動き出すはずと言う。

本当かどうか、ブラインドの隙間から、外の様子を覗いてみると、確かに、向かいのビルの屋上に陣取っていたマスコミ陣が、徐々に崩れ始め、その後、下の歩道を占拠していたファンたちも、何かの情報をつかんだらしく一斉に走り去って行く。

それを確認した涼子は、さあ、2週間の休暇の始まりよ!とメンバーたちに宣言し、ブラインドを開け放つ。

寺西は、事務所を後にするメンバーたちに、スキャンダルはダメだぞと釘を刺すのを忘れなかった。

タカモクは気ままなバイク旅に出発し、マサルは天体望遠鏡を買い、マンションのベランダで夜空を観察し始める。

変装してゲーセンで遊んでいたメンバーは、すぐに、女の子らに正体がばれたので逃げ出してしまう。

涼子が公衆電話から、編集長に先ほどの報告の間違いを詫びている間、ちょっと飲んだ後、側でしゃがんで待っていたフミヤは弟のナオユキに、お涼さんの事、どう思う?と聞いていた。

涼子が、編集長のお小言、嫌になっちゃった…等とぼやきながら公衆電話ボクスから出て来たので、次はどこに行く?と、別の飲み屋に行こうとしていたナオユキだったが、フミヤは、この2週間は、1人になるのが約束だから、お前はどんどん飲めよと勧めながらも、自分は1人で帰ろうとする。

その時、1匹の犬がフミヤの前を通り過ぎ、車が走る車道に飛び出して行き、その犬を追いかけて来た少女も車道に飛び出しかけたので、フミヤはその少女に身体をぶつけ止めると、自らトラックに轢かれそうになっていた子犬を抱きかかえる。

トラックは、直前で停まり、フミヤは迷惑をかけたと言う風に手を振ってみせると、抱いた子犬を立ち上がった黒人少女に渡してやる。

少女は、フミヤのことに気づいたらしく、フミヤ!チェッカーズ、大好き!助けて、ありがとう!と喜ぶ。

兄貴!とナオユキと涼子が駆け寄って来るが、フミヤは、その黒人少女と側の公園で2人きりで遊び始め、俺、ちょっと英語やるからと距離を置きたそうだったので、それ以上関わらない事にする。

公園で遊ぶフミヤの姿を、涼子は公園の外から見守っていたが、ナオユキと帰ることにする。

黒人少女は、カリィ・マイルス(カリィ・ルイス)と名乗り、パパ遅い。ニューヨークからやって来てサックス吹いているとフミヤに教える。

どうやら、サックス吹きのミュージシャンの父親の帰りを1人で待っているようだった。

そんなカリーの相手をして、フミヤは人気のない公園のブランコの所で、一緒に踊ってやったりするのだった。

一方、涼子は、ナオユキとフミヤの共同暮らしをしているマンションの一室にやって来て、室内の様子をカメラに写す。

フミヤどうしたのかな?まだ小さな恋人と一緒なのかな?と言いながら、缶ビールを飲み始めたナオユキは、音楽のボリュームを上げて踊りだすと、冗談めかしてお涼さん、兄貴、好きでしょう?と聞く。

涼子は何も答えず、ナオユキと一緒に踊りだす。

ナオユキはそんな涼子にキスをして、2人は抱き合うが、その時玄関チャイムが鳴り、開けてみると、ユウジ、マサハル、クロベエたち3人が入って来る。

その頃、フミヤの方は、部屋の中からサックスを吹く音が聞こえて来るカリーのマンションに付いて来ていた。

中でサックスを吹いていたのは、カリーの父親PJ・マイルス(ルーサー・コビントン)だった。

彼は娘から事情を聞き、チェッカーズのフミヤだと知ると、ビッグスター!と喜び部屋に招き入れる。

フミヤは、今、マイルスが吹いていた曲が気になり、もう1度吹いてくれないかと頼む。

部屋には、大きな白黒のニューヨークの風景写真が飾られていた。

翌日、事務所では、マネージャーの寺西が、押し掛けて来たマスコミ連中に向かって、昨日のフミヤの発言は冗談であり、チャッカーズは解散等絶対しません!と断言していた。

涼子の方は、編集部の矢野編集長(蜷川幸雄)から、昨日の誤報の嫌味を言われていたが、バカンス中のチェッカーズの独占密着取材をするので許してくれと言う涼子の言葉を聞くと態度を変える。

マンションに帰って来たフミヤは、マイルスが吹く曲のテープをナオユキに聞かせていた。

ナオユキも、ハートがあるね…と一発で気に入った様子だった。

フミヤは、この曲が未完である事を教えると、ナオユキは、そのサックスがライブの片隅で吹くようなものではなく、ただ者じゃないと感心する。

フミヤは、帰宅時、部屋の中にラベンダーの匂いがしていたけれど、お涼さん来てたのか?と聞くと、兄貴が帰って来る直前までいたし、クロベエ、ユウちゃん、マーさんも来ていたと浩之は答える。

休暇は、後1週間と5日…、俺は何をしようかな?と呟いたナオユキに、お前、お涼さんは止めとけとフミヤは釘を刺す。

お涼さん、兄貴を好きみたいだね?とナオユキが言うと、彼女は頭が良くて、お前なんかより5の数が多いんだとフミヤはからかう。

その日、カリーと愛犬を連れたフミヤ、ナオユキと涼子は、一緒に海辺に遊びに行く。

砂浜に寝転んで、サックスを吹くナオユキとじゃれあっている涼子の姿を、フミヤは少し離れた所から何となく見つめていた。

「ローリング・ダイヤモンド」の曲が重なる。

フミヤの方は、波打ち際で、カリーとセッセッセをして遊んだりする。

その頃、タカモクは、海辺のバイク旅を続けていた。

マサルのマンションに遊びに来たユウジは、天体望遠鏡で、近くのプールが覗ける事を発見、女の子の水着を観るために買ったんだろう?などとマサルをからかう。

トオルは、部屋の中で1人エレキの練習をしていた。

ダメージパンツの膝の破れ目の中からガムを取り出したタカモクは、それを食べる。

その後、無人の野外コンサート会場にやって来たタカモクは、ステージの端に座ると、かつてのチャッカーズのステージの様子を思い浮かべる。

(回想)コンサート会場で「ジュリアに傷心」を歌うチェッカーズの姿

(回想明け)タカモクは又バイクを走らせる。

(回想)ジープに乗ったチェッカーズの面々

「哀しくてジェラシー」「星屑のステージ」の曲が重なる

工場の中で、ナイフを持った相手と喧嘩するトオル

雨が降る外で泣いている少女の姿…

沈む夕日を眺めるトオル

スモークが焚かれたテレビステージのような場所で歌うチェッカーズ

(回想明け)タカモクは、バイクで走る列車と並走し、地方都市にやって来る。

夜、「ヒューストン」と言うバーに1人やって来たフミヤは、他の黒人メンバーと一緒に演奏しているマイルスのサックスの調子がおかしい事に気づく。

楽屋に戻ったバンドメンバーたちは、もう酔っぱらいと一緒の店で演奏するのは嫌だ!と言うマイルスに、昔の夢を追うのは止せ!今の事を勧化路!と忠告し、酔ったマイルスだけを残して、茶を飲みに出かける。

フミヤは、そんな楽屋に恐る恐る入り、今日の演奏はどうしたんだ?と問いかけるが、フミヤに気づいたマイルスは、ゴーバック!と言い、フミヤを拒否するようにカーテンの中に身を隠してしまう。

その日も、カリーは、人気のない公園で帰りの遅い父親の帰りを待っていた。

そこにやって来たフミヤは、カリーと一緒にブランコに乗り、ママの事を聞くと、カリーは空を指差す。

天国か…とフミヤが呟くと、カリーはお星様…、ニューヨークのお星様…と答える。

カリーの不幸な境遇を知ったフミヤは、思わず彼女を抱きしめるのだった。

そこに、泥酔状態のマイルスがやって来て、古い友達に誘われて仕方なかったんだとカリーに言い訳して謝ると、そこにいたフミヤに鼻にも声をかけないまま、カリーと一緒に帰って行く。

1人、ブランコに乗り、マイルスは、ニューヨークで何かあったんだ…と想像していたフミヤだったが、その時、金網の所に戻って来たらしきマイルスがこちらを見ながら、来ちゃダメだ!最後までお願い!遅い!と意味不明な事を語りかける。

フミヤからマイルスの調査を頼まれた涼子は彼のマンションに来ると、ハーレム生まれのサックス奏者で、7年前に日本に来た事。ベトナム戦争の後、アンジーと言う歌手と結婚したが、彼女は離婚後、白人の実業家と再婚し、歌手として活躍しているようだ。マイルスは、そんな妻のいるニューヨークには帰れないのではないかしらと教える。

そして、国境を越えたミュージシャンの友情、これは記事になるわ!と言い出した涼子だったが、フミヤは、カーリーの過去を探るのは止めろ!カーリーはママがニューヨークの星になったと信じているんだ。そっとしといてやれよと釘を刺す。

その後、雨の中、涼子と飲み歩いたナオユキは、兄貴の事、あんまり悪く思わないでねと頼む。

酔った涼子は、フミヤなんか大嫌い!と呟く。

その頃、フミヤの部屋を訪れたトオルは、トイレから出て来たフミヤが、ギター片手に、マイルスの曲を元に新曲を作っているのを知る。

フミヤは、最後まで曲と詩を作り、次のコンサートで歌って、その印税であの親子をニューヨークに返してやるんだと決意を語る。

その後、トオルが帰った後も、フミヤは徹夜で曲を作り続ける。

一方、涼子のマンションに来たマサハルは、自然とキスをしていた。

その頃、クロベエやユウジたちは、雨の中、見知らぬグループと喧嘩を始めていた。

涼子とマサハルはベッドインする。

フミヤは、1人、部屋で缶ビールを飲んでいた。

クロベエたちの喧嘩は、パトカーのサイレン音が近づいても続いていた。

翌朝、ベッドで目覚めたマサハルは、先に起きて、キッチンのテーブルで原稿を書いていた涼子に気づく。

ユウジたちの喧嘩を知ったマネージャーの寺西は激怒するが、ユウジたちは、ちょっとスポーツがしたかっただけなんだととぼけるが、当分、トオルの部屋で謹慎を命じられる。

帰宅したマサハルは、フミヤが徹夜していた事を知る。

涼子の家にいた事に気づいたフミヤは、大人だろう、お涼さん?と聞くと、マサハルも、すげえ大人だったと思い出したように呟き、吹っ切れた?とフミヤが聞くと、まあねとマサハルも答える。

フミヤが録音したカセットテープを再生したマサハルは、なかなか良いじゃんと感心し、自分もサックスで音を合わせてみると、俺もマイルスみたいな音を出したいと言うので、1人の女を死ぬほど愛した音だ。今のお前には無理だねとフミヤはからかう。

海辺に来ていたタカモクは、堤防の所で飯を食い終わると、近くの公衆電話で自宅の留守電を聞いてみる。

すると、そこにはマサハルが入れたらしき新曲のサックスメロディが入っていた。

完成した「Song for U.S.A.」が流れる中、タカモクはバイクを再び走らせる。

出来た!やっと出来た!と喜ぶマサハルは、完成したばかりの楽譜をメンバーたちに観に行くと言って部屋を後にする。

涼子は矢野編集長に、ニューヨークに行って来ると報告していた。

黒人ミュージシャンの子供の母親を日本に連れて来ると言うのだった。

良い企画だと感じた矢野編集長は、良し、行って来いと許可を出す。

フミヤのマンションにやって来たタカモクは、留守電に入っていた曲、アッパーカットだぜと気に入った事を伝える。

楽譜を観て、作曲の名前がPJ・マイルスと知ったタカモクは、今夜会いに行くと言うフミヤに、自分も一緒に行くと言う。

その夜、マイルスに会いに出かけたフミヤとタカモクだったが、彼らの前に歩いて来たマイルスはいつも異常に泥酔しており、フミヤたちの目の前で車道に出ると、車に轢かれてしまう。

病院の死体安置所まで同行したフミヤとタカモクは、死体を診た医者(下元勉)から、マイルスは車に轢かれていなくても、急性白血病で、良く持って1月ほどで死んでいただろうと教えられる。

フミヤは、夜の公園で、遅い!と叫んでいたマイルスの言葉を思い出す。

医者は、死体のポケットの中にこれが入っていたと1枚の写真をフミヤに渡す。

フミヤは、カーリーは、母親の写真は1枚もないって言っていた…、お星様になったんだって…と呟く。

写真は、まだ赤ん坊だったカーリーを抱いた母親らしき黒人女性が写っていた。

カーリーの待つ自宅マンションにやって来たフミヤは、何も知らず、夕食準備をしていたカーリーを涙目で見つめる。

カーリーは、ジャンケンを誘ってみたりするが、フミヤの様子がおかしいので面白くない!と言い出す。

そんなカーリーを思わず抱きしめたフミヤは、部屋に飾ってあったニューヨークの白黒写真を観ながら、カーリー、ニューヨークへ行こう。ダディと3人で…と語りかける。

ニューヨークへ行くと言うフミヤの話を聞いた寺西マネージャーは激怒する。

後3日でコンサートツアーが始まり、チケットは完売していたからだ。

しかし、フミヤの決意は固く、俺はアイドルやってるけど、もっと大切なものがある。それが出来なければアイドルを止めるとまで言い、マイルスをニューヨークへ連れて帰り、カーリーにニューヨークの星を見せてやりたい。それが出来なきゃ、この歌は歌えないのだと説得する。

他のメンバーたちは知っているのか?と寺西が聞くと、知らないよとフミヤは答える。

成田空港にカーリーと共にやって来たフミヤの前に現れたのは涼子だった。

自分も行く。私は、ネタがあればどこへでも飛んで行くハゲタカよ。ニューヨークにはこのこの母親がいると言うので、思わずそんな涼子の頬をビンタしたフミヤは、止めろ!お星様に会ってどうするんだ!と、ママは死んだと信じているカーリーの前で不用意な発言をする涼子を諌める。

カーリーと飛行機に乗り込むフミヤの後ろ姿を、涼子はたくまし気に見送る。

ニューヨーク行きの飛行機が飛ぶ。

「愛と哀しみのラストショー」の曲が重なる。

ニューヨークに到着したフミヤとカーリーは、霊柩車の後をタクシーで追い、とある教会まで来る。

そこには、エルウィット牧師と亡くなったマイルスの友人たちが待ち構えており、霊柩車の仲の棺を教会の中に運び入れる。

フミヤは、自分が完成させたマイルスの曲の楽譜をカーリーに手渡すと、カーリーはそれを牧師に渡す。

エルウィット牧師は、一緒に埋葬すると約束してくれる。

その後、フミヤとカーリーは、ニューヨークの街を歩いてみる。

「悲しみよ腕の中へ」の曲が重なる。

食事の後、馬車に乗ってみた2人は、セントラルパークで休憩する。

ブルックリン橋の袂で、日本に残して来た愛犬の事を案じているようだったカーリーに、アンは大丈夫だよ。下の管理人さんは親切だからとフミヤは優しく語りかけてやる。

着替え終わり、再び教会へ戻ったフミヤとカーリーは、ポール・ジェラミー・マイルスの葬式に参加する。

エルウィット牧師は、神に召されたマイルの魂に捧げる黒人霊歌を歌い始める。

参加者たちもそれに加わる。

あまりに美しいソウルにフミヤは聞き惚れる。

気がつくと、入口の所にチャッカーズのメンバーたちも来ていた。

きっと寺西マネージャーが知らせたのだろう。

やがて、歌が終わり、葬儀を終えようとしていた時、1人の黒人女性が入って来る。

その顔を観たフミヤは、カーリーのママ、マイルスの元妻である事に気づく。

ママは、棺桶の中の元夫の顔を見つめると、その場で見事な歌を歌い始める。

歌い終わったママは、カーリーに目を合わせる事なく帰って行く。

最後に、エルウィット牧師は、フミヤ、シングソング お願い…と声をかけて来る。

遺品とした預けた楽譜のメロディをオルガン弾きが引き出す。

チャッカーズは全員立ち上がり、新曲の「SONG FOR U・S・A」を披露する。

帰ったと思っていたママも、そっと入口の所かな中を覗いていた。

葬儀の後、ニューヨークの片隅の小さな公園に佇むママ

フミヤとカーリーは、ヘリに乗って、ニューヨークを空から観る事にする。

エンパイアステートビルや、世界貿易センタービル、自由の女神像、国連ビルなどが見える。

フミヤはカーリーに、チャッカーズと一緒に日本に帰ろうと囁きかける。

ニューヨークの空撮

ファンの歓声が聞こえて来た。

東京の空撮

屋外プールでのコンサートで、チャッカーズは、新曲「SONG FOR U・S・A」を歌っていた。

満員の観客席の一番前に、寺西マネージャーと並んで、愛犬アンを抱いたカーリーもステージを観ていた。

会場の隅では、涼子も嬉しそうにチェッカーズの姿を見つめていた。


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