菊池桃子映画デビュー作で、愛と感動の甘酸っぱい青春グラフィティSF巨編…な訳がない!
清純派で愛らしい菊池桃子ちゃんを売り出すためのプロモーション映画のはずなのに、内容は学園下ネタ悪趣味おバカ映画になっていると言うトンデモ珍品。
アイドルと言うのは、時として、とんでもない事をやらされると言う典型だろう。
さすがに、当時16歳くらいだった桃子ちゃんでは、桃子、こんな映画はイヤです!などと拒否は出来なかったのだろう。
まさに、大人の冗談と言うか、桃子ちゃんの方からすればイジメのような作品である。(大げさか?)
元ネタは、「BOMB!」と言う雑誌の読者投稿欄が原案の、青春バカ話をまとめたもの。
ただ、どう観ても男の子(ローティーン?以下)向け映画なので、当時の桃子ちゃんのファンターゲット向けとしては、変に気取った文芸ものなどを作るよりは、ある意味、こういう内容の方が合っていたのかも知れない。
映画の雰囲気からすると、にっかつで人気があった「ハレンチ学園」辺りのギャグマンガ原作映画の延長にあるような気がする。
ハリウッド映画には、この手の青春おバカ映画みたいなものはあるようだが、日本で中学生ターゲットのおバカ映画など前例は少ないだろう。
ただ、ストーリー的にもエピソードの羅列みたいな感じなので、盛り上がり感に乏しく、喧嘩のシーンがクライマックスか?と思っていると、その後もだらだらと話が続いたりとメリハリがない。
一応、主人公の転校生ムキンポこと一郎の一夏の失恋話が縦糸になっているのだが、中味は下品で汚い話のオンパレード。
ウ○コやオ○ニー話などの悪趣味性と清純派アイドルの組み合わせと言うのも、今では考えられず、ある意味ぶっ飛んでいると言うしかないのか?
そんな内容で113分と、2時間近くもの長さになっているのも呆れるしかない。
バカ映画としても決して出来が良いと褒められるようなものではなく、映像が妙に荒いのも気になる。
まさか16mmで撮っていたとも思えないのだが…
ただし、今観ると、ハナ肇、土田早苗、白木万理、服部真湖、マリアン、豊原功補など、意外な人が出ているのには驚かされる。
劇中、桃子ちゃんが泣くシーンが2カ所出て来るが、当時の桃子ちゃん、本心から泣きたかったのかもしれない。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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1984年、アジャックス+ジョイパックフィルム、中本博通+茜ちゃん脚本、鈴木則文監督作品。 木にとまっている蝉などを覘いているのかと思われた望遠鏡が狙っていたのは、森の中で抱き合う若いカップル。 覘いているのは、色気好き始めた女子中学生3人組 その女たちのパンツをさらに後ろから覘いていたのは、中学生の高橋守(岩本宗規)と山田進(笠原潔)らだった。 守と進らは、弟等を連れて、近くに遊園地にやって来るが、切符売り場の前で並んでいた時、急に守が便意を催し、近くにあったトイレに飛び込むが、大便所の前は満員で、とても入れそうにない。 焦った守は、遊園地の中を必死に走って人がいない場所を探すが、森のような場所があったので、そこに飛び込んで用をすませるとほっとする。 ところが、そこは、守等が切符を買うのを待ていた機関車の走る線路のすぐ脇だった事に気づく。 守は慌てて尻を拭いて逃げ出そうとするが、時既に遅く、彼の目の前を、進等が手を振って通り過ぎて行くので、仕方なく、守も笑って、しゃがんだまま手を振り返すしかなかった。 タイトル(ヒマワリの花をバックに) そんな守と進が、自宅のある坂道を上っていると、1人の見知らぬ男の子がチャリを漕いで追い抜いて行った。 その男の子木村一郎(山本陽一)は、坂道の上から降りて来た可愛らしい女の子を見つけ、すれ違い様、思わず振り向くと指を鳴らす。(キャストロール) 多摩市立緑ヶ丘中学校 用務員さん(島田洋七)が、廊下に落ちていた糸くずを拾って満足そうに微笑む。 木村一郎は、新入生として、担任の藤木先生(清水章吾)からクラスメイトたちに紹介されていた。 父親の転勤と共に九州博多からやって来たと紹介されていた一郎は、クラスの中に守や進、そしてあの可愛い女の子がいたのを発見して喜ぶ。 その子は、近藤桃子(菊池桃子)だった。 藤木先生から促され挨拶をした一郎は、あだ名は?と守から聞かれたので、思わず「ムキンポ!」と答えるが、進がその意味を尋ねると、どうしても答えられず、言いきらんったい(言えないんだ)!と答える。 ホームルームが終わり、女子も男子もトイレに駆け込むが、守と進は、隣で用を足すムキンポの股間を覘いて、あだ名の由来に気づく。 仲良くなった3人が廊下に出ると、不良たちがムキンポを校舎裏に呼び出し、取り囲む。 新入生への洗礼と気づいたムキンポは、震えながらも虚勢を張るが、そこにやって来たのが、不良たちも一目を置く堂園健太郎(田中浩二)が近づいて来る。 不良グループのリーダーと気づいたムキンポは相手になろうとして殴り掛かるが、あっさりパンチを受けてのされてしまう。 不良たちが去った後、助けに来てくれた守と進が言うには、堂園は時たましか学校に来ないが、成績も良く、何故か周囲から一目置かれている存在で、今日はたまた又彼が来たので、不良たちが手出しできず、ムキンポは一発殴られただけで助かったようなものらしい。 その日の下校時、桃子と一緒に帰っていたメガネっこのとは、一郎の「ムキンポ」ってどう言う意味か話し合っていた。 「剥けてる」ってことじゃないかとさちよが言えば、「あれは絶対包茎よ!」とひとみが言い返す。 意見を聞かれた桃子は呆れたように、先に帰ってしまう。 お好み焼き屋に立ち寄った大石麻衣(矢野有美)と2人の女子たちは、互いのパンツの色を見せあい、ムキンポをからかってみるかと相談しあう。 翌日、日本史の大滝先生(小島三児)の授業中、隣の女子から授業中に手紙を渡されたムキンポは、そこに「九州のお話などお聞きしたいので、放課後、校門前の喫茶店「ピコリーノ」で待ってます。近藤桃子」と書かれてあったので舞い上がってしまう。 ピンクのバラを持って、放課後「ピコリーノ」で浮き浮きしながら桃子の来るのを待っていたムキンポだったが、その様子は、向かいの建物から、ビデオに撮られていた。 トイレに行きたくなったムキンポだったが、そこに桃子が来たらまずいと思い、じっと我慢していたが、その間、店のウエイトレスがトイレに入った事に気づかなかった。 やがて、窓の外に「ビックリカメラ」と書かれたプレートを持ったクラスメイトたちがやって来たので、騙されたと知ったムキンポは、怒るよりも咲きにトイレに駆け込む。 慌ててドアを開けたムキンポは、そこにしゃがんでいたウエイトレスと眼が合ってしまう。 ある日曜日、ベッドでエロ本を読んでいたムキンポは、妹の愛子が病院に連れて行ってとやって来たので、慌ててエロ本をベッドの下に隠す。 両親は出かけていないと言うので、様子を観ると、何と、愛子のお尻に血のシミが出来ている。 焦ったムキンポは、お前も一人前の女になったんだ!などと励ましながら、チャリに乗せて病院を探すが、最初に見つけた「近藤医院」の玄関には、無情にも「本日休診」の札がかかっていた。 怒ったムキンポがドアを揺さぶりながら怒鳴っていると、中から顔をのぞかせたのはあの桃子だった。 ここは桃子の実家だったのだ。 取りあえず、愛子を診察室に送り込んだムキンポは、待合室で桃子と2人きりになったのでそわそわするが、そこにシャボン玉をしながら近づいて来たのは、桃子の弟の慶太だった。 その慶太、夕べ、パパとママは、2人ともパンツをはかずに寝ていたなどと言い出したので、桃子もムキンポも慌てる。 暑かったからとか何とか、適当に言いくるめようとした桃子だったが、ベッドの下にはティッシュがたくさん落ちていたなど、さらに慶太が危ない発言をするので、ムキンポも一緒になってごまかして追い払う。 そこに診察を終えた愛子がやって来て、哀しそうに言うには、何と彼女は「切れ痔」だったらしい。 互いに恥ずかしい事を見せあってしまった事で、ムキンポと桃子はおあいこ意識を持ち、その場でがっちり握手をする。 学校では、用務員さんが校旗を揚げる。 ムキンポは、美人の数学教師永井先生(服部まこ=服部真湖)のナイスバディにすっかり釘付けになっていた。 用務員さんが給食室を外から覘いて、調理していたお千代(かわいのどか)に今日の献立を聞くと、あんたの好物のカレーだと言う。 桃子たち女子は、校庭の掃き掃除をしていたが、メガネっこひとみのが、最近桃子は転校生と仲良過ぎるのではないかと冷やかし、もう1人のメガネっこさちよは、自分たちは隠れ健太郎だもんねなどとはしゃいでいた。 その頃、ムキンポは、誰もいない教室の中で、1人、桃子の椅子の上に置かれた座布団に頬ズリしていた。 ある日、ムキンポ、守、進たちは、近所のプールで泳ぐ女の子たちの水着姿を金網越しに覘いて楽しんでいた。 3人が坂道を上って帰宅していると、1台の緑色の車が追い抜いて停まったので、ムキンポは驚くが、そこから降り立ったのが、先ほどプールにいた水着女性の1人で、何と、守の姉貴で女子大生だと言うではないか。 その姉貴がシャワーを浴びている間、守は進とムキンポに、愛蔵の写真を見せる。 それは、顔の部分が桃子になっているアイコラだった。 それを見たムキンポは喜び、これがあったら4、5回はへっちゃら等と言いながら、股間をしごくジェスチャーをし始めたので、それを観た守と進は唖然とする。 どうやら2人は、オナニーをいまだに知らなかったようなので、それに気づいたムキンポは、数々のオナニー体位を伝授し始める。 そこにアイスクリームを持ってやって来た姉貴は、室内を覘いて唖然とするが、一段落した所で中に入ると、まずい所を観られたと気づいたムキンポは、急に腹痛を起こした真似をし始め、せっかくのアイスを食べ損なってしまう。 そんなムキンポに、守は、桃子ならもう、クラスメイトの小山英介(山中康仁)から正式にプロポーズされているから諦めろと言われる。 何でも、東大医学部に入った暁には、正式にお嫁さんにしてくれと申し込んだらしい。 がっかりして近くの田んぼ脇に腰を降ろしていたムキンポは、側を通りかかった小学生が、肥やしを撒いていた農民(ハナ肇)をからかって逃げ出した後も、その農作業をじっと興味深そうに観ていた。 側にいるのに、ちっとも臭がったりしないムキンポに興味を持ったその農民が声をかけると、その肥やしでおいしい野菜が出来るんでしょう?と聞き、自分にもやらせてくれ、やりたいんですと頼み込んで肥やしを撒き始める。 その手つきの良さを気に入った農民は、ムキンポを自宅に招くと、そこにいたのは大石麻衣だった。 その麻衣からパパと呼ばれる農民は、父親の平作だったと分かる。 母親の孝子(土田早苗)も一緒に、ムキンポはとれたての野菜をごちそうになるが、平作がその野菜の説明をするたびに肥やしが肥やしがなどと言うので、ちょっと食べにくかった。 それでも、帰りには野菜のお土産までもらったムキンポだったが、麻衣はそんなムキンポに、学校では家のパパの事は言わないでくれ。変人の娘だと思われたくないからと頼み、それを承諾したムキンポは、麻衣と指切りげんまんをして帰る。 その頃、守は、ムキンポから教わったオナニーを掃除気を使ってやっていたが、そこに姉がやって来たので、慌ててしまう。 帰宅したムキンポは、桃子と麻衣のどっちと付き合おうかと真剣に悩み、2人の名前を書いたカードをばらまいて、どっちの名前の札の方がたくさん出るか占ってみるが、両者同数で決めきれなかった。 そこでムキンポは、母親良子(春川ますみ)に、東京ではパーティをやるらしいので、今度、友達を呼んでパーティをやると言い出す。 翌日、音楽室で「花」を歌っていたムキンポは、その後、教室に戻って来ると、桃子をパーティに誘う。 その際、呼びたくなかった、ひとみとさちよも話に加わり、自分たちも参加すると言い出す。 その後、珍しく、堂園健太郎も登校して来たので、パーティに誘ったムキンポだったが、なぜ、健太郎などまで誘ってしまったのか自分でも良く分からなかった。 パーティの日、ムキンポは、自分の理想通り、自分が上座に座り、その両側に桃子と麻衣が座ると言う「両手に花」のポジションに置く事に成功するが、あまりに母親の料理が出て来るのが遅いので、台所に催促に言って戻って来ると、いつの間にか、自分の両脇に座っていたのは、メガネっこのひとみとさちよの2人になっていた。 ムキンポは、何とか桃子と小山英介の間に割り込んで座ろうとするが、母親の良子は、何を考えたのか、中学生のパーティなのに、飲み物はビールを大量に用意していた。 やがて暗くなり、桃子が、ママが心配するから帰ると言い出したので、健太郎に送ってもらう事にし、麻衣は英介が送って帰る事になる。 それをどうする事も出来ず見送るだけのムキンポは、最後まで残った守と進、メガネっこのひとみとさちよの相手をするしかなかった。 調子に乗ったひとみとちさとたち、残っていたビールを全部飲み干そうなどと言い出すが、頭に来たムキンポが一方的にパーティの解散を宣言する。 翌早朝、牛乳配達が長い坂道を上りきれずふらついている所に降りて来たムキンポは、自動販売機でエロ本を買おうとするが、そこにジョギングしながら近づいて来た藤木先生に気づき、販売機の裏側に隠れる。 すると、自動販売機の前で立ち止まった藤木先生は、エロ本を1冊購入して上着の下に隠し走り去ったではないか。 それに気づいたムキンポは、「なるほどね…」と呟くと、「そうだ!」と何事かを思いつくのだった。 その日、英介の家にお邪魔したムキンポは、2人暮らしだと言う母親の和美(白木万理)からパーティの礼などされながら、ワープロを教わりながら、「お前の秘密を知っている。バラされたくなければ、娘のパンツを1毎(私用中に限る)を駅のロッカーの69番の中にいれ、そのキーを図書館の「青春とは何だ」と言う本の間に挟んでおけ」と、誤字だらけの脅迫状を打ち、それを学校の藤木先生の靴箱の中に入れる。 その際、「エロ本も忘れるな」と鉛筆で書き添えるムキンポだった。 その後、ムキンポは、図書館の「青春とは何だ」の本の間に挟まれていたロッカーの鍵を見つけ、そのロッカーの中から、紙袋に入れられた真っ赤なパンツを発見する。 その直後、ムキンポは、側を藤木先生の娘雅子(相田寿美緒)が通り過ぎるのに遭遇し、思わず、紙袋で顔を隠すのだった。 しかし、その後、藤木先生の自宅で、自分のパンツがなくなったと言っていたのは、その雅子ではなく、太った妻だった。 翌日からも藤木先生の様子はおかしく、授業も満足に出来ないような状況になっていたので、それを見かねたムキンポは、また、英介のワープロで、「秘密守る。ごめんなさい」と書いてプリントアウトした紙を靴箱に入れておく。 大滝先生から、病院に行った方が良いですよと同情されながら、その日帰りかけていた藤木先生は、靴箱の中のそのメッセージを読むと、さすが私の教え子です!とつぶやき、心の底から安堵するのだった。 ある日、ムキンポは、桃子の部屋にやって来て、桃子が弾くピアノを楽しんでいた。 すると、そこに、桃子の弟の慶太が素っ裸で飛び込んで来て、チンチンを又に挟んで、女の子だぞ!などと言い出す。 それに気づいた桃子は恥ずかしがり、慶太を部屋から追い出してムキンポに謝るが、又裸で戻って来た慶太は、今度はお姉ちゃんだぞと言うので股間を観ると、そこには海苔が陰毛のように貼られていたので、さすがのムキンポも目を丸くしてしまう。 一方、専任トレーナー的場(たこ八郎)相手にボクシングの練習を自宅の庭でやっていた堂園健太郎は、練習後、今度友達と釣りに行くけど一緒に来ないかと的場を誘う。 一瞬乗りかけた的場だったが、来る友達と言うのがみんな男だと知ると、銀行に行かなければいけないと言い出し、断ってしまう。 その健太郎から釣りに誘われたムキンポは、一緒に、真弓とキャティと言う女性が一緒らしいと守と進に教えるが、2人ともその名前に聞き覚えはないらしく、健太郎がお前に女を抱かせようとしてくれているのだ。その日は恥をかかないように新しいパンツをはいて行けなどとアドバイスする。 そのアドバイスに従い、新品のブリーフを大量に購入したムキンポは、その夜、自分の部屋の中でどれを履いて行くか、あれこれ試し始めるが、その様子を、隣の窓から観ていた隣人の姉妹は、自分の彼氏のより立派だわとほれぼれと全裸のムキンポの裸体に見入る。 何故か、その背後では、おばあちゃんまでもが嬉しそうに手を合わせていた。 約束の日、ムキンポは、健太郎のヨットに乗り、小山英介と共に釣りを楽しんでいたが、ヨットの前で、寝そべっていたキャティ(マリアン)なる外国人女性の事が気になっていたムキンポは途中で近づいてみる。 すると、キャティは、日焼け止めのオイルを背中に塗ってくれと頼むので、ムキンポは喜んで塗ってやる。 その後、真弓からからかわれたムキンポだったが、水着の後ろの結び目をほどいてと頼まれるとさすがに緊張する。 しかし、水着の後ろの結び目をほどいてやると、真弓が向かった先はシャワールームだった。 翌日、新体操部の顧問でもある永井先生と女子たちが新体操をしている様子を金網越しに盗み撮りしていた守と進は、背後から近づいて来たムキンポにケツを蹴飛ばされる。 ムキンポが言うには、お前等に騙されてパンツを買ったが、結局、真弓と言うのは若いけど健太郎の母親で、キャティは英会話の先生だったらしい。 つまり、ムキンポが童貞を卒業するような事などなかった訳で、余分に買った高いパンツをお前等が買えと言う。 1枚1000円もすると言うパンツの値段が本当かどうか確認させるために、ムキンポは、祭りをやっていた町中のデパートの下着売り場に、守と進を連れて来る。 そこで、便意を覚えたムキンポはトイレに言ってしまう。 守と進は、下着売り場でパンツの値段が確かに1000円もすることを確認するが、なかなか戻って来ないムキンポを呼びにトイレに入ると、個室が一つ閉まっている。 それで、外から早く出て来いなどと呼んでいたが、中から返事はない。 おかしいと思いながらも、ムキンポにイタズラがしたくなった2人は、ドアの下の隙間から掃除用のモップを差し込んでからかい始める。 やがて、トイレットペーパーを使う音と水を流す音が聞こえたので、出て来るはずのムキンポを笑いながら出迎えた守と進だったが、個室から出て来たのは全く別人の高校生谷田部(豊原功補)だった。 その頃、別のトイレから下着売り場に戻って来たムキンポは、2人の姿が見えないのでトイレに行ってみると、そこで谷田部から殴られている守と進を発見する。 驚いたムキンポは、何とか2人を助けようと、そこにあったモップを高校生の顔に押し付けるが、モップを取ってみると、相手の顔は糞まみれだった。 ムキンポと守、進たちは、一斉にデパートから逃げ出して外に出るが、谷田部は、外で待っていた高校生仲間と一緒に後を追いかけて来る。 守と進は、途中に置いてあった神輿の台の下に身を隠して追手をやり過ごすが、1人逃げていたムキンポは、道に立っていた大男(上田馬之助)の背後に隠れて、谷田部らをやり過ごす。 その後、何とか逃げ延びたムキンポだったが、胸に入れていた生徒手帳をなくしている事に気づく。 その生徒手帳を拾ったのは、先ほどの大男で、近くを探しまわっていた谷田部を仲間と思い込み、その手帳を渡してしまう。 生徒手帳で中学とムキンポの名前を知った谷田部等は、ムキンポの自宅に向かう。 外から自宅にいた愛子に電話をしてみたムキンポは、高校生が来て、今家の前で待っていると言うので、帰れなくなってしまう。 仕方なく、ムキンポは、夕食をハンバーガー屋ですます事にする。 店内には、タモリに似た客がおり、店員(武田久美子)が愛想を振りまいてくれる。 その後、自宅には近づけず、桃子の家の前をうろついていたムキンポは、庭先に干してあったパンツを見つけ、それを触ろうとするが、その時、2階の窓が開き、桃子が誰?と顔を出して来たので、慌てて逃げ出す。 夜空には祭りの花火が上がる中、ムキンポは歩き続けるしかなかった。 翌日、谷田部たち高校生は、ムキンポの写真が貼ってある生徒手帳を持って、緑ヶ丘中学校の校門前で、登校して来る生徒たちの首実検をしていた。 これに気づいた進と守や他のクラスメイトたちは、このままではムキンポが登校出来ない事を悟る。 英介は、守と進からことの経緯は聞いており、彼ら2人を注意していた。 ムキンポは、ちり紙交換の車の横に張り付いて、谷田部たちの監視の目を潜り登校すると、桃子の靴箱にラブレターを忍ばせておく。 その頃、堂園健太郎は、ペンダントをなくしたと青ざめ、母親の真弓が運転する車に乗せて行くよう焦っていた。 そのペンダントを見つけたのは守だった。 教室に持って来たペンダントを受け取り、開けてみた桃子は、そこに、健太郎の写真と自分の写真が入っている事に気づく。 そこに汗まみれで健太郎がやって来たので、思わず、クラスメイトたちは彼の顔を凝視する。 桃子は立ち上がり、ペンダントを健太郎に返すと、いきなり涙を流す。 その頃、校門の所では、谷田部たちに、中学生の不良たちが応対していた。 不良たちが言う堂園と言う名前を聞いた谷田部はそいつを呼んで来いと息巻き出す。 その知らせを受けた堂園は、高校生たちと戦うため学校を後にする。 不良グループと小山英介も一緒に行くと言い出し付いて行く。 職員室では、定年間近の校長(出光元)らが収拾策を探りながら狼狽していた。 警察に連絡すれば、学校の名に傷が付くなどと及び腰の校長は、教育委員をやっている女房に電話をしようとしたり、緊張のあまりトイレに逃げようとする校長の前に立ちはだかった用務員さんは、それでも教育者か!と一喝する。 対決の場に向かう堂園たちに追いついて来た守と進は、相手は10人足らずでどいつもこいつもへなへなしたような奴ばかりなので楽勝ですなどとおべんちゃらを言い、自分たちは足手まといになるからとさっさと退散して行く。 ところが、約束の窪地にやって来ると、向こう岸から姿を現したのは、数十名の高校生たちだった。 窪地に降りて来た高校生たちと対峙した健太郎たちだったが、その時、リヤカーを引いたムキンポが待った!待った!止めてくれんね!と叫びながら近づいて来る。 自分のケツは自分で拭くけん!とムキンポが言うと、高校の総番長(河合宏)は、落としまえを付けると言うのか?と聞きかえす。 そう、そこん人にウンコを付けたんでこんなことになったんで…と言いながら、リヤカーから肥え樽を降ろしたムキンポは、その中に入っていた肥やしの中に片足を突っ込んで、これで許してくれんねと頼む。 しかし、谷田部が冗談じゃないねと拒否したので、ムキンポは肥やしの樽の中に両足を突っ込む。 総番長は、あそこまでやっているんだからもう許してやれと仲裁しようとするが、谷田部は、頭からかぶれば許してやると言い出す。 本当やね?と念を押したムキンポは肥やしのは言った樽を抱えて頭の上に持ち上げようとするが、よろめいて、総番長の頭の上に肥やしをぶちまけてしまう。 それに切れた総番長は、顔にかかった肥やしを健太郎の顔に投げつける。 起こった健太郎は、さらに、その顔に付いた肥やしを相手に投げ返したので、高校生と中学生は一気に殴り合いを始める。 すると、突然雨が降り出して来る。 皆が不思議そうに空を見上げると、そこには巨大なUFOが浮かんでいた。 いつしか、みんなは雨で顔を洗い、笑顔になっており、中学生も高校生も肩を叩き合っていた。 その時、UFOから、こら!空ば観んや!お前、広大夢幻の宇宙の声に耳ば傾けんか!お前たちは!このパンツの旗が見えんとや?お前たちは! おれの名前は、お前、その名も高き合格UFOたい!はっ?知らん? 金玉ばぶら下げとるだけが男やなかろうが!お前たちは!お?みんな、おれの小便でもひっかぶって頭ば冷すとちょうど良かったったい。 悪か所はきれいさっぱり洗い流して忘れっしまえ。今からもうみんな友達たい! 裏切られても良かやないや!傷つけられてもそれでもなおかつ人ば信じるけん、人間って言うっちゃろうが! それやなからな、本当の友情やなかっち、分かっとうとや? これが合格UFOの、ま、レクチャーやね。平とう言うたら「贈る言葉」たい。 元気にしとりやい。さよなら! …と声(武田鉄矢)が響いて来て、UFOは空のかなたへ飛び去って行く。 後日、みんなが運動場でサッカーに興じている中、小山英介は持病の腹痛を訴えて校舎に1人戻って行く。 その時、体育館でバスケットをしていた女子たちの生足を観てしまった英介は、ムラムラッと来てしまい、女子校異質に勝手に入り込むと、そこに脱ぎ捨てられていた女子たちのセーラー服やブラジャーを嗅いだり、頬ずりしたりし始める。 その時、女子たちが戻って来る音が聞こえたので、慌てた英介は、ロッカーの中に逃げ込む。 女子たちは、皆、自分のロッカーを開けようとするが、そんな中、大石麻衣は自分用のロッカーの扉が開かない事に気づき、他の女子に頼んで一緒に引っ張ってもらう。 しかし、どうしてもロッカーは開かなかった。 中に隠れていた英介が、必死に押さえていたからだった。 その時、英介は急激な便意に襲われて尻に手を当てる。 やがて、着替えていたさちよが、臭いと言い出す。 匂いの元は麻衣のロッカーの中に間違いなかった。 女子たちが騒ぎ出した時、ムキンポ等男子が何事かとやって来たので、麻衣のロッカーが空かないのだと説明すると、ムキンポが自分が開けてやると名乗り出て、麻衣のロッカーの扉を無理にこじ開ける。 すると扉が開き、中から、汗まみれになった英介が気絶して倒れて来る。 それを観た麻衣は、何故か、扉を開けたムキンポの頬を叩くのだった。 その後、何故か、ムキンポは桃子に誘われて原宿でデートをすることになる。 陸橋の上で、大人を気取り、煙草型チョコを口に加えたりする2人が、「キーウエストクラブ」と言う店に入ると、ちょうど10万人目の客だったと言うので、店からフルーツのプレゼントが出される。 喜んだムキンポが、オレンジを口にくわえた時、桃子は、ムキンポ君だから話すけど、堂園君から好きと言われた。クラスのみんなの前で、ちょうど、ムキンポ君が学校に来られなかった日、私泣いちゃったと言い出ながら、その場でも涙を流し始めたので、それを聞いたムキンポは愕然とする。 麻衣にも桃子にも失恋したムキンポは、夕日の中で泣いていた。 そんなある日、緑ヶ丘2-6の小山英介の家の側を通りかかったムキンポは、母親和美と麻衣と共に、引っ越しをしていた小山英介の姿を見つけ、思わず電柱の陰に身を隠す。 麻衣と英介はすっかり仲良くなっていた。 そこにやって来た桃子と健太郎は、引っ越し祝いとして、英介にプレゼントを渡す。 その場で開けてみた英介は、それがロッカーのミニチュアである事を知ると笑い出し、もうこんなもので驚くおれじゃないよと言いながら受け取る。 その場からそっと後戻りし、自宅に帰って来たムキンポは明らかに落ち込んでおり、事情を知らない両親は何事があったのかと心配する。 転校先でクラスに紹介された小山英介は、自分のあだ名は「地獄のロッカー」です!と明るく答えていた。 ムキンポが失恋して気落ちしている事を知った守と進は、一肌脱ぐか?と相談しあい、その後、理科実験室からクロロホルムの瓶を盗み出す。 そして、体育用具室にムキンポを呼び出すと、今、新体操を教えている永井先生がこの部屋に入ってきたら、この薬で眠らせて、マットの上に押し倒し、やっちゃえば良いと、自分たちがモデルになって伝授する。 最初は乗り気ではないようだったムキンポも、守と進の熱演を観ているうちに興味を持ったようだった。 いよいよ作戦開始とばかり、クロロホルムの瓶のふたを開ける進。 そこに、クラブ活動を終えた永井先生がやって来て用具室の扉を開けると、急に悲鳴を上げる。 その声を聞いた女子たちが一斉に体育用具室の前に駆けつけると、部屋の中のマットの上では、ムキンポと進と守が、3人揃って眠りこけていた。 その側には、クロロホルムの瓶が転がっていた。 密室に閉じこもっていたので、自分たちで麻酔薬を吸入してしまっていたのだった。 後日、長い坂道をチャリで登っていたムキンポは、坂の上から、桃子が降りて来たのかと錯覚するが、それは全く見知らぬ少女だった。 その美少女とすれ違ったムキンポは、急に笑顔になり、チャリを反転して、その娘の後を追い始めるのだった。 |
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