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ダイ・ハード ラスト・デイ

人気シリーズ第5弾。

上映時間98分と、意外にコンパクトに作られており、全編これでもかと言う風な派手なアクションで、脚本の甘さとご都合主義をごまかして行く、良くある「何も考えず、ストレス解消的に観るにはうってつけの痛快ハリウッドバカアクション映画」になっている。

シリーズを重ねるごとに、不死身のヒーローが問答無用で町中をめちゃめちゃに壊しまくって敵を倒すと言う、荒唐無稽で大味な印象がますます強まり、細部のアイデアや敵キャラクターの魅力はどんどん弱くなっていると言うのは、007シリーズ等と同じである。

カーチェイスシーンなんて「007」の新作とフィルムを分け合ったんじゃない?ってくらい、雰囲気がそっくり。

メチャクチャに次ぐメチャクチャで、普通、このシーンで即死だろう?と思うような状況ばかり。

もはや、一介の刑事が知恵を駆使して、孤立無援、絶体絶命のピンチを切り抜けて行くと言うようなアイデアの積み重ねのような面白さや、これは痛そう!とマクレーンの痛みを我が事のように想像し、感情移入してしまうような描写は影を潜めている。

毎回、ジョン・マクレーンを補佐する相棒的な存在が登場するのだが、今回はそれが息子で、しかもその職業が…!と言う、完全に刑事物とは違う方向性になっているのが本作の特長だろう。

しかも舞台はロシアで…となると、どう考えても通常の刑事物になりようがないし、もはや、ジョン・マクレーンの方が補佐役である。

その辺の方向転換や主役の存在感の弱さを塗布するためか、第一作のパロディのような演出が後半に待っている。

「ダイ・ハード」らしくない展開と思われるかもしれませんが、一応これも「ダイ・ハード」の続編と言う事はちゃんと意識してますよ…と言うエクスキューズのようにも見える。

だが、後半の荒唐無稽さと大味さは、ちょっと興ざめさせられる。

舞台設定からして、まともなアクションが出来るはずもないシチュエーションなのに、それを無視して強引に描いているものだから、特に、その方向に関心が高い日本人の目からすると、おバカ映画にしか見えないのである。

そんな地域に長年降っていた雨水が溜まったプールに落ちたら、一巻の終わりだろう!と突っ込みたくもなるが、それはアメリカンジョーク?で解決した事になっている!

この脳天気さ!

ジャックの職業をある種の特殊な物に設定しているのも、国際問題に発展しかねない大破壊行為や殺戮を、何事もなかったかのように処理する為の苦肉の策と言う面もあるのだろうが、事件終了後のエンディング部分は、あまりにはしょり過ぎでは?

どちらにしても、荒唐無稽も極まれり…と言った印象であり、あくまでも「コミックを楽しむような感覚で観る映画」だろう

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2013年、アメリカ映画、 スキップ・ウッズ脚本、ジョン・ムーア監督作品。

銃声 ヘリの音 ざわめき…

女性TVレポーターが、ロシアの次期?候補チャガーリンによって投獄されたユーリ・トマコフ(ゼバスチャン・コッホ)の裁判に抗議するデモのニュースを報道していた。

チャガーリンは、投獄されていたトマコフの牢に1人近づくと、あの頃に戻らないか?ファイルを渡せば、人生を取り戻せるぞと告げるが、狭い牢の中で1人チェスをやっていたトマコフは、法廷で証言すると言って拒否したので、チャガーリンは激怒する。

CIA本部

チャガーリンがトマコフの事で動いたと言う情報がマイクにもたらされる。

モスクワ

1台のバイクが市内を走る。

公衆電話をかけている青年

バイクを停めた女性ライダーが、ライダースーツのファスナーを開けると、中はドレスだった。

電話をかけていた青年は、着ていたユニフォームを脱ぐと、とあるクラブの調理場をノック、何か紙片を中からの覘き窓から確認した男に渡すと中に入れてくれた。

調理場のテーブルの上に置いてあった布巾をめくり、中に隠されていた拳銃を掴んだ青年は、そのまま若者が踊りまくっている店の中に入って行く。

一方、ドレス姿の女は、アリックと言う男に抱かれながら、準備はできたわと呟く。

青年は、ホステスを両脇に侍らせたアントンと言う人物の前に立つと、ユーリ・トマコフから頼まれて来た。さよならだとさと言うなり、アントンに銃を向け、左胸を撃つ。

射撃場で銃を撃っていたジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)の側にやって来た同僚のマーフィーは、あまり良い知らせじゃないと書類を手に伝え、最後に話したのはいつだ?と聞くので、ジョンは、もう何年も前だ、互いにひどい事を言い合って…、それきりだと寂し気に答える。

何をやらかした?とジョンが聞くと、モスクワで収監され、終身刑なら御の字と言うようなヤバい事だと言う。

ジョンは、それでもおれの息子だ…と冷めたように答える。

ケネディ国際空港

ジョンは、娘のルーシー・マクレーン(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)の車で、送ってもらって来ていた。

「おバカ用の旅行案内」なるガイドブックを手渡されたジョンは、あちらでは余計なことをやって引っ掻き回さないでよとルーシーから釘を刺された後、アエロフロート機に乗り込んでロシアに出発する。

機内では、息子ジャック・マクレーン(ジェイ・コートニー)の逮捕報告書に目を通していた。

ロシアの警察署に捕まっていたジャックは、取り調べする刑事から、取引したいんだろう?と言われたので、コマロフに不利な証言をさせたいんだろう?おれを奴の法廷に同席させてくれたら、アントン殺しはコマロフから殺しを依頼されたと証言してやると答える。

タクシーで、ジャックが裁判にかけられるらしいドダガンスカヤ裁判所に向かっていたジョン・マクレーンは、渋滞に巻き込まれていた。

運転手が言うには、このガーデンリングと言う通りはいつでも渋滞なのだそうだ。

その運転手は、ジョンがアメリカ人だと知ると、フランク・シナトラの歌等披露してみせる。

ジョンが巧いとお世辞を言うと、運転手は、裁判所ならこの2ブロック先だから歩いた方が良いと言ってくれ、料金もいらないと太っ腹な所を見せてくれる。

タクシーを降りたジョンは裁判所の前まで来るが、そこには、コマロフの裁判に反対する抗議デモが行われており、裁判所の周辺の警備体制もただ事ではなかった。

その裁判所に到着した護送車から、コマロフとジャックが降り、中に入って行く。

その姿を背後から目撃したジョンは、思わず息子の後ろ姿を心配げに見送っていた。

その直後、ジョンは、怪し気な装甲車のような車が近くに停まっているのに気づく。

地元警察は、裁判所脇に停車中の3台の車の底に、爆発物が仕掛けられていないかどうか、鏡でチェックしていた。

法廷内に連れて来られたコマロフとジャックは、それぞれガラス張りの個室に入れられる。

法廷は、裁判長の指示で扉を閉められる。

ジャックは、ガラス越しに、コマロフに軽く頷いてみせる。

裁判所の側に停まっていた装甲車の中にいたアリックは、起爆装置を部下から受け取る。

まだ、ドライバーが降りてないと聞いたアリックだったが、そんな事は気にする様子もなく、起爆装置のスイッチを押す。

裁判所の横に停めてあった3台の車が次々に大爆発を起こし、裁判所の壁を吹き飛ばす。

装甲車が動き、裁判所の前に停まると、中から、防毒マスクを付けた一団が機銃を持って裁判所の中に走り込む。

一方、爆風で倒れ、ガラスが割れた個室の中から抜け出たジャックは、コマノフを強引に外に連れ出す。

その直後、法廷内に入り込んだ、防毒マスクを付けた一団は、今の大爆発で生き残っていた数名の傍聴人等を容赦なく射殺して行く。

防毒マスクの一団にいた女は、コマロフの姿が見つからないと知ると、消えた?冗談じゃないわ!コマロフは生け捕り、ファイルがいるの!といら立ったように仲間たちに命じる。

ジャックから外に連れ出されたコマロフは、ジャックの事を知らないようで不審そうな顔つきで観ていたが、ジャックは、おれは味方だと言葉をかけ、近くに停めてあった車に乗せて出発しようとする。

その時、フロントガラスに手を付き、運転席に座っていたジャックに顔を見せながら、ジャック!と声をかけたのは父親のジョン・マクレーンだった。

ジャックは、信じられないものに出会ったように、ジョン?!と声をあげる。

その時、助手席に座っていたコマロフは、何を思ったか、外に出てしまい、裁判所から出て周囲を探していた防毒マスクの一団に発見されてしまう。

コマロフだ!と声が聞こえ、自分が発見されたらしいことに気づいたコマロフを助手席に乗せたジャックは、目の前にいた父親を無視するように車を出発させる。

ジャックは、あんたは間が悪過ぎる!とジョンの事を呪っていた。

そのジャックとコマロフの乗った車を、防毒マスクの一団が乗り込んだ装甲車が追いかける。

その場に取り残されたジョンは、側に停まっていた1台の車に乗り込むと、この車邪魔だろ?と独り言を言うと装甲車の後を追い始める。

ジャックは運転しながら無線で隠れ家に連絡をし、思わぬ邪魔が入ったと伝えるが、既に当初の計画から6分遅れになっており、作戦実行は無理と聞かされる。

マイク、コリンズに知らせろ!

米軍の無人探査機がジャックとロマノフのいる地域に接近していたが、作戦は失敗と言う事で飛び去って行く。

父親ジョン・マクレーンのお陰でドジったジャックは、あのクソ親爺!と罵倒する。

その直後、背後から迫って来た装甲車に押され、回転し始めた車を必死に制御しようとするジャック。

ジョンの車が追って来る事に気づいた装甲車のアリックは、ロケット弾を射つように命じ、部下の1人が装甲車の上に顔を出し、ジョンの車目がけて発射する。

ロケット弾は、間一髪避けたジョンの車の後方の車に命中し、大爆発を起こすが、ジョンの車もひっくり返ってしまう。

その車からはい出して来たジョンは、走って来た別の車を停めようとする。

停まった車から降りて来たロシア人男性は、猛然と走路妨害していたジョンに食って掛かるが、あっという間に殴り倒し、言葉が通じると思うか?と言い捨ててその車に乗り込むと、高速道路の塀を突き破り、垂直に走っていた下の道に、停まっていた車両運搬車の車を階段代わりに降りる。

その間、ルーシーからいきなり電話がかかって来たので、適当に生返事しながら電話を切る。

装甲車は、ジャックの車に背後から追突していた。

そこに近づこうとするジョンは、またルーシーからの電話がかかって来て、兄さんに会えた?と聞かれたので、ああ…、今、目の前にいると、適当に受け流しながら、装甲車に接近する。

装甲車とジョンの車は、鉄の欄干のような部分に接近し、共に横転する。

それをバックミラーで観たジャックは、ジョンの野郎!と忌々しそうに叫ぶと、車を方向転換させる。

横転した車から逃げて、上の高架線の上に姿を現したジョンを見つけた賊たちは、下の道から発砲して来る。

その時、ジョンに近づいたジャックは、乗れ!と声をかけ、ジョンは無事息子の車に同乗する。

ジャックは、おれが助けたんだぞと自慢する父親に、何も触るんじゃないぞ!と運転しながら念を押す。

チャガーリンの元に、コマロフが逃げて、一緒にいるのはアメリカ人だと言う連絡が入る。

ジャックが、ジョンとコマロフを連れてやって来たのは、CIAの隠れ家だった。

部屋の様子を見たジョンは、ようやく息子の仕事がスパイだった事に気づく。

ニュージャージー生まれの007というわけかと冗談を言う。

その場で待ち受けていたマイクは、事態が飲み込めない様子のコマノフに、追手が迫っているので早く着替えるよう勧めると、ファイルを渡せば国外に逃がしてやると告げる。

それを聞いたコマノフは、君たち3人で?と呆れたように聞き返すが、ジョンは、おれはただの休暇中だと無関係を装う。

考えていたコマノフは、娘と一緒なら応じると返事をしたので、マイクはその場でスマホを渡し、娘に連絡させる。

コマノフは、電話に出た娘に、パパとママが初めてダンスをした場所に来てくれと伝言すると、ファイルを隠した場所を開ける鍵の場所はホテルであるとコマノフは説明する。

ジャックは、相棒のマイクに、へまをやらかしてご免と謝るが、次の瞬間、マイクは胸を撃たれ、コマノフも左足を射抜かれる。

隠れ家は、敵に包囲されており、何人もの狙撃手が機関銃を撃って来る。

ジョンは、部屋の中にあった機関銃を取ると、狙撃手目がけて連射し始める。

ジャックは、隠れ家に仕掛けてあった爆薬を爆破し、狙撃手を一挙に葬ると、壁の一部も爆破し、そこから外に逃げ出す。

ジョンは後から一緒に逃げながら、どこが隠れ家だ!と毒ずく。

外に逃げ出したジャックは、コマノフの足の傷に応急手当をしながら、3年かけた作戦をたった5分で壊して!と、父親のちん入に激怒する。

ジョンの方も、自分のジャンパーをコマノフにかけてやる。

携帯を持っているか?と聞かれたジョンは、自分用の携帯をジャックに渡してやると、ジャックはその場でその携帯を靴底で踏みつぶしてしまう。

そして、任務は生きている。ホテルに向かうと言い出し、コマノフは政治犯であり、敵の手に渡れば国家保安に関わる。外務機密が知られたらヤバいと教える。

何で居場所を教えなかった?とジョンが聞くと、知る気もなかったくせに!とジョンは無愛想に答える。

ホテルの前の工事現場にやって来た3人だったが、ホテルへ入るためにジャックが様子を見に行く。

車の影で待っていたジョンに、ああ言うのをロシア語でクルトイ(頑固な利かん坊)と言うとコマロフが教える。

子供の事を聞かれたジョンが、もう1人娘がいると答えると、コマノフは、自分は1人娘だと言い、若い頃は働くのが親の勤めだと思っていたと反省した風に言うので、ジョンも、おれもひたすら働くのが良い事だと思っていた。親爺失格だなどと答えていたが、その時、ジャックが車の影に戻って来て、足を止め、父親の話を聞いていたとは知らなかった。

その後、さも今戻って来た風を装いながら父親たちの前に姿を現したジャックは、娘と落ち合う場所の様子をコマノフに聞くが、5年間も檻に入れられていたので今の様子がどうなっているのか分からないが、最上階にあり、88年に閉鎖されたらしいので、今は工事中のはずだとコマノフは自信なさげに答える。

その時、その場を離れていたジョンが、ゴミ入れ用の袋カートを使っていた掃除婦らしき男に話をつけたらしかった。

3人は、その袋カートに身を潜めてホテルの入ったのか、エレベーターに乗り込むと、ジョンとジャックはそれぞれ銃を構える。

そんなジョンの様子を見たコマロフが、場慣れしているな…、さすが!と感心すると、横に控えていたジャックも負けじと、おれもだと答える。

エレベーターを降り、人気のないホールのような階に到着した3人は、恐る恐る部屋の中の様子を見ながら中央に進みでて、コマロフはイリーナ!と娘の名前を呼ぶ。

すると、椅子が積み重ねられたテーブルの奥から、おどおどした様子のイリナ(ユーリヤ・スニギーリ)が出て来て、父親のコマロフと抱き合う。

それを観ていたジョンは、俺たちもハグするか?と冗談を言うと、家にはそんな習慣はなかったとジャックは冷たく拒否する。

しかし、ジョンは、抱き合っている父娘の様子を見ながら、何か変だな?と口走る。

コマロフは、部屋の窓枠の下に据え付けられているスチームの一部を開け、その底に置かれていた包みを手を延ばして取ろうとする。

その間、ジョンはイリナに、随分早くから着いていたな?と問いかけると、ガーデンリングを通ったからとイリナは答える。

ガーデンリング?あそこはいつも渋滞だろう?道、空いてたか?とジョンは食い下がる。

コマロフが鍵の入った包みを取り上げた時、ようこそ!諸君!と言いながら、装甲車でずっとついてきたアリックたちが銃を手に現れる。

ジョンとジャックは、自分等の銃を床に置くしかなかった。

驚きながら、娘に近づいたコマロフは、イリナに首筋を羽交い締めにされて、こめかみに銃口を突きつけられる。

イリナは、これもお金のためよ。何百万ドルになるの。生き地獄を味わったわ。あんたが投獄している間…とイリナは、唖然としているコマロフやジョンたちに説明するが、その顔つきは先ほどのおどおどした娘とは別人のようだった。

ジョンはあっけにとられたように、結局金か?とぼやく。

タップを踏みながら、ジョンたちの側に寄って来たアリックは、足でリズムを取りながら、ジョンたちが床に置いた銃を蹴飛ばし、ダンサーになれた。間違いなく。パトロンさえ見つかれば…と言うと、お前たち良くもおれをコケにしてくれたな!と怒鳴りつけ、ジョンとジャックを殴り倒す。

その間に、イリナはコマロフを連れて屋上のヘリポートに着陸していたヘリコプターに乗り込もうとしていた。

縛られたジョンは、隣で同じように縛られたジャックが、素早く、ズボンの裾からナイフを取り出して後ろ手に隠したのを見つけ、急に笑い始める。

アリックは、何がおかしい?といぶかし気な表情になるが、ジョンも父親の作戦に気づき、ニヤニヤ笑いながら、縛られていた綱を背中で切る。

もう良いだろう?と言いながら、アリックが2人に迫って来た時、綱を切ったジャックが殴り掛かり、ジョンも暴れて床に転がっていた銃を取ると、ぶっ放し始める。

物陰に飛び込んだ2人は、天井のステンドグラスの天窓を機関銃で撃って割って行く。

ガラスの破片が、敵の一味の頭上に降り掛かると、立ち上がったジョンとジャックが片っ端から撃ち殺して行く。

屋上からヘリコプターが出発し飛び去ったので、ジャックは絶望し、もう終わりだ、ジョン!と諦めた声を出す。

すると、飛び立って行ったと思ったヘリコプターが旋回して近づいて来ると、ジョンとジャックがいる部屋目がけて銃撃を加えて来る。

2人は慌てて部屋の反対方向へ逃げると、銃を捨て、窓ガラスを割って外に飛び出す。

下には、工事用の足場が何階分も組まれており、その踏み板をクッション代わりに何枚も突き破って落ちた2人は、さらに下の階まで続くパイプの中を滑り台のように落ちて行く。

ヘリは執拗に、落ちる2人を狙ってパイプにも銃撃を加えて来るが、下まで落ちたジョンとジャックは、ぼろぼろの状態になりながら何とかホテルから逃げ出す。

アリックはチャガーリンに電話を入れ、今からファイルの保管場所へ向かうと連絡する。

それを聞いたチャガーリンは、ファイルが手に入ったら、娘も一緒に殺せと命じる。

人気のない場所で何とか一息入れたジョンだったが、ジャックが、左脇腹を押さえているので、撃たれたのか?と心配する。

しかし、ジャックは、大丈夫だと虚勢を張りながらも、もう打つ手なしだ…と弱音を吐く。

じゃあ、終わりってことか?家に帰ろう。途中で薬局に寄って、ヨードチンキか何か買って…と話しかけたジョンは、で、ファイルの中味は?と真顔で聞く。

チャガーリンに不利な証拠…とジャックは教える。

チャガーリンとコマノフは、以前、一緒にチェルノブイリで軍事用ウランの横流しをしていたが、その後犬猿の仲になった。

チャガーリンはコマノフを当獄死、社会から抹殺した。

このままチャガーリンが実権を握ったら、テロリズムや破壊活動が横行するようになる。誰かが止めないと…とジャックが説明すると、じゃあ、俺たちの出番だな…、らしいことしよう?ウジ虫たちを退治しようとジョンがあっさり答える。

すると、ジャックは、じゃあ、抜いてくれと脇腹の傷を言うので、泣くなよと子供時代の事を引用しながらジョンはジャックの脇腹に突き刺さっていたボルトを抜いてやり、破傷風の注射、いつやった?とからかう。

ジャックは気丈にも痛みをこらえ、車がいると言い出したので、良く言った、仕事、仕事…とジョンは褒める。

夜、チェチェン人の集まるクラブの前に注射してあった車の鍵をこじ開けようとしていたジャックの元に、あっさりジョンが鍵の束を持ってやって来る。

どうやら盗んで来たようだった。

車の後に大量の武器が積んであったので、どうしてこんな物がることを知っていた?とジョンが不思議がると、3年も住んでりゃ事情通になるさとジョンはあっさり答える。

ジョンとジャックはその車で、チェルノブイリに向かう。

グルノーブルに行くんじゃないのか?エディ・クリンズは、息子からフロリダに連れて行ってもらったそうだぞ。うちはチェルノブイリか?とジョンが車中で冗談を言い、あそこは今、大丈夫なんだよな?と確認する。

その頃、既にチェルノブイリに到着していたコマロフは、娘のイリナとアリックたちと防護服を着てとある建物内に入っていた。

コマロフは、ファイルは奥の金庫にあると言い、その場所を探し始める。

ジャックは、チェルノブイリでは、事故の24時間後、5万人が避難を命じられ、いまだに戻れないと、放射能に汚染された場所の恐ろしさをジョンに教えていた。

金庫に着いたら、コマロフは殺される…とジャックは危惧する。

チェルノブイリに到着したジャックとジョンは、車を降り、武器を装着し始める。

何か作戦はあるのか?とジョンが問うと、突っ込んで行って銃をぶっ放す。出たとこ勝負だとジャックは親譲りなことを言う。

そんなジャックにジョンは、今度ゆっくり話したい事がある。相棒をなくすのは辛い事だ。すまん、迷惑をかけた…とマイクを殺してしまった詫びを良い、ドンパチやらかしたけど、良い1日だった。お前と色々出来たから、会えて良かった。良い息子だと言い添える。

ジャックも、そっちもなと照れくさそうに答えたので、援護は俺に任せろとジョンは答える。

ジャックも援護すると言い、2人はがっちり握手する。

良し、ウジ虫どもを退治に行こう!とジョンは告げる。

その頃、金庫らしき場所に到着していたコマロフに、娘のイリナが、預かっていた鍵を手渡す。

その鍵を使って、金庫を開けると、コマロフが、放射能が何十年も溜っているはずだと言うので、分かってるわ、パパと答えたイリナは、あれを持って来て!と部下たちに命じる。

建物の外に、ヘリコプターで何か化学薬品を積んでいるような特殊車両が降ろされる。

イリナは、化合物274、それで放射能を中和できるわと言う。

薬品を金庫内に散布すると、アイパッドで検出していた室内放射能量が減少し始める。

施設の中に入り込んでいたジャックは何か思い出さない?と声をかけ、ジョンは、地元か?とうらぶれた内部の様子を例える。

イリナは、アイパッドのメモリーを確認し、安全になったと言いながら、防護服を脱ぎ捨てる。

金庫内には、大量のコンテナのような物が置かれていたので、アリックがこれは何だ?と不思議そうに聞くと、10億ユーロ分の濃縮ウランよとイリナが教え、そんな事より、ファイルだろ!と焦るアレックの側頭部を、いつの間にか銃を持っていたコマノフが撃ち抜き、もうお前は用済みだと呟く。

コマノフはイリナに笑いかけ、イリナ、良くやった!言った通りだろう。何もかも全て巧く行ったと喜ぶ。

イリナもコマノフに抱きつき、パパは天才よと賞賛する。

イリナはチャガーリンに付いたと見せかけ、実は最初から父親の指示通りに動いていたのだった。

イリナは、濃縮ウランを詰め込むように部下たちに命じる。

建物の外の慌ただしい動きを観ていたジョンは、ファイルにしては大げさだな?と違和感を指摘する。

イリナは、ヘリからの無線で、5分で離陸できる事を聞くと、何かの装置をコマノフに手渡す。

コマノフは、床に倒れたアリックの死体から携帯を取り上げると、サウナに入っていたチャガーリンに電話を入れる。

ビクター、もうやったか?と聞いて来たチャガーリンは、応答したのがユーリ・コマノフと知ると仰天する。

前に会った時、全てが戻って、私に人生を返すと言ったな?確かに返してもらった。今度は私がお前の人生を奪う番だとコマノフが伝えると、マッサージ室で携帯を耳に当てていたやガーリンの首に、屈強なマッサージ師の腕が絡み付き、その場で締め付けて息を止めてしまう。

部下と無線が巧く通じないのに不審を抱き、外に出てみたイリナは、殺されている見張りを発見する。

金庫内に1人残っていたコマノフは、武装したジョンとジャックが突然現れて、これは何だ?とコンテナの事を聞いて来たので仰天する。

コマノフは、自分がまだ人質だと思わせようと、急に空咳等して弱っている風を装うと、逃げよう、奴等はすぐ戻って来るとジャックたちに答える。

ここにあるのはウラン235、兵器用ウランだとジャックは見抜く。

それを聞いたジョンは、2人から離れようとしているコマノフの後を追いながら、どこへ行く?と銃を向けながら聞く。

部屋の鍵と言うのは、この保管庫の事だったんだ…とジョンは気づき始め、床に転がっているアリックの死体を見つけると、転がっているのはダンサーか?と聞く。

ファイルなんて元々なかったんだ…とジャックも、コマノフの罠に気づいたようだった。

コマノフは渋々それを認め、チャガーリンなら私を外に出せると思ったんだと打ち明ける。

金が目的か?とジョンは呆れ、お嬢ちゃんにさよなら言わせてやるぜと言い、ジャックと共にコマノフを保管庫の外へ連れて行く。

そこに、戻って来たイリナと部下たちが気づき撃って来たので、ジョンとジャックも応戦し始める。

その隙を付いて、コマノフは階段に駆け上って行く。

外に停まっていたヘリコプターのプロペラが回転し始める。

その時、ジョンは、コマノフが置き忘れて行った何かの装置のような物を発見し、ベルトコンベアに乗せ、敵の方へ動かす。

マシンガンを撃っていた敵の1人は、ベルトコンベアに置かれた装置を見つけるが、次の瞬間、それは大爆発を起こす。

ジョンとジャックは、柱の影にいたので、その炎を何とか交わす。

仰天したジャックだったが、すぐさま父親と二手に分かれ、自分は階段で逃げたコマノフを追い、ジョンの方は外へ逃げ出したイリナを追う。

コマノフは建物のベランダ部分に出てヘリに拾われるのを待っていたが、そこにジャックがやって来て、撃ち合いを始める。

ジャックは左足を撃たれる。

イリナが操縦席に乗り込んだヘリは浮上し始めるが、その後部扉が開いていたので、ジョンは飛びつく。

ヘリコプターはコマノフとジャックがいるベランダに近づき、イリナは攻撃を始めようとする。

ヘリの後部に乗り込んでいたジョンは、積んであった車の下に隠れ、その前に立っていた見張り兵を射殺する。

そして、操縦席に向かおうとするが、扉が邪魔して前に進めない。

イリナは、ベランダにいるジャック目がけて攻撃を始めるが、何故か、前屈姿勢を取っているはずのヘリのバランスが崩れ機首が上を向いてしまう。

貨物室にいたジョンが、荷物として積んであった車の車輪止めを外し、チェーンが付いたままバックしてヘリの尻から車を吊り下げたのだった。

その車が重し代わりになり、ヘリコプターは姿勢制御が出来なくなる。

ジョンは、車にしがみついて、振り落とされないように踏ん張っていた。

回転し始めたヘリコプターの尾部が、ベランダの壁に激突して破壊し始めたので、ジャックはコマノフに飛びつく。

コマノフは、それを避けようとしてベランダから仰向けに落下してしまい、下で廻っていたヘリコプターのプロペラに切断されてしまう。

パパ!と絶叫するイリナ。

車にしがみついていたジョンは、振り落とされ、建物の中に弾き飛ばされる。

そこにジャックが助けに来る。

イリナは、パパの仇とばかり、ヘリのバルカン砲を建物に向けてスイッチを押すが、もう弾切れになっている事に気づく。

次の瞬間、逆上したイリナは、ヘリで建物に突っ込んで来る。

それに気づいたジョンとジャックは、建物を飛び出す。

建物に突っ込んだヘリコプターは、そのまま地上に落下し、ジョンとジャックは、ガラスの天窓を次々に突き破り、1階部分のプールに落下する。

水面に浮かび上がったジャックは、ジョンの姿が見えないので、ジョン!と呼びながら、再び水中に潜り父親の姿を探す。

再び水面に浮上したジャックは、ジョン!父さん!と絶叫するが、その時、プールの反対側に上がっていたジョンがここだ!と知らせる。

今、父さんって言ったな?とからかうと、言ってない、耳に水が入ったんだろうなどとジャックは憮然として答える。

今のプール大丈夫だろうな?と、建物を後にしたジョンが心配すると、髪が抜けるかも…とジャックが冗談で返して来たので、お前も5年後はこうだとジョンは答える。

ただの雨水だよ。マクレーン家は不死身だとジャックが言うと、お前は、ジョン・マクレーン・ジュニアだとジョンが言うので、じゃあ、あんたはシニアか?とジャックが返す。

1つ聞きたいんだが、あんたいつも、好きでやっているのか?単に運が悪いだけなのか?とジャックが聞いて来たので、ジョンはしみじみと、おれにもそれだけは全然分からんと真顔で答える。

その後、プライベートジェット機でアメリカに戻ったジョンとジャックは、そこで待ち受けていた娘のルーシーと再会する。

ルーシーは、久々に会った兄のジャックに飛びつき、父親ジョン・マクレーンは平然とそんな2人を横目に歩き始めるのだった。