とにかく、全編、老人のくせに女に目がない森繁黄門と、偽黄門になり切る三木のり平+コント55号が巻き起こす珍騒動が笑わせくれる。
後半では、御世継ぎ輝千代(中学生くらいの中村勘九郎)暗殺を企む尾張の黒川外記(平田昭彦)らの陰謀を知った黄門一行の、ドタバタを交えた活躍が描かれている。
池内淳子扮する謎の女の意外な正体も面白い。
森繁登場の喜劇は本当に面白く、本作も又、心底笑わせてくれる傑作コメディになっている。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
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1969年、東宝、笠原良三脚本、千葉泰樹監督作品。 家綱の「生類憐みの令」にお灸をすえた水戸光国(森繁久彌)は、常陸の在、水戸の住まいに隠居していたが、「何でも見てやろう、何でもしてやろう」の好奇心から、助さん(宝田明)と格さん(高島忠夫)をお供に、東海道を旅する事を決意する。 一応名目は、独身の二人に嫁を捜してやるという事だった。 さっそく、箱根の関所に近づいた三人、麓の茶屋で一人の美しい鳥追い姿の女(池内淳子)に出会う。
ならば、この店で、抜け道ぞいにある「御留の関所」の往来切符を売っている…と、女が教える。
さっそく、その関所に向った三人、ゆで卵を食べようとしていた役人二人(獅子てんや、瀬戸わんや)をちょっとからかった後、自分らの身分を明かし叱りつける。 「♪三島女郎衆はの〜え…」の歌で有名な三島に到着した三人、さっそく、女郎宿へいってみようとウキウキ気分でいた時、先刻の関所から御老公訪問の知らせを受けた侍が、駕篭を用意して彼らを迎えに来る。 がっかりする三人。
ところが、この脱出劇を知った宿の主人、気を聞かせたつもりで、宿場中に「顎ヒゲ姿の黄門様一行が来ているから、無礼のないようにと告げて廻ったからさぁ大変! ちょうどその頃、入浴中だった黄門は、頭に胴巻きを結び付け、立派な顎ヒゲをはやした奇妙な老人と出会う。
その頃、その平兵衛の部屋では、案の定、「ごまのはい」だった二人、近藤欣太(萩本欽一)と狸二郎兵衛(坂上二郎)が、老人の荷物を物色している最中だった。 そこへやって来たのが、宿の主人、二人を黄門のお供と勘違いして、何でも只にさせて頂くと申し出る。 そのとばっちりを食ったのが、本物の黄門一行。
大井川まで来た一行、水かさが増していて当分、川は越せないという。
そこではじめてやった博打につきまくる黄門、よせばいいのに、その賭場の女主人おまん(草笛光子)に、二人きりさしでの勝負を挑まれる。 おまんのお色気イカサマ博打にまんまと引っ掛かった黄門、助格共々丸裸に…。
感謝した三人。
結局、騎馬戦の要領で女を運ぶ事になったが、途中で先頭の黄門が深みにはまり、全員川の中。 着物を乾かし、何とか三河の宿へ到着した三人(すでに、女は姿をくらましていた)、黄門は長生村という所の名物「猛烈丸」なる精力剤を買いたいといいだす。
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