TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

水戸黄門漫遊記('69)

とにかく、全編、老人のくせに女に目がない森繁黄門と、偽黄門になり切る三木のり平+コント55号が巻き起こす珍騒動が笑わせくれる。

後半では、御世継ぎ輝千代(中学生くらいの中村勘九郎)暗殺を企む尾張の黒川外記(平田昭彦)らの陰謀を知った黄門一行の、ドタバタを交えた活躍が描かれている。

池内淳子扮する謎の女の意外な正体も面白い。

森繁登場の喜劇は本当に面白く、本作も又、心底笑わせてくれる傑作コメディになっている。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1969年、東宝、笠原良三脚本、千葉泰樹監督作品。

家綱の「生類憐みの令」にお灸をすえた水戸光国(森繁久彌)は、常陸の在、水戸の住まいに隠居していたが、「何でも見てやろう、何でもしてやろう」の好奇心から、助さん(宝田明)と格さん(高島忠夫)をお供に、東海道を旅する事を決意する。

一応名目は、独身の二人に嫁を捜してやるという事だった。
恐縮しながらも喜ぶ助格の二人。

さっそく、箱根の関所に近づいた三人、麓の茶屋で一人の美しい鳥追い姿の女(池内淳子)に出会う。


しかし、まっ先に鼻の下を伸ばし、彼女に近づいたのは黄門自身。


彼女から「通行手形」は持っているかと尋ねられる。


すっかり忘れて来た三人。

ならば、この店で、抜け道ぞいにある「御留の関所」の往来切符を売っている…と、女が教える。


茶店に事情を聞くと、確かに、その関所の人間が時々来て、ゆで卵と交換に切符を置いて行くという。

さっそく、その関所に向った三人、ゆで卵を食べようとしていた役人二人(獅子てんや、瀬戸わんや)をちょっとからかった後、自分らの身分を明かし叱りつける。

「♪三島女郎衆はの〜え…」の歌で有名な三島に到着した三人、さっそく、女郎宿へいってみようとウキウキ気分でいた時、先刻の関所から御老公訪問の知らせを受けた侍が、駕篭を用意して彼らを迎えに来る。

がっかりする三人。
しゃちこばった接待を嫌った黄門は、風呂場で目立つ顎ヒゲを剃ってしまう。


まるで別人のようになった黄門は、二人を連れて、その本陣宿の裏手から脱出し、お目当ての女郎宿へ。

ところが、この脱出劇を知った宿の主人、気を聞かせたつもりで、宿場中に「顎ヒゲ姿の黄門様一行が来ているから、無礼のないようにと告げて廻ったからさぁ大変!

ちょうどその頃、入浴中だった黄門は、頭に胴巻きを結び付け、立派な顎ヒゲをはやした奇妙な老人と出会う。


その老人は、江戸ののり屋の平兵衛(三木のり平)と名乗り、頭に胴巻きの訳は、途中から一緒に旅をしている若者二人が、どうも「ごまのはい」らしいから、用心をしているというのであった。

その頃、その平兵衛の部屋では、案の定、「ごまのはい」だった二人、近藤欣太(萩本欽一)と狸二郎兵衛(坂上二郎)が、老人の荷物を物色している最中だった。

そこへやって来たのが、宿の主人、二人を黄門のお供と勘違いして、何でも只にさせて頂くと申し出る。

そのとばっちりを食ったのが、本物の黄門一行。


せっかく、綺麗所(塩沢ときら)を交えてこれから盛り上がろうかという所で、偽黄門一行と部屋と女を全て取っ換えられてしまう。


新しい女郎衆三人があまりにひどいので、黄門一行、その場からスタコラ逃げ出してしまう。

大井川まで来た一行、水かさが増していて当分、川は越せないという。


泊まる宿を捜していた三人、怪し気な男から声をかけられ、止める二人の忠告も聞かず、黄門はそのまま怪し気な賭場に案内される。

そこではじめてやった博打につきまくる黄門、よせばいいのに、その賭場の女主人おまん(草笛光子)に、二人きりさしでの勝負を挑まれる。

おまんのお色気イカサマ博打にまんまと引っ掛かった黄門、助格共々丸裸に…。


しかし、困っていた三人の前に姿を現したのは、箱根の茶店で出会った鳥追い姿の女。


おまんから、着物荷物一切を奪い返して来たという。

感謝した三人。


お礼にと、助と格の二人が、自分がその女を肩車して川を渡ろうと申し出る。


しかし、結局、またもや、しゃしゃり出て来たのは黄門。

結局、騎馬戦の要領で女を運ぶ事になったが、途中で先頭の黄門が深みにはまり、全員川の中。

着物を乾かし、何とか三河の宿へ到着した三人(すでに、女は姿をくらましていた)、黄門は長生村という所の名物「猛烈丸」なる精力剤を買いたいといいだす。


黄門の旅の本当の目的も、実はその精力剤だったのだ。