TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

釣りバカ日誌8

シリーズ第9弾で、この回から「男はつらいよ」の併映から外れたらしい。

常連に加え、本作では、原口人事部長役の竜雷太同様、「太陽にほえろ」仲間の小野寺昭が加わっている。

さらに、スーさんの健康問題から、知りあいの長女で医者の和美役として室井滋、一方、ハマちゃんが知り合った奇妙な科学者湯川役の柄本明と言う新キャラが加わり、2人が結ばれるまでのエピソードが入っているが、これは2人の特異なキャラは楽しめるものの、ドラマの展開としては何とも単調過ぎ、ちょっと面白みに欠けるような気がする。

後半は、渓流釣りに出かけたスーさんとハマちゃんが遭難してしまうと言う話になるのだが、それまでのラブストーリーとは何のつながりもない、いかにもとってつけたと言うか、孤立した話のような印象を受ける。

山小屋で民話を話す2人が、食べた茸の毒のせいで幻覚を観る…と言う辺りが見せ場と言えば見せ場なのだろうが、なんとも弱い。

従来の、いかにも「併映」風のこじんまり感が、この作品でも全く変わってないのだ。

テレビ放映やレンタル鑑賞レベルだったら、何となく惰性で続けて観てしまうような内容なのだが、映画館で客を呼べるほどのパワーには乏しいような気がする

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1996年、松竹、やまさき十三+北見けんいち原作、山田洋次+関根俊夫+荒井雅樹脚本、栗山富夫監督作品。

太田八郎(中本賢)の太田丸で釣りに出かけたスーさんこと鈴木一之助(三國連太郎)はハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)に、ルアーをそろえたと自慢するが、必要ないものばかりそろえて!一体いくらしたの?と聞くと12、3万もしたと言うので、呆れたハマちゃんは、自分の手製なので3500円くらいですんだんだよと言いながら、自分のルアーを見せる。

それを観たスーさんは、ハマちゃん、まさかあんた、会社で仕事もしないで、こんなもの作っているんじゃないでしょうね?と嫌みを言い、ハマちゃんは何にも言えなくなる。

キャストロール

漁場に付いたハマちゃんは、キャスティングの仕方を伝授するが、横に座っていたスーさんは何にも聞いていなかったようで、同じ事を二度繰り替えさせる。

スーさんがやってみると、振りがぶった竿の針が後ろを通っていた八郎のセーターに引っかかってしまい、引っ張られた八郎は怒り出す。

さらに、それを取ろうとしたスーさんだが不器用なのでなかなか針が取れず、結局、はさみでセーターを切ろうとし出す。

そんなスーさんを尻目に、ハマちゃんはスズキを釣る。

それを観た八郎は思わずすげえなと漏らす。

タイトル

鈴木建設の会議室では重役会議が行われており、本部長(小野寺昭)が、フランスで買った城をどうするかと言う議題を説明していた。

買い戻すとなると、当時とのレートの差額で数億の損害になると判断したスーさんは、その町にあげちゃいましょうと言い出したので、重役たちは唖然とする。

城の中にある家具などだけでも引き取ったら…と本部長は提案するが、スーさんは、中味のない寄付なんて意味ないでしょうと癇癪を起こす。

しらけた重役たちは、次の議題に移る事にする。

営業第三課では、佐々木課長(谷啓)が部下たちに、節約、倹約を徹底するように説教している所だった。

そこに外回りからハマちゃんが帰って来て、不景気だね。町行く人たちの顔にも覇気がないと言うか…などと言いながらイスに腰掛けると、ひとみちゃんにコーヒーを頼むが、コーヒーメーカーは廃止しましたと言われる。

コーヒーが飲みたければ自動販売機など自前で買ってくれと女子社員のひとみが言うので、じゃあ、お茶で良いと言うと、お茶も、テーバッグを1日1パックだけ支給されると言うので、じゃあ、氷を…と言うと、冷蔵庫も使用禁止だと言う。

こんな仕打ちをされたんじゃ、労働意欲も湧きませんよと佐々木課長に噛み付いたハマちゃんだったが、君に労働意欲なんて湧く事あるの?と逆襲されてしまう。

ふてくされて、ウ○コをしに行くと言って席を立つと、そんなものは家でして来いと佐々木課長は叱る。

ハマちゃんが、清掃中の看板を出しかけた掃除夫のおばちゃんに断りながらトイレに駆け込んでいた頃、社長のスーさんは社長室の水洗便所で、排便後、血の付いたトイレットペーパーを憂鬱そうに水に流していた。

その後、スーさんは旧友の娘である秘書の榊真理(西山由海)に、今年はお父さんの三回忌だったなと確認するが、お伝えしようと思っていたのですが、社長がご多忙でしたので、もう内々ですませたと言うので、では一度、お線香を上げにうかがうと伝える。

そこに草森秘書室長(角野卓造)と本部長が来て、福島の磐梯美術館の建設計画には、すでに島村建設が動いているので、当社は降りる方向になっているとの報告がある。

昼休み、女子社員たちとスパゲティを食べて会社に戻って来たハマちゃんは、スパゲティをパスタなんて言う奴は首を絞めたくなるんだよねなどと言って手を差し出すと、ちょうど昼食に出かける所だったスーさんの首に手をかけてしまったので、互いに気まずい空気になり別れる。

スーさんは、今日はパスタで…などと言って出て行ったので、それを耳にした女子社員たちは笑い出してしまう。

自宅に帰ったハマちゃんは、息子の鯉太郎を妻のみち子(浅田美代子)に寝かさせると、解禁日と言う事で久々に合体に及ぼうと寝室へ向かうが、その時いきなり電話がかかって来る。

ハマちゃんは迷惑がり、みち子に留守電設定にさせるが、聞こえて来たのは、湯川省平(柄本明)ですと言う馴染みの声だったので、仕方なく受話器を取ったハマちゃんが、今どこにいるの?と聞くと、すぐ近くにいますと言うではないか。

近くってどこなのよ?駅なの?とみち子と電話を代わったハマちゃんだったが、ベランダの窓ガラスのカーテンの隙間から中を覗いている湯川の姿を発見、仰天する。

仕方なく、玄関を開け、今日はもう寝ようとしている所なんだと追い返しかけたハマちゃんだったが、そんな策略も通じず、湯川は勝手に上がり込んで来る。

変人の科学者湯川は、アイスボックスを開けて自分が釣ったと言う「竹麦魚」を見せるで、じゃあ、これを肴に一杯飲むか?とハマちゃんは誘うが、そんな事には興味がないらしい湯川は、これを釣った時にひらめいたんですが…と言い出し、意味不明の宇宙の話をし出す。

さすがに。ハマちゃんたちが迷惑顔を見せたので、鈍感な湯川も空気が悪い事を悟ったのか、そそくさと帰って行く。

その様子を観ていたみち子は、博士の頭の中って、メロンの皮みたいに配線がなっているんじゃないかしら。ターミネーターみたいになっているのよと、分かったような分からないような解説をする。

とは言え、邪魔者がいなくなったので、その後ハマちゃんとみち子は久々に合体する。

ある日、榊家を訪問したスーさんは、仏壇に手を合わせ、未亡人(原知佐子)と真理相手に挨拶をしていた。

その外では、車を前に、前原運転手(笹野高史)がカンフーの練習などしていたが、そこに車でやって来た女性が、邪魔なんだけど?と前原に苦情を言い、自分はすぐに帰るので、自分の車を逆方向に回しておいてと頼み車のキーを放り投げて行く。

榊家には言ってきたその女性は、未亡人から、スズキのおじ様よと紹介されると、昔あった事のあるスーさんの事を思い出したようだった。

スーさんの方も、真理の姉である和美(室井滋)を思い出す。

スーさんは、出されたお茶を飲もうとするが、熱かったので、思わず舌を出し、湯のみを置くが、それを目に留めた和美は、おじ様、ちょっと舌を見せてと言い出す。

嫌々口を開けたスーさんだったが、その舌は白く変色していたので、和美は、大腸検査したことあります?早めに検査をした方が良い。うちに来ますか?私は今日当直ですから、予約を入れておきますと一方的に言って帰って行く。

後日、会社にいたスーさんは、磐梯美術館の落札に成功し、鈴木建設が年内に着工すると言う新聞記事を読んでいたが、郡山出張所開設に伴い、そこへの赴任者を募集した所、1人だけ応募があり、その転勤希望の理由と言うのが「渓流釣りをしたい」と書かれていたと原口人事部長(竜雷太)が報告したので、そんなふざけた理由を書く奴など白紙撤回だと秋山専務(加藤武)は不快感を露にする。

しかし、その転勤希望届けを書いたのがハマちゃんだと知ったスーさんは困ってしまう。

営業三課では、すでに郡山に行く気になっていたハマちゃんが、渓流釣り用のルアーなど作っていたが、それを見た佐々木課長は苦虫をかみつぶしたような表情になる。

君は会社に何をしにきているんだね?と問いかけた佐々木課長であったが、周囲の女子社員たちも、釣りの合間に仕事をしているのよねとハマちゃんに味方する始末。

佐々木課長の仏頂面にも無頓着なハマちゃんは、郡山行きの辞令はどうなっています?福島弁も練習しているんですけどとさっそくしゃべってみせるが、それは鹿児島弁だった事に気づくと、すぐに福島弁に訂正する。

その時、人事部長から佐々木課長から電話が入り、郡山転勤の話はなしになったと知ったので、課長は愉快そうにハマちゃんに伝える。

その頃、秘書室のファックスに、和美からの診察予約のファックスが入ったので、妹の真理がスーさんに見せる。

スーさんは、困るよと困惑し、草森秘書室長を呼んで、大腸検査の経験はあるか?と聞きながら月曜日の予定を確認するが、草森秘書室長は、当日のスケジュールを読み上げた上で、全部、キャンセルして秋山専務に代わって頂きました。検査の方が大切ですのでと言う。

月曜日、和美が勤めている聖ヨハネ総合病院に前原運転手と共にやって来たスーさんだったが、大量の洗浄剤を飲めと渡され、余りのまずさに辟易し、前原運転手に飲んでくれなどと言い出す。

それを観ていた看護婦は、それが飲めないなら浣腸をしますと言って道具を取り出したので、それも抵抗があるスーさんは、自分でやりますと道具を借りてトイレにこもってしまう。

スーさんが、トイレにこもって出て来なくなったと聞いた和美は、トイレの所へ向かい何をしているんですか?と叱る。

トイレの中では、スーさんが、浣腸のチューブを何とか肛門に押込もうと冷や汗を流していた。

何とか、大腸カメラの撮影を終えたスーさんは、ポリープが2つあったので、電気メスで切っておきました。これから検査しますと和美から言われ、一安心する。

言うなれば、私はおじ様の命の恩人よと、診察を終えた和美が冗談を言うと、何かお礼をしなければいけませんねとスーさんは考え始め、あなたはどんな男性が好みなんですか?と聞いてみる。

すると和美は、自分の好きな事をやっている人で、顔は大きめで、動物に例えると、カバ、ラクダ…などと言い出したので、ようするにハマちゃんみたいなタイプなんですねと納得したスーさんだったが、その時、部屋の隅に釣り具が置いてあることに気づくと、和美さん、釣りするんですか?と尋ねてみる。

すると、急に思いついたように、和美は、私を釣りに連れてって…とおねだりし、スーさんは喜んで指でOKサインを出す。

福島県いわき市

末続駅に車で駆けつけた和美は、ホームに走り込むと、ベンチに座って本を読んでいた男性に、9時39分の電車はもう来ましたか?と聞くが、あいてはまだです。遅れているようですと無関心そうに答える。

その隣に座った和美は足を組んで、タバコを吸い始めるが、隣の男が、お嬢さん、釣りですか?と聞いても返事をしない。

隣の男は湯川省平だったのだが、和美が答えないので、もう一度繰り返して聞くと、この格好で結婚式行くわけないでしょう?釣りに決まってるじゃないですか!大体私は、お嬢さんなどと言われるのが抵抗あるんです!と不機嫌そうに答える。

じゃあ、何と呼べば良いんですか?おばさんですか?と湯川も切れ気味で答えたので、ますます2人の仲は険悪なムードになる。

ここは自分の故郷で、舞子浜に行ってごらんなさいなどと湯川が親切に教えると、講義は結構、私が待っている仲間は釣りの名人なのと言って和美は相手をしなかった。

そんな所にようやく電車が到着し、和美は降りてきたスーさんを迎え、湯川は同じく降りてきたハマちゃんと会い、4人は同じ仲間と言う事で合流したので、和美と湯川は、互いにバツが悪そうに会釈しながら微妙な関係になってしまう。

浜辺に着いたので、湯川が指につばをつけ、風速を観測すると、今なら向かい風ですから…などと講義を始めるが、それを聞いていたスーさんは、釣りは身体全体を使ってやるもので頭は関係ありませんよと、ちょっとバカにして来たので、湯川は、頭も使いますよとぶつぶつ呟く。

見本を見せてと和美がスーさんに竿を投げてもらうが、偉そうな事を言っていたスーさんお釣り糸が自分の上着に引っかかってしまい、無様な所を観られてしまう。

取りあえず、竿を浜に刺した湯川は読書に夢中になり、意図が引いた合図の鈴にも気づいてない風だったので、隣に座っていた和美が引いてますよと近づいて声をかけると、今面白い所なんですと湯川は本から目を離そうとしない。

よかったらあなたが引いて下さいなどと言うので、仕方なく和美が引き始めるが、途中でがつんと来ましたと言うと、ヒラメですねと察した湯川は、そのままどんどん巻いて下さいと指示を出す。

途中で糸が緩んだので、和美はバレたと思い込むが、湯川はバレてないと言い、自分も和美に手を貸して一緒に竿を引き始める。

ヒラメは浜につり上がり、反動で、湯川と和美は浜に倒れてしまい、その時、上に覆いかぶさった湯川の上着のボタンが和美のボタンと絡まってしまい、しばらく2人は浜辺で重なり合っているような状態になる。

焦る2人を置いて、ハマちゃんとスーさんは釣り場を移動し始める。

夜、地元の割烹料理屋「天地閣」の座敷で夕食を取っていた和美と湯川は、お嬢美空ひばりを真似、派手な衣装に着飾ったハマちゃんが1人で歌を歌い始めたので、呆然としてしまう。

スーさんだけは、毎度の事なので相手にせず、ビールをついでと頼むハマちゃんの方を観もせずに、適当にビールをつぐので、たまらなくなった和美は大笑いをしてしまう。

後日、鈴木建設の社長室にやって来た和美は、取りあえず先日の結果は大丈夫だったとスーさんに伝え、帰り際に、この間釣りでお会いした方の連絡先を教えて頂きたいと申し込む。

それを聞いたスーさんは、あの時いたのはハマちゃんともう1人しかいないが…と考え込み、とかく仕事に打ち込みすぎると世間の事が分からなくなる。なくなったお父さんとは学生時代からの無二に親友だったので、真理さんも預かっているし…と言い出し、あの人のことは良く知らないのだが、かなり個性的な方のようで、負と負が会うと反発しますよなどと説得し始めたので、和美は急に恥ずかしがり、そんなつもりじゃないんです。もう良いですと言って帰ってしまう。

それを見送ったスーさんは、やっぱり本気だよ、あれは…と表情を曇らせる。

営業三課の佐々木課長は、いつもハマちゃんに電話して来るスーさんとか言う暇な爺さんからまた電話があったので、いつも仕事中に困るよと釘を刺し、ハマちゃんに伝える。

ハマちゃんは、スーさんからの伝言を聞き、承知すると共に、電話を切った後、佐々木課長に、覚えておけって言ってましたよと伝えたので、何も知らない佐々木課長は、偉そうに…と鼻で笑う。

その夜、湯川のアパートを尋ねたハマちゃんは、パソコンに向かっていた湯川に、この前会った和美さんをハート的にどう思う?デートしたいんだって…と伝えると、急に湯川は黙り込み、その場に気絶してしまう。

後日、美術館の前に走ってきた湯川は、先に待っていた和美に遅刻を詫びるが、まだ15分前ですよと言われ安心する。

その頃、スーパーの衣料品売り場で買い物をしていたハマちゃんとみち子は、湯川のデートが今頃どうなっているだろう?と気をもんでいた。

その時、知人が通りかかり、今日は久々にデートか?鯉太郎はどうした?と聞いて来たので、急に鯉太郎がいなくなった事に気づいた2人は慌てて、鯉太郎の名を呼ぶ。

当の鯉太郎は、玩具売り場で遊んでおり、呼ばれた声に何事かと振り向く。

海辺に来た和美は、自分が子供の頃、病気にかかって医者を尊敬し、それ以来医者になろうと思ったと言う思い出を語りながらベンチに腰掛けるが、先ほどから、湯川の方が全く一言も発しなかったので不満を述べると、今度は僕がしゃべりますと言いながらも、話が苦手なので歌いますと言って、突如歌を歌い始める。

通行人たちは好奇の目で立ち止まるが、歌声を聴いていた和美の表情は和み出す。

自宅に戻って来た和美は、母や妹の真理が話しかけても上の空状態で部屋に閉じこもる。

一方、湯川の方も、カメラを借りたハマちゃんの家にやって来てカメラを返しながら、結局一枚も撮らなかったと言うが、その表情は完全にいってしまっており、玄関先で突然歌い出すと、そのまま帰って行ってしまう。

部屋に閉じこもった和美の方も、湯川が歌っていた「人知れぬ涙」のCDを聞きながらうっとりしていた。

その後、和美と湯川は、いわき駅で結婚式を挙げる事になる。

その出席後、スーさんとハマちゃんは、タクシーで福島県の夏井川と言う場所にやって来る。

タクシーの後部座席で、着替えをする2人だったが、衣装がこんがらがる、

目指す釣り場の近くに到着した時、運転手(ビートきよし)が、何時頃迎えにきましょうか?と聞いてきたので、暗くなるのは何時くらい?と聞くと、この辺は谷間なので、4時には暗くなりますよと言うので、その時間に戻って来てくれと頼む。

運転手は承知しながらも、あんまり暗くなると、熊が出るよと脅かして帰って行く。

沢に向かおうとした2人だったが、その時になってようやく、互いの上着を間違ってきている事に気づく。

ハマちゃんは、スーさんの始動で、イワナ釣りに挑戦する。

すぐに釣れるが、スーさんは、身体がもう傷ついている時期だし、天気が悪いから場所を移動しようと言い出し、釣ったばかりのイワナをリリースしろと一方的に言う。

次いで、スーさんも別の場所でイワナを釣り上げるが、今度はハマちゃんが、リリースしてと命じる。

途中、天気が危なそうなので引き上げる釣り人たちとすれ違ったハマちゃんとスーさんだったが、渓流釣りなんてなかなか出来ないのでついつい粘ってしまう。

その内、本当に空模様が危なくなってきたので、ハマちゃんは帰ろうとせかすが、その時、戻りかけたスーさんが足を滑らせ、岩の間に足を挟まれてしまう。

その時雷鳴と共に雨が降り始め、何とかハマちゃんがスーさんの足を引き抜き助けるが、怪我を舌スーさんは満足に歩けなくなっており、2人は互いに支え合いながら山を戻り始める。

やがて、スーさんを背負って歩く羽目になったハマちゃんだったが、すぐにへたばって休憩を取ると、昔、インパールで、傷ついた仲間の兵士を背負って20km歩いた事を思い出す、ハマちゃんはまだ1kmも歩いてないよなどとスーさんが言い出したので、ハマちゃんはふてくされる。

その時、近くの笹が揺れたので、誰かいるのか?と警戒した2人だったが、熊かもしれないと想像するとちょっとパニックになり、スーさんは熊よけの鈴を鳴らし、ハマちゃんは、ロープを輪っかにして電車ごっこのようにスーさんの身体を入れると、必死にその場所から逃げ始める。

スーさんは、さっきから同じ所を歩いているような気がすると言うが、ハマちゃんはそう言うのはデジャブと言うのと言い聞かせ気にしなかった。

雨の中、常交タクシー営業所に戻って来たタクシーの運転手は、いくら待っても2人が戻って来ないと当直に連絡し、名刺をもらっているので連絡してみると言い出す。

自宅でゴルフの練習をしていた秋山専務は、会社の守衛から電話を受け、社長が福島のいわきで遭難したらしいと言う報告を受ける。

その頃、ハマちゃんとスーさんは山小屋に避難していた。

何とか囲炉裏に灯を点したものの、水を湧かすくらいしか出来ず、食べ物が何もないので、今になって、さっきリリースしたイワナを惜しがる2人。

たき火を建物の中で探していたスーさんは、上着のポケットの中に一つチョコが入っている事に気づき、思わず口に入れると、知らん振りをしてハマちゃんの元に戻る。

ハマちゃんは、スーさんの怪し気な行動に気づき、口を開けさせると、ちょこを食べた事に気づき恨み言を言う。

スーさんは、1つしかなかったから…などと言い訳しながら、私先に寝ると言って横になる。

その時、ハマちゃんの方も、上着のポケットの中にピーナッツが1つ入っている事に気づく、そっと皮を割ろうとするが、その音に目ざとく気づいたスーさんが起き上がり、今何か音がしなかった?と言い出す。

ハマちゃんは、ピーナッツが1つあったので…とマメを見せ、2つに割って、その片方をスーさんに渡そうとするが、スーさんはお食べなさいよと冷たい口調で勧めてくれる。

ハマちゃんは、何となく気まずい思いの中でピーナッツを食べる。

その直後、2人は、囲炉裏の側に生えていた2つのキノコを発見する。

さっそく、先ほどスーさんが手遊びで作っていた串に刺して焼き始める。

焼き上がるのを待つ間、何だか民話の中の世界だね…などと言い出したハマちゃんは、子供の頃に聞いた安達が原の鬼婆の話をし始める。

すると、スーさんの方も興に乗って来たのか、2人して芝居風に話を進行して行く。

キノコは焼けてきたのか、表面から毒々しい汁が滴り落ちて来る。

その頃、重役たちを従え、バスでいわき市に近づいていた秋山専務は、他のメンバーたちが全員眠り込んでいたので、慰安旅行に来ているんじゃないよと叱りつけていた。

山小屋のスーさんとハマちゃんは、焼き上がった茸を食べた後も話を続けていたが、スーさんの方が眠たいのか後ろに倒れてしまう。

ハマちゃんは、まだ安達が原の鬼婆の話を続けており、倒れたスーさんを起こして聞かそうとするが、起き上がったスーさんの顔は鬼婆のようになっていた。

スーさんの方も、鬼婆のような隈取りメイクになっているハマちゃんを観て驚き、2人同時に気絶してしまう。

翌朝、麓の村では、消防団などが集結し、本格的な山狩りが始まろうとしていた。

鈴木建設のバスも到着していたが、夕べあれほど檄を飛ばしていた秋山専務だけは眠り込んでいる中、他のメンバーたちはバスを降りて行く。

消防団が出発し、学生時代、山岳部に所属し、山なら熟知していると自慢する原口人事部長と草森秘書室長は、川伝いに登ってみる事にする。

その頃、山小屋で目覚めていたハマちゃんとスーさんは、夕べの幻覚はキノコのせいだったに違いないと反省していた。

その時、山裾の方から自分らを呼び声が近づいてきたので、捜索隊が出てくれたんだと喜んだ2人だったが、2人一緒にいる所を見つかってはまずい事を悟り、ハマちゃんは先に山を下る事にする。

別れの時、2人は互いに見つめ合うと、感極まり抱き合ってしまう。

ハマちゃんは山小屋を出ると、下から登ってきた消防団の2人が小便のため薮の中に入って行く。

川伝いに登っていた原口人事部長は、岩の上で足を滑らせ落ちてしまう。

それに気づいた草森秘書室長が呼子を吹く。

村で待っていた秋山専務と佐々木課長は、戻って来た消防団が押してきた担架に乗ったスーさんを見つけ安堵する。

スーさんは、消防団の方達に挨拶したいと言い出し、立ち上がると整列した消防団員たちと一人一人握手し始める。

その時、1人の消防団員がその場を立ち去ろうとしていたが、隊長に呼び戻され、しかたなく列に戻ってスーさんから何事かを耳打ちされるが、サングラスをかけたその消防団員の様子を怪しんだ佐々木課長は、バスの中から、その団員をじっと監視していたが、釣り着を来た男がその消防団員に近づき、早く服を替えてくれと言いながら列を離れてもめ始めたので、浜崎君、何でここにいるの?と声をかけてみる。

すると、消防団に化けていたサングラス姿のハマちゃんは、つい、釣りで…と答えてしまう。

後日、本社の社長室に集まった重役たち。

スーさんと原口人事部長は松葉杖を持っていた。

過日、城を町に寄付した礼がしたいと、ベルギーからブノア夫妻が来日したとの報告がある。

次いで、原口人事部長が、懲罰問題の話があると切り出す。

社長が山で遭難していた時、こともあろうに、同じ山に釣りに行っていた社員がいると言うのだった。

スーさんは、話を聞きましょう、呼びなさいと言う。

営業第三課では、復活したコーヒーメーカーのコーヒーを美味しそうに飲んでいたハマちゃんだったが、佐々木課長が電話を受け、懲罰委員会に行くとハマちゃんに告げる。

女子社員たちは、自分たちの有給を全部あげるからどうにかならないの?などとハマちゃんを助けようとするが、佐々木課長は、今回は解雇通告は間違いないだろうと告げる。

社長室にハマちゃんを連れて来た佐々木課長は、この男は憎くないんです。社長はかねてより、無用の用と言う事をおっしゃっています。

この会社にはたくさんの歯車で成り立っているのですが、潤滑油も必要です。社長のいう人材こそこの浜崎君なのですと必死に弁護し始める。

それを聞いたスーさんは、松葉杖を秋山専務に預けると、君は我が社に入って何年になるね?とハマちゃんに問いかける。

ハマちゃんは考えながら、高松支店に8年、本社に8年…と答えたので、計15年も勤めてくれたのなら、解雇だけは…とスーさんは提案しかけるが、原口人事部長は、懲罰委員会はこの男の為にあるようなものですと異議を唱える。

その時、ブノア夫妻が社長室にやって来たので、取りあえず、ハマちゃんと佐々木課長は廊下で待つように命じられる。

ブノア氏は、城を町に寄付してくれた感謝を込めてスーさんに名誉町民にすると告げる。

感謝したスーさんが、日本では何をおやりになりたいですか?と聞くと、釣りですとブノア氏は即答し、きれいな箱を取り出して見せる。

その中には小さな和竿が入っていたが、何を釣る竿なのかスーさんを始め誰も分からなかった。

すると、スーさんは廊下にいたハマちゃんを呼び込み、これは何を釣る道具か知っているか?と聞く。

ハマちゃんは即座に、これはタナゴと言う小さな肴を釣る道具で、江戸時代からあるものだが、大変珍しいものだと教え、どこで手に入れたんですかと気楽にブノア氏に尋ねる。

するとブノア氏は、自分の父親が日本に滞在中、友達からもらったものなのだと言う。

それを聞いていたスーさんは、君はブノアご夫妻が日本に滞在中、面倒を見てやってくれとハマちゃんに言いつける。

ブノア氏は、メルシーボクと礼を言う。

後日、タナゴ釣りを経験してみたかったスーさんは、ハマちゃんの家に泊まり込み、早朝から、東京たなご釣り研究会がチャーターしたバスに一緒に乗り込み、タナゴ釣りに出かける。

しかし、タナゴ釣りなど初めてだったので、スーさんは、小さな餌のつけ方すら分からず、又、ハマちゃんに手伝ってもらったりするが、2人のもめ事を聞いた会長は、他の人の迷惑になるから静かにして下さいと叱る。

その後もなかなか釣れないので、ハマちゃんもスーさんも途中で飽きてしまい、居眠りを始める始末だったので、ハマちゃんはもう帰ろうと弱音を吐くのだった。

 


【送料無料】 DVD/邦画/釣りバカ日誌 8/DA-738

【送料無料】 DVD/邦画/釣りバカ日誌 8/DA-738
価格:3,476円(税込、送料込)