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東海一の若親分

1961年度、東映京都、マキノ雅弘監督作品。

中村錦之助が、若き日の清水の次郎長を演ずる娯楽大作。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

次郎長は、飲み屋で槍遣いの浪人者と知り合うが、浪人は次郎長の度胸に惚れ、やくざに身を変え子分になる。大政の誕生である。

お蝶(丘さとみ)との結婚を迷って居た次郎長であったが、義父を脅迫していたやくざの家に乗り込み、その場で相手を射殺、急いで、お蝶との祝言をすますと、その足で逃亡の旅に出かける事に…。
しかし、その直後、義父は若い刺客によって、刺し殺される。

道中、遊廓でお蝶そっくりの娼妓と出合った次郎長は、地元の親分から、その娘を博打勝負で身請けすると、その娘の里である甲州に向かう。
義父を襲った刺客の背後にも、甲州を根城にする「ドモ安」というやくざが浮かんできたからだった。
その「ドモ安」が、大掛かりな「娘達の人身売買」をやっているらしい。

賭場で出会った、若き日の森の石松(ジェリー藤尾)も、憧れていた次郎長と共に旅に同行する事になる。

途中、具合を悪くした娘を、石松の父親(東野英次郎)に預けると、次郎長一行は秋葉の火祭りが行われる甲州へ乗り込む。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

今観て、物凄く面白い!…という程ではないが、当時の娯楽作品としては、それなりにまとまっている作品だと思う。

興味深いのは、秋葉の火祭りで、次郎長一行は一人の薬売りと出会うのだが、路上で流暢な啖呵売をしているこの男、渥美清である。

彼は、一時期、東映の作品に出ていたが、ぱっとせず、その後、松竹に移って、「男はつらいよ」と出会う。

本作でも、ゲスト出演以上の出方ではないが、印象は強い。
最後は、彼も、次郎長に惚れ込み、子分になるのだ。

次郎長がドモ安(平幹二郎)と対峙する時、ドモ安をかばう女房が、元、大政の妻だった女…という辺りが見所。

大掛かりなセット、大勢のエキストラ、歌あり、恋あり、アクションあり…の、東映全盛期らしい典型的時代劇の一本だろう。