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新幹線大爆破

1975年。東映、小野竜之助脚本 、 佐藤純彌脚本+監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

学生運動に挫折した古賀(山本圭)、沖縄から上京してきたものの、仕事がうまくいかず、血を売ってその日暮らしをしていた浩(織田あきら)、そんな彼を救い上げ、面倒を見始めたものの、自分が経営する町工場も倒産し、女房子供とも別れてしまった中年男、沖田哲男(高倉健)、人生の敗残者である3人には、いつしか友情めいた連帯感が生まれていました。

ある日、浩が臨時に働いていた工事現場で事故にあい負傷。
建設会社から見舞金を脅し取ってきた古賀が「あの建設会社に爆弾を仕掛けてやろうか?」とうそぶくと、沖田真顔で「いや…、新幹線に爆弾を仕掛けるんだ」と、いつものドスのきいた声でつぶやくのでした…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

…って、おいおい!なして?健さん…!?
しかも、要求額500万ドル!(当時のレートで何と15億円!!)
いくら、人生が思い通りにならないからといって、何故、沖田が国鉄に対し怒りを爆発させたのか、最後まで理解できません。(サイコ…という訳でもないし…)

とはいうものの、計画は実行される事となり、古賀が北海道のSLに、脅し用の爆弾を仕掛ける所から映画は始まります。

パニック映画らしく、列車には出産間近の妊婦(田坂都)や芸能人(岩城滉一 )、護送中の犯人(郷英治)など、様々な人々が乗り込んでいます。

最初に、沖田から脅迫電話を受けるのが、ビジンダ−こと志穂美悦っちゃん。
国鉄総合指令室の指令長、倉持がスーパージャイアンツこと宇津井健。
時速80km以下にスピードが落ちると爆発する爆弾を仕掛けられた「ひかり109号」の運転手が、アラーの使者こと千葉ちゃん(千葉真一)。
運転助手がキケロのジョ−こと小林稔侍(後の「ぽっぽや」)。

警視庁でいつものように演説をしているのが丹波哲郎。
刑事の一人がハヤタこと黒部進。(東宝特撮でお馴染みの田島義文もいる!)
国鉄総裁が山根博士こと志村喬。
「北の国」北海道で地道に暮らす、古賀の兄が田中邦衛。
後半、沖田から爆弾解除の方法を電話で受ける、東京運転所係員がキャプテンウルトラこと中田博久。(ロボット・ハックこと佐川二郎さんも出ているのですが、これはちょっと画面上では分からない。「私はその日は休みでしてね〜」と言い訳する、荷物預り所の係員役)
鉄道公安官の一人が、ゴリさんこと竜雷太。
公安本部長が、「ウルトラQ」「カネゴンの繭」でのヒゲオヤジこと渡辺文雄。
ラスト近く、沖田に航空チケットを渡す航空会社係員が厚化粧の多岐川裕美。

そして、「ひかり109号」救援のため、溶接機を運んで来る工事車の運転手が、千葉ちゃんの実弟で、仮面ライダーでの滝和也こと千葉治郎。
平走して並んだ工事車の運転台に弟、治郎の姿を確認、にっこり微笑む兄ちゃん真一。
走りながら溶接用の酸素ボンベを渡すこのシーンが、本作の最大の見せ場でしょう。

人工密集地の終着駅、博多や北九州で列車を止めて万一爆発しては被害が大きすぎると、国鉄はその前の山口で止めよう…と結論。(山口県民の立場は?)

他にも、北大路欣也、十勝花子、林ゆたか(「亜麻色の髪の乙女」の元ビレッジシンガーズ)、藤田弓子、川地民夫…など、意外なゲストが次から次へと、出てくる出てくる…。

「スピード」の元ネタではないかという事で今は有名ですが、むしろ、当時の東映にしては珍しい「オールスター大作」として贅沢に作られている点を楽しむべきでしょう。
成田亨さんらの手になる特撮も、なかなか見ごたえがあります。


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