1958年、延べ1万3590人のスタッフが2年がかりで作り上げた、日本初の長篇カラーアニメで、東映動画第一号作品。
東宝の「白夫人の妖恋」(1956)のリメイク企画でもある。
▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
影絵技法で、拾った白蛇と別れる少年時代の許仙(しゅうせん)の姿が描かれる。
美青年に成長した許仙は西湖のほとりで、一人の美女、白娘(パイヤン)に出会う。
魚が変身した白娘のお供、小青(しゃおちん)は、許仙の友だち、パンダとミミ−(レッサーパンダ?)らと共に、魔法で動きだした龍の飾り物に乗って、空を飛んでいる内に宝物殿に墜落。
宝石泥棒出現と、宮中は大騒ぎ!
水晶玉によって、白娘の正体を白蛇が変身した魔性のものと気付いた法海和尚は、兵隊たちを差し向けて二人の中を裂き、許仙は蘇州へと追放される事に…。
蘇州で辛い肉体労働に明け暮れる許仙、しかし、白蛇の幻影が取り付いた許仙を周囲は気味悪がって、そこからも追い出される始末。
一方、そんな許仙を慕って蘇州へやって来たパンダとミミ−は、笠をかぶった白ブタを頭とする不良グループ(いたち、アヒル、ネズミ、黒ブタなど)と遭遇、スッタモンダの末、彼らを仲間にする。
白娘の面影が忘れられない許仙は、夢に現れた山奥の塔を訪れ、現れ出た白娘の幻影を抱き締めようとして崖から落下、その命を落としてしまう。
白娘は宇宙の星に住む龍王を訪ね、自分は妖精としての「不老不死」の能力を捨てる代わりに、許仙の命を救ってくれと願い出る。
願いは聞き届けられ、白娘は普通の人間となり、命の花を授けられる。
海に浮かぶ孤島の城に、許仙の遺骸を安置した法海和尚。
それを奪い取ろうと、船で接近する白娘と小青。
一旦は、法海和尚の法力で海に沈んだ小青であったが、海底に潜んでいた大ナマズに頼み、大嵐を起こさせる。
大荒れの海に翻弄される白娘の乗った小舟。
▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼
今観ると、多少、動きのガタツキやデッサンの狂いなど、技術的に惜しいと感じる部分もない訳ではないが、全体としては良く出来ていると思う。
声は、森繁久彌と宮城まり子が二人で、全てのキャラクターを演じわけているのが凄い!
森繁は、美少年、許仙の声から、法海和尚、パンダ、龍王などを演じわけている。
今や、世界有数のアニメ王国となった日本だが、この作品があったればこそ、今の隆盛がある…といっても過言ではないだろう。
動画の参考用モデルとなったのが、新人時代の佐久間良子であった事も有名。
ヴェネチア児童映画祭グランプリ受賞作品。
アニメファン必見の、記念碑的名作であろう。