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八月の濡れた砂

1971年、日活、藤田敏八監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

高校を退学した健一郎(村野武範)が、サッカーボールが転がるグラウンドに現れる。
彼に近付くのは、旧友の清(広瀬昌助)だけ。
健一郎は、教師たちが見つめる学校に向かって、サッカーボールを蹴りつける。
くだけ散る窓ガラスにタイトルがかぶさる。

誰もいない早朝の湘南、清は、若者らが乗ったオープンカーから浜辺に放り投げられた少女、早苗(テレサ野田)をバイクに乗せ、兄嫁達が経営する海の家に匿う。

実家から兄嫁の衣装を盗み出して海の家に戻った清だったが、何時の間にか、早苗の姿は消えており、後日、彼女の姉、真紀(藤田みどり)が現れ、清を車に乗せると、警察に突き出すと言い出す。

嘗められたと感じた清は、そんな真紀を車の中で犯そうとするが失敗。

一方、健一郎は、母親の再婚予定の相手、亀井(渡辺文雄)とソリが合わず、カメレオンと呼んで嫌っていた。表面的には、そんな健一郎を懐柔しようとする亀井。

後日、早苗が清の前に現れ、海水浴客でごったがえす浜辺で、かつて、自分を襲った若者連中を発見する。
清たち仲間と乱闘騒ぎになるが、隙を見て若者らのオープンカーを奪い、清、健一郎らは、早苗の別荘に逃げ込む。

偶然、早苗の部屋に忍び込んでいたコソ泥(山谷初男)を発見、全員で捕まえていたぶり始める。
そんな中、姉の真紀が帰宅、コソ泥を解き放つ。

健一郎は、一人でいる所をヤクザ3人に襲撃され負傷するが、見舞いにやって来た亀井がうっかりもらした言葉から、彼の差し金だった事実を知る。

亀井から誘われていたヨット遊びに参加する事にした健一郎、遅れてやって来た清、早苗、真紀らが乗り込むと、家から持ち出したライフルで母親と亀井をヨットから降ろし、自分らだけで海に乗り出していく…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

勉学に励む一方、教会の娘への思いを告げられず、一人焦燥する級友の姿なども平行して描かれ、70年代初頭の頃の若者像が鮮やかに浮かび上がる。

ラストは、「太陽がいっぱい」などと同じように、きらめく海とヨットと若者…という公式。
無目的な情熱に突き動かされる青春の姿は、何時の時代になっても滑稽であり、哀しくもある。