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プロメテウス

「エイリアン」(1979)の前日譚のような体裁で、前作を意識させるような部分はあるが、ホラーやショッカーのようなものを期待すると肩すかしを食う。

むしろ、「人間は誰によって、何のために作られたのか?」と言う、科学的かつ宗教的と言うか哲学的な意味合いも併せ持つ根源的な問いかけを描いた作品にしようとしているかのように見える。

ではその問いかけに対する答えはきちんと出て来るかと言うと、予想通り、通俗娯楽性も加えてしまっているため、何とも中途半端な印象を残したまま終わっている。

特に残念なのが、エイリアンの原型とも言うべき新登場のモンスターのインパクトのなさ。

欧米人には昔から人気のイメージに近いものになっているのだが、これが、日本人にとっては全くと言って良いほど怖くない。

「エイリアン」での、H・R・ギーガーの独創的なモンスターが、影も形もないような凡庸な生物になっているのだ。

さらに、せっかく3D映像にしているにも関わらず、全くと言って良いほど3D効果が生かされておらず、普通の2D作品を観ているのと大差ない。

ストーリー的にもスケール感に乏しく、何とも魅力に乏しい内容になってしまっているが、唯一注目を引くとすれば、アンドロイドのディビッドの存在だろう。

「エイリアン2」でのビショップに迫る独特の個性を持っており、彼の内部に組み込まれた自己学習性とも言うべき機能は興味深い。

彼は、独自に、人間と同じような教養を身につけようとしており、これが後のビショップに繋がると言う伏線なのかもしれないが、「エイリアン2」はリドリー・スコットの作品ではないので、ジェームズ・キャメロンの「2」に刺激されて生み出されたキャラクターなのかもしれない。

ディビッドは、人間を客観的に観察しているように見える。

彼は、特に人間を自分の創造主とは意識していないようで、人間に仕えるロボット…と言う感じではない。

それは、自分たちの創造主を知りたがる…、つまり好奇心や探究心がある人間代表のエリザベス・ショウとは対称的な存在だろうが、では彼は一体何の目的で教養を身につけているのか?

単なる、創造主であるウェイランドの個人的趣味なのか?

いみじくも劇中でウェイランドが彼を称して言った「心がない」ことを補わさせようとしているのだろうか?

ラスト近く、彼はエリザベスに脱出の助言をすると同時に、自らの救出も依頼している。

表面上は、エリザベスを助けるサポーターの役目を引き受けているように見えるが、その奥には、自己保存、自己愛の本能も組み込まれているようにも見える。

この映画は、そうしたディビッドと言うアンドロイドを超えようとしているかに見える存在を注視すると言う視点に立つなら、独特の面白さが味わえる作品なのかもしれない。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2012年、アメリカ映画、ジョン・スペイツ+デイモン・リンデロフ脚本、リドリー・スコット監督作品。

山間の風景

巨大なUFOが、上空に浮かんでおり、1人の白衣の人物が滝の側に佇んでいる。

その人物が白衣を脱ぐと、白い裸身の筋肉隆々とした男のように見えた。

男は、手に持っていた容器のようなものの中から、何かうごめくものを口に運び飲み込む。

すると、白い男の身体に変化が起き、体中にシミのようなものが広がる。

身体の内部では、DNAが破壊されているようだった。

男は身体が崩れ、そのまま滝壺の中に落下する。

男の身体の中から出て来たDNAは、水の中に溶け込んで行く。

タイトル

水の中の細胞が分裂する様子

2089年 スコットランド スカイ島

洞窟で何かを発見したエリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)は、チャーリーを呼びに行かせる。

チャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)がやって来ると、エリザベスは洞窟の上に描かれた壁画を示す。

年代を測定すると、35000年か、もっと前だと分かる。

その壁画は、人物らしき模様の指先が、星らしきいくつかの円形を指差しているような絵柄だった。

チャーリーは、今まで他で見つかったものより1000年以上古いと感心する。

私たちに見つけて欲しいのよとエリザベスは言う。

宇宙空間を進む宇宙船「プロメテウス」

乗員17名

2093年11月21日

目的地極秘

冷凍睡眠室の中で、エリザベス・ショウは眠って夢を見ていた。

少女時代、研究者だった父(パトリック・ウィルソン)と一緒に暮らしていた東洋のある地区で葬儀の列を観たエリザベスが、父から、人が死んだんだと教えられ、どこ行っちゃうの?と聞くと、天国、美しい所、パパはそう信じていると教えてくれた。

神経遮断リンク終了!

おはよう、ディビッド…

アンドロイド、ディヴッド(マイケル・ファスベンダー)は、インド・ヨーロッパ語をビデオで覚え、「アラビアのロレンス」の映画を観てセリフを覚える。

髪をといているとき、宇宙船に衝撃がある。

目的地の周辺に到着しましたとのアナウンスがある。

ある場所にディビッドが来ると、そこでは、女が黙々と腕立て伏せをしていた。

地球を出発して2年4ヶ月

女は立ち上がると、全員起こしてとディビッドに命じる。

冷凍睡眠から起こされたエリザベスは、隊長が戻らずしきりに吐き続ける。

起きた乗組員たちは、テーブルに集まり食事を取るが、アフリカ系の1人がクリスマスツリーを飾っていた。

やがて、ブリーフィングが始まる。

集められた乗組員の中には、科学者ではない作業員も混じっており、目的の星を、地球人が住めるように改造するのではないかなどと話し合っていた。

そこにやって来たのが、先ほど腕立て伏せをしていた女性で、乗組員たちを採用したメレディス・ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)だと名乗る。

彼女は、ウェイランド社の説明をし始め、2091年録画のホログラフィが映し出される。

現れたのは、彼らの雇い主であるウェイランド社創業者のピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)で、もう相当な年の老人だったが、彼の若い頃の姿はアンドロイドのディビッドで再現していると言う。

ディビッドは自分の息子同然の存在だが、心が欠けているらしい。

自分が知りたいのは人類はどこから来たか?であり、これからは、ホロウェイ博士とショウ博士が指揮を執ると、ホログラフィのウェイランドは説明する。

紹介され前に進み出たピーターは、ホログラフィ装置を使い、これまで地球上の各地で発見された古代人による謎の壁画を浮かび上がらせてみせる。

最後に、35000年前に描かれたと思われるスカイ島の壁画も加える。

どれも、巨人らしき形が、上空の星のようなものを指差している図柄だった。

我々は、目的とする惑星を見つけた。生命体がいる可能性がある…とチャーリーは説明する。

ここに住んでいる可能性があるのはエンジニアだ。何を作ったエンジニアかと言えば私たちよとエリザベスが補足する。

根拠はないけど、私はそう信じてるわと言う。

ディビッドが、ミス・ヴィッカーズが一言お話があるそうですとエリザベスを別の部屋に連れて行く。

そこには救命ボートや、世界に7台しかないと言う最先端のメディカルポッドが備え付けられていた。

バイパス手術用ねとエリザベスは驚く。

ヴィッカーズは、私は壁画の絵は原始人が描いた絵としか思わない。ただ報告するだけ。ウェイランド社はこの計画に1超ドル投資したと言うと、側にいたディビッドは、エンジニアたちとコミュニケーションを取る自信はあると言う。

プロメテウス号は目的の惑星の地表付近に接近し、チャーリーは地表部分に直線部分を発見、神は直線を作らない。ここだ!と着陸地点を指示すると、調査チームをエアロックに集合させる。

ジャネク船長(イドリス・エルバ)は、日没まで時間がないと注意するが、ジャクソンなどは武器を携帯して待機する。

アンドロイドであるはずのディビッドも、他の調査隊同様、宇宙服を着こむ。

チャーリーは、人類にとって小さな一歩だ…と、アポロ11号のアームストロング船長の言葉を洒落てみる。

宇宙バギーで緩やかなピラミッド状の小山に到着し、中に入り込んだ一行は、探査ポッドを空中に飛ばし、そのデータをプロメテウス内でホログラフィー再現しようとする。

やがて、そのピラミッド内では空気を精製していることが判明し、チャーリーは思い切ってヘッドギアを脱いでみる。

最初はその行為を危ぶんでいた他のメンバーたちも全員ヘルメットを脱ぐ。

壁面にスイッチらしき文様を発見したディビッドは、素晴らしいと漏らすと、ためらいもなくそのスイッチに触れてみたので、エリザベスは驚くが、次の瞬間、何か巨人のような幻影が通路を駆け抜けている様子に遭遇する。

その巨人たちを追って行くと、ドアの付近で一人の巨人が倒れる。

その場所には、遥か昔に扉に首を切断された巨人の遺体が倒れていた。

その映像をプロメテウスの中で観ていたヴィッカーズは、何てこと!正しかった!とエリザベスたちの仮説が当たっていた事に驚く。

ディビッドは、通路の壁面に描かれた文字を読もうとする。

そのとき、地質学者のミルバーン(レイフ・スポール)とフィフィールド(ショーン・ハリス)は、自分たちは医師が好きなのであり、巨人などには興味がないので船に戻らせてもらうと言い出し、調査隊から離脱してしまう。

しかし、チャーリーはエリザベスに、人類の創造主に会えて良かったなと慰める。

遺体の年代測定をしてみた所、死後2000年前後経っている事が分かる。

ディビッドは、入口らしき部分の横にあったスイッチらしきものを押し、独断でドアを開けると、ドアの向こうには、死んだ巨人の切断された首と、部屋の奥には巨大な巨人の顔の像が見つかる。

部屋の中には、何やら円筒形の壺のようなものが多数置かれており、湿った地面にはミミズ状の生物が生存していた。

壺の表面は波打つようにうごめいていた。

有機材だ!と驚いたチャーリーたちは、その部屋の壁面に描かれていた図が、自分たちが入ったためか変化し始めた事に気づき、急いで立ち去る事にする。

エリザベスは、巨人の遺体の頭部をバッグに詰めて帰ろうとするが、そのときプロメテウスから、風速55mのすごい嵐が近づいている。15分後に外部扉を閉めるとの連絡が入る。

エリザベスと医療班の女性で、巨人の首を詰めたバッグを運び出し、ディビッドは、みんなに無断で壺の一つを持ち出してしまう。

探査車と探査バギーで急いでプロメテウスに戻ろうとするが、到着間際で、首のは言ったバッグを落としてしまったので、それを回収しようと降りたエリザベスの目の前で、プロメテウスの外部扉が閉まりかけるが、何とかディビッドが手を貸してくれて宇宙船内に逃げ込む。

船長は、ミルバーンたちは?と聞く。

ピラミッド内で最初に離脱したはずの2人の地質学者ミルバーンとフィフィールドたちは、ピラミッドの中にまだ残っており道に迷っていた。

プロメテウス内では、拾って来た巨人の首をエリザベスたちが調査開始していた。

それを観ていたメレディスは、彼らは全滅したの?と聞くが、エリザベスたちは、外骨格を持つ巨人の頭部だと思っていたのが、実はヘルメットだと言う事に気づき、切断してみる。

中には、人間そっくりの巨人の頭が入っており、空気に触れた途端、新しい細胞が活性化したらしく禿頭部に異常が起き、目を開きそうになったので、エリザベスたちはパニックになり、ディビッドに隔離するよう命じるが、次の瞬間、巨人の頭部は破裂してしまう。

ディビッドは、自分が処理をすると申し出る。

1人になったディビッドは、特殊なヘルメットをかぶり、誰かと話始める。

その直後、部屋を出たディビッドは、メレディス・ヴィッカーズから、何て言ってたの?と聞かれたので、内密の話ですと答える。

何を話したの?彼は何て言ったの?とヴィッカーズが食い下がると、もっとしっかりやれ!とディビッドは答え、お茶を入れますか?と話題を変える。

その後、ディビッドは、ピラミッドから持ち帰っていた円筒形の壺を取り出していた。

ディビッドは、巨人のDNAを採取したとエリザベスに報告、死因を聞かれるが、何も答えなかった。

ディビッドは、円筒形の蓋を開け、中から黒いゼリー状のものを取り出す。

その後、チャーリーに出会ったディビッドは、酒を勧めるが、その中に、たった今採取した謎のゼリー状のものを混入させる。

エンジニアが全滅して残念ですねとディビッドから言われたチャーリーは、なぜ彼らは人類を作ったのか?答えを求めてここまで来たのだから、とことんやるよと答えながら、何も疑わず、ディビッドから渡されたグラスの酒を飲み干す。

一方、ピラミッドの中に残っていたミルバーンとフィフィールドは、大量の巨人たちの死骸を発見していた。

それらの遺体は、身体の中から壊されており、まるで大量虐殺したように見えた。

ミルバーンは船長に自分たちの現在位置を伝えると、ホログラフィーでピラミッド内を監視していた船長は、1km先に生物の反応があると言い出す。

怯えたミルバーンたちは、動いているのか?と聞くと、いなくなってしまった。誤作動だったかな?と船長の答えは曖昧だった。

取りあえず、ミルバーンたちは、反対方向の東に向かってみる事にする。

プロメテウスの中では、チャーリーがエリザベスの寝室にやって来てバラを渡す。

エリザベスはチャーリーにキスをすると、私たちは正しかったのよと喜ぶ。

チャーリーも、彼らは人間の祖先さ。やったなと喜び、エリザベスが首に欠けていた十字架を、もう外せよ。彼らが人間を作ったから…と勧める。

でも私は子供生めない。そう言う人はどうするの?とエリザベスが悲しむと、そう言う意味じゃないよと謝ったチャーリーはエリザベスを優しくベッドに押し倒す。

ヴィッカーズが、ピラミッド内部のホログラフィー再現図を観にやって来る。

船長は、1人アコーディオンを弾いていたが、ヴィッカーズに対し、あんた、ひょっとしてロボットか?と問いかける。

その頃、ミルバーンとフィフィールドは、巨大な巨人の頭部像がある部屋に入り込んで休んでいた。

そのとき、地面の黒い水たまりの中から、80cm〜1m程度の蛇のような生物を2匹発見、一匹は尻尾のような部分を開いたので、それに近寄ってみるが、いきなり腕に巻き付かれる。

驚いたもう1人が、相棒に絡み付いた生物を切断しようとすると、血液がヘルメットにかかり、解けたガラスが顔に付着してしまう。

絡み付かれた方は、その蛇状の生物が宇宙服を食いちぎりヘルメットの中に入り込むと、口の中から体内に侵入してしまう。

ヘルメットが溶けた方は、黒い水の中に倒れる。

チャーリーは、目に異変を感じ、鏡で観てみると、何故か片方の眼球が充血していた。

ミルバーンとフィフィールドからの連絡が途絶えたと、船長はエリザベスに連絡を送る。

調査チームは全員、2人を捜しに戻る事になるが、ディビッドだけはピラミッド内で別行動をとり始める。

ディビッドにヴィッカーズから連絡があり、部屋に映像を送ってと言う。

映像には、巨大な宇宙船が写っており、中には無数の黒いカプセル状のものが収容されていた。

さらに、イスに横たわっている巨人の遺体のようなものも…

しかし、ディビッドは、わざと映像を切ってしまう。

巨人の顔の像がある部屋にやって来たチャーリーは何かにつまづく。

その現場映像を観ていた船長は、チャンス(エミュ・エリオット)に、触らない方が良いと注意する。

その部屋にある円筒形の壺のようなものの上面から、何かが溢れ出して来ていた。

倒れているミルバーンを発見するが、エリザベスは船長に、チャーリー・ホロウェイの具合が良くないと連絡する。

ミルバーンの咽から、白い蛇が飛び出して来る。

エリザベスは、プロメテウス内のヴィッカーズに、ホロウェイが病気なので、医療の準備をしておいてと再度連絡する。

ディビッドは、巨人がイスに座ったまま死んでいるようなスペースジョッキーの部屋にやって来る。

スイッチらしき部分を押すと、イスの一つが動いたので、それに座ってみたディビッドだったが、そこに又、過去の幻影のような巨人たちが集まって来る。

1人の巨人が笛のようなものを吹くと、部屋の中央部に巨大な天体図のホログラフィーが出現する。

そのホログラフィーの中に、明らかに地球らしき惑星も発見するディビッドは、その部屋の床の一部に、巨人らしきものが眠ってるのを発見する。

ジャネク船長は、戻って来た調査隊のために後部ドアを開けておくが、ヴィッカーズは、彼は乗せないと、運ばれて来たホロウェイを観る。

エリバベスは病気だと主張するが、だから、乗せられないのだと言ってヴィッカーズは火炎放射器を手に立ちふさがる。

ホロウェイは、良いんだ、愛しているよとエリザベスは言い、自ら、ヴィッカーズの火炎放射器の火で焼かれる。

プロメテウスの医療室に戻ったディビッドはエリザベスの健康チェックをしようとし、十字架を手に取り、外します。感染の恐れがあるので…と言い出したので、ピラミッドに入った全員の血液検査する?とエリザベスは皮肉を返す。

しかし、ディビッドは、最近、親密な接触がありましたか?妊娠しています。3ヶ月ほど…と言い出す。

ホロウェイ博士との性交渉ありましたか?とディビッドは聞いて来たので、10時間前よ、あり得ないわ!とエリザベスは否定するが、人間の胎児じゃありません。観ない方が良いですと、レントゲン装置を観ていたディビッドが言うではないか。

取り出して!お願い!とパニック状態になったエリザベスだが、急に陣痛が始まる。

それを冷静に観ていたディビッドは、神に見放された。お辛いでしょう。エボラ出血で亡くなられたお父様のように…と言うので、なぜそんな事を知っているの?とエリザベスが聞くと、あなたの夢で…とディビッドは答える。

診察台からディビドが起こそうとすると、急にエリザベスは暴れ出す。

エリザベスは、ヴィッカーズの部屋に向かうと、救命ポッドの前に立ち、緊急処置!帝王切開!と命じるが、ポッドは、これは男性専用ですと答える。

エリザベスは、開腹手術の準備!と命じ、自ら衣服を脱いで中に入ると、痛み止めの薬を飲み、取り出して!と命じる。

機械は、エリザベスの腹を真横にレーザー切開し、中からイカのような生物を取り出す。

エリザベスは、ただちに縫合を指示、医療用ホチキスが切開部を縫い合わせる。

マジックハンドの中で暴れ回るイカ状の生物から逃れるため、エリザベスはポッドから出ると蓋を閉め、中を冷凍する。

ジャネク船長は、一瞬、フィフィールドからの映像を観た気がした。

場所は、格納庫のすぐ外らしい。

格納庫の扉を開くと、突然、フィフィールドに2人が襲撃される。

やむなく、探査車で轢き、火炎放射器で焼き殺す。

その頃、ディビッドは、どこかの部屋で老人と話していた。

老人は、今まで眠って乗っていたピーター・ウェイランドだった。

それを目の当たりにしたエリザベスは驚く。

彼の余命は、後、2、3日しかないと言う。

ディビッドは、1人生き残っています。これから会いに行きますと報告する。

彼らが、人を作ったのなら、救う事も出来るはずだ。救ってもらうのは死だよ。

分かってない。この星は、想像していたような星じゃない。私たちが間違っていたんです。私たちが間違っていたんです。脱出しないと…とエリザベスは説得する。

チャーリーだとどうすると思う?確かめずに帰るつもりか?新興をなくしたか?ショウ…とピーター・ウェイランドは言う。

エリザベスは、結婚指輪をはめると、宇宙服を着込む。

そこにやって来たジェネク船長は、ここは軍事基地だ。大量の武器を送り出す所なんだ。それが逃げ出した。そして奴らを殺したんだと説得する。

エリザベスは、1人残っているの。話を聞きたくない?と問いかけるが、ジェネク船長は、興味ない!俺が興味あるのは船を飛ばすだけと言うので、でも何か興味あるはずよ。そうじゃなかったらなぜ来たの?と問いかける。

それでもジュネク船長は、どんな事があろうと、あの化物を地球に持って帰る訳にはいかないと断言するので、エリザベスは、必ずそうして!と頼む。

ピーター・ウェイランドも、宇宙服を着込み、よたよたと歩き始める。

その前にいたのは、メレディス・ヴィッカーズだった。

王は国を統治してやがて死ぬ…、それが自然の摂理だから…と言うが、ウェイランドは、他には?と答えただけ。

いいえ、お父様、それだけ…とヴィッカーズは言う。

ピラミッドにやって来たエリザベスは、ヘッドギアを外す。

感染が空気なら問題外だ…

ここは何だ?とウェイランドが聞くと、倉庫ですとディビッドは答える。

ジャネク!これ見える?とエリザベスは通信で聞く。

プロメテウスに残っていたアジア系の乗組員ラベルが、ホログラフィーの中心部を拡大してみる。

そこに浮かび上がった形を観たジャネク船長は、宇宙船だ!と気づき、一緒に観ていたヴィッカーズも何てこと!と驚く。

スペースジョッキーのいる部屋に来たディビッドは、ここを脱出しようとしていたのですと説明する。

どこへ向かっていたんだ?地球です。一から作るためには殺さねば…とディビッドは巨人たちの目的を推理する。

そして、床の一部に眠っていた巨人を観たウェイランドは、生きてるのか?と問いかける。

多分…と答えたディビッドは、スイッチらしき部分を押すと、床の透明部分が持ち上がる。

中に横たわっていた巨人はゆっくり目を上げ立ち上がったので、エリザベスは、ディビッドに通訳を頼み、あの兵器は何なの?なぜ人間を殺そうとするの?私たちの何がいけなかったの?と聞こうとするが、ウェイランドはそれを制止しようとする。

ディビッドはそれでも巨人に通訳するが、いきなり巨人は怒りの表情になったかと思うとディビッドの首を引っこ抜いてしまう。

それを観ていたウェイランドは、ここには何もないと絶望の言葉を吐き、次の瞬間、巨人に投げ飛ばされる。

そうです…。良い旅を…と首だけになったディビッドが呟く。

プロメテウスの中のヴィッカーズはジャネク船長に、帰りましょうと告げ、ジャネク船長はチャンスに出発だ!と命じる。

巨人がスイッチを入れると、兵器らしき円筒形のポッド類が出て来る。

巨人は、スペースジョッキーの席に座ると、ヘルメットをかぶる。

巨人の宇宙船が発射しかけているのに気づいたエリザベスは、助けて!と叫びながらピラミッドから脱出しようとする。

宇宙船は離陸を始め、外に出かかったエリザベスに、噴煙が迫る。

何とか外に出たエリザベスだったが、地面が割れ始める。

それを何とか飛び越えながら、プロメテウスに戻ろうとしたエリザベスだが、巨人のクロワッサン型宇宙船は浮上し始める。

絶対止めないと…、これを止めないと、地球に死をもたらす!ジャネク、信じて!とエリザベスは、プロメテウスのジャネク船長に呼びかける。

しかし、ジャネク船長は、これは戦艦じゃない!と伝えて来る。

その時ラベルが、大気圏内でイオン使ったら…と提案する。

それを聞いたヴィッカーズは、1人司令室を逃げ出す。

ラベルと船内で賭けをしていた男が、賭けをふいにする気かよ?と聞くが、ラベルはあの世で払ってもらうぞと答えただけだった。

脱出まで20秒!

ヴィッカーズは宇宙服を着込み、救命ポッドに乗り込み、脱出する。

ジャネク船長は、巨人の宇宙船に向かって突っ込み、大爆発を起こす。

巨人の巨大なクロワッサン型宇宙船が降下して来て、救命ポッドで地表に降り立ったヴィッカーズとエリザベスの頭上に落下して来る。

逃げる2人の女。

巨人の宇宙船は、縦に地表に落下、転がりながら、逃げていたヴィッカーズを押しつぶすと、ゆっくり横に倒れる。

何とか、宇宙船に押しつぶされるのは避けられたエリザベスだったが、着ていた宇宙服の酸素が、後2分出来れると警告がされる。

エリザベスは、墜落したプロメテウスの方へ向かう。

壊れて開いた格納庫部分から中に入ろうとしたエリザベスだったが、中から物音が聞こえたので、壁に収納されていた斧を取ると、奥へと進む。

その時、ディビッドからの通信が入り、すぐに出て下さい。彼が追ってきますと言う。

次の瞬間、目の前にあの巨人が出現し、エリザベスに襲いかかろうとするが、その時、研究室の中から、巨大なイカの触手のようなものが出て来て巨人に絡み付く。

エリザベスはプロメテウスを脱出するが、その中では、巨人と巨大なイカ状の怪物が戦っており、最終的には、巨人はイカ状の怪物に飲み込まれてしまう。

外に出たエリザベスは、ごめんなさい!もうダメ!チャーリー!これ以上は無理!とパニック状態になるが、その時、エリザベス、無事ですか?心配しましたと言うディビッドの声が聞こえて来る。

助けて欲しいのです。ここを脱出するには私が必要です。

宇宙船ならたくさんあります…と言う。

やがて、ディビッドの首の部分に到達したエリザベスは、十字架はどこ?と聞く。

私のベルトポーチに…と言うので、切断されたディビッドの胴体のベルトポーチから十字架を取り出すと、以前のように首につける。

こんな目にあっても信じるんですか?とディビッドの首が問いかける。

宇宙船を操縦できるの?とエリザベスが聞いたので、彼らの宇宙図を使って操縦できるとディビッドが答えると、私は地球に行きたいんじゃないの。彼らの星に行きたいの。そしてエンジニアたちに、なぜ人間を作ったのか?その理由が知りたいの。知る権利があるとエリザベスは言う。

それほど知りたいのですか?分かりません…。それが人間とアンドロイドの違いかもしれません。

エリザベスは、ディビッドの首をバッグに入れて、巨人の別の宇宙船に乗り込む。

2094年1月1日

私は、エリザベス・ショウ。

これからも真実の探求を続けます。

宇宙船が惑星を離脱する。

墜落したプロメテウスの中では、巨人の死体の胸の部分からエイリアンが飛び出して来て、床に立ち上がると、雄叫びを上げる。