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釣りバカ日誌7

人気シリーズ第8弾(前作は「釣りバカ日誌S」)

今回は、スーさんが旅先で出会った訳あり風の美女に感じた淡き片想いを中心に話が展開している。

その分、お笑い要素は少なくなっており、逆に、ハマちゃんとスーさんの友情関係に亀裂が生じ、やがて、感動の復縁劇が待ち受けている。

つまり、どちらかと言うと今回は「泣かせ」の方に重点が置かれた印象の作品になっている。

第1作からレギュラー出演していた恵役の戸川純が、寿退社と言う形で姿を消す。

一方、みち子さん役は、石田えりから浅田美代子にバトンタッチされているが、意外なことにそんなに違和感がない。

想像以上に、浅田美代子は石田えりの雰囲気に近いのだ。

芝居も特に下手という感じでもなく、良く健闘していると思う。

新たに草森秘書室長役になった角野卓造も巧みで、交代した違和感があまりない。

さらに、新たなキャストとして参加している原口人事部長役の竜雷太は、やや演技が固いような印象を受けなくもない。

そうしたレギュラー陣の交代以外にゲストが何人か出ているが、最初の方で登場する中野浩一は自然な感じで、一瞬、素人のエキストラか?と勘違いしてしまうほどだが、見た目だけではなく、簡単な受け答えをしている芝居も見ていて不自然な感じは全くない。

ハマちゃんとスーさんの仲違いからの回復と言う見せ場はあるものの、それ以外はやや平凡な感じがしないでもない平均的な作品ではないだろうか。

それにしても、ハマちゃんとみち子さんのなれそめのエピソードが、これまでと全く違っているのはどう言うことだろう?

みち子さん役が新しくなったので、なれそめも新らしいものに取り替えたということだろうか?

それにしては、特に魅力的とも印象的とも思えないエピソードだし、釣りに全く関係していないのが奇妙な気がする。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1994年、やまさき十三+北見けんいち原作、山田洋次+高橋正圀+関根俊夫脚本、栗山富夫監督作品。

朝、スーさんこと鈴木建設社長鈴木一之助(三國連太郎)は、お抱え運転手前原(笹野高史)の車に乗り込むと、お手伝いに見送られ出社する。

車に同乗していた草森秘書室長(角野卓造)がスケジュールを伝え、現場に行ってくれと言うので、スーさんはいら立つ。

一方、朝起きたばかりのハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)は、そのスーさんから電話が入ったので、その日の釣りの仕掛けに着いてアドバイスをする。

スーさんは、車の中で電話を切ると、草森にもう一度最初からスケジュールを言ってくれと頼む。

ハマちゃんの方は、スーツにアイロンかけておいたというみち子(浅田美代子)に、今日はスーツは着ませんと言い、釣り用の服を着込みサングラスをかけると、「I'll be back!」と、どこかで聞いたようなセリフを決め出かける。

途中、太田屋の八郎(中本賢)に出会い、出張で福井に行くというと、良いね、釣りしてりゃ良い仕事なんてと嫌みを言った八郎が、福井に海なんてあったっけ?と聞く。

筑前若狭は日本海だろうが!お前の家の前だけが海じゃないんだ!とちょっと切れながら、ハマちゃんは去って行く。

ハマちゃんは、電車で三国港駅に到着する。

その頃、スーさんの方は、まだファンタドームという施設の視察をやっていた。

途中、見学者から携帯を借りたスーさんは、外に出て、まだ1時間くらいかかりそうだとハマちゃんに連絡するが、待ちくたびれているハマちゃんのいら立ちを感じると、20分で行きますと返事をし、どうしたのかと近寄って来た草森に携帯を渡すと、急いで去ってしまう。

三国港の民宿前でハマちゃんと合流したスーさんは、2人で海岸に出かけ、早速釣りを始める。

海を見たハマちゃんは興奮気味に、「越前若狭、日本海!一発やるぞ!」と叫ぶ。

タイトル

2人はハンドトーキーで話しながら、チヌ(黒鯛)を吊り上げていたが、そこに近づいて来た女性が、おじさん、これ何て言う魚ですか?と聞いて来る。

2人は、「おじさん」と言う言葉にこだわり、互いに返事を譲り合うが、それを察した女性が「お兄さん」と言い換えると、すぐさまスーさんの方が黒鯛のことを説明し始める。

さらにスーさんは女性に釣りをしないかと誘い、その場で手取り足取り、釣りの指導を始める。

すぐに当たりがあり、チヌが釣れたので、スーさんは記念撮影をし、女性がタクシーを待たせている場所へ帰る。

途中、地元の男(中野浩一)が発泡スチロールのケースを運んでいたので、ハマちゃんはそれを譲り受け、一緒に運んでいた冷凍物のカニも一匹もらい、女性に手渡して別れる。

スーさんもハマちゃんも、その女性の名前も電話番号も聞いていなかったことに気づく。

その後、タクシーでやって来た場所には、1人の男が待っていた。

女性は、桃子!と娘らしき女の子を呼ぶと、それまで一緒に娘といたらしきその男が娘に土産を渡し、タクシーに乗り込んで娘らしき女の子が女性と一緒に走り去ると、自分も電車に乗り込んで寂しげに帰るのだった。

東京の自宅である「ラフィーヌ豪徳寺」に娘と共に帰って来た女性を待ち受けていたのは、女性の母親夏江(山岡久乃)だった。

竜太さんと何を話したの?と聞いて来た夏江に、何もと素っ気なく女性が答えると、何しに福井まで行ってたの?と夏江は呆れた様子だった。

翌日、いつものように、社内放送に合わせ社歌を皆が歌っている最中だった営業第三課の部屋に遅れてやって来たハマちゃんは、自分のイスに花束が置かれていることに気づき、邪魔なのでどける。

すると、歌い終わった女子社員が、木村恵(戸川純)さんが結婚なさって、本日退社しますと言い出す。

驚いたハマちゃんが、じゃあ、今日は送別会やろうと提案すると、もうハマちゃんの出張中にすませて、それは楽しかったと社員たちは言う。

恵が言うには、クリーニング屋のバツイチの相手と結婚するらしい。

ハマちゃんは、佐々木課長(谷啓)に挨拶を促し、佐々木課長が、まさか恵くんが結婚できるとは思わなかったと言い出すと、それはセクハラだよ!とハマちゃんは、配布されていた指導書を手に取り注意する。

恵ちゃん、幸せに!本当に良かったと感激して泣き出した佐々木課長は、用意されていた花束を恵に手渡す。

その感激シーンの最中、電話がかかって来たので、それを取って、仕事は9時半からと言って切ったハマちゃんだったが、その直後、俺の電話を切った奴は誰だと原口人事部長(竜雷太)が怒鳴り込んで来る。

ハマちゃんはとっさに、佐々木課長を指差してしまう。

原口人事部長は、今社長の時間が空いているので、恵に挨拶してきなさいと呼びに来たのだった。

原口人事部長に社長室に連れて来られた恵を出迎えたスーさんは歯痛に悩まされていたが、10年勤務したという恵に謝礼を手渡して労をねぎらうと、原口部長に対して、気味は再婚の気持ちはないの?などと聞く。

出会いがありませんし…と照れる原口部長に、恵は、結構モテるんですよなどと茶々を入れる。

2人が退室した後、秋山専務(加藤武)や堀田常務(前田武彦)が入って来て、あれこれ仕事の話を始めるが、今日の会合は欠席にして下さいと一方的に命じたスーさんは、移動中の車の中で、前原運転手に、どこかに歯医者はないかと聞く。

その時、前原運転手がたまたま発見した歯医者に入ったスーさんは、やって来た女医が、ひょっとしてスーさん?と聞いて来たので驚く。

マスクを取った彼女こそ、福井で分かれたあの美人ではないか!

治療を終えたスーさんに、歯科医だった田上彩子(名取裕子)は、釣り道具をそろえたくなったので、昼休み付き合ってもらえないかと誘って来る。

快諾したスーさんは、その場の支払12800円を、控え室で待っていた前原運転手から借り受けて支払うと、彩子と一緒に近くの釣具店で道具を選び、その後馴染みのレストランで食事をすることにする。

その際、コック長がスーさんのことを社長と呼んだのを聞いた彩子は、会社に電話をしに席を立ったスーさんが戻って来ると、そのことを聞く。

スーさんは、恥ずかしそうに名刺を手渡すが、それを観た彩子は、目の前にいるのがあのガラス張りの大きな会社の社長だったと知り驚く。

福井では、ハマちゃんが、釣り付きの隠居だ何て言うもんですから…と恐縮した綾子に、スーさんは来週の土日にでも釣りの腕試しに行きませんかと誘う。

その夜、スーさんに電話をしたハマちゃんは、来週の土日に釣りに行かないかと誘うが、スーさんは、その日は都合が悪く、香港に出張しなくてはいけないので…とつい噓を言ってしまう。

再来週は、みち子さんの家事を手伝う日なのでハマちゃんの方が無理ということで、スーさんとの釣りを楽しみにしていたハマちゃんはがっかりする。

いよいよその土曜日になり、彩子は、娘の桃子を母親の夏江に託すと、釣りに出かけようとしていた。

そんな彩子に、私が一番の被害者、娘のことを本当に思っているのなら、たった1回の浮気くらい我慢できたんじゃない?と夏江は嫌味を言う。

真鶴港でスーさんと合流した彩子は、スーさんの熱心な指導のもと、甘鯛を釣っていた。

船上での休憩時、スーさんがそれとなく、土曜日なんかにお誘いしてご主人は怒りませんか?と聞くと、彩子は5年前に別れて、今は娘と母親の3人暮らしをしている。主人が大学の教え子と浮気をし、主人はその後、福井の大学に希望転勤したと教える。

そんな話の後、何気なくハマちゃんの噂をしていた彩子は、目の前にいる別の船で釣りをしているのが、そのハマちゃんだと気づき、声をかける。

スーさんは驚き、操縦室の陰に身を隠すが、事情を知らない彩子がスーさんも一緒よなどと大声で叫んでしまったので、渋々姿を見せるしかなかった。

釣りを終え、浜に帰ってきて食堂でビールをつぎ合う3人だったが、ハマちゃんは終始、スーさんのことを鈴木さんと他人行儀で呼んでいた。

今日は一日、スーさんの色々教わって…、今度はハマちゃんも教えて下さいねと頼んできた彩子に、弟子は凝りましたからと冷たく答えたハマちゃんは、自分にも年の離れた弟子がいたんですが、その人平気で噓つくんです。人間性って教えられるもんじゃありませんねなどと、本人を目の前に他人事のように嘆くハマちゃん。

彩子が家に電話をして来ると席を離れた時、耐えきれなくなったスーさんは土下座をしてハマちゃんに謝る。

そこに彩子が戻って来たので、場をごまかすために、スーさんはテーブルに置いてあった「真鶴良いとこ」と言う曲を歌ってとハマちゃんにせがみ、ハマちゃんは不機嫌そうに歌うのだった。

夜になって、自宅に戻って来たハマちゃんはすっかり悪酔いしてしまい、一緒に来たスーさんを前に、くどくど彩子さんと秘密に釣りに行っていたことをねちねちと責め、あげくの果てに絶好だ!と言い出す。

がっかりして立ち上がったスーさんは足がしびれてふらついていたが、そんなスーさんの背後から直してやると言いながら、膝かっくんをしたハマちゃんは、倒れ込んだスーさんに、直った?と嫌みを言う。

恐縮して詫びるみち子には、今後も末永くお付き合い願いますよと言って玄関を後にしたスーさんだったが、酔ったハマちゃんは、スーさんが忘れていった釣り道具を外に放り出して、その後台所の酢の一升瓶を酒と間違えて飲み、友達を1人失った…、寂しいと泣き出し、みち子に慰められるのだった。

太田屋の船「第十大田丸」の上で寝そべっていたハマちゃんの横で、八郎は近寄って来た船仲間に、ハマ、釣り辞めるってよと愉快そうに教える。

ハマちゃんの着ていた作務衣の背中には「断釣」の文字が書かれていた。

翌日、社長室にいたスーさんの方も、部屋を暗くして1人沈んでいた。

草森秘書室長が来て、窓のブラインドを開けようとしても、そのままにしてくれというし、何となく言動に異変を感じたのか、昼食会どこに行くの?と聞いて来たスーさんに、結構でございますと言い残して立ち去ってしまう。

夜、布団に寝そべっていたハマちゃんの方も、すっかり元気を失っていた。

心配したみち子がキスしてやってもハマちゃんの気持ちは奮い立たず、その夜の合体は不能のままだった。

翌日、会社のパソコンで辞表を書いたハマちゃんは、それを社長室のファックスに送信する。

そのファックスを受け取ったのが、県庁からの入札の知らせを待っていた堀田常務(前田武彦)で、怪訝そうにそれを社長室の持って来たので、秋山専務(加藤武)も声を出して読んでみる。

それがハマちゃんの辞表だと知ったスーさんは、驚く。

机の中の整理を始めていたハマちゃんを呼びにきたのは原口人事部長だった。

社長が呼んでいると聞いた佐々木課長も何をしでかしたんだ?と驚き、その佐々木課長も社長室に同行するよう原口から命じられる。

社長室では、辞表のファックスを手にしたスーさんが、ここに書かれている「断釣」と「大食」とはどう言うことかねと、やって来たハマちゃんに聞く。

ハマちゃんは「断釣」とは「断腸」のことで、「大食」は「退職」の変換ミスだったと答える。

間違いだったら、この辞表は無効ですと突き放そうとしたスーさんだったが、その場にいた秋山専務らは、そもそも一介の社員が社長に直々ファックスで辞表を出すとは何たることだ!と叱りつけ、字の間違いくらいは構わないので受理しなさいと言う。

しかし、原口は規則に則った形ではないのでダメだと言う。

堀田常務が、どうしてこんなでたらめなことしたの?と聞くと、誰の目にも触れることなく社長にファックスが届くようにと思って…と答えたハマちゃんは、急に秋山専務に、私の生き甲斐はなんだ?と聞いたので、驚いた専務は知るか!と怒鳴りつける。

仕事…と言いたい所ですが、違います。釣りですと続けるハマちゃん。

その釣りで友達がいました。ちょうど、そこにおられる社長さんくらいの年が離れた友達だったんですが、その友達に裏切られまして絶交状態にあるのです…と言うハマちゃんの説明に苛ついた秋山専務が遮ろうとすると、それを諌めたスーさんは、それでどうしました?と聞き返す。

私たち2人は、まるで親子というか、年の離れた兄弟のような仲で、楽しい釣りをして来たんですが、いなくなってしまうと、何もかもつまんなくて…と切々と訴えるハマちゃん。

スーさんは、目の前に置いてあった自分の銅像の目から涙がこぼれ落ちているのを見る。

それで、釣りを辞めようと決意したんですが、釣りを辞めた俺なんか蝉の抜け殻のようなもの。そんな抜け殻が給料をもらっていては悪いので辞めることにしましたと話を終えたハマちゃんに、スーさんは、同世代として、君の釣り仲間のことは良く分かると応じる。

しかし、事情を知らない堀田常務は、辞表を受け付けましょうとあっさり言うし、調べて見たら業務成績は最低なので、この男は全く会社に必要じゃない人間ですと原口人事部長も応える。

その時、口を挟んだのがスーさんで、君はその内、会社に取って必要になるかもしれん。辞表は受理できませんと命じて下がらせる。

役員たちも退室させたスーさんは、1人考え込む。

その後、近所の文具店に行ってファックスの依頼をしたスーさんは、1枚206円もかかると知り驚くが、現金の持ち合わせがなかったのでいつののようにカードを出すが、1000円以上じゃないとカードは使えないと店員に断られてしまう。

その後、ハマちゃんの営業三課のファックスが奇妙な内容の紙を次々と吐き出し始める。

「今夜 メバル釣りはいかが?」「全て私が悪いです」「あなた好みの男になりたい」「二度と裏切りません」…

それを読み上げて戸惑う女子社員の言葉を聞いていたハマちゃんは、詫びを入れるのにファックスなんか使って…とちょっと苦笑いすると、その場から太田屋の八郎に電話して、今夜メバルの予約を入れてくれと頼むが、八郎が今日はカラオケに行くんだと言うので、叱りつける。

その後、治療中だった彩子の歯医者にも、今夜、メバル釣りはいかがですか?と言うファックスが入り、喜んだ彩子が、歯の型取り中の患者そっちのけで治療代を離れかけたので、患者(羽賀研二)は、もっと誠意を持ってやって下さいと注文する。

その夜は、ハマちゃんの家にスーさん、彩子、八郎も来て、一緒に飲むことになる。

同じ船の乗っていても、1人は釣れ、別の1人は釣れないと言うのはどう言うことかしら?と無邪気に聞く彩子に、スーさんが偉そうに、それが自然の摂理ですと応えるが、それを即座に否定したハマちゃんは、魚だって美人に釣られたいに決まっていると答える。

八郎は、スーさんとハマちゃんの新しい友情を祝ってと音頭をとり乾杯をする。

すっかり仲直りしたスーさんとハマちゃんは、その後2人とも並んで眠っていた。

彩子もソファで寝ていたが、みち子が後片付けしている音で目覚めると、私もハマちゃんみたいな人と結婚してたら良かったとうらやましがり、どうして結婚したの?とみち子に聞くと、新入社員当時、満員の通勤バスに乗っていたら、天窓を開けてくれた人がいて、涼しい風が吹いて気持ちよかった。その時、その開けてくれた人が空を見上げて今日もいい天気だな〜と言ったの。それが私のハマちゃんだったのとみち子は答える。

上京した宮本竜太(寺尾聰)は、公園で遊ぶ娘の桃子を見ながら、一緒に椅子に腰掛けていた義理母の夏江に、彩子の近況を聞く。

そんな竜太に夏江は、彩子に自分の気持ちをばーんとぶつけたらどうなの?と忠告する。

「ラフィーヌ豪徳寺」に帰って来た夏江は、客が来ていると竜太を紹介すると、気を利かせて、桃子を連れて買い物に出かけてしまう。

2人きりになった竜太と彩子は互いに見つめ合うのだった。

買い物にやって来た夏江は、パパとママ何を話しているのと聞いて来た桃子に、お嫁さんになって下さいって言っているんじゃない?パパにそんな勇気があればねと答える。

ある日、女子新入社員を総合職でも募集しては?とスーさんに進言しにきていた原口人事部長は、スーさんが落とした写真に写った釣り現場で撮った彩子を見て一目惚れをする。

それに気づいたスーさんは、君、再婚の意思あるの?と聞いたので、原口人事部長は、この方をお世話していただけるんですか?と緊張する。

社長室を出てエレベーターに乗り込もうとした原口は、開いたドアから出てきた女性が、今、写真で見たばかりの彩子であることに気づく。

彩子は原口に社長室を尋ね、そちらへ向かう。

原口はあの人だ!趣味は釣りだ!と呟く。

社長室でスーさんと会った彩子は、今度は渓流釣りにでもと誘われるが、分かれた主人ともう1度やり直すことにしたと伝える。

それを聞いたスーさんは、手にしていた釣りの本を放り出すとがっくりソファに腰を降ろし、それが一番賢明な選択でしょうね…と、どこか寂しげに答える。

営業三課に来た原口部長は、佐々木課長とハマちゃんに、社長から縁談の話があってねと説明し、釣りのご指導を願えないだろうか?と頼む。

それを聞いたハマちゃんは、私の釣りの弟子になるってことかな?と急に調子に乗り出す。

エレベーター前まで送ってきたスーさんは、スーさんの歯が痛くなるのを待っていますからと言い残して帰っていった彩子のことを想い、1人、壁面に「さよなら」と指でなぞるのだった。

原口三郎というフルネームを確認したハマちゃんは、今後はサブちゃんと呼んで良いかな?と言い出し、あれこれ上から目線で原口部長のことを詮索し出す。

その時、佐々木課長にスーさんから電話が入り、原口部長を呼んでいるというので、原口人事部長が受け取ると、急に顔色が変わる。

心配してどうなさったんですか?と聞いた佐々木課長に、縁談がキャンセルだって…と原口部長は教える。

それを知った佐々木課長は青くなり、まだ調子に乗っていたハマちゃんに、ジェスチャーで止めろと伝える。

その意味をさとったハマちゃんは、さすがに怒られると気づいたのか、一目散に部屋を飛び出して行く。

残った原口部長は、佐々木課長にも、君も釣りをやるのかね?と聞く。

たまに釣り堀くらいは…と答えた佐々木課長に、苦虫をかみつぶしたような表情で原口部長は、止めた方が良いと思うよと言い残して帰って行く。

その後の土曜日、「みち子さん感謝デーなのでセルフサービス」と言う貼紙がある浜崎家では、「彩子さんの結婚を陰ながら祝う会」が仲間内で行われており、「アマダイ・ロッドリゲス」と言う怪しげな女性歌手に扮したハマちゃんが、仲間(松崎しげる)のギターに合わせ歌を披露していた。

一方、「ラフィーヌ豪徳寺」に帰宅して来た彩子は、夏江に宅配便が届いていると教えられ、開けてみると、中には大きな鯛と、「ハマちゃんとスーさんからのお祝い」が入っていた。

感激した彩子は、すぐに浜崎家に電話を入れるが、出てきたみち子の背後からにぎやかな歌声が聞こえて来る。

みち子が受話器を歌っている最中の彩子さんに持って行くと、ハマちゃんはそのまま受話器に向かって歌を続けるのだった。

一方、マイムマジックを出す予定で、目から涙が出ているピエロメイクをしていたスーさんの方は、もう疲れ切って寝入っていた。

目が覚めたスーさんは、いつの間にか船の上だった。

気がつくと、自分がセットしておいたはずの竿がなくなっていることに気づく。

一方、反対側に陣取っていたハマちゃんは当たりがあったので引いてみると、そこには何と、スーさんの竿が引っかかっていたので、がっかりして八郎に釣り糸を切らせてスーさんに返す。

すると、受け取ったスーさんは手応えがあるのでそのままリールを巻くと、何と、糸の先には獲物がかかっているではないか!

喜んだスーさんはそれを自慢げにハマちゃんに見せるのだった。


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