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バトルシップ

ゲームの映画化らしく、いわゆる良くある「宇宙戦争」ものだが、日米の海軍が協力して戦うという着眼点が面白い。

発想的には、「ウルトラセブン」の「ギエロン星獣」のエピソードと「宇宙戦艦ヤマト」がミックスしているような印象を受ける。

世界14カ国、総勢2万人が集まる環太平洋合同演習(RIMPAC)のど真ん中に、エイリアンの宇宙船が落ちて来るという設定を知ったときは、随分、スケールの大きな全面戦争になるのかな?と期待していたが、実はちゃんとひねりが用意されており、日米の3駆逐艦だけがエイリアンに立ち向かうという限定設定になっている。

しかも、立ち向かうどころか、敵兵器との実力差は明らかで、あっという間に3艦は撃沈させられてしまうと言う展開になっており、互角に戦う海戦イメージはほとんど出て来ない。

ではまともな戦いにはならないのかというと、その辺は、ちゃんと敵にも弱点を設けてあるし、あくまでも最初に到着したのは、後発部隊を呼び寄せる斥候のような通信部隊であり、その攻撃も限定的ということが分かる。

さらに、敵の武器も、ありふれた光線兵器ではなく、巨大な薬莢のような爆弾やヨーヨーから発想したような回転兵器など、なかなか工夫を感じさせ面白いものが多く、限定的な戦いながら迫力満点。

話の展開や映像の見せ方は、女にだけ熱心なダメ男としての主人公を紹介する冒頭部から、典型的な「あんちゃん向け」と言うか「男子向け」であり、笑ってしまうほど想像通りの見せ方の連続になっている。

ロックをバックに、戦艦やジェット機をアップでじっくり見せるCM風演出など、「アルマゲドン」辺りから主流になって来たような定番の見せ方である。

義足の元兵士が登場するので、てっきり「フォレスト・ガンプ」のダン中尉のようなCG処理なのだろうと思ってみていたが、後で調べてみると、本当に両足を失った俳優らしい。

シンプルな発想だけに、細部のアイデア勝負になる種類の作品だが、なかなか最後まで楽しませてくれる作品になっている。

何も考えず、ストレス解消用の痛快なスペクタクルを求めている人にはぴったりの映画だろう。

ただ、敵に魅力がないのはかなりマイナス要素だと思う。

ヘルメット越しにセンサーで相手の内部構造など調べているようだが、攻撃されない限り反撃はしないように見えるシーンと、ハイウェイなどへの無差別破壊の動機の違いが観ていて良く分からず、エイリアン側の目的も今ひとつ曖昧である。

敵の主力移動基地も、何だか玩具メーカーが考えたような凡庸なデザインで、やや興ざめ。

5機の編隊が地球に接近していることを覚えていれば、1機は香港に落下、3機が太平洋上に落下していると説明されているので、数が合わないことは明らかで、それが、別にさほどのインパクトもないのだが、一応ラストエピソードへの伏線となっている。

エンドロールの途中で帰らないように…

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2012年、アメリカ、ジョン・ホーバー+エリック・ホーバー +ブライアン・コペルマン+デイヴィッド・レヴィーン脚本、ピーター・バーグ監督作品

2005年 地球に似た惑星を発見

その後、今までの5倍の威力を持つ電波を発見した地球では「ビーコン・プロジェクト」と言う計画を始め、生命が存在しそうな惑星に向け、通信を送ることにする。

その送り先の惑星は「プラネットG」と名付けられた。

ハワイオアフ島に建設されたパラボラアンテナから、電波の送信がスタート下というニュースがテレビで流れているバーでは、海軍のストーン・ホッパー(アレキサンダー・スカルスガルド)が、能力はありながらまじめに職に就こうとしない弟のアレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)に、何とかまじめな就職をするように説得していた。

そんな店に入って来た一人の女サマンサ(ブルックリン・デッカー)は、ビールとチキンブリトーを注文するが、品切れだと店主に断られる。

それをしっかり観ていたアレックスは、二度と就職のことを言ったら殺すと兄に釘を刺し、サマンサの隣に座ると、5分くれたらチキンブリトーを用意してやると宣言する。

バーを飛び出したアレックスは、近くのコンビニに駆けつけるが、そこも店を閉めた所で、どう説得しても開けてくれようとはしなかった。

仕方がないので、コンビニに忍び込み、天上から店内に侵入したアレックスは、チキンブリトーを取って、レンジで温めた後、レジに金を置き、再び天上から逃げようとするが、何度も失敗、その間、パトカーが駆けつけて来て、そのサイレン音で気づいた兄とサマンサがバーの外に出ると、制止を呼びかける警官2人から逃れようと走って来たアレックスが、2発の電撃銃を撃ち込まれ、サマンサにブリトーを手渡した後、気絶する。

翌朝、氷の入った水風呂に身体を沈めていたアレックスに、夕べの女は、シェーン提督の娘だ、諦めろと忠告した兄ストーンは、26にもなる男の全所持金が650ドルか?俺の言うことを聞くんだ。お前は新しい生き方に変えろ。一切拒否することは出来ない。海軍に入れ!と命じられる。

タイトル

ハワイニュースでは、世界14カ国、総勢2万人の海軍精鋭が集まる環太平洋合同演習(RIMPAC)が行われると報じていた。

RIMPAC記念サッカーの試合。

USA対日本戦は0:2と日本が勝っていた。

ストーンも見学する中、敵のゴール間際で、アレックスは、日本のナガタ(浅野忠信)に顔面をキックされ、鼻血を出してしまう。

監督は、ブロンソンとの交代を申し出るが、頑としてそれを拒否したアレックスが、フリーキックをすることになる。

しかし、アレックスの蹴ったボールはゴールの上を大きく外れてしまい、結局その試合は日本の勝利で終わる。

アレックスとサマンサの恋愛関係は深まっていた。

浜辺でキスする2人。

その頃、シェーン提督(リーアム・ニーソン)は、ミズーリ号の甲板で、退役軍人などを招き挨拶をしていた。

そこに、アレックスとサマンサが遅刻してやって来る。

タラップを登る前、見学に来ていた少年に、アレックスは戦艦と駆逐艦の違いを教えてやったりする。

甲板上では、次々と参加各国の艦長たちが呼ばれていた。

すると、整列していたJPJ乗組員のオーディ(ジェシー・プレモンス)が、同じ乗組員コーラ・レイクス(リアーナ)に、小声で紹介される国の言葉を披露してみせる。

日本のナガタも呼ばれ、オーストラリアやマレーシアからの来賓も紹介される。

そうした最中、サングラス姿のアレックスも列に混じり、兄からサングラスを外せと叱られる。

そして、各国の艦長代表として挨拶をしたのは、兄のストーン・ホッパーだった。

式典の後、挨拶に来るゲストたちに、娘のサマンサを紹介するシェーン提督は、理学療法士をやっていると仕事を明かす。

狭い艦内の洗面所に来たアレックスは、鏡を前に、シェーン提督にサマンサと結婚の許しを得る挨拶の練習をしていた。

そこに入って来たのがナガタで、独り言か?とからかって来たので、君のことを話していたと答えたアレックスは洗面所内で喧嘩を始めてしまう。

その騒ぎを外で聞き詰めた隊員がシェーン提督に報告し、ナガタとアレックスは提督室に呼び出される。

2人は、顔面に痣をこしらえていたが、互いに濡れた床で滑ったのを助けてもらっただけだと抗弁する。

ナガタも、ジェリー・ルイスみたいだったと、映画好きな一面を見せ、居並んだ上官たちに驚かれる。

話を聞き終えたシェーン提督は、アレックスだけを部屋に残すと、君は能力もあるし頭も悪くないのに、生かし切れてないと苦言を呈する。

そう言う状況では、どう考えてもアレックスが結婚の話を切り出せるような雰囲気ではなかった。

ホノルル 各国合同演習一日目

アメリカからは、空母ロナルド・レーガンや駆逐艦サンプソン、ジョン・ポール・ジョーンズ(JPJ)などが参加する中、JPJに乗り込んでいたアレックスが戦術工部高官として乗組員に話をしていると、コーラ・レイクスが冷ややかに、彼はまるで、ドナルド・トランプとマイク・タイソンをあわせたようなタイプだと小声で冗談を言うが、それをしっかり聞いていたアレックスは、しっかり、俺のことか?とレイクスに聞き直す。

その後、サンプソンの艦長室に呼ばれたアレックスは、艦長で兄のストーンから、連絡が来た。お前は演習が終わり帰還後、解任されると伝える。

さすがに、それを聞いたアレックスは、迷惑をかけてすまない。兄貴の最後の期待を裏切って…と詫びる。

その頃、サマンサの方は、オアフ島のリハビリセンターで、ダンプに轢かれて両足を失って以来、生きることにもリハビリにもやる気を失った元陸軍兵士ミック·カナレス中佐(グレゴリー・D・ガッドソン)の新任担当者として挨拶をしていた。

ミックは、俺は今半人前だと自嘲するだけだった。

その時、アレックスからサマンサに電話が入り、結婚話はドジったと言い訳して来たので、帰って来たら父と話して…と、サマンサは頼む。

そんなミックにサマンサは、散歩に出かけると半ば強制的に命じる。

その頃、地球に近づく5つの物体があった。

それを衛星追跡基地のレーダーで捕らえた科学者は、5つの物体が明らかに編隊を組んで地球に向かっていることを確認、噓だろ?と思わず口走ってしまう。

サドルリッチ支局の外で、通信機の修理をしていたBIPエンジニアキャル(グリフ・ファスト)に、助手のデニィがノグレディ博士から電話が入っていると伝えに来る。

博士からの連絡は、今レーダーが宇宙から編隊を組んで地球に接近している謎の物体を捕捉中と言うものだった。

それは、NASAでも確認していた。

編隊は、軌道衛星を破壊し、大気圏に突入して来る。

その際、1機が編隊を外れ、大気圏を外れる。

中国やロシアは、自国は今回の件に関わっていないと否定。

監視を続けていた米軍は、編隊がハワイに向かっていることを確認、対戦防御態勢に入る。

オアフ島のパラボラ衛星追跡基地があるサドルリッジ山にサマンサと共に登っていたミックは、空から落下して来る謎の巨大物体を目撃する。

物体の1機は、香港のビルを破壊して海に落ちる。

アメリカ国防総省

国防長官(ピーター·マクニコル)は、集まったメンバーから、宇宙から飛来した物体のうち、3体は太平洋嬢に落下したとの報告を受けていた。

そんな中、メンバーの中にNASAの人間が混じっていることに怪訝な様子を見せた朝刊だったが、NASAの人間は、この物体が来た場所は、こちらから光通信を送った惑星グリース太陽系のグリーンG、つまりエイリアンが答えたと言う可能性が高いことを指摘する。

真珠湾からシェーン提督に物体飛来の入電があるが、レーダーでは確認が取れなかったため、以後、提督が演習の総指揮を取ると各艦に通達する。

日本の自衛艦「みょうこう」から了解との知らせが入る。

その後、中国が香港に落下した物体を分析、未知の物質ばかりで構成されており、ローレンシウムだけが検出されたことから、飛来したのは地球外からであることを確認する。

中国が発表した落下物の写真は、まるで交信用のパネルのように見えた。

一体、誰が誰と交信するというのか?

やがて、落下地点に到着したJPJは、海から突き出した等のような物体を目視するが、何故か艦内のレーダーには何も写っていなかった。

カメラの映像には写っているとレイクスが報告する。

これも演習か?まだみんな、目の前にあるものが現実の出来事とは思えなかった。

偵察ボートが出ることになり、ビースト(ジョン·トゥイ)が操縦、機銃担当のレイクスとアレックスが、謎の塔に接近する。

アレックスは、とりあえずハンドスピーカーで呼びかけてみるが応答はない。

塔の下部に乗り移ったアレックス大尉は、止めた方が良いと制するレイクスの心配を他所に、塔の一部に手を触れ、その瞬間、電撃を受けたように海面に弾き飛ばされる。

レイクがアレックスを救助している間、塔の天辺からソラに向かって光線が立ち上がり、ドーム状のバリアを塔の周辺に張り巡らす。

その内側に残ったのは、駆逐艦サンプソンと駆逐艦JPJ、そして自衛隊の「みょうこう」の3隻だけだった。

シェーン提督は、サンプソンとの通信が途絶え、飛行していた戦闘機404は、バリアの壁面に衝突、爆破したのを目撃する。

ただちに提督は、全艦戦闘準備、レベルレッドを発令する。

乗組員の1人は、相手は絶対北朝鮮だと口にする。

やがて、塔だと見えた物体が浮上し、アレックスたちのすぐ近くでその巨大な飛行物体のような姿を現す。

「みょうこう」艦上から観ていたナガタは、こんなものは観たことないと口走る。

オーディは、これは超兵器を使った演習?とまだ信じられない様子。

巨大な飛行メカは3機あり、そこから聞こえて来る特殊な音波は、船の窓ガラスを吹き飛ばし、乗組員たちに苦痛をもたらすものだった。

通常の通信システムが効力を失ったため、3隻はライトによる船舶信号で伝達をする。

JPJやサンプソンは砲撃を開始するが、敵も何やら巨大な薬莢か機雷のようなものを発射、それがJPJやサンプソンの戦隊に突き刺さると爆発する。

その間、アレックスが乗っていた偵察用ボムボートのエンジンがかかったので、レイクスが機関銃を撃ちながら後退を始める。

敵も反撃して来て、その時、兄が乗っていたサンプソンが大爆発を起こして沈没する。

それを目撃したアレックスは、ショックを受けながらもJPJに戻ることにする。

サンプソンの乗組員は兄も含め全滅だった。

JPJも被害は甚大で生き残っていた乗組員は少なかった。

残っている者の中で一番階級が上なのは誰だ?とアレックスは聞くが、それは自分だと知らされる。

今から、艦長(キャプテン)として指揮を執るのはアレックスなので、早速オーディはどうするんです?と聞いて来る。

攻撃を決意したアレックスは、「みょうこう」艦長ナガタにもそう連絡させる。

それを伝え聞いたナガタは、あいつアホだなとバカにする。

その直後、「みょうこう」も敵の空中機雷を被弾する。

一方、JPJのオーディは、攻撃する武器がないとアレックスに伝えていた。

「みょうこう」も沈没する。

アレックスは敵に向かって突き進んでいたが、「みょうこう」の乗組員が多数海面に浮かんでいると聞くと、艦を旋回させて、生存者の救出を優先させるしかなかった。

敵も一旦攻撃を止めたように見えたが、次の瞬間、機体の一部が開き、そこから、巨大な回転兵器のようなものが飛び出して来る。

オアフ島 カネオヘ湾海兵隊航空基地

ヘリコプターが並んでいた滑走路に飛来して来た敵の回転兵器は、地面を転がりながら、次々とヘリコプターを破壊して行く。

浮上しようとしていたヘリは、回転兵器の中心に巻かれていたチェーン状のものが飛び出して切断する。

少年野球が行われていた地元グラウンドにも回転兵器は飛来し、バッターの子供の前に立ちふさがるが、機械が少年のデータを分析して敵ではないと判断したのか、攻撃はして来なかった。

一方、高速道路も回転兵器に襲撃される。

その頃、シェーン提督は国防長官に、エイリアンが構築したバリアの大きさと、その中に駆逐艦が3隻閉じ込められていると言う報告を電話でしていた。

JPJに救助されたナガタは、お前がおかしいからこうなったんだ!とアレックスに詰め寄っていた。

サドルリッジ山を登っていたミックとサマンサは、謎の飛行物体がパラボラがある山頂付近に飛来するのを目撃する。

そこにパトロール隊の車が登って来て、こんな所で何をしている?海兵隊基地が攻撃された。今、海軍が応戦しているらしいので、早く山を降りろ。と警告して来たので、サマンサはアレックスの身を案じて立ち尽くす。

しかし、車が立ち去った後、ミックがさらにパラボラに向かって歩き始めたので、ミック、どこ行くの?とサマンサが呼びかけると、ミックは、エイリアンを観るのははじめてだと、好奇心の方が強いことを明かす。

その後、サドルリッジ山を登っていたパトロール隊の車は、エイリアンに襲撃される。

アレックスはトイレに閉じこもり、自分の無力さに悩んでいた。

しかし、部下が外に立ち、あんたが指揮を執って下さい、キャプテン!と呼びかけて来たので、腹をくくるしかなかった。

持ち場に戻ると、そこにはエイリアンの死体が床に置かれていた。

墜落して浮かんでいたのを回収したとオーディが言う。

エイリアンは、全身パワードスーツのようなものを装着しているようだったので、アレックスがマスクを取ろうとすると、側で観ていたナガタも協力する。

エイリアンは、比較的人間に近い顔だったが、その目に光を当ててみると、急に瞳孔が狭まり暴れ出す。

まだ生きていたのだった。

その直後、他のエイリアンが艦に入り込んできて、生き返った仲間を、小型飛行艇で連れ去って行く。

アレックスは、嫌な予感がする。彼らの目的は新しい惑星の確保ではないか?と呟と、艦内の監視を強めるよう指示を出す。

第4甲板で物音がしたので、レイクスが登ってみる。

乗組員が何者かに襲われていたが、敵の姿はなかった。

ビーストも艦内を捜査していたが、頑丈なドアが破壊され、エイリアンが降りて来るのを目撃したので、他の乗組員に逃げろと命じる。

ビーストと対峙したエイリアンは、艦内の武器をセンサーし始めたので、ビースとが飛びかかって止めようとする。

アレックスも合流するが、エイリアンに簡単に弾き飛ばされてしまう。

そこに、アレックスがやって来て、援護射撃をしながら、レイクスに司令室に向かわせる。

甲板までエイリアンをおびき出したアレックスは、レイクス、頼むぞ!と祈っていた。

司令室に到着したレイクスは、主砲をアレックスを追いつめたエイリアンの背中に向ける。

エイリアンが背後の主砲に気づいた瞬間、アレックスは甲板から飛び出し、同時にレイクスは主砲を撃つ。

エイリアンは一撃でしとめられ、アレックスは何とか甲板にしがみついていた。

オアフ島の山を登っていたミックとサマンサは、無惨にやられたパトロール隊の残骸に遭遇していた。

ミックは車の無線を使うので、鍵をパトロール隊員の死体から取るようにサマンサに頼む。

サマンサは、死体に近寄る恐怖と戦いながら、何とか、鍵を手に入れるが、その直後、森の中からエイリアンが出て来たので、壊れた車の陰に隠れて身を隠す。

エイリアンは、サマンサの側まで来て、何かの気配を感じたようだったが、反対側にいた馬に気を取られ、そのまま去って行く。

パトロール車のトランシーバーで連絡を取ろうとしていたサマンサとミックの前に、突然現れたキャルは、両足が義手のミックの姿を観て、サイボーグのエイリアンだ!と一旦は逃げかけるが、すぐに地球人だと気づき合流する。

キャルは常々、宇宙人は凶暴なものだと主張して来たのに、映画などでは友好的なものばかりと文句を言い出す。

キャルは、中国が落下物を分析した結果、今回落下して来たのは通信機ではないか?どうやらランドサットを経由して惑星と通信しているらしいと教えるが、それを聞いていたミックは、軍事で大切なのは通信だと呟く。

その頃、JPJの甲板上で、エイリアンのヘルメットをかぶってみていたオーディは、やって来たアレッックスに、これで見るとペットのトカゲ、ペネロペと同じに見えると妙なことを言い出す。

どうやら奴らは日光に弱いと言うことらしい。

ニュースでは、ハワイにUFOが着水し、今、3隻の海軍の駆逐艦が戦っていると報じていた。

キャルはミックに、ランドサットの目が開くのは1日に1回であり、次に目が開くのは夜明け頃だと教えていた。

一方、JPJの司令室では、ナガタが、レーダーに写らない敵と戦うには、奴らを観ないで観る、中国の兵法が必要だと説いていたが、それを聞いたアレックスは、何回読んでも理解できなかったと匙を投げる。

ナガタは、排水量ソナーを使った「津波ブイ」を使うんだと言い出す。

通信係に、N6AAデータの開示を求めるナガタ。

国際海洋気象庁のデータがモニターに映し出される。

そうした知識を目の当たりに観ていたアレックスは、経験から言っても、ナガタに官庁(キャプテン)の座を譲ると言い出す。

その時、戦術工部高官であるアレックスに無線連絡が入る。

それは、パトロール車の無線を使ったサマンサからのものだった。

サマンサは、明朝、エイリアンは、ランドサットの目が開くのに合わせ、オアフ島の通信基地からランドサットを経由して母星へ通信するようだと、キャルに教わったことをヒントに連絡する。

しかし、すぐに連絡が取れなくなる。

同じ電波バリアのせいだと言うキャルは、スペクトル分光器を基地に取りに帰れば解決できると言い出す。

JPJの司令室では、太平洋上に並んだ「津波ブイ」の1つが沈んだことを計器が伝えていた。

攻撃準備を命じたナガタは、発射すると、こちらの位置も敵に知られると警告し、ミサイルを発射する。

敵の飛行メカはジャンプし、ミサイルは外れる。

その直後、敵艦がJPJに接近して来る様子が「津波ブイ」を使って分かる。

その頃、オアフ島サドルリッジ山頂の通信基地に忍び込んでいたキャルは、たくさんのエイリアンたちが、パラボラアンテナを再構築し、自分たち用の通信施設に改良している様子を見る。

スペクトル分光器を見つけたミッチだったが、すぐ側にエイリアンがやって来て、彼の全身をサーチし始めたので、キャルは恐怖で震え出す。

すると、その震えによる分光器の振動音が気になったのか、エイリアンは装置に手を起き、音を止めて、そのまま去って行く。

気が遠くなりそうだったキャルだが、ピンチを脱したので何とかその場を逃げ出す。

JPJは、接近して来る敵艦に向け、再度ミサイルを発射するが、またもや外れ、その直後、別方向からもう一隻の敵飛行メカが接近して来たことを知る。

ナガタは、2隻の敵艦双方にミサイルを撃ち込む。

結果は大成功で、敵艦2隻を同時に撃破する。

その時、救助要請がJPJに入電する。

アレックスはサム?と直感する。

通信は、オアフ島のサドルリッジ衛星追跡基地を9時間以内に攻撃しろというものだった。

通信をしていたのはミックだった。

アレックスは、奴らをおびき寄せようと言い出し、JPJでダイヤモンドヘッドを回り込めるかと航海士に聞く。

何とかやってみようと言うことになり、船が方向を変えると、射撃は得意か?とナガタに確認すると、アレックスはナガタと共に銃を持って甲板に出る。

敵艦の艦橋に狙いを定めたアレックスは、いつ射撃は覚えたのか?と聞くと、ナガタは、夏キャンプ、つまりサマーキャンプだと答える。

12才の時チャンピオンだったというナガタの返事に呆れたアレックスだったが、2人はJPJがダイヤモンドヘッドを回り込んで、敵艦が目視できた所で、敵の艦橋らしき部分を撃ち抜く。

それと同時に、JPJは総攻撃を始める。

サドルリッジまで5kmの地点までJPJは到達する。

その時、敵の回転兵器2機が飛来し、JPJを切断し出す。

倒れたオーディを叱咤激励するレイクス。

アレックスも負傷したナガタに肩を貸し、沈没し始めたJPJから脱出を計る。

海に飛び込んだ2人は、レイクスが乗っていた救命用ゴムボートに救い出される。

JPJは完全に沈没してしまう。

その頃、ミックとサマンサは、パトロール車でパラボラ基地を目指そうとしていた。

しかし、その無謀な作戦に怖じ気を抱いたキャルは降りると言い出し、車を見送りその場に残ることにする。

アレックスらは、救命ボートで真珠湾に帰還していたが、攻撃したくてももう船がないとナガタは悔しがる。

しかしアレックスは、まだある!あそこにあると指を指す。

ナガタは呆れて、あれは記念艦だぞと呆れる。

それはミズーリ号のことだった。

甲板に上がったアレックスたちだったが、旧式の戦艦は全部アナログ方式で動くもので、マニュアルを読むだけで6週間はかかり、とても今から彼らだけで動かすのは無理だった。

そこにやって来たのは、退役軍人たちだった。

アレックスは彼らと握手を交わすと、お願いしたいことがあります。この艦が必要ですと頼む。

退役軍人たちは承知し、直ちに持ち場に付くと、JPJの乗組員と協力して、ミズーリを出航させる。

その知らせを受けた国防長官は、オアフ島を攻撃だって?と驚愕する。

すでに、エイリアンの最後の巨大飛行メカから、光が2本、宇宙に向けて走っていた。

それをミズーリ上から発見したナガタは、移動も出来たんだと驚く。

その敵艦目指して進んでいたミズーリの司令塔で、アレックスは、孫氏の兵法だと言い出し、主砲を2-1-0の方向へ向けさせる。

進行方向に対し右方向へ向いたミズーリの主砲の様子を、エイリアンも敵艦の中から監視して迎撃の用意を始めていた。

アレックスは、左舷投錨!と命じる。

ミズーリの錨が海中に投じられる。

それを知ったナガタは、皆死ぬと叫ぶ。

アレックスもみんな死ぬ。俺もお前も…、だが、それは今日じゃない!とと答えると、ミズーリは海底の降ろした錨を支点に、半時計回りに急旋回を始める。

その様子を監視するエイリアン。

敵艦に対し右側面を見せたミズーリの主砲は、正に敵艦方向を狙っていた。

錨を切断し、撃ちまくれ!と命じるアレックス。

全主砲を始め、ミズーリに搭載されていたあらゆる火器で一斉攻撃を始める。

敵艦は被弾し爆発すると、次の瞬間、エイリアンが張っていたバリアが消滅する。

それに気づいた空母は、全搭載機を発進させる。

ナガタは、やったな!とアレックスを褒めるが、見えない敵を倒す方法がやっと分かったと自慢するアレックスに対しては、全然分かってないとバカにする。

サドルリッジ山の衛星基地から、宇宙に向けて光の筋が発射しはじめる。

山頂まで車で来たサマンサは基地に突っ込んで電波を止めようとするが、その際、潰れた車体でサマンサは足を挟まれ、動けなくなってしまう。

そこにエイリアンが迫って来たので、意を決したミックが義足の足で車を降りるとエイリアンに立ち向かう。

ミズーリには、サドルリッジを攻撃する砲弾は最後の1発しか残っていなかった。

そのものすごい重量がある砲弾を2号砲塔に運ぶことになり、乗組員総出で必死に通路を運ぶ。

その間、ミックはエイリアンに組み付き、ヘルメットを外す。

素顔を出したエイリアンは、日光で視界を奪われたようだった。

その顔にミックのパンチが炸裂する。

しかし、義足のミックに勝ち目は内容だった。

その時、残ったはずのキャルが、突然、スペクトル分光器の装置でエイリアンを殴りつけて来る。

逃げろミック!叫ぶキャル。

やがて、エイリアンの発進基地から再び光の筋が宇宙に向かって伸びる。

その頃、砲弾を詰め終わったミズーリだったが、敵艦からは新たな回転兵器が発射しかけていた。

アレックスはナガタに、君と戦えて光栄だったと言い、ナガタも同じだと答える。

サイドの砲弾が、サドルリッジ衛星基地に向かって発射され、衛星基地は破壊される。

その時、ミズーリに3機の回転兵器が接近して来る。

次の瞬間、2機の回転兵器が爆発し、真ん中の1機も爆発し、その背後を空軍のジェット機が飛び過ぎて行く。

地球側の総攻撃でエイリアンは全滅させられる。

後日の戦勝セレモニー会場。

シェーン提督は、今回の戦いでは数多くの勇敢な兵士が活躍したが、中でも活躍が目覚ましかったと、ミック·カナレス中佐が表彰される。

続いて、海軍十字勲章が、亡くなったストーン・ホッパーに与えられ、代わって、アレックスが壇上に上がり、提督から勲章を受け取る。

引き下がろうとしたアレックスを呼び止めたシェーン提督は、アレックスにも銀星勲章を渡し、近いうち君の載る艦で会うことになるだろうと言葉をかける。

その後、ナガタらと記念写真を撮ったアレックスはサマンサと抱き合うが、サマンサは、父に話すには機嫌が良い今よと耳打ちする。

そのシェーン提督が側にいることに気づいたアレックスは、勇気を奮い起こして近づくと、娘さんと結婚させて下さいと申し込むが、提督は即座に「ノー」と答える。

一瞬、「イエス」と思い込み礼を言い返したアレックスは、え?と聞き直し、自分は世界を救ったんですよとアピールするが、提督は、それと結婚の許可は別だと言い、これから昼食に行くのでと残し立ち去ろうとする。

がっかりして立ち尽くすアレックスだったが、シェーン提督が振り返り、チキン・ブリトーを食べるんだと言うと、アレックスを手招き、君の降伏条件を聞こうと告げる。

その言葉を聞いたアレックスは結婚を許されたと気づくと、喜んで提督に付いて行くのだった。

エンドロール

スコットランド北部

3人の少年が、何やら地面に突き刺さっている謎の物体を発見していた。

連絡を受け、やって来た消防士のジミーが、興味深そうに見物している子供たちに良い所を見せたいのか、懸命に物体を壊そうとする。

ようやく物体の一部が開いたので、安堵したジミーが中を覗き込んでみると、中からエイリアンらしき手が伸びて来たので、腰を抜かすのだった。